749 名前:635[sage] 投稿日:2024/01/06(土) 16:48:04 ID:119-171-254-146.rev.home.ne.jp [26/70]
日蘭支援ネタ 日蘭世界if美魔女化ネタ 聖女ハ復活ス
練習巡洋艦ジャンヌ・ダルク。
『先生』という字名を持つ彼女は戦後三十年以上FFR海軍に奉職、数千人以上の『生徒』達を育て上げFFR海軍に送り出してきた。
そんな彼女も80年代、暗黒の三十年も抜けフランス語で新時代を意味するベル・エポックと呼ばれる時代を迎えるのを期にオセアンの下へ転属することが決定した。
簡単に言えばその身体にガタが来ていたのだ。
改装を重ねてはいたがFFR国民の不断の努力恐竜的進化を続けたFFRの技術力に着いていくにはその設計は古すぎる上に船体に余裕もなく、
新時代を前にしたリシュリューやイル・ド・フランスの様に徹底的な大改造のされていない彼女は半世紀近い艦齢を迎えつつありその船体は限界に達しつつあった。
また、後任となる新型練習巡洋艦の設計も終わり起工準備が進んでいたというのも大きい。
教え子達始め、リシュリューやイル・ド・フランスの様に『先生』の再構築改装を望む声も大きかったが、
この頃には神格化されつつある上にアムステルダム条約の制限から再構築改装に踏み切らざるを得なかったリシュリュー、
そのリシュリュー改装のプロトタイプとしてそして国民の嘆願から改装に踏み切ったイル・ド・フランスとはワケが違うのだ。
『先生』と慕われる存在なれど彼女は所詮練習巡洋艦…暗黒の三十年という艦艇の数が限られ予算も少ない海軍の厳しい時期ならば兎も角、
ベル・エポックを迎え急速に拡大しつつあるFFRにとって海軍将兵の育成や小規模水上艦隊の旗艦など他の巡洋艦でも替えの効く艦でしかないのだ。
「ジャンスール提督からの最後の御命令…『将来により強力で偉大なフランス海軍を建設せよ』を多くの将兵を育て上げるという形で、
一万トンにも満たぬ排水量の彼女がその大役を大過なく果たしたのだ…もういい加減に先に逝った戦友達の所へ転属させてやって欲しい。」
提督らと共にゼーラントへ赴けなかった元乗組員…『先生』の戦友であり、
多くのFFR海軍将兵にとってのもう一人の『先生』でもあった者らの声もあったのも大きい。
斯くして練習巡洋艦ジャンヌ・ダルクは提督からの最後の命…その任務果たしたとして任務を解かれ、
生まれ故郷サン・ナゼールのドックに入った後、海軍より除籍された。
除籍に際してはかつての乗員だけでなく教え子達、そしてジョルジュ=オーギュスタン・ビドー初代FFR大統領も駆けつけ最後の言葉を掛けた。
「フランス連邦共和国大統領ジョルジュ=オーギュスタン・ビドーより練習巡洋艦ジャンヌ・ダルクへ。
我がフランス連邦共和国海軍は前身となった共和国海軍どころかそれ以上の勢力を築きつつある。これも貴艦の献身の賜物である。
これをもって貴艦の任務、『将来に、より強力で偉大なフランス海軍を建設せよ』というジャンスール提督の命令より貴艦を解く
以降、将兵の育成は新型練習艦が引き継ぐ…別命あるまでドックにて待機せよ…大変ご苦労だった。ありがとう。」
静かなドック内にビドー初代FFR大統領の言葉が響き渡った。
そして最後に少し口から漏れただろうビドーの言葉も発展したFFRの技術の使われたマイクロフォンは拾っていた。
「リシュリューやイル・ド・フランスにはまだまだ働いて貰わねばならんが…働き過ぎのお前は少し休んでから転属しなさい。
そうそう…提督や元帥達には宜しく伝えておくれ…。」
その瞬間ドック内に女性の啜り泣く声が木霊したと言う人もいたとか…。
750 名前:635[sage] 投稿日:2024/01/06(土) 16:48:46 ID:119-171-254-146.rev.home.ne.jp [27/70]
しかしジャンヌ・ダルクの解体が進み残るは竜骨だけとなった頃、悲劇が襲った。
新型練習巡洋艦の建造が進んでいたブレスト海軍工廠のあるブレスト市を中心にしたブルターニュ地方をマグニチュード5クラスの地震が襲ったのだ。
伝統的な家屋の倒壊などが相次いだが新しい基準(軍事)で作られた建築物、特に学校や病院などは使われた建物は耐えきるなど予想より被害は少なかった。
別の所で大きな悲劇が起きていたのだ。
その場所はブレスト海軍工廠、ドックや建造が進んでいた艦艇が被害を受け、特に新型練習巡洋艦の被害は甚大だった。
地震により盤木がずれたことで新型練習巡洋艦の船体が落下、竜骨が歪むという被害を受けた。
その後の調査で新型練習巡洋艦は地震により歪んだことで修理は不可能と判断され軍艦として不適格と判断され建造停止と廃艦が決定した。
嘆く暇もなく次の練習巡洋艦をという話になったがことは直ぐにはいそうですかとはいかない。
予算の都合もあるし、ドックの準備から始めなくてはならない…何せ練習巡洋艦建造していたドックは練習巡洋艦を撤去し修理をしなければならない。
そんな時だったジャンヌ・ダルクの解体が進んでいたサン・ナゼールの造船所から連絡が来たのは。
「ジャンヌ・ダルクが解体を拒んでいる。」
ある時、新型練習巡洋艦が損傷、解体が決定して以降ジャンヌ・ダルクの解体が一向に進まないという。
解体機器を始動してもその全てが始動せず、動かしたままドックに持ち込んでも停止。
人力の道具を持ち込んでも刃が立たないというではないか。
その時の政府首脳…暗黒の30年という時代を現役で知る彼らの全員の脳裏に浮かんだのはオセアン、伝説となった彼女のことだ。
鉄人の後継となった大統領が言葉を零す。
「オセアンだけでなくジャンヌ・ダルクもまた拒むか…。」
与党重鎮の一人が苦笑しながら言う。
「オセアンの任務は終わりましたが…まだ自身の任務は終わっていないと彼女は判断したのでしょう。」
「いやはや提督にまた追い返されたのかもしれませんぞ。」
重鎮の言葉に『先生』と共にゼーラントへ赴けなかった海軍の高官が笑う。
まあ兎に角ここの人間はこのままでは埒があかないと思っている。
一度こうと決めたフランス艦が強情なのは彼らのよく知るところ…旗艦のリシュリューからして沈むことを拒絶し続けているのだから。
『先生』再構築改装決定、その報がFFR全土を駆け巡ったのはそれから数日してから。
彼女が蘇ったその日が将来祝日となったのは言うまでもない。
751 名前:635[sage] 投稿日:2024/01/06(土) 16:53:54 ID:119-171-254-146.rev.home.ne.jp [28/70]
以上投下完了!
元ネタは天城と加賀さんであるのは言うまでもない。
美魔女化ジャンヌ・ダルクのスペックは詳細に詰めてませんが軽巡洋艦枠を圧迫しないためにアムステルダム条約の補助艦艇枠を使ってると思われます。
故に主砲もリシュリューで採用された76mm砲などであるがその分FFRの兵器のシミュレート訓練や指揮統制機能、各種非軍事任務機能が強化されてると思われ。
一番近いのアプサロン級多目的支援艦かな?なおFFR内では練習巡洋艦扱いな模様。
最終更新:2024年03月06日 23:44