459 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2024/01/16(火) 22:06:33 ID:p517174-ipngn701akita.akita.ocn.ne.jp [37/62]
憂鬱スパロボ 融合惑星ネタ 

戦後サブイベント HuntingNighutmare その2

 厄介な事になったと、霜月監視官は目前の光景を呆然と眺めながら考えていた。
 彼女の目の前では巨大な人型と別の部署の監視官が言い争っており、周りも如何すれば良いのか困惑或いは我関せずと自分に割り振られた仕事を熟している。
 事の始まりは遡る事数時間前、とあるメンタルケア施設でエリアストレス警報が発せられたことに端を発し、担当の一係が対応することになったのであるが、直後に別の地域でもエリアストレス上昇が検知され、一係は人員を分散して対応に当たっていた。
 当初は施設のシャッターの誤作動による事故で、エリアストレスが上昇したと思われていたこの事件であったが、急速に上昇し続けるストレス値の状況から、通常では考えられない事態が発生ていると判断が為され、事態を重く見た公安局は人員の増援の派遣を決定した。
 しかし、問題はその後だった、応援で訪れた3係が強襲型ドミネーターで確認した施設内には既にエリミネーターで対応するべき潜在犯のみとなっている事から外からの処理を行う事を主張したが、応援に来ている特車二課からは内部状況が不明であり待ったが掛けられていた。
主張の異なる二つの増援は現場を前にして対立する形となり、現場の空気は完全に停滞する形となっていた。


「発生から既に数時間状況に変化はない、強硬するべきだ!」

『中の状況も分からんのだぞ!しかも、中の人間の配置が明らかに不自然だ。事件が起きているとしか・・・』

「全て執行してしまえば済むだろう、コレだから古い遺物は・・・」

『なんだとぅ!』

 3係の監視官の発言に対して反発する太田の発言を聞き流しながら、後藤は無線を取り2課を含めた周辺の各隊へと通信を開始する。

「確かに、このままじゃ埒が開かない。各車はシャッターをこじ開ける様に…」

「ちょっと!勝手に・・・」

「少し、良いですか?」

「えっと?須郷・・・執行官だっけ?」

「はい。」

 後藤の通信に割り込んできたのは、強襲型ドミネーターを構えて指示を待っていた須郷執行官だった。彼は困惑した様子を見せており、何度もスキャンを繰り返している。

「先ほどから何度もスキャンしなおしているんですが、次々執行対象者の反応が消えて居るんです。」

「それは・・・機器の故障ではなく?」

「はい。」

「緊急用に此方の機体との連携用のライン構築がされてるんで、こっちに情報回してもらって良いですかね?」

「構いませんが・・・」

「いい加減にして!監視官を通さず執行官に勝手に指示するなんて」

淡々と事を進める後藤に対して、現場指揮官となっている霜月が後藤に対して怒鳴るが、その事を知ってか知らずか次々に周辺の人員に対して指示を下していく。

460 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2024/01/16(火) 22:09:04 ID:p517174-ipngn701akita.akita.ocn.ne.jp [38/62]

「特車二課各車は武装の安全装置を解除、最悪は抉じ開けて内部を確認する。」

「篠原、BSAAに連絡。明らかに内部状況が可笑しい。値が消えてるのに動くってのはこれまでの状況じゃ一寸
考えられない。」

『シャッターが開き始めます。』

「よし、各車注意して輪を詰め・・・」

「おい!何やってる!」

太田の叫びに対して、通信や画面の確認を行っていた後藤が状況を確認すると、3係の執行官達が特車二課の前に出てドミネーターを構えてた。
泉機や太田機が声を掛けるも動く様子は無く、どうすれば良いか困惑している様子だ。
その状況を図った様に3係の監視官が指揮車両に近づいて来る。

「そろそろ、勝手な行動は控えて頂きたい。此処は我々の国で試験の優先度は我々にある。」

「…つまり、責任はそちらが取ると?」

「一体何を…」

 得意げに話していた3係の監視官の言葉を遮るように、施設側から人とは思えない様な叫びが聞こえてくる。
 見れば身体の彼方此方から血を流した人間が続々と執行官達に向けて走ってくるが、執行官達は焦った様に何度もドミネーターを確認して相手に向けているが一向に執行は始まらずどんどん距離が詰められていく。

「何をしている。」

「それが、ドミネーターが反応しないんです!」

「何を馬鹿な…」

そう言いながら向かって来る集団に、ドミネーターを向けた監視官であったが、向けたドミネーターは何時までもその機能を発揮せず動かせない状態となっていた。
そうこうしている内に、執行官達の元にたどり着いた集団は次々執行に襲い掛かったと思うと、そのまま殴り掛かる、或いはドミネーターを奪い取って鈍器として執行官を殴り付ける等暴れ始めていた。

「後藤さんどうします?」

「警戒しながら交代してくれ、この乱戦じゃ機体を動かせない、応援を待って対処しよう。
 俺達は封鎖の外にこいつ等を出さない様に動こうか」

『『了解』』

 後藤の指示に従って特車二課の各車は、事件現場を囲むように展開して、事件現場から出現した存在が突破する事を抑える役割を持つ形となる。
 その後、到着したBSAAに寄って何らかの変異を果たしたと思われる被害者と掃討。
 調査においては、被害者の体内からTフォボスが検出されており施設内部ではアフリクテッドは発生していた事が
発覚する。
その為、公安局及び他組織による合同捜査本部が設置され、調査が行われる形となっている。
 また、この事件の主犯として、推定カムイと呼ばれる存在が関わっていると判断されて、本格的に存在も不確かな透明人間の捜査が開始されている。

461 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2024/01/16(火) 22:09:34 ID:p517174-ipngn701akita.akita.ocn.ne.jp [39/62]
 各地の組織が協力を開始しているのと同時に、裏で動く存在も徐々に繋がりを見せていく動きがあった旧港の倉庫地帯のカムイの拠点には、一機のドローンが訪れていた。
 本来は軍事ドローンであり、厳重な警備下にあるそれが持ち場を抜け出してホロを掻い潜り、本来この世界では透明人間で有るはずの存在の物の前にたっている。そんな異常事態に対してはカムイキリトは動揺することなく、その存在と対峙していた。

「それで?カナンを騒がせる有名人、笑い男が僕に何の用だい?」

『お互い、覚えのない罪を着せられて大変だろうカムイ?少し手を貸して欲しい。』

「此方のメリットは?」

『君の計画を台無しにした組織に心当たりがある。』

「!…詳しく聞こう」

「大丈夫なの?カムイ?」

「少なくともこの軍事ドローンで僕を補足できる相手だ。下手な事は出来ない。」

『心は決まったようだね、此方からデータを送る。そちらの知り合いにも話を通してくれ、こっちも外部で協力
してくれそうな人物に当たってみる。』

 その言葉を最後に、港湾施設に安置されて居る筈の軍事用ドローンは、元の持ち場に下がって行った。
 この日以降、周辺のドローンで、不自然な動きが目立つようになったがそれは誤差の範囲や不具合として認知されており、多くの人間には気にされていないままにウラに潜む者たちも独自に動き出している。

462 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2024/01/16(火) 22:10:28 ID:p517174-ipngn701akita.akita.ocn.ne.jp [40/62]
以上です。WIKIへの転載は自由です。取り敢えず続きを書こう書こうと思って居たネタの方をば・・・
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最終更新:2024年03月05日 20:52