581 名前:霧の咆哮[sage] 投稿日:2024/01/02(火) 23:43:49 ID:KD111239163113.au-net.ne.jp [7/11]
〇提督たちの憂鬱系統知らない方が、日蘭世界に転生したらこんな感じになるのかなって反応集その2


「ん? おわっ!?」
「……こんにちは」

ー調べ物に集中してたとはいえ、肩を指でチョンチョンとされるまで誰か来ていたことに気づかなかった彼。
振り返れば(前世の認識では)見覚えがないのに、良く馴染むほど見覚えのある今世での幼馴染の姿がエプロン姿でそこにいた。
しかも所謂銀髪ロングヘアー美少女ロリである。


「えと、どうしたんだ?」
「……特に用事があったわけではないけど、来たくなったから。もう昼過ぎなのに、台所見たらご飯食べた空気なかったから適当に作ったけど食べる?」
「あぁ、ありがとう。食べるよ」

ー会話が毎回ワンテンポ遅れるのが彼女の、鈴音(すずね)の口調の特徴だが、物心付いた頃からの付き合い故一々気にもしない。
鈴音は隣の家に住んでるし、家族ぐるみで昔から仲が良く、彼の親から家の合鍵も渡されてるのでいつでも来れるのは確かだった。
今迄空腹を意識してなかったのが、彼女の言葉から自分がそういうば朝も昼も食ってないのを思い出したかのように腹の虫が主張しだす。


「うめぇ」
「……」

ー有り合わせの食材で作られたみそ汁やオムライス、その他付け合わせに舌鼓を打つ彼。
言葉少なに美味い、としか出ないボキャブラリーの無さだが、今迄無表情だった鈴音の顔には無言のまま慈愛を感じさせる微笑みが浮かぶ。
お茶を啜りながら彼を見守る彼女と、幼馴染の手料理に集中している彼。
会話らしい会話はないが、この空間が、時間が二人にとって居心地良く自然体なのだ。
彼女からしても彼が自分の料理にそんだけ夢中になってくれている、そんな姿に幸せを感じているのだから。


「鈴音、君の親や祖父母とかに外国人の方っていたっけ?」
「? (フルフル)」
「(記憶の中のクラスメートや同級生、先輩達も名前は日本人らしいのに容姿は国際色豊かって感じなの、凄かったんだよなぁ)

ー腹も満たされて人心地付いた彼だが、思いっきり外国系の銀髪美少女にしか見えないのに、性も名も生粋の日本人らしさな鈴音。
前世の認識ではハーフやクォーターでもないのに……と違和感抱いたので洗い物中の彼女につい聞いてみたが、不思議そうに首を傾げられてから無言で首を横に振られる。
自分の学校の友人知人その他の記憶を掘り返しても、金髪銀髪赤髪浅黒い肌その他が多数入り交じり、かといって純日本人らしい組が少ないわけでもないと。
この世界の日本国民どうなってんだとこれまた宇宙猫になりそうだった。


「……何も聞かないのか?」
「……良い。貴方は貴方。こうして共にいれる。それで良い」
「……ありがとう」

ー自室に戻った彼だけど、そのまま付いてきた幼馴染に対しどう対応すべきか悩んだが、彼女を一先ず置いておいてまた調べ物を再開した姿に不審そうな様子を向けるでもない鈴音。
昔から妙に勘が良く、その勘の良さに助けられても来たが、今の自分の様子のおかしさとか咎められるかもと内心で不安とか覚えていた彼。
でも、そんな彼を否定するどころか肯定してくれる彼女に正直救われた。
何かを察していそうな感じはするけど、気付いてないフリをしてくれてるのか。
彼の変化も込みで受け容れているのか、その答えは鈴音だけが知る。
されど、彼の手に重ねられた彼女の手の温もりと柔らかさに、何故かちょっと涙が出そうになった。

582 名前:霧の咆哮[sage] 投稿日:2024/01/02(火) 23:45:41 ID:KD111239163113.au-net.ne.jp [8/11]
「……」
「……」

ー鈴音が共にいるせいか、独り言は辞めて内心で思考を巡らせながら調べ物再開した彼。
寄り添ったまま、または彼の部屋の漫画とか借りたり自分のスマホ操作したりもするが、彼からゼロ距離から半径一メートル以内でほぼ離れない鈴音。
お互いに相手をうっとおしがることもなく、寧ろ心底落ち着いていた。
自分でイメージしておいてなんだが、距離感バグってるなこいつら。


「……いってらっしゃい」
「あい、いってきます」

ーお盆休みに毎年恒例の祖父母の住む田舎に帰る日が来た彼。
荷物を整えた彼を隣家の、自分家から出てきた鈴音が見送る。
因みに鈴音の祖父母は隣町とか近隣にいるので、会おうと思えば簡単に会える距離であり、彼の一家みたいな遠方への里帰りみたいな経験もない。
その点はちょっと羨ましく思っている。


「……」

ー里帰りにより無人となった彼の家にて。
即日か、数日たってからかは知らないが、合鍵で入ると彼の私室のベッドに座り、両腕で彼の枕と、家から持ち込んできた自分のお気に入りのぬいぐるみの両方を抱きしめる鈴音。
残された彼の匂いや温もりと自身のそれを合わせ、心中の寂しさを埋めようとしていた。



以上です。
wiki転載は例の如くご自由に。
二回目は本来は引き続きお調べ物のアレコレの反応だったんですが。
陣龍氏のこのキーワード>情報収集とすり合わせ中に『何時まで寝コケてるのよアンタは』と幼馴染銀髪美少女がエントリーして来て素っ頓狂にひっくり返る、
に対して自分の中でスイッチが入り、多分歴代最速クラスの速さで一気に仕上げました。無理もしましたが書きたくなったので仕方ないです。
銀髪ロング無表情素直クールロリ幼馴染(しっとりもあるよ)は正義。
大人になってもロリでも良いし、正統派にスタイル良くなっても良い。
自分の夢と浪漫と性癖に人は正直になるのです。
幼馴染の名前の由来は完全にフィーリングで、直感で浮かんだ名前が妙にしっくり来たのでそのまま悩まずに。
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最終更新:2024年03月06日 23:38