374:モントゴメリー:2022/07/30(土) 15:54:01 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
無幻世界支援ネタ——ソビエト軍「KV-3」重戦車——

車体長:約7.2m
全幅:約3.4m
全高:約2.5m
重量:約60t
速度:約30km/h(整地)
行動距離:約300km
主砲:ZiS-6 107mm砲
副武装:7.62mm車載機銃DT 3挺
装甲:150mm - 30mm
エンジン:V-2 12気筒液冷ディーゼル(500馬力)
乗員:5名

【概要】
ソ連軍が開発した重戦車。KV-1の拡大進化版とも言える。
その装甲と火力を以てドイツ軍戦車を押しとどめ、MiG-13と共に「スターリン・ライン」を守り通した貢献人である。

【開発】
ドイツ軍によるソ連本土進攻作戦が目前に迫る中、ソ連各設計局にはある通達が届いていた。

「ドイツ軍戦車を圧倒する新型戦車を開発せよ。それも早急に」

各設計局員たちは同志スターリンの無茶ぶりに頭を抱えながら、兎にも角にも検討を開始し、以下の結論にたどり着く。

  • 新規設計では短期間での実用化は不可能
  • 同様に新規の砲やエンジンの開発も絶望的である

最早、ウォッカを飲んでふて寝したくなる状況であるが、キーロフスキー工場のコーチン技師とドゥホフ技師はあるアイデアを上層部に提出した。
それは「我々が開発したKV-1を今手に入る装備を利用して限界まで強化する」というものであった。
他に案が無かったため、上層部はこれを認可。
「一か月以内に完成させよ」という無茶ぶりを追加して研究を了承した。

375:モントゴメリー:2022/07/30(土) 15:54:44 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
【設計】
短期間で実用化するために、基本設計はKV-1を踏襲しつつ「ZiS-6を搭載し、かつ必要な装甲防御を備える」という至上命題を達成することを目的としている。
車内容積を確保するためと設置圧を下げるために車体は転輪1個分延長された。
それでも高い接地圧は履帯幅を698mmから750mmに拡大することで対応している。
上でも述べた通り、各部品は可能な限りKV-1のものと共通化している。
(転輪はそのままであるし、履帯も単純に大型化している)
砲塔はKV-2のものを押しつぶしたような外観をしている。これは、重量増加と被発見率を低下させるために全高を2.5m以下に抑えるための措置である。
そのため砲塔内容積が減少しているが、前後方向には拡大しているためある程度許容できた。
エンジンはT-34や従来のKVシリーズと同じV-2 12気筒液冷ディーゼルエンジンである。
重量増加が著しいことを鑑みればエンジンも強化するのが望ましいが、流石にこの短期間ではエンジンの新規設計までは行えなかった。
しかし容積は確保しているので、より大型のエンジンに換装することは可能である。
重量が増加したのにエンジン出力は据え置きなので、当然ながら機動力はKV-1より低下している。
されど接地圧低下のための諸処置により覚悟したほどひどいことにはならず、最高速度は30km/h程度を確保している。
(不整地での安定性はむしろ向上したほどである)
予想よりいいとは言え、機動力が劣悪であることには変わりなく攻勢作戦に投入することは困難である。
しかし、想定される戦場は防衛戦であるためそこまで問題にはされなかった。
(それよりも、とにかく短期間で実用化されることが望まれた)

【火力】
主砲としてZiS-6 107mm砲を搭載している。
これは、戦前にグリゴリー・クリーク将軍の強硬な提言(横やりともいう)により開発が決定した砲である。
(そして、それにより85㎜戦車砲などの開発計画が大混乱に陥った)
ソ連単独の力では開戦までに完成させることは困難であり、そのままでは他の火砲を道連れに爆死した愚か者の砲として歴史に名を遺したであろう。
しかし、合衆国からの技術援助により本砲はギリギリ開戦までに実用化されることになる。
(特に資金面と優秀な工作機械の援助が大きかった)
本砲は重量20kgの通常徹甲榴弾を830m/sで撃ちだす能力があり(高速徹甲弾は開発が間に合わなかった)
距離1000mで約220mm、2000mで約170mmの垂直装甲板を貫徹する威力がある。
つまりは仮想敵であるドイツの「虎」戦車を2000m以上の距離から撃破できる。
(ただし照準装置の限界により、1500m以遠の遠距離射撃は命中率が高くなかった)

【防御力】
装甲厚はドイツ軍の「アハト・アハト」に耐えることを目標に設定された。
その厚さは砲塔全周及び車体前面・側面が150㎜、車体背面120㎜である。
これは、KV-1の丁度2倍である。
(ただし車体前面上部傾斜部分は80㎜、底面及び下面は30㎜である)
これにより虎の牙である「アハト・アハト」が高速徹甲弾を用いて来たとして距離500mまで安全圏を確保している。
(ただし「豹」に対しては高速徹甲弾を使われると1000mがギリギリである)
しかし、全ての面がほぼ垂直であるため避弾経始の効果は期待できない。
その点で各国の新型戦車に対して劣っている。

【運用】
本車両は要求された通り設計開始から約1ヶ月という驚異的な速度で実用化され、KV-1の生産ラインを利用することで即量産体制が組まれた。
これにより「スターリン・ライン攻防戦」開始時には1個戦車連隊を編制できる数が揃っていた。
実際の運用では戦線後方に待機して戦線が突破されそうになれば即座に前進して「穴」を塞ぐという機動防御の要となった。
ドイツ戦車兵たちは自分たちの砲弾をはじき返しながら悠然と前進し、こちらを一撃で撃破してくる本車両に対して恐慌状態となった。
(実態は機動力が低すぎるためゆっくりしか動けないだけである)
空軍の支援に頼ろうとしても、本車両の頭上は「魔女」たちのものであった。

【総括】
本車両は言ってしまえばKV-1の拡大版であり、設計思想的には見るべきものはない凡作である。
しかし、「必要な時期に必要な性能が間に合った」という一点において歴史に名を刻んだ名戦車の名に恥じない存在である。

376:モントゴメリー:2022/07/30(土) 15:59:39 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
以上です。
ウィキ掲載は自由です。

いやー、いつもながら陣龍氏のハードルは超えるのに苦労しますわ。

  • ドイツ軍がやってくるまでの数か月間で完成させる
  • 性能はティーガーやパンターを「圧倒」できるもの

なんですもの()

簡単に説明すると、史実で試作されたKV-3のエッセンスをKV-1の拡大することで達成いたしました。
正直、避弾経始もほとんど考慮されてないし、重いし、トロいしと
設計的には「洗練」という言葉からほど遠い『力押し』の一品でおります。

お詫びとして、「次」はもっと洗練した戦車を考えますのでご容赦のほどを…

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最終更新:2024年03月23日 23:21