399 名前:ホワイトベアー[sage] 投稿日:2023/12/28(木) 21:38:46 ID:om126254139200.33.openmobile.ne.jp [4/9]
日米枢軸ルート小ネタ 『初雪型駆逐艦』
初雪型駆逐艦
基準排水量:2,750トン(初期建造時)
満水排水量:4,024トン(初期建造時)
全長:130メートル
全幅:12メートル
機関:水管缶×4基
主機:3胴型蒸気タービン×2基
推進器:スクリュープロペラ×2基
速力:34ノット(最大)
乗員:292名
兵装
新造時
:54口径127mm単装速射砲 ×3基
:50口径76mm連装速射砲 ×2基
:375mm対潜ロケット発射機×1基
:24連装対潜迫撃砲×2基
:Y型爆雷投射機×2基
:爆雷投下軌条×2条
:3連装短魚雷発射管×2基
:61cm4連装魚雷発射管×1基
FRAM改修後
:54口径127mm単装速射砲 ×2基
:50口径76mm連装速射砲 ×2基
:375mm対潜ロケット発射機×1基
:24連装対潜迫撃砲×2基
:8連装艦対空ミサイル発射機×1基
:8連装対潜ミサイル発射機×1基
:3連装短魚雷発射管×2基
レーダー
:AS/FBR-98(対空捜索用)
(後にFRAMにてAS/FBR-11に置換え)
:TA/FBR-3(水上捜索用)
ソナー
:OQQ-4(探索用)
FRAM改修後
:OQQ-8(探索用兵)
:OQQ-10(可変深度ソナー:後日装備)
電子戦兵装(FRAM改装後)
:NOLR-13(電波探知装置)
:NOLR-10( レーダー警報受信機)
:NOLQ-9 (電波探知妨害装置)
同型艦:198隻
400 名前:ホワイトベアー[sage] 投稿日:2023/12/28(木) 21:39:30 ID:om126254139200.33.openmobile.ne.jp [5/9]
概要
初雪型駆逐艦は大日本帝国海軍が運用していた駆逐艦の艦級。
両用艦隊計画初期に建造された『峯風型駆逐艦』の後継艦として計画された艦隊型駆逐艦で、良好な航海性能と居住性の改善、重武装化をなした駆逐艦として設計され、大日本帝国海軍の主力艦隊型駆逐艦として1894年から1905年にかけて198隻が建造された。
19世紀末に建造された艦艇であったが仮想敵国の戦力レベルと余裕をもたせた基礎設計もあって、改修や艦種変更を受けながら日本海軍でも1920年代まで運用が続けられた。
また、世界大戦後の海軍休日では多数の本型が日本海軍より退役し、それらの艦艇は『春風型駆逐艦』とともに近代化改修後に日本の友好国や同盟国諸国に広く供与された。
来歴
19世紀、日本海軍の活動範囲は太平洋はもちろん大西洋や地中海、インド洋にまで拡大していたが、急速に拡大を続ける活動範囲に対して日本海軍の艦艇は数・性能ともに満足できるものではなかった。
外に目を向けると、扶桑ショックを受けた欧州列強諸国では目まぐるしい勢いで海軍力の拡大が行われ、すでに日本海軍では陳腐化しつつあったとはいえ扶桑型戦艦に匹敵する艦艇の整備が急速に行われていた。
こうした事態に対応するため、日本では1875年より一大建艦計画である両洋艦隊計画が開始される。
まず、1875年度計画で排水量2,200トン級の『峯風型駆逐艦』の建造が開始された。
本型は航洋性・武装を強化するべく従来の日本海軍駆逐艦から設計を大きく刷新し、日本海軍駆逐艦の新たな基礎を築いた。
1885年度計画では、峯風型の拡大発展型として設計された2,450トン級の大型駆逐艦である『春風型駆逐艦』の建造も行われる。
『峯風型駆逐艦』や『春風型駆逐艦』は現場から高く評価されたが、その一方、重武装化による弊害として計画段階よりも凌波性と航続性能が大幅に低下していた。
太平洋と大西洋、2つの大洋で活動しなければならない日本海軍にとってワークホース足る駆逐艦の航続性能低下は無視できない問題である。
用兵側の要請を受け、1890年代に入ると春風型と同レベルの兵装を維持しつつ航続性能と凌波性を改善した大型駆逐艦が海軍内で構想され、それにより設計・建造されたのが本級である。
船体
両洋艦隊計画以前の日本海軍の駆逐艦は伝統的に平甲板型を採用していた。
しかし、居住性の向上や電子兵装の拡充によって求められるスペースが拡大したため、『峯風型駆逐艦』では船体強度を維持しつつスペースの拡大を行うべく、平甲板船型のうえに1層の全通甲板を重ねた遮浪甲板型が採用された。
同型の発展型である本型でも同様に遮浪甲板型を採用している。
同時にさらなる居住性の向上や航続距離の拡大のために船体の大型化が図られ、『峯風型駆逐艦』や『春風型駆逐艦』と比べると約5メートルほど大型化を遂げている。
主船体は艦船用圧延鋼材を使用し、艦橋や弾薬庫、戦闘指揮所などの主要部分には高張力鋼が使用され、防御力にも注意が図られた。
主機関には蒸気圧力1,200 lbf/in2 (84 kgf/cm2)、温度510℃の高圧ボイラーを4基備え、主機には高・中圧タービンと低圧・後進タービンの2車室を備えた2胴式・2段減速のギヤード・タービンを搭載した。
機関配置としてはボイラーを2基ずつ収容したボイラー室と蒸気タービンや減速機、復水器等を収容した機械室をセットとして、前部缶室・前部機械室・後部缶室・後部機械室の順に直列のシフト配置を採用した。
401 名前:ホワイトベアー[sage] 投稿日:2023/12/28(木) 21:40:35 ID:om126254139200.33.openmobile.ne.jp [6/9]
兵装
本型は諸外国の巡洋艦に匹敵する対艦戦闘能力を有しつつ、日本海軍が次世代の主戦力と見なしていた航空戦力や潜水艦戦力にも対応出来るよう有力な広域防空能力と対潜戦能力を備えていた。
その一方、防空兵装や対潜兵装にスペースを取られてしまい対艦戦闘の主兵装であった魚雷発射管は『春風型駆逐艦』から削減されわずか1基しか存在せず、航空機主兵論への転換の象徴として捉えることもできる。
センサー
新造時の『初雪型駆逐艦』は対空捜索用レーダーとして三菱電機製のAS/FBR-98を搭載した。
これは『春風型駆逐艦』に搭載されていたAS/FBR-94の後継として開発されたLバンドを採用した二次元レーダーで、150kmの距離で戦闘機を探知することができた。
水上捜索用としては東京芝浦電気株式会社が開発したCバンドレーダーであるTA/FBR-3を搭載している。
ソナーとしてはスキャニング・ソナーであるOQQ-4が搭載された。
OQQ-4は日本海軍初のスキャニング・ソナーであるOQQ-96を基に動作周波数の低周波化やRDT能力の付与などが行われたもので、平均的な探知距離は6.9 km、水温躍層下の目標に対してでも1.9kmを誇っていた。
兵装
『初雪型駆逐艦』は従来の艦隊型駆逐艦と比べても防空艦としての特性が強い艦艇で、そうであるがゆえに設計段階から雷撃能力よりも対空砲火力が重視された。
主砲には従来海軍が採用していた38口径84年式127mm高角砲に代わり、新たに開発された54口径3年式127mm単装速射砲を前部甲板に1基、後部甲板に背負式に2基本砲を搭載していた。
この砲は砲身長を増したことで初速の増大と射程の延伸を果たし、また、揚弾薬作業を機械化することで、駆逐艦や巡洋艦の主砲の発射速度が最大でも毎分7発がやっとの時代に毎分40発という他の追求を許さない圧倒的な発射速度を発揮できた。
最大で毎分120発の主砲弾を敵艦に叩き込むこめ、駆逐艦でありながら諸外国の巡洋艦に匹敵する砲火力を有していた。
54口径3年式127mm単装速射砲とは別に、近接防空火器として50口径98年式76mm連装速射砲を前部甲板と後部甲板に前後に1基ずつ搭載している。
これらの砲熕を統制する砲射撃指揮装置(GFCS)には127mm砲用の主方位盤としてコンピュータを使用し、レーダー照準・自動追尾が可能なFCS-3Aが、127mm砲用の副方位盤兼76mm砲用の主方位盤としても同様のFCS-5Aが搭載されている。
対潜能力に関しては対潜駆逐艦や巡防艦と比べると若干ながら劣っていた。
しかし、それはあくまでも対潜任務艦艇と比べたらの話で、4連装375mm対潜ロケット発射機を1基、旋回式の24連装対潜迫撃砲を2基搭載するほか、Y型爆雷投射機や爆雷投下軌条、3連装短魚雷発射管など艦隊型駆逐艦としては充実した対潜兵装を有していた。
優れた砲火力と対潜能力を有していた一方、『初雪型駆逐艦』はあくまでも艦隊護衛艦として構想された駆逐艦で、従来の艦隊型駆逐艦とは違い艦隊決戦における敵主力艦隊への水雷任務への参加は想定されていなかった。
そのため水雷兵装は前級である『春風型駆逐艦』と比べても削減されている。
それでも水雷屋の強固な抵抗によってレシプロエンジンを動力とする3式長距地魚雷を搭載し、発射管として艦中央に61cm4連装魚雷発射管を1基装備するなど最低限ながら水雷兵装も備え、日本海軍では最後の対艦戦闘用の水雷兵装を有する駆逐艦となった。
402 名前:ホワイトベアー[sage] 投稿日:2023/12/28(木) 21:41:35 ID:om126254139200.33.openmobile.ne.jp [7/9]
艦隊再建近代化改修
長きに渡り帝国海軍のワークホースとして活躍した本型であったが、世界大戦終結後になると急速に進む技術革新によって海戦の様相が大きく変わり、砲熕兵装を主体とした従来の日本海軍艦艇は装備の陳腐化が目立ち始めた。
これに伴い日本海軍は新たに『秋月型駆逐艦』と『島風型駆逐艦』の建造を計画、本型は時代の流れにより本来なら退役するはすであった。
しかし、軍縮を求める当時の気風や、秋月型駆逐艦や島風型駆逐艦の建造期間延長が本型の運命を変えた。
こうした事情から、日本海軍では戦力維持のために従来艦艇の近代化及び艦齢延長を目的とした艦隊再建近代化計画、通称FRAMが実施される。
当然、艦隊のワークホースであった本型も艦隊再建近代化計画の対象とされ、比較的状態の良い100隻近くの『初雪型』に対空・対水上・電子戦能力を向上させるべく、兵装や機関の換装、艦橋構造物の刷新を含めた大規模な近代化改修が施された。
FRAM改装では対艦用の4連装魚雷発射管とと対潜用の爆雷用兵装全般、そして127mm速射砲も1基が撤去された。
変わって装備されたのが個艦防空ミサイル用の8連装ミサイル発射機及びミサイル用の射撃管制装置、対潜ミサイル用の8連装ミサイル発射機であった。
搭載された対空ミサイルは、航空機用の『11式中射程空対空誘導弾』を転用した『21式個艦防空誘導弾』で、本型に搭載された個艦防空システム1型は手動式の簡易方位盤でこれをコントロールした。
対潜ミサイルには8式短魚雷を弾頭とし、その後方にロケットブースターを取り付けた比較的単純な構造を採用した11式対潜魚雷投射ロケットが搭載された。
レーダーやソナーも最新のものに置き換えられ、日本海軍初のデジタル式武器管制システムである16式武器管制装置や電子戦兵装であるNOLR-13、NOLR-10、NOLQ-9 が新たに搭載されるなどFRAM改修では電子兵装の最新も行われた。
運用
1894年度計画から1905年度計画にかけて198隻が建造された本型は、満州戦争や世界大戦では主力駆逐艦として投入され、ロシア海軍やドイツ海軍を相手にした戦闘に多数が投入されながらも沈没艦は1隻も出さなかったという記録を誇っている。
世界大戦が終結した後もFRAM改修を受け、『村雨型駆逐艦(甲型駆逐艦)』とともに老兵ながら日本海軍のワークホースとして長く活躍した。
1930年代に入り『秋月型駆逐艦』や『島風型駆逐艦』、『草垣型巡防艦』などの新鋭艦の数が揃い始めるとようやく本格的な退役が進められ、1940年代までに全艦が日本海軍より退役した。
403 名前:ホワイトベアー[sage] 投稿日:2023/12/28(木) 21:42:27 ID:om126254139200.33.openmobile.ne.jp [8/9]
以上、満州戦争から戦間期にかけての日本海軍の主力駆逐艦である特型駆逐艦でした。
wikiへの転載はOkです。
404 名前:ホワイトベアー[sage] 投稿日:2023/12/28(木) 21:49:00 ID:om126254139200.33.openmobile.ne.jp [9/9]
余談
世界大戦時のイギリス海軍大型駆逐艦
L級駆逐艦
基準排水量:1,950t
全長:110.5m
全幅:11.30m
ボイラー:アドミラルティ式3胴型ボイラー×2基
主機:パーソンズ式タービン
推進機:スクリュープロペラ×2軸
出力:48,000馬力
速力:36ノット
兵装
:50口径12cm連装砲×3基
:39口径40mm機銃×4門
:70口径20mm機銃×4門
:62口径12.7mm機銃×8門
:53.3cm4連装魚雷発射管×2基
:爆雷投射機×2基
同型艦:62隻
K級駆逐艦
基準排水量:1,790t
全長:110m
全幅:10.36m
ボイラー:アドミラルティ式3胴型ボイラー×2基
主機:パーソンズ式オール・ギヤード・タービン
推進機:スクリュープロペラ×2軸
出力:40,000馬力
速力:36ノット
兵装
:45口径12cm連装砲×3基
:39口径40mm4連装機銃×1基
:70口径20mm機銃×4門
:62口径12.7mm機銃×2門
:53.3cm5連装魚雷発射管×2基
:爆雷投射機×2基
同型艦:56隻
I型駆逐艦
基準排水量:1,375トン
全長:103.6m
全幅:9.16m
ボイラー:アドミラルティ式3胴型ボイラー×3基
パーソンズ式オール・ギヤード・タービン
推進機:スクリュープロペラ×2軸
出力:34,472馬力
速力:36ノット
兵装
:45口径12cm単装砲×4門
:62口径12.7mm機銃×8門
:53.3cm5連装魚雷発射管×2基
:爆雷投射機2基
同型艦:80隻
H型駆逐艦
基準排水量:1,336トン
全長:102.6m
全幅:10.05 m
ボイラー:アドミラルティ式3胴型ボイラー×3基
パーソンズ式オール・ギヤード・タービン
推進機:スクリュープロペラ×2軸
出力:34,000馬力
速力:35ノット
兵装
:45口径12cm単装砲×4門
:39口径40mm機銃×2門
:53.3cm4連装魚雷発射管×2基
同型艦:24隻
G型駆逐艦
基準排水量:1,336トン
全長:99.36 m
全幅:10.05 m
ボイラー:アドミラルティ式3胴型ボイラー×3基
パーソンズ式オール・ギヤード・タービン
推進機:スクリュープロペラ×2軸
出力:34,000馬力
速力:35ノット
兵装
:45口径12cm単装砲×4門
:39口径40mm機銃×2門
:53.3cm4連装魚雷発射管×2基
同型艦:40隻
最終更新:2025年03月19日 23:29