623 名前:モントゴメリー(リハビリ中)[sage] 投稿日:2024/01/04(木) 00:36:35 ID:116-64-135-196.rev.home.ne.jp [69/115]
フロレアル級護衛駆逐艦
基準排水量:2,000トン
全長:96m
全幅:14m
高さ:33.4m
機関:ディーゼルエンジン(6,470 kW/8,680 hp) 4基
可変ピッチ・プロペラ 2軸
バウスラスター(200kW) 1基
速力:最大20ノット(公称)
航続距離:11,000海里(14ノット巡航時)
電力:ボードワン12 P15 2SR ディーゼル発電機 (590kW) 3基
乗員:約90名(航空要員含む)
兵装:50口径127mm単装砲 1基
37mm単装機関砲 1基
20mm単装機銃 2基
SIMBAD近距離対空誘導弾連装発射機 2基
エグゾセ対艦誘導弾連装発射機 2基
533mm連装魚雷発射管 2基
艦載機:汎用ヘリコプター 1機
C4I:シラキューズ衛星通信システム
GFCS:ナジール 主砲用 1基
レーダー:DRBV-21対空・対水上捜索用 1基
DRBN-34 航法用 2基
ソナー:スフェリオンB 艦首装備式 1基
ATAS(V)2(後日装備) 1基
電子戦装備:ARBG 1A 電波探知装置
DAGAIE Mk.2デコイ発射機 2基
【概要】
フロレアル級護衛駆逐艦(destroyer d'escorte type Floréal)はフランス連邦共和国(FFR)海軍の艦級である。
1980年代初頭より同海軍で整備されて来た新型艦——「新世代(nouvelle generation)」と呼称される——の一翼である。
小型にして軽武装ながら、対潜・対空・対艦(及び対地)の各能力を最低限ながら全て保持しており海上交通線の守護者として国民からは親しまれた。
【計画】
FFR海軍では従来、「通報艦(Aviso)」という艦種を整備してきた。
これ自体は戦前から存在するものであり、海外県・海外領土での洋上警備・救難など領海・排他的経済水域保全を主任務としてきた。
しかしFFRの御代からはそれに「一定程度の対艦戦闘能力」が追加されることになる。
これはあのアムステルダム条約の“基準排水量2000トン以下の小型駆逐艦、植民地通報艦の保有数に制限は設けない。”という項目が原因であり、この「抜け道」を利用して艦隊戦力を少しでも増強しようとしたのである。
その結果、FFR海軍黎明期から初期——いわゆる「暗黒の30年」時代——の通報艦は小型の船体に重武装という特徴を持つようになり、当然安定性を始め様々な問題が発生することになる。
そこで1980年代初頭、「暗黒の30年」を乗り越え余裕が出来たFFR海軍は艦隊の一大刷新を決意、新艦艇の整備を開始する。
代表的なのは『我らが指揮官』の第一次再構築改装であるが、計画されたのは本級が最初である所にFFR海軍の意気込みが見て取れる。
計画の骨子としてはアムステルダム条約の制限一杯まで大型化した船体で航続性能を確保しつつ、通報艦から移管した対艦戦闘能力を付与するというものになった。
簡単に言えば「対艦戦闘能力を強化したフリゲート」を欲したのである。
FFR海軍は各種正面装備を整備しつつも海軍の存在意義——自国海上交通線の保護——を忘れてはいなかった。
「大陸軍(Grande Armée)」の栄光は忘れじとも、“海から資源を輸送しなければ立ち行かない”という点では、FFRは既に立派な「海洋国家」なのだから。
なお、艦級については当初「フリゲート(Frégate de surveillance)」とする予定であったが、条約的に面倒になるので「護衛駆逐艦(destroyer d'escorte)」となった。
624 名前:モントゴメリー(リハビリ中)[] 投稿日:2024/01/04(木) 00:37:54 ID:116-64-135-196.rev.home.ne.jp [70/115]
【船体設計】
本級ではコスト低減を目的として、積極的に商船の建造技法が導入されており、フランスの船級協会であるビューロー・ベリタスの規則に準拠して設計されている。
艦型としては長船尾楼型が採用されヘリコプター甲板の高さと船内容積を確保している。艦内にはコマンド部隊25名分の待機スペースがあり、また350立方メートルの物資を搭載できる。
【機関】
航続距離は『我らが指揮官』と同じ数値である14ノットで1万1000海里が設定された。
これはマルセイユ—エスト・デ・パリ間を無補給で航行できる数字であり、戦略的環境が同じであるため同じ数字になるのは必然であった。
この長足を実現するために、ディーゼル主機とされているが通報艦と異なり船型の大型化に伴い巡航用と高速用二つの主機を搭載することが可能となった。
主機は直列6気筒の高速ディーゼルエンジン、両舷2基ずつ計4基の主機は、減速機を介して両舷各1軸の推進器(可変ピッチ式プロペラ)に接続される。
抗堪性よりは整備性を重視して、主機室は1室構成とされている。
これに関しては異論も出たが、本級は艦隊決戦が主任務ではないため看過することになる。
【兵装】
主砲に50口径127㎜速射砲を装備。これは、『我らが指揮官』にも搭載された65口径127mm砲を軽量化のため短縮したものである。
このため初速が低下し威力も射程もそれに準じるが、対地攻撃には十分な威力を発揮するとして問題にはならなかった。
(対艦戦闘能力は後述する誘導弾が主役である)
対潜兵装は533mm誘導魚雷を装備しており、ソナーであるスフェリオンBは、6~8 kHzの周波数を使用して2~24 kmの距離を探知可能である。
正直、これは大洋では物足りない性能であるが、追加装備としてATAS(V)2曳航型ソナーが配備されたことで対潜能力は飛躍的に向上した。
本級の運用としては、複数艦で対潜警戒線を作成し、発見した潜水艦は陸上航空隊の対潜哨戒機や本職の艦隊駆逐艦に対処してもらうのが基本となる。
対空装備としては船体両舷に20mm機銃を1基ずつと、艦後部の艦載機格納庫上部に37mm機関砲が1基配備されている。
そして本級の目玉である対艦誘導弾として国産のエグゾセ発射管を前部マスト直後に配備している。
【船体軽量化】
ここまでお読みなった諸兄はこうお思いだろう。
「これ、2000トンに収まる?」
と。
実際、この規模の艦を従来通り建造すると基準排水量は3000トン前後となってしまう。
そこでFFR海軍技術部は材料的手法と構造的手法、二つのアプローチからこの問題に対処した。
まず材料的手法であるが、上部構造物に鋼材ではなくガラス繊維強化プラスチックを採用した。これを可能な限り使用し重量を低減している。
次に構造的手法として、船体構造物各所にハニカム構造を採用し必要な鋼材を削減、軽量化に成功している。
こうした努力の結果、見事基準排水量を2000トンに収めることに成功した。
【運用】
本級は『我らが指揮官』再就役に先駆けて就役し、「新世代たち」の先駆者となった。
名前はフランス革命暦に因み命名され、1番艦のFloréal (花月)から第一期組としてGerminal (芽月)まで12隻が建造された。
その後は第二期組としてフロレアルの第一日目Rose(薔薇)から三十日目のHoulette(牧杖)までの30隻が、その後も30隻ずつが建造され最終的には同盟国へ販売された分も含め132隻が就役し、FFRの海上交通線を守り抜くことになる。
なお新素材は新工法を採用したため、建造コストは当初それほど圧縮できなかったが、量産が進むにつれ予想以上の低減に成功した。
625 名前:モントゴメリー(リハビリ中)[sage] 投稿日:2024/01/04(木) 00:39:48 ID:116-64-135-196.rev.home.ne.jp [71/115]
以上です。
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まだ駅前のデパートのエスカレーターに乗ったらひっくり返りそうになるような体ですが
エラン・ヴィタールをかき集めて霧の咆哮氏のご帰還を祝します。
詳細と感想返しは明日でご容赦を……。
最終更新:2024年03月23日 22:55