762 名前:635[sage] 投稿日:2024/03/06(水) 06:52:34 ID:119-171-250-95.rev.home.ne.jp [1/6]

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその一〇七



「たく…酷いもんだ。」


ゲート日本のとある地方都市。
警察車両を降り歩みを進めるゲート日本の公安の山本はこれまたゲートイゼイラのセマルや部下、
山本の乗る車に着いてきた警察のワンボックスから降りたティ連人らを伴い進む。
そして硝煙と肉が焦げた様な嫌な臭いの漂う現場に顔を顰める。
周辺には誰とも分からない焦げた肉や建築物や車両の残骸が散乱しまるで戦場の様な様相を呈している。
知る者が居れば渋谷暴動を思い出すやもしれない。

それら焦げた肉の大半は投入された警察官のものだ。
銃撃でもげた負傷者の手足やはみ出したモツ、対戦車擲弾の爆発で飛んできた瓦礫に持ってかれた下肢。
そして大口径機関銃で吹き飛ばされた脳の一部とかだ。
急遽、ヤルバーンや南溟、軌道上の亜惑星要塞から医療チーム派遣して貰って全員生存している。
最後の人物は知り合いのイゼイラ人の勧めで数日前に脳ニューロンデータ取っていた為に脳を再生できたためにここ数日の記憶と引き換えに何とか生きている。

警察上層部にとって想定外だったのは警察の一般警官や機動隊を用いて制圧する必要すら無いだろうと行った家宅捜索において相手が軍用火器で武装、警察に負傷者が出たことだろう。
曰く軍用火器を保持していてもそれで武装しているとは思わなかった…とか。
慌てて予備戦力として控えていたSATを逐次投入という愚を犯し突入させるも相手は軍用品を装備。
結果短機関銃程度で勝てるはずもなくSATにも大きな被害を出した。


「上も早くこいつら投入してくれてれば…無用な怪我人も出なかったんだが。」


山本はぼやきながらフリッツヘルメットを被りそのヘルメットの下から赤いガラスの瞳を光らせた集団を見る。
スタン弾のみ装填可能な威圧感を重視した機関銃型スタン兵器を構え規制線を超える存在への警戒に当たる黒尽くめの集団…、
柏木家襲撃事件などを経験した非主流派の肝入りでヤルバーンの協力の下で設立された神崎島の特機隊をモデルにしたロボットスーツ部隊。


『人力で運ぶしかねえな…。』『誰か担架持って来い!』『それよかトラクタビームで浮かせて運べば良くね?』

『狙撃したやつは?』『β(ブラボー)チームがHEATハンマーで壁ごとぶち抜いて突入、拘束しました。』

「たく規制線の内は危険だって分からんのかねマスコミ様は…。」

「分かっているのナらばアレら営利情報取り扱う組織がネットやティエルクマスカでマスゴミとは呼ばれることはないデショウ。」

「マスゴミって言葉ティ連でも広がってるのか…。」


山本の部下の一人の呟きにセマルは答える。
最終的に業を煮やした非主流派が首が回らなくなった主流派より主導権奪い取り投入したロボットスーツ部隊、
誰ともなくその姿から地獄の番犬と呼び出したその傍らには生身の人間が倒れ付近にはカメラやマイクが散乱している。
警察の指示を無視し規制線の内に入り狙撃しているテロリストらを大通りで撮影していたマスコミの取材班だ。
ティ連の医療班寄越して貰っているのだ、死ぬことはあるまい。
これで更にマスコミが騒ぎ立て一体何人の首の飛ぶことやら…主流派だけでなく非主流派にも影響が出るの避けられまい。

部隊が投入され死なないスタン兵器を容赦なく猛威を振るった結果、ものの一時間と経たずに鎮圧されたのでその思いは尚更に強い。
しかも最初から投入されなかった原因が主流派による非主流派への妨害工作とかいう。
まあそれは公安含め政府関係省庁内部ではティ連政策含め現在の官邸主導な状況により縄張りを荒らされ歯噛みする派閥とこれで仕事がまともになるや自分らの業務遂行が楽になるからヨシ!的な派閥で対立しているので皆同じ穴の狢であるのだが。
そんなことをつらつらと考えながらアジトとなっていた建物の中に入っていく。


「外と比べて中の被害はそれ程でもありませんね。」

763 名前:635[sage] 投稿日:2024/03/06(水) 06:53:12 ID:119-171-250-95.rev.home.ne.jp [2/6]


中の様子を見ながら山本の部下が呟く。
アジトには警戒に当たるロボットスーツ部隊以外に人間は存在しない。
未だ安全が確認されていないことを根拠に所轄の鑑識などは入れられていないからだ。
それに明らかに国外勢力から援助を受けている様なテロリストの装備である。
所轄にも影響力のある主流派により情報が握り潰されたりマスコミに流されるなどして政権がダメージ受けたり、ティ連や銀河連合日本との関係が悪化するのは非主流派の本意ではない。
また、非主流派は駐日銀河連合日本大使へのテロも主流派が狙って行ったのではないかと疑いの目を向けている。
山本は部下のイゼイラ人らにPVMCGでアジト内部を精査するように指示を出す。
これらなば現場荒らすことなく日本の鑑識以上の情報が得られる。


「何か隠された空間がアリますネ。」

「何?」


部下のイゼイラ人が建物の内部ホログラフィを作りその一点を指差す。
内部には生体反応に加え他の反応もあるという。

その言葉に慌てて山本はロボットスーツ部隊や部下に確保するように指示を出し自身もその隠し部屋に向かう。
その隠し部屋は頑丈に閉じられた鉄の扉で塞がれ電子物理含め幾つもの鍵か掛けられている。
扉を叩き開くように怒鳴り促すが中からは扉を引っ掻き呻く様な声しか反応がない。
ロボットスーツ部隊は開くのを諦め溶断用に粒子トーチを持ち出し鉄の扉を焼き切ると扉に蹴りを入れ道を開く。


「警さ「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア」何だこ、ヒィッ!?バケモノ!?」


突入した警官に何かが覆い被さり押し倒す。
人間に爛れた肌と溶け落ちた様な顔をさせた様な異形の姿に日本人の警官達はたじろぐ。


「BETAかネクロモーフかヨ!こいつ退ケ!!」


だがイゼイラ人が咄嗟に反応し手に造成した粒子ブラスターで下半身を撃ち抜き警官から引き剥がすがそれでもその異形は生きており腕力のみで山本達に近寄ろうとする。
最終的には少し錯乱した山本達が持っていた拳銃の弾倉すっからかんになるまで銃撃を加え上半身の形がなくなり漸く動かなくなった。


「な、何だコイツは…。」


荒く息を吐く山本ら日本人達、セマルがスキャンを行うとその結果が即座に出る。
生きた人間、それも日本人だと。


「日本人…これが!?」

「ハイ、遺伝子は日本人のもの、細胞も全てチキュウ人のモノデス…生体構造そのものは違いマスガ…しかも驚いたことにまだ生きてマス。」


生きているという言葉にぎょっとしその異形を暫し見つめる山本ら。
その間にもイゼイラ人らは隠し部屋の調査を進めていると。


「アイツラ、オレ達の同胞に対シ何という事をしやがル!!」


イゼイラ人の怒声に山本達が顔を合わせ頷きその声の下へ向かう。
そこに存在したのはイゼイラ人が拘束を解こうとしている何処かで見たことのある機械を背負い猿轡をされた日本人の少女と思しき人物と周囲に存在する厳重に梱包された何か。
異形と見覚え機械の少女…何かが山本の中で引っ掛かる。
周囲の状況や少女を解析するセマルが目を顰める。

764 名前:635[sage] 投稿日:2024/03/06(水) 06:53:46 ID:119-171-250-95.rev.home.ne.jp [3/6]


「先程からこの部屋内でヂレール核烈線量が異常な数値を示してイマス…発生源はこの周辺の梱包物…内部にヂレール核烈線放射物質と火薬を確認、
そしてその少女の背負う機械…主素材は鋼鉄、製造場所年代は不明ながら精錬時に含有される筈のヂレール核烈線放射物質存在せず…精錬年代は…大凡80周期前。」

「80周期…80年前?戦前じゃないか。」


山本の部下が呟く。
放射性物質、異形、機械の少女、戦前の鉄…。


「山本さん?」

「っ!!お前達、何処も通さず副総理に連絡しこの少女と周辺の放射性物質を確保ヤルバーン…いや在日銀連大使館に移送し大使の指示を仰げ!!絶対に誰かに渡すんじゃないぞ!」

「いやでも「デモもクソもない!!もう俺達日本人にどうにか出来る範囲をとっくに越えてやがる…日銀連日本安全保障条約レベルの話だ…!」」


山本は吐き捨てる様に言う。


「俺達は呪いだのなんだのどうにか出来る様に出来ちゃいないんだよ…。」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2024年03月06日 23:05