866 名前:モントゴメリー[] 投稿日:2024/01/09(火) 00:01:53 ID:116-64-135-196.rev.home.ne.jp [95/115]
日蘭世界SS——練習巡洋艦ジャンヌ・ダルク(第一次再構築改装後)——
全長:238m
全幅:24m
喫水:約11m
基準排水量:1万6000トン(公称)
約2万2000トン(実数)
兵装:60口径15.5cm連装砲 4基
65口径12.7cm速射砲 6基
60口径7.6cm速射砲 10基
70口径3.7cm機関砲 8挺
90口径2cm機関砲 12挺
61cm3連装魚雷発射管 2基
マズルカ艦隊防空誘導弾連装発射機 2基
クロタル個艦防空誘導弾8連装発射機 2基
SIMBAD近距離対空誘導弾連装発射機 4基
エグゾセ対艦誘導弾連装発射機 10基
533mm連装魚雷発射管 4基
6連装380㎜対潜ロケット砲 2基
ミラス対潜誘導弾発射機 4基
艦載機:各種ヘリコプター 5機
装甲:対15.5cm集中防御(公称)
対20.3cm全体防御(実際)
機関:ディーゼル・ガスタービンエンジン混載
最大出力11万馬力(公称)
22万馬力(実際)
速力:最高27ノット/時(公称)
34ノット/時(実際)
航続力:14ノット時1万1000海里
乗員数:1500名+士官候補生700名+指導教官60名
1. 概要
フランス連邦共和国(FFR)海軍の練習巡洋艦、ジャンヌ・ダルクの再構築改装後の姿である。
一度は退役しながらも数奇な運命と執念によって現役復帰した『先生』の勇姿である。
基本的には先に改装されていた「リシュリュー」の経験を踏まえて手堅くまとめられている。
2. 計画
広く膾炙されているように、彼女の再構築改装は本来予定されていなかった。
しかし運命のいたずらと彼女自身の執念によって予定が書き替えられたのは周知のとおりである。
これだけならば叙事詩の一編として受け入れられるが、建艦計画を司る現場の混乱は相当なものであった。
本来の練習艦は廃艦となり、ジャンヌ・ダルクの再就役にはまだ時間がかかる。
その間の士官教育はどうするのだ、と関係各所は喧々諤々の議論と調整に追われた。
結果、当面は陸続と就役が行われているフロレアル級に分乗させ教育を続行。
その間に可及的速やかに彼女の再就役を実行するという運びとなった。
そのため、ジャンヌ・ダルクは改装期間を短縮するためリシュリューで培われた改装知見を活用しつつ奇をてらわない改装となった。
867 名前:モントゴメリー[] 投稿日:2024/01/09(火) 00:02:34 ID:116-64-135-196.rev.home.ne.jp [96/115]
3. 船体全景
リシュリューの時と同じく、艦首から前半部分の印象は変わっていない。
連装2基の主砲から艦橋へと至る配置はそのままである。
また、彼女の外観の特徴である艦橋後部から3番砲塔にかけて設けられたプロムナード
デッキ(遊歩甲板)も健在である。
この客船を思わせる優美な姿こそ、彼女が練習巡洋艦である証なのだ。
しかし、4番砲塔以降の艦後部の印象は大きく変化している。
ここには延長された船体を活かして飛行甲板と格納庫が配置され、5機の回転翼機が搭載
されている。
これにより航空科の教育も可能となった。
また、上部構造物も新造時の面影を残しつつレーダー反射率を抑えるために垂直部分を可能な限り排している。
4. 兵装
4.1主砲
主砲として60口径15.5cm砲を連奏4基8門搭載されている。
これは、「シャトールノー」級軽巡洋艦に搭載されたものと同一である。
船体規模としてより多数の砲を搭載することも可能であったが、彼女の本分は練習巡洋艦であるため改装前と同等で抑えられた。
(あまり火力を強化するとOCUから非難される恐れもあった)
しかし門数を抑えられたとはいえ、その性能は恥じるところは無い。
発射速度は最短2.4秒/発。1分間に25発発射する事が可能であり、全門斉射で1分間に200発を投射できる。
また、砲弾はリシュリュー改装時に開発された対地・対空用の榴弾、対艦用の超々大質量砲弾、そしてロケットアシスト付き誘導砲弾の3種類を搭載している。
射程は以下の通りである。
榴弾:対空15km、対地30km
超々大質量砲弾:40km
ロケットアシスト付き誘導砲弾:80km
4.2対空火器
対空火器もリシュリューに搭載されたものを踏襲している。
まず長距離用に12.7cm速射砲を6基(片舷3基)、中距離用に7.6㎝速射砲を10基(片舷5基)装備している。
兵站的にはどちらかに統一した方が良いのであるが、練習巡洋艦としては多彩な兵装を装備している方が有意なのでこの配置となった。
(彼女の兵装が多彩なのはこの思想に則っている)
機関砲もリシュリューに準じ、37㎜と20㎜を搭載している。
各火器の諸元は以下の通りである。
12.7cm速射砲:射程10km(対空)、発射速度毎分40発
7.6㎝速射砲:射程7km(対空)、発射速度毎分70発
20㎜機銃:射程1.5km(対空)、発射速度毎分900発
37㎜機関砲:射程4km(対空)、発射速度毎分400発
4.3誘導弾
誘導弾に関しては既存品を組み合わせている。
(「既存」と言いつつ全て最新鋭であるが)
まず艦隊防空用にマズルカ艦隊防空誘導弾を連装発射機で2基、次に個艦防空用にク
ロタル個艦防空誘導弾を8連装発射機2基搭載している。
さらに近接防御としてSIMBAD近距離対空誘導弾連装発射機を 4基備えている。
そして敵艦を貫き槍であるエグゾセ対艦誘導弾を連装発射機10基装備している。
このようにFFRが実用化した艦載誘導弾はほぼ全て網羅しているのである。
4.4対潜兵装
近距離用に533mm誘導魚雷を連装発射管で4基、遠距離用にミラス対潜誘導弾発射機も4基装備している。
さらに6連装380㎜対潜ロケット砲も装備しているが、こちらは主に訓練用装備であり、実戦時にはリシュリューの時と同じくチャフやフレア、(赤外線妨害を目的とした)煙幕弾射出機としての能力を期待されている。
4.5水雷兵装
新開発の61cmスーパーキャピテーション魚雷を3連装発射管で2基搭載している。
性能は有効射程約40㎞で最高速度は約360㎞/時である。
これも主に訓練用装備であるが、実戦となれば彼女は躊躇わずこれを使うために敵艦に突進するであろう。
4.6その他兵装
対小型艇用に13.2㎜機関銃を艦内に格納しており、艦載機にも搭載できる。また艦内での白兵戦装備としての側面もある。
868 名前:モントゴメリー[] 投稿日:2024/01/09(火) 00:03:07 ID:116-64-135-196.rev.home.ne.jp [97/115]
5. 電波兵装
こちらも基本的にリシュリューに準じている。
特記すべきは国産防空システム「アッキヌフォート」であろう。
これによりジャンヌ・ダルクの防空能力はFFR海軍で最高水準となっている。
なおフェイズド・アレイレーダーの配置もリシュリューと相似である。
6. 航空艤装
艦載機として、各種ヘリコプターを5機格納庫に搭載可能である。また、教練用装備を撤去することによりさらに5機搭載することも可能である。
この航空機運用能力はクレマンソー級航空母艦の次に強力な数字となっている。
7. 航続力
こちらもリシュリューやフロレアル級と同等の14ノットで1万1000海里まで延長された。
理由も両者と同様である。
8. 防御力
防御力に関しては一切の妥協も加えられていない。
(実質的に)排水量制限が無いので、構造上可能な限り強化されている。
8.1船体防御
新造時のジャンヌ・ダルクの装甲は、弾薬庫部分に20mmの装甲板が張られていたのみであった。
よくぞこれであの戦争を生き抜いたものだと、関係者たちは改めて驚嘆したのであるが、今回は“奇跡”に期待するわけにはいかない。
よって彼女には硝煙弾雨をくぐり抜けるに足る「甲冑」が用意された。
ここでもリシュリューの改装が踏襲され、リシュリューで言うところの”第二種防御区画”の構造が採用された。
具体的には舷側装甲に傾斜した180㎜装甲板を主装甲として装備し、その外側に対誘導弾を主眼とした鋼板・セラミック複合装甲が垂直に配置されている。
そして更に外側に弾片防御と空間装甲を兼ねた船体外板が緩やかな傾斜を描きながら存在している。
甲板装甲は中甲板部分に120㎜の主装甲を装備し、上甲板は30mmの補助装甲である。
8.2. 水雷防御
やはりと言うべきか、こちらもリシュリューの模倣である。
(設計する時間が無いのである!!)
つまり、舷側装甲を艦底部まで延長することにより耐久力を確保し、その外側にバルジを設置している。
そして、それらが突破された時のために、水雷防御隔壁(厚さ80㎜)が4重(機関部は5重)に渡って設置されている。また、それら隔壁と交互になるように燃料タンクと何もない空間が存在している。これにより、液層防御と空層防御を構成している。
艦底部は3重底となっている。最外部はそれほど強固ではないが、第2部と第3部は装甲化されている。構造的には「2重底にバルジを追加した」と言えるかもしれない。
これにより、魚雷の艦底爆発に対する抗堪性を確保した。
8.3. 主砲塔
何度でも言うがリシュリューの設計を流用している。
すなわち、リシュリューの3連装副砲を連装に再設計したのである。
具体的な数値は
正面防楯:200㎜+複合装甲
側面及び天蓋部:100㎜+複合装甲
後面:50㎜+複合装甲
バーヘッド:150㎜
となっている。
8.4. 対NBC防御
こちらもリシュリューで確立された防御手段に則っている。
具体的な内容なリシュリューの第一次再構築改装の項目を参照の事。
8.5. その他防御
ダメージ・コントロール能力においても、リシュリューに準じている。
こちらは候補生の訓練も兼ねているため、常に最新の知見が反映されることになる。
869 名前:モントゴメリー[] 投稿日:2024/01/09(火) 00:03:42 ID:116-64-135-196.rev.home.ne.jp [98/115]
9.機関
言うまでもないことであるが、機関もリシュリューと同じ構造が採用された。
機関には、ディーゼルエンジンとガスタービンエンジンの混載方式を採用している。
低速・巡航時はディーゼルエンジンにより航行を行い、高速航行時にはガスタービンエンジンに切替える方式である。
これにより、航続距離と加速/高速性との両立を図っている。
問題としては、低速・巡航時にはガスタービンエンジンが、高速走行時にはディーゼルエンジンがデッドウェイトになってしまうという点がある。
しかし、あまり軽量化してしまうと現状の攻防性能ではトップヘビーの問題が出て来てしまうため
むしろ好都合ととらえられた。
機関出力は公称11万馬力とされ、最大速力は約27ノットと発表された。
しかし、実際には22万馬力を発揮でき、34ノットまで出すことが可能である。
これはリシュリューと艦隊を組む事を想定した数字である。
リシュリューを基準とするならば、その僚艦はリシュリューより2ノット優速でなければならないという艦隊運動の法則に則っている。
10. 指揮統制機能
艦中央部には「戦闘指揮所」が存在する。
ここもリシュリューに準じているため、ジャンヌ・ダルクの指揮能力はFFR海軍ではリシュリューに次いで高いものとなっている。
流石に「戦略指揮所」は設置されていないが、士官候補生たち講義所が設置され戦略次元の討議が行われる。
11. 教練設備
ジャンヌ・ダルクは練習巡洋艦である。
そのため、士官候補生たちを鍛えるための各種教練設備が装備されている。
その能力は一度に700名の候補生を訓練できるものであり、『海の士官学校』の名に恥じないものとなっている。
特記すべき点として、水陸両用作戦の訓練のために上陸用舟艇3隻の運用能力を有している。
また、FFR各軍の統合運用に鑑み、海軍のみならず陸軍・空軍の士官候補生も短期間ながら彼女の下で学ぶことになる。
870 名前:モントゴメリー[sage] 投稿日:2024/01/09(火) 00:04:51 ID:116-64-135-196.rev.home.ne.jp [99/115]
以上です。
ウィキ掲載は自由です。
病み上がりで再充填したエラン・ヴィタールを全てぶつけて作成いたしました……。
詳細は明日でご容赦を。
最終更新:2024年03月23日 22:57