銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその一〇八
アナスタシアがテロリスト集団に襲撃され、警察がそのテロリストのアジト摘発で大損害被って一週間程経ったある日のこと。
ゲート日本近海にあるヤルバーンの医療区画、その医療ポッド…ではなく病院で良く見られる様な白いベッドに若い日本人女性が眠っている。
その側ではその女性の母親と思しき中年の女性が若い女性の手を握っていた。
そこへプシュと音を立ててドアが開き壮年の男性が入って来た。
「貴方…。」
「……あいつの会社へはヤルバーンと懇意にしてる弁護士の先生通して退職を出来るよう手配して貰えることになった。」
男性はそう話すとベッドへ近づくと手身近な椅子を引っ張り出すとそこへどかっと座ると若い女性の頭を撫でながらこんなことになるなら就職させるんじゃなかったとボヤく。
「貴方、しょうがないですよ…近くで取材してそのまま巻き込まれたからってまさか銃撃戦やってるところへ生身で取材に行けなんて言い出すとは誰も思いませんし。」
この眠る若い女性、九条を宗教に掲げるテロリストとの戦闘時に大通りで撮影をしていた取材班に居たレポーターだ。
たまたま近くの飲食店を取材していた所、あまりの醜態に尻に火がつき押っ取り刀でやってきた警察により気づかぬ間に規制線張られその内に居たのが運の尽き。
会社の命により政府により殺戮される護憲派の映像撮るべく銃弾飛び交う鉄火場へ飛び込むことと相成った。
あまりの事態に報道機関の動画投稿へ投稿される動画は多数に登ったがその全ては警察官が一方的に銃撃され殺戮される光景(死んでないが)、
それでは心が無いと元学生運動家であるデスクのトップは言った。
報道機関として彼らを危険なテロリストとせず政府の横暴に抵抗し一方的な弾圧により散った気高い正義の殉教者とする…日本政府による殺戮という彼らにとっての真実を撮影するのが仕事なのだとか。
逃げなかった本人にも非があるが本人の昇進や今後の進退…挙げ句家族のことまで匂わせ盾に取られればさもありなん。
まして彼女にとってこのゲート日本における大規模暴動や化学兵器テロなどは生まれる過去のもの銃撃戦の可能性は言わずもがな…巻き込まれるという発想に思い至らなかった。
その結果がPTSD…つまるはシェルショック(戦争症)という診断。
側を掠める銃弾、ロケット弾の爆発…飛び散る血肉と人の断末魔。
唯の日本人女性が体験するには悍まし過ぎる現実がそこにはあった。
他の取材クルーに至っては重軽傷ならばまだいい方で中にはティ連医療が無ければ死んでいた人物もいる。
そんな状況へと彼女らを追い込んだ報道機関はどうしているのかといえば彼女らの存在も忘れ現在も熱心にロボットスーツ部隊の投入という対応を批判している。
828 名前:635[sage] 投稿日:2024/03/13(水) 23:53:09 ID:119-171-230-172.rev.home.ne.jp [4/6]
『今回の明らかに兵器であるパワードスーツの投入は弾圧であり憲法違反であり…。』
『ヂラールという宇宙生物を兵器で殺戮するという戦前の軍国主義と変わらない…。』
ゼルモニターから流れるあいも変わらずな夕方のニュースをショーとして扱う番組を見ながらゲート世界の柏木のヨメである柏木玲奈は嘆息する。
何の因果かダンナが大使になった上に安全の為に並行世界にダンナの会社の業務提携でTESへの派遣に付き添ってたら義両親、子供諸共元の世界で地球を離れ銀河の遥か彼方までやってきた。
ダンナの提携先曰くこっちのイゼイラのアミューズメントにも進出したいらしい。
ダンナの会社も二つ返事で了承してきた、まあ玲奈本人としてはこっちの方が安全だからいいのだが。
ここはゲート日本の為に急遽割り当てられゲートイゼイラはサントイゼイラに隣接したゲート日本区画…ゆくゆくはゲート日本の飛び地にしよう企ててるとか…の街角にゲート柏木家は住まいを持った。
「でも日本のテレビもリアルタイムで見れるなんて凄いわね…。」
「クォル通信は距離は関係ナイですからネ。」
仲良くなったご近所のイゼイラ人奥様がワイドショー一緒に見ながら玲奈にそんな事を言う。
なおその奥様はワイドショーの内容にご立腹だ。
情報扱う組織であるのに中立性を損なっている上にゲート日本政府の英断や同胞の奮迅を貶している、やはり営利組織に事象情報などの取り扱いをさせるべきではない。
ゲートイゼイラ政府は同胞の権利と自由を守る為にもっとゲート日本に介入すべきでないかと熱弁を振るい玲奈は苦笑いを浮かべる。
後、ヂラールは保護生物で知的生命体ってどういう感性?
最後には玲奈も同意する、どう見ても宇宙怪獣か化け物とか人類の敵とか言ったほうが正しい。
「元報道側の人間としては耳が痛いですね…でも営利でなければ携わる人間が生活も取材も出来ず地球では報道が成り立たないというのも理由の一つなんですよ。」
「アア…ワタシ達の様にハイクァーンで全部という訳にいきませんものネ。デモ今では確か朝晴シンブンだったかしラ?非営利の事象情報機関もあるのデショウ?」
奥様は急速にゲート日本で勢力広げつつある銀河連合日本の報道紙を例に上げる。
現在ヤルバーンや亜惑星要塞からの広域情報省スタッフやボランティアの映像記録員以外でゲート地球の情報をゲートティ連に流しているのは銀河連合日本の同様の組織で朝晴新聞もその一つ。
価格破壊どころか無料な上、ゲートティ連のニュースを独占。
ゲートヤルバーンからも報道内容にお墨付きあるので皆そっちへ流れつつあるので他紙が批判を行っているが知る権利守るために知ったこっちゃねえと馬耳東風だ。
ゲート日本側ではゲートイゼイラ人も携わってたりする。
まあ何にしても銀河連合日本やゲートイゼイラにおける報道を知った元報道側の人間としてはゲート日本の報道は遅れていると言わざるを得ない、いやかつてと比べても劣化している。
現在玲奈がゲートイゼイラで手に入れられる情報は公式のもの、伝手さえあれば地球でも手に入る類の情報だ。
ネットから或いは意図的に漏洩された情報を真偽不明のまま流してキャッキャッしている現在のゲート日本のマスコミでは手に入らないであろう。
その中には放射性物質散布装置、所謂ダーティボムが発見されテロに使用しようとしていたという情報も含まれている。
この情報が流れたならばテロリストの擁護など出来る筈もない…核という存在はゲート日本にとってそれだけのものなのだ。
それを知ることが出来るのに知ろうともせず間違った主張を繰り返すのは滑稽ですらある
「…アア!もうコンな時間!急がないとレース場への入場が始まっテしまいマス!」
「もうそんな時間?」
829 名前:635[sage] 投稿日:2024/03/13(水) 23:53:43 ID:119-171-230-172.rev.home.ne.jp [5/6]
奥様がそう言うと玲奈は自身の持つゲートイゼイラ時間の出る腕時計に目をやる。
文化交流の為に銀河連合日本の主導でこのゲートイゼイラで初となる競馬が新規に数日で建設された(!?)サントイゼイラレース場で行われる予定だ。
ゲートイゼイラでも相当な話題となっておりレースは情報バンクを通しゲートイゼイラどころかゲートティ連全土に生中継されるとかで生で見るために相当な人数の入場希望者が殺到すると予想されている。
なお玲奈は関係者枠で特別席で観戦することが出来る。
レース場であって競馬場でないので玲奈にとって違和感しかないがキタサンブラックやオグリキャップなど玲奈でも知ってる名前の馬が出走するということで興味津々だ。
そうして二人は急いで柏木家を出ていくのであった。
パドックにて
『四番人気、メジロマックイーン』『今日のコースは中距離、長距離を得意とするマックイーンにはキツいかもしれません』
「白い髪の可愛いフリュですネ!ヤルマルティア人みたいですが耳の形や尾の有無が違いますネ。」
「馬…?」
コース場にて
『先頭を行くのはサイレンススズカ!』『ニ番手のライスシャワーが機会を伺っていますね』
「スゴくスゴい速いデスネ!」
「え…自分の足で走るの…?」
ライブ会場にて
『『『うまぴょヰ!うまぴょヰ!』』』
「キャァァァァ!トウカイテイオーサーン!!」(サイリウム振り回してる)
「ライブ……?ライブ!?」(サイリウム渡されて呆然としている)
玲奈の常識がどっかで崩れる音がした。
最終更新:2024年03月14日 02:11