820 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/01/31(水) 19:06:12 ID:FL1-60-237-167-215.kng.mesh.ad.jp [252/298]
Gジェネ戦記 二年戦争について 前編
二年戦争について大雑把に語ろう。
まずコロニー枢軸。ジオン、プラント、宇宙革命軍が軍事侵攻を開始した頃の話。
L2宙域のサイド3ことジオン。L4宙域のサイド2こと宇宙革命政府。L5宙域のサイド4ことプラント。
彼らは奇襲効果を生かして迅速に周辺コロニーを制圧した。
説明するとこの世界のコロニーは宇宙進出の最中で国際協調が進み、それぞれがサイド1~6の名前を付けて共同建造された歴史を持つ。
日本から提供された旧名タカマガハラこと世界樹を中心に開発が進んだ。
L5のサイド1とサイド4。L4のサイド2とサイド6。L2のサイド3。
この中で最も資本を多く入れた国がそのサイドにおける最大利益者となった。
サイド3は月に大きな利権を持つユニオンの影響下。
サイド1と4は人革連。サイド2と6はAEU。
L1宙域には元々世界樹が存在しており、その近隣に建てられた各国のコロニーが雑居状態であったが、サイド4建設後に改めて行政が整理されサイド5と命名された。
ここは地球情勢的にも中立地帯であり、月との中継地として多大に栄えていた。
因みにサイド7は存在していない。L3宙域には世界で最も早くに建造されたコロニー群こと邪馬サイドコロニー群が存在していたからだ。
世界樹こと旧名タカマガハラを譲る際にL3宙域の日本独占権が認められたためである。
話を戻してコロニー枢軸の奇襲攻撃であったが近隣のサイド1、サイド6は瞬く間に制圧された。
少々メタい話だが原作と違う点は制圧されたサイド1とサイド6は比較的被害なく占領されたという点だ。
原作と違ってコロニー側は三カ国による同盟により戦力に余裕があることと、原作以上に地球側の戦力差がない点。
そして生々しい話だが戦後の枢軸側のパワーバランスも見込んで出来る限り人口や工業を確保しておきたいという面が存在した。
戦争始めたばかりなのに戦後のことを考えるなんて!と思うかもしれないが、宇宙に出ようとも人類の内面は早々変わらないという現れなのである。
そういうことで最も巨大な人口と工業をしていたジオンに対抗する意味でもプラントと宇宙革命政府は近隣サイドを出来る限り被害なく手に入れたかったのである。
対してジオンは近隣サイドがいないため代わりに月に攻め込んだ。月面に最も近いサイド故の動きであろう。
結果だけ言えば月の裏側。ジオンから見てすぐ近所の制圧には成功したが地球から見て月の表側の制圧には失敗した。
ここにはアルザッヘル、ダイダロス、プトレマイオス、エンデュミオンと言った地球軍基地が多数存在していたことから早期の反撃に合い、ジオンは単独での早期月面攻略を諦めることとなった。
これまたメタい話だが本来月の裏側にあった基地も表側や赤道帯に移動している。
この世界では基地名の元となったクレーターの位置が違うのだ。
またコペルニクスやフォンブラウンも中立都市として月の表側に存在している。
日本の月面都市因幡もこの一つである。
そういうわけでジオンの攻勢は月の半分を手に入れるに終わった。
しかしグラナダという一大工業都市はそれだけでも御釣りが来るほどの成果であり、サイド1、サイド6を制圧したプラントや革命政府を依然として突き放すだけの国力となった。
こうして初期目標の制圧を終えたコロニー枢軸三カ国は次なる目標であるL1宙域の世界樹及びサイド5へ向かうこととなった。
これに対して地球連合側も残存宇宙戦力を終結。ルウムの戦いと呼ばれる一大決戦が巻き起こることなった。
最もこの戦いで詳しく語ることは余りない。
大規模なミノフスキー粒子とMSを用いたレーダーと無線、誘導兵器を封じた新しい戦場は地球連合の主力部隊を徹底的に叩き潰す結果に終わったからである。
しかし一般的な枢軸側は無傷または少数の犠牲で大勝したというイメージに反して連合側は粘り強く、何なら執拗なまでに徹底抗戦を行った。
このため枢軸側もそれに付き合う羽目となり相応の戦力を消耗することとなる。
その結果がサイド5の壊滅、世界樹の崩壊である。
コロニーの住人を根こそぎ徴兵して、世界樹含めたコロニー一つ一つに立てこもらせてまで抵抗した連合側が悪いのか、はたまた付き合いきれぬと大半のコロニーを世界樹ごと外から攻撃して崩壊させた枢軸側が悪いのか。
これは戦後になっても決着のつかない話題である。
821 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/01/31(水) 19:07:03 ID:FL1-60-237-167-215.kng.mesh.ad.jp [253/298]
こうしてL1宙域の制圧と地球連合主力艦隊の撃滅に成功した枢軸軍は地球上の衛星軌道にも進出。
戦力不足で抵抗の薄かった三大国の軌道エレベーター。その上層部分の占領にも成功する。
以降度々軌道エレベーター内部で連合と枢軸の衝突は発生していたが、どれも歩兵や小型兵器を用いた小規模なものに終始していた。
地球側もコロニー側も軌道エレベーターというものが人類文明における重要な資産ということを認識していたためである。
または世界樹コロニーを始めとするサイド5壊滅の結果が両軍を意外にも冷静にさせたかであろう。
これに対して連合側は終始大きな行動を移さなかった。
残存戦力はルナツーやアルテミス、バルジと言った宇宙要塞に籠り、戦力維持を続けた。
衛星軌道を制圧した枢軸軍は一旦連合側と交渉を持った。南極会議である。
この会議では終始枢軸側が優勢であったが、会談中に捕虜の身から脱走したレビル将軍が「枢軸に兵なし!」と有名なテレビ演説を掲げ、連合側がやる気を取り戻したことによりご破算。
両者の戦争ルールを定めた南極条約を締結するのみに終わる。
こうして二年戦争はその名の通り二年続く戦争となり、戦局も地上へと移っていくこととなる。
南極条約締結後の枢軸側は第二プランを開始。
MPS(ミノフスキー粒子散布器)を三大国の国土に向けて無差別散布。
三大国もこれを迎撃したが数に押され広範囲に展開を許す羽目となる。
その結果が三大国の国土中にミノ粉がばら撒けれ、通信網、レーダー網。そして昨今主流であった無線送電網が麻痺。
まともに指揮どころかインフラ維持すら覚束ない情勢へと突入した。
MPSの成果を確認した枢軸側はすぐさま行動を開始。
第一次地球降下作戦を銘打った部隊が白ロシアを中心に降下。
ウクライナ、ルーマニアなどの地中海沿岸を制圧。
同地域の豊富な資源の制圧とAEU及び人革連の地上連結を防ぐ目的の作戦であった。
降下後体制を整えた枢軸軍は欧州方面、ロシア方面の二手に分かれ侵攻を開始。
欧州方面はMPS被害の混乱もあり瞬く間に切り取られ、第一次降下作戦から一月経つ頃には東欧、南欧が陥落。
ロシア方面ではベラルーシ、バルト地域が陥落。またジョージアやアゼルバイジャンといったコーカサス地域も陥落。
トルコを落とす最中で欧州方面軍とロシア方面軍が握手する写真で有名となる。
そして必然地中海は枢軸軍の海と化した。
対してモスクワやサンクトペテルブルグは長らく激戦が続くこととなる。
モスクワは戦争開始から一年後に陥落したが、サンクトペテルブルグはその姿を瓦礫の山に変えながらも終戦まで制圧され英雄都市復活とAEUの指揮を上げることとなった。
因みにこの時代のAEUロシア州の首都はサンクトペテルブルグ。枢軸地上軍の侵攻によりエカテリンブルグへと遷都している。
実際のところ領土が大西洋上の島々や西欧にまで押され、地中海やバルト海にも枢軸軍が進出し始めた段階でAEUは半ば役に立たなくなっていた。
この時期こそ未だスペイン-モロッコ間を通したアフリカとの連結は維持されていたが、後に枢軸軍の攻勢でスペインがあるイベリア半島が陥落し、アフリカとの連結は途絶することとなる。
この戦果に枢軸上層部は気を良くし、そして地球連合側は欧州の被害すらまともに把握できていなかった。
これもミノ粉を吐き出し続けるMSPの影響である。
822 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/01/31(水) 19:07:44 ID:FL1-60-237-167-215.kng.mesh.ad.jp [254/298]
そしてコロニー枢軸側はMSPの魔力が切れないうちにと第二次降下作戦を展開。
今度の目標は北米。ここで一気にユニオンの息の根も止めようというのである。
こうして展開された第二次降下作戦は今回も見事に嵌った。
MSPの効果が未だ残っていたこともあり、混乱の続くユニオン軍相手に枢軸の侵攻部隊が見事に大戦果を収めた。
ユニオン首都であるワシントンDCを落とし、東海岸から西海岸までを満遍なく占領。影響下に置いた。
欧州方面ではAEUの防衛戦を突破し、戦場は西欧に突入。遠からずイベリア半島も落とし、アフリカとの連結を切れるだろうという状況。
戦争開始から半年。枢軸側はこの時点で戦争の勝利を確信した。
AEUもユニオンも実質脱落したとなれば、人革連も再び交渉の場に出るだろうと。
だがしかし彼らは連合側のしぶとさを甘く見ていた。
北米陥落後に難を得たユニオン大統領が南米にて演説。
首都を南米方面に移しながらも徹底抗戦を宣言したのだ。
これに乗っかりAEU側も首都機能をアイスランドへと移転。こちらも徹底抗戦を宣言した。
こうなると人革連も遅れるわけにはいかないと同様に徹底抗戦を宣言し、枢軸に対して「かかってこい!相手になってやる!」と堂々と発言。
本土決戦ばっち来いな姿勢で応じた。
実際この時期になると人革連では落着したMSPの位置割り出しや掘り出しが進みだしており、レーダー網や無線網の復興が進みだしていた。
ユニオンやAEUよりも全体主義、独裁体制じみた故の統制の強さが幸いしたとでもいうべきか。
これに対して枢軸軍は予想だにしない状況に面を食らい、改めて地上侵攻計画を練り直す羽目となった。
顕著であった対人革連への攻撃計画で、本来はAEUやユニオン同様に直接人革連領土へ降下部隊を落として首都を制圧する予定であったが、人革連の発言による指揮の高さとMSPの魔力が切れ始めていることを把握した上層部は作戦を大幅に変更した。
まず事前交渉で親枢軸姿勢であったオセアニアの大洋州連合と秘密裏に手を組み、降下地点を東南アジア及びオーストラリア大陸に変更。
同時に中東、中東
アジア、アフリカと言った各地の反大国的な国家や組織、民族と諜報員を使い接触。
彼らに支援を行いながら義勇兵の募兵と同地域に進む際の案内人や現地支援を約束した。
そうした秘密交渉を進める中で第三次地球降下作戦が開始。
予定通りインドネシアの各地に降下しながらも部隊主力はオーストラリア本土へ到着。
大洋州政府はこれに対して枢軸軍への降伏を宣言。
事前の手はず通り政権を交代させ、同軍の全面支援を開始した。
またこの第三次地球降下作戦では水辺が戦場になると予想し、この戦争で初となる水陸両用MSが多数投入された。
ザクマリンタイプやジンワスプなどがそれにあたる。
またドダイYSやグゥルといった後にサブフライトシステムと呼ばれるMSの空中運搬航空機も投入され、陸海空立体作戦を展開した。
初の水中船や空中戦のため度々不具合や慣れない戦いによる事故、撃墜などもあれど地上戦に慣れている大洋州連合の支援もあり、インドネシア、マレー半島を制圧。
勢いそのままにインドシナ半島へと戦線を拡大。
得意の陸戦へと持ち込んだ…しかし枢軸軍の進撃はそこで停滞した。
「かかってこい!相手になってやる!」 人革連のその言葉に偽りなし。人革連100万の兵士も偽りなし。
文字通り万単位の車両、歩兵、航空機を携え、事前に用意していた大規模陣地にて枢軸軍を歓迎。
インドシナ半島北部から中国南部にかけてが巨大な戦場陣地として機能していたのである。
流石の枢軸地上軍もこれには忽ち追い返され、この戦争初の敗北を期すこととなる。
以降枢軸側は空海戦力を拡充するまではインドシナ半島を南北に割った睨み合いが続くこととなる。
823 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/01/31(水) 19:08:17 ID:FL1-60-237-167-215.kng.mesh.ad.jp [255/298]
ここまでが二年戦争のうちの一年目。
そしてここからが二年目となっていく。
二年目早々に先に動いたのは枢軸軍。CE72年一月頃。
アフリカ、アラビア半島における反大国ネットワークの大まかな構築が完了した。
現地案内人に沿ってアナトリア方面軍改めアラビア方面軍がアラビア半島を通過する形で進軍。
この際に現地では多くの部族や中には国を挙げてこれを支援するところもあった。
その中にはクルジスタン共和国と呼ばれる国も存在していた。
アラビア半島をほぼ無傷で通過した枢軸軍はそのままAEU領エジプトを強襲。
スエズ基地を陥落させ、スエズ運河及び同地域の制圧に成功する。
同基地は地中海方面へのにらみばかりを利かせていたためにアラビア半島側からやってくる枢軸軍の行動に対応が遅れてしまったのだ。
こうしてアラビア方面軍が活躍する最中で欧州戦線でも枢軸地上軍が行動開始。
グーン、ディン、ゴッグと言った新型兵器を多数投入。
イタリアから出撃した枢軸空海軍はドイツ方面に目が向くAEUの裏を突く形で地中海側からスペインへと強襲。
これを瞬く間に制圧し、欧州とアフリカの連結を寸断させることに成功。
後にアフリカ侵攻と地中海掌握も兼ねたジブラルタル基地が建設される。
スペイン方面が陥落したことにより生じたAEUの混乱を見逃さず西欧方面軍主力も攻撃を開始。
瞬く間にドイツ防衛戦を蹂躙し、デンマークやベネルスク地方までも制する形となった。
その後は枢軸軍優位に戦況は推移していき、フランス方面は一か月は耐えたが陥落。
この際残存したAEU軍は重装備を捨てブルターニュ半島からアイルランドへと撤退。
一部スイス地域などでは地形を活かし強固な抵抗を続けたが3か月ほど粘った後に現地軍と現地政府が降伏した。
こうしてAEUはアフリカと寸断され、欧州方面ではイギリス本土、アイルランド、アイスランド、グリーンランドを残すのみとなり戦争からは実質脱落状態となる。
欧州陥落後の枢軸地上軍は部隊を割き、アフリカ支隊を編成。
ジブラルタル海峡からアフリカ方面へと駒を進め始める。
その後リビアにてアラビア方面軍と再会。
北アフリカを制した両方面軍は本国から送られた援軍と合わせてアフリカ方面軍へと再編されることとなる。
北米方面でも動きがあった。
枢軸軍が欧州やアフリカで動いているのと同時期の頃。CE72年の1月頃であった。
カナダ、
アメリカ地域を制していたコロニー枢軸地上軍北米方面軍はメキシコ方面及びカリブ海へと本格的な侵攻を開始。
ジオンの新型機グフや革命軍の新型ジュラッグが活躍。核融合炉を搭載した同格相手の対MS戦を前提に設計された両機は今までの枢軸軍MS以上に地球連合のバッテリー式MS相手に猛威を振るった。
最もこの戦い。後にメキシコの戦いというそのまんまな名前が付けられるこの戦闘は現地ユニオン軍による激しい抵抗にあい、数か月間も激戦が続くこととなる。
そしてこの戦いで両軍とも数多くのエースパイロットが生まれており、特にユニオン軍ではトップガンことグラハム・エーカー中尉が目覚ましい活躍を見せる。
未だ核融合炉搭載MSが実用化されていなかったユニオンにおいて専用に改造されたフラッグを愛用していたグラハム中尉はその凄まじい腕で機体性能を物ともせずに枢軸軍のMSを多数撃破。
枢軸側からは現代のMSキラー。連合側からは現代のトップガンと呼ばれるようになる。
この他にも切り裂き魔エドワード・ハレルソン、乱れ桜レナ・イメリアなど多数のエースが誕生している。
他にもジンやザクと言った枢軸軍から鹵獲した、この時期の連合では貴重な虎の子部隊まで出して抵抗。
しかし核融合炉式MSの開発に遅れている連合側はマシンパワーとMSパイロットの平均練度の差により徐々に押され、最終的にはメキシコから撤退。
数か月間長らく続いた争いは枢軸地上軍側の勝利に終わった。
しかしこの戦いでの枢軸北米方面軍の消耗は激しく、またキューバ島攻略にも失敗したことから戦線は停滞。
中米地域やカリブ海で足踏みする羽目となる。
824 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/01/31(水) 19:08:54 ID:FL1-60-237-167-215.kng.mesh.ad.jp [256/298]
そして進撃の欧州、停滞の新大陸、睨み合いの東南アジアと情勢が固定化させてきた中で連合側も反撃に移り始めた。
連合側で初めに大規模な反撃を行ったのはAEUと人革連の連合部隊であった。
春が来る前にと中央ロシア・シベリア方面に戦力を集めた両軍はAEUカザフスタン領からコロニー枢軸地上軍に制圧されたコーカサス地域へと進撃を開始。
戦線が押されるAEUロシア戦線との連結・救援を目的とした反抗作戦である。
これに対して枢軸軍もすぐさま反撃を開始。
ヴォルガ川、カスピ海を境に両軍が激突した。
戦況は重砲火力を全面に押し出した地球連合側が優位に運んだ。
枢軸側もジュラッグの寒冷地仕様であるポーラベアーやジンやザクの陸戦仕様を多数展開。しかし勢いに乗る連合軍は各地で枢軸前線を突破。ヴォルガ川も乗り越え、ついにはロシアに進もう!という時にそれは起こった。
予想以上に前線突破に苦戦し時間がかかったせいか、それともいつもよりも早くに春が来たのか…ロシアお得意の泥濘化が起きることとなる。
まさかの地球連合側が地元の環境に足を引っ張られることとなり進撃が停止したのだ。
対して枢軸側はこれを切っ掛けに反撃を開始…なんてことは慣れない環境下で出来るはずもなく。
これ以降両者ともに泥プロレスと言わんばかりの消耗戦を展開。
三月中の間は泥の上に屍と兵器の残骸を重ねに重ねて戦線は停滞。
結局四月になる前に連合側は攻勢を停止した。
最終的に連合側はいわゆる旧ロシア南部連邦管区。ロストフ、ヴォルゴグラード、カルムイク、クラノスダールの地域まで進んだがここで停止。
一応はロシア方面とコーカサス地域の陸路を分断することに成功。
これにて勝ち鬨を挙げた。目的の戦線突破はなったのだと。
対して枢軸側も上記の地域や近隣のヴォルガ川防衛戦こそ突破されたがカスピ海の制海権は維持。
またモスクワからはまだまだ戦線が遠い位置で固定化したため、防衛戦に勝利したと宣言。
モスクワ救援という連合の目的はくじいたのだと。
後に2月の大攻勢と呼ばれる戦いは両者ともに勝利宣言をするという奇妙な結果に終わった。
後の世でもこの戦いはどちらの勝利だったのかでは議論が続いており、状況だけ見れば取っ掛かりを作れた連合側の方が勝利の割合が多いという声が多いが、総じてそれには後々の戦況も見れば連合側も割合は低いと言い返された。
何せこれから一月後には肝心のモスクワが陥落してしまったのだから。
この作戦の同時期にアフリカでも行動が起こされていた。
欧州本土がピンチもピンチということで士気を挙げるためにも攻勢に出たかったAEUは未だ繋がる南大西洋航路を通じて南米のユニオン軍へ援軍を要求。
メキシコ戦でドンパチした後だがユニオン軍総司令部兼南米大要塞兼巨大発射場兼ユニオン1の大工場でもあるジャブロー要塞があったため戦力補充に困っていなかったユニオンは未だAEUの支配が続く南アフリカへと多数の援軍を送り出した。
こうして戦力を増員したAEU主導でのアフリカ反抗作戦が開始された。
時期は2月の大攻勢が終わったばかりの頃。4月である。モスクワが落ちたから代わりに国民の指揮を高めなければという非常に政治臭い作戦であった。
事の発端こそ政治に端を発するものであったが、元々地上は彼らの庭。
MSPの魔力も切れ、ミノ粉影響下の戦闘にもいい加減慣れた連合軍は自慢の火力や機動力、空軍力を活かし、北アフリカに展開する枢軸地上軍を押し出していった。
このまま枢軸軍を地中海に叩き落せ!と意気揚々に進撃を続けていたところに悲劇は起こる。
枢軸地上軍アフリカ方面軍の反撃である。
825 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/01/31(水) 19:09:56 ID:FL1-60-237-167-215.kng.mesh.ad.jp [257/298]
この時集められた枢軸軍はスエズ攻防戦で名を挙げた砂漠の虎ことアンドリュー・バルトフェルドを大将に副将には堅実な戦いで知られるノイエン・ビッター大佐を迎え、前線には攻勢の達人ことデザート・ロンメル中佐を始め、ランバ・ラル少佐、ノリス・パッカード少佐、ゲラート・シュマイザー少佐、復帰したランス・ガーフィールド少佐など早々たる前線指揮官が並んだ。
そしてこの戦いでお目見えされた新型機がバクゥとドムとセプテムである。以降の枢軸地上軍の主力となる新型機たちであった。
バクゥに関しては元々新年頃よりアフリカ戦線を中心に配備が進んでおり、ドムとセプテムはここ最近になりジオン本国から送られた機体である。
これらの機体を中心に添えたMS機動戦。別名戦車ひき殺し競争の幕が開けた。
バクゥ、ドム、セプテム。見たことのない、そして従来のMSとは比べものにならない機動性を誇るこれらを中心とした枢軸側の地上機動部隊は瞬く間に連合側の主力部隊を蹂躙した。
特に陸戦MSと共に主力を担っていたAEU戦車部隊の損耗は激しく、この作戦に参加した戦車部隊の約8割が未帰還となった。
連合側は虎の子とAEUの大型MAアグリッサの部隊を展開。枢軸側の機動軍を止めようとしたが、これに対して枢軸お得意のエースを集めたグフ部隊が襲い掛かりこれを殲滅してしまった。
遮る物がなくなった枢軸地上軍は連合部隊を蹂躙。
なんと勢いそのままにビクトリア軌道エレベーターにまで攻め込み、これを制圧してしまうという大戦果を挙げた。
連合側はこの大敗を受けて北アフリカどころか中央アフリカ、西アフリカ、東アフリカ。
そしてビクトリア軌道エレベーターを奪われることとなり、図らずともアフリカ戦線が実質決着することとなる。
以降の連合軍のアフリカ方面部隊は南部アフリカ地域に閉塞することとなり、後のオペレーションスピットブレイクで枢軸地上軍の7割が消滅するまで行動を起こせずに過ごすこととなる。
アフリカの決戦と呼ばれる今回の敗北をもってAEUでは激論が巻き起こり、なんと戦時中ながら政権が代わる羽目となる。
幸い変わった先の政権もこのままでは交渉も難しいと戦争は継続する構えであったが、AEU全体としては積極的な反撃に出る空気ではなくなり、部隊保全、防衛第一の雰囲気が国を支配していくこととなる。
そして連合にとっての悲劇は続く。
5月。東南アジア戦線で枢軸側に動きが出る。
去年から拡充した海空の戦力をもって攻勢開始。狙いは人革連の海南島軌道エレベーターであった。
インドシナ半島一帯に大陣地を構え防衛に終始していた人革連軍はこの攻勢において同じく防衛に徹していたが、自慢の航空戦力と海上戦力がジオン、ザフトの投入してきたゾノ、ズゴックと言った新型水陸両用MSやグフフライトタイプと言った新型空戦機の登場により壊滅。
海南島地域が孤立することとなり、同時に同島の軌道エレベーターが敵に奪われる惨事となった。
この事態に混乱する人革連軍はインドシナ方面の部隊を引き抜き、海南島方面へ振り分ける愚を犯してしまう。
それを見逃す枢軸地上軍東南アジア方面軍でもなく、彼らは戦力の圧が減ったことを見て、インドシナ半島南部及び南シナ海、アンダマン海方面から攻撃を開始。
ベトナム北部から雲南地域まで突き抜け、ミャンマーを打通し、そのままインドシナ半島北部の人革連を包囲。
その大多数を殲滅するか降伏に追い込んだ。
インドシナ大陣地の消滅と海南島軌道エレベーターの制圧はどこか余裕を持っていた人革連側を大いに動揺させることとなる。
前線司令官を極刑に処す強権国家特有の人事異動を行いながらも戦力を再編に万進。
徴兵年齢の幅を広げて子供や老人まで動員して防衛戦を展開。
しかし戦場は既に中国南部を突き抜け戦線は四川や重慶に及び首都西安の目の前にまで迫っていた。
これに対しては地の利と人民の波と鉄の壁でどうにか抑え込んだが人革連は首都を西安から遼寧地区の瀋陽市に遷都するという屈辱を味合わされることとなる。
因みにこの時代の北京はWW3の時に日本の核に吹っ飛ばされて今は北京湖となっている。
同じく核により掘削されたことで原型が出来上がり、その後の工事で今の姿となった天津運河を通して黄海へと繋がっている。
826 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/01/31(水) 19:10:48 ID:FL1-60-237-167-215.kng.mesh.ad.jp [258/298]
話を戻して東南アジア戦線改めアジア戦線となった。
重要目標である海南島軌道エレベーターを奪い、戦線を一気に押し上げた枢軸の東南アジア方面軍は喝采、乾杯の雨あられであった。
何せ枢軸地上軍の中ではこれといった戦果に恵まれていなかった中での、この大戦果である。
しかも歴史的な包囲殲滅を決めての勝利のため酒が上手かった。
またこの勝利を見た大洋州連合もフィーバーしており、益々コロニー枢軸側へ入れ込むこととなる。
この一連の戦いはインドシナ失陥戦と名付けられた。ことが終わったときには7月であった。
その後の戦いはどこも戦況は左程動かなかった。
連合が開発していたG兵器なるものを奪取したり、月でV作戦なる連合のMS開発計画を察知したり、各地で連合製の核融合炉搭載MSが出没し始めたりしたが戦局はどう見てもコロニー枢軸側が優位。
AEUは虫の息。人革連も大いに追い詰められ、ユニオンこそ余裕そうに見えているが主要な経済産出地である北米を失っているため持久戦はむしろ彼らにとって毒である。
時間は枢軸側の味方。戦前とは立ち位置が変わったのだ。
こうして何事もなければ順当に枢軸側が勝利し、当初の目標の独立どころか以後の地球圏権力者の座を入れ替えていたであろう。
しかしそうはならなかった…ならなかったのである。
運命の9月。コロニー枢軸はオペレーションスピットブレイクを発動。
動員した戦力の過半がわけもわからないまま消滅。
地上戦力の7割、宇宙戦力の半数(5割)が消えてなくなった。
枢軸三カ国消滅まであと三か月。
まさしく以前とは立ち位置が変わったのである。
827 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/01/31(水) 19:11:43 ID:FL1-60-237-167-215.kng.mesh.ad.jp [259/298]
〇設定とか
地球連合の中では一番の大物。最大経済力を持つ。
しかし戦争が始まって速攻で主要地域である北米が陥落。
大統領こそギリギリ南米へ逃れたが当時北米にいた主要な閣僚や議員が軒並み捕まるか死ぬかしているため現在の政権は大統領以外は軒並み新しい顔ぶれになっている。
軍の一大用再建工場であったジャブロー要塞やアラスカ要塞が現役のため生産力と軍事力こそ健在であるが、経済はかなりお寒いことになってきており、政府や軍よりも先に民衆が根を挙げそうな勢いである。
月こそ健在だがまともな宇宙領土が残っていないため月でV作戦とG開発計画の両方を行っていた。
ヘリオポリス?オーブとの共同開発?あいつらこの世界じゃ鎖国国家やぞ。
しかしながらテム博士もオーブの協力もなしにGもガンダムも作ったという原作種や宇宙世紀より凄いことしている。
なおG計画の方はAEUとの協同開発となっている。原作オーブの代わりね。
なお結果はG計画の方はストライク以外奪取され、V作戦はガンダム一号機以外全て破壊されるオチに終わる。
キラもアムロもいないねん。二人ともこの世界では火星人なのである。
因みにストライクを動かして難を逃したのはムウさんで、ガンダム一号機こと白い奴動かして難を逃れたのはジョブ・ジョンである。
幸い両計画の母艦は残ったがそれだけであり、どうにかこうにかデータを地球に届けられないかと月方面司令部と日夜頭を悩めている。
護衛は原作種や宇宙世紀よりもきっちり付きそうだが、道なりは原作より厳しそうであった。
北欧除いて欧州ロシアまでの欧州全土とアフリカ全土が領土という原作AEUより凄いやつ。
因みに欧州ロシア方面でもウラル山脈越えてオビ川あたりで人革連と領土を分け合い、カザフスタンはAEU加盟国とこちらでも領土が原作より広い。
これでも経済的にはユニオンに次いでの二番手であったが三大国の中では一番先に軌道エレベーター実用化するなど将来的にはユニオンを抜く可能性も十分存在していた。
なお世界で最も早くに軌道エレベータをおっ建てたのは日本である。
あいつがやることはノーカンだから(震え声) とは三大国共通の言葉である。
二年戦争では真っ先に枢軸軍が下りてきて、真っ先に欧州本土とアフリカの過半という領土の大半を失った哀れなやつ。
残っているのはブリテン島を始めとした北大西洋の島々とモスクワより東側のウラル山脈前後の領土+カザフくらいである。
こんな情勢でも政権交代しただけで国民も政府も軍も抵抗を諦めていないのだから大したガッツである。
目下の問題は経済不調、戦力不足、資源不足…以上に食料不足である。
エネルギーは幸い足りている。原作CEと違って核融合炉発電があってよかったね。なお主なヘリウム3供給先は月と日本帝国からの輸入である。
あと何年持つかな?
多分枢軸軍のオペレーションスピットブレイクの失敗と日本の参戦に一番喜んでいたのはこの国である。
他二つと違って日本の地球領土とは距離も離れているし。
略して人革連。
三大国の中で一番遅れている国。しかし人口は一番多い。20億くらい。
これでも原作00と違ってインドが入っていないのでまだ少ないくらい。
人が多すぎるので宇宙移民に一番積極的で尚且つ宇宙世紀の扱いに近かった。
多分プラントの扱いは原作より悪い。
二年戦争では枢軸軍が直接降下してこなかったため初期の被害は少ないが、戦争二年目において大ポカをやらかして一気に中国本土が戦場と化した。
首都も西安から東北地方の瀋陽に移動する羽目となり当時の上層部はかなり屈辱に感じたとか。
戦力的にはまだまだ余裕で経済、工業も同様なのだが三大国の中で一番技術力が低いため核融合炉搭載MSの開発に難儀している。
なのでAEUやユニオンに資源や物資を分けながら彼らからV作戦やG計画の技術を少しずつ分けてもらっている。
多分そのうち中華製のガンダムとかガンタンクとかガンキャノンが出てくる。
なお宇宙拠点が全て失陥しており、残存人革連宇宙艦隊はルナツーやアルテミス、月基地などに居候している。
このためルナチタニウムやフェイズシフト装甲の素材がまともに手に入ってない。
ということなので多分出てくる中華製ガンダムの装甲はチタン合金セラミック複合材か最悪は超硬スチール製とかになりかねなかったりする。
地味に戦況が圧迫していたので日本の参戦に喜んだ国その二。
だって領土が凄く近いから。
828 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/01/31(水) 19:12:45 ID:FL1-60-237-167-215.kng.mesh.ad.jp [260/298]
皆ご存じジオン公国。コロニー落ししていないので原作より幾分マシ。
コロニー枢軸三カ国の中では最大の国力を誇り、戦力的にも影響的にもブイブイ言わせている。
翌々考えると地球連邦の1/30って相当だネ。この世界では流石にそこまであるかは怪しいが重工業国家なのは確か。
枢軸三カ国どころか地球圏で最も早くにミノフスキー式核融合炉搭載型MSを仕上げ、量産した国。
なお火星まで幅を広げると日本が最も早くにミノ粉式核融合炉搭載型MSを配備(今から20年ほど前。今ではエイハブリアクター型に取って代わられている)しているが、そのことは知らない。
最も高い国力に物を言わせて三カ国の中でも最大戦力を保有している。
またそのためMS以外の補助戦力の開発、配備も進んでおり、枢軸三カ国の中では最もバランスの良い兵科配備をしている。
武装組織ザフトの親玉国家。
コロニー枢軸三カ国の中では最も少ない人口だが、最も高い技術力を誇る。
このためMSの性能でも頭一つ抜き出ている。
反面生産力はそこまで高いわけではなく兵器の配備数などはジオンに劣っている。
原作と違いザフトをきちんとした軍事組織に仕立てており、階級制も導入している。
これはジオンや宇宙革命軍との協同を前提としているため。
他に仲間がいるからか比較的コーディネイター至上主義は鳴りを潜めており、代わりにスペースノイド主義が盛り上がっている。
オペレーションスピットブレイクの時に一番多くの戦力を喪失したのは実はここ。
宇宙革命軍を保有する国家であるが、実際には宇宙革命軍が国を作る際に政府を設立したので順序が逆。
このため軍の方が権力が強いあべこべ体制になっている。
元々はAEU資本のサイド2であったが革命を起こし、現在の革命政権へ移行した。
このため宗主国との仲の悪いさは随一である。
人口はあるのだが三カ国の中で最も国力が低い。
この艦隊もMSも配備数が枢軸三カ国の中でも最も少ない。
しかし国力の低さを補うために堅実にまとまった設計と開発体制を敷いており、軍艦もMSも良くできた代物が多い。
このため艦種もMS種も多くはないが、逆に生産ラインの集中が出来ており、国力や技術力のために生産ラインが乱立気味なジオンやプラントと比べると兵器の製造速度や安定性が抜群に高い。
頼んだものを頼んだ時期通りに頼んだ数だけきっちり前線に届けてくれるため、現場の将兵たちはジオンやプラントよりも革命軍の補給を当てにしている者も少なくない。
ここら辺は軍が持ちたる国故の強みというべきだろうか。
829 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/01/31(水) 19:13:27 ID:FL1-60-237-167-215.kng.mesh.ad.jp [261/298]
投下終了
昨日投下したやつの続きみたいな感じです。
最終更新:2024年03月06日 22:28