732 自分:弥次郎[sage] 投稿日:2024/02/07(水) 21:22:32 ID:softbank126036058190.bbtec.net [83/138]

憂鬱SRW 融合惑星 マブラヴ世界編 設定集「オペレーション・サンクタム」



名称:オペレーション・サンクタム
年月日:β世界主観1999年9月14日-19日
場所:北アフリカ地中海沿岸・スエズ運河
参加戦力:米軍 アフリカ諸国軍 国連軍 ギャラクシー船団残党軍
結果:人類側の辛勝、BETAの侵攻を阻止することに成功


概要:
 融合惑星に転移後、初のBETAの大規模侵攻に対する作戦。
 リヨンハイヴ・ブダペストハイヴ・アンバールハイヴの3つから押し寄せたBETAに対し、アフリカ防衛を主眼とする迎撃が実施された。
 作戦は各方面ごとに開始され、9月14日から同月19日まで続き、20日のBETAの動きの停止を以て完遂が宣言された。

参加戦力:
 この作戦に際しては、アフリカ諸国の部隊に緊急で招集がかけられ、大多数の戦力が投入された。
一説には当時のアフリカ諸国が抱えていた戦術機および通常兵科の3分の2近くが投入されたとされる。
 また、米軍および国連軍が参戦。現地に派遣されていた部隊と合わせ、防衛戦に参加した。
 さらに、極秘にではあるが米国に下っていたギャラクシー船団残党からも戦力の派遣が行われた。
このギャラクシー船団の戦力については極秘となっており、派遣されていたと発覚したのは北米での決戦のさらに後であった。


作戦前の動き:
 BETAの数が増えているというのは少なからず衛星軌道上からの観測で確認されていたことであった。
転移直後は、通信や偵察に使われる衛星が地球から融合惑星へと転移した影響で失われていたが、その後に迅速な打ち上げが行われて判明していたのである。
言うまでもないことだが、BETAは衛星を攻撃しないという特性があり、これが人類が未だに戦線を維持できる理由の一つであった。

 このBETAの数が膨れ上がっていたことが確認されていた時点で、米国ではすでに各国に配置していた戦力の撤収を決定していたとされる。
実際、大規模侵攻が確認された時、米軍および国連軍は速やか過ぎるほどに撤退をしており、事前にそのような通達があったというのが自然であった。
 他方で、全ての戦力を引き上げるというわけではなく、AL5派の多いアフリカ諸国などへの再配置を行うなど、その後を見越した動きをしていた。
つまり、アメリカが推し進めるAL5の賛同国は生かしておきたいが、それ以外の国はどうなっても良い、というわけである。

 さらに、アメリカ上層部では支配下に置いた(と思い込んでいた)ギャラクシー船団残党の戦力をアフリカに配置した。
これは、BETA迎撃戦の一翼を担わせることで戦力の査定を行うという意味合いがあったようである。
ここにはギャラクシー船団残党自身もBETAに関する情報やサンプルなどを確保したかった意図もあったようである。
このギャラクシー船団残党が派遣した戦力はF-22といった戦術機に偽装されたVFが主力であり、BETAの駆逐を熟した。
これが各所で活躍したこともあって、アフリカ防衛は成ったという意見もある。

733 自分:弥次郎[sage] 投稿日:2024/02/07(水) 21:24:18 ID:softbank126036058190.bbtec.net [84/138]

作戦の推移および結果:
 9月14日に動き出したBETAの数は、控えめに言っても史上空前の規模であった。
 米国および国連軍では、事前の秘密協定に基づいた防衛プランを発動。
 大規模な焦土作戦および戦略・戦術核の積極投入を含む、なりふり構わない防衛策に打って出た。

  • スエズおよびエジプト方面
 作戦開始直後、大群が押し寄せたスエズ運河は、十分にBETAを引き付けたうえで敷設されていた核地雷を起爆。
スエズ運河を崩壊させるのと引き換えに、大量の海水によりBETAを一掃。さらにスエズに巨大な海峡を形成し、迎撃エリアとした。
 スエズ運河と接続しているスエズ海にしても同様の処置がとられ、主に沿岸部に大量の核を設置、地形ごと吹き飛ばすことで縦深を稼いだ。
これでBETAの進軍が遅くなるエリアを用意し、そこに積極的な火力投射を行うことでBETAの勢いをそぎ、漸減を行うことに成功。
この発破によるキルゾーン形成とそこでの足止めの間にエジプト内陸部まで防衛ラインが何重にも構築され、前線が崩壊するごとに後退、順次焦土戦が展開された。
ここには核地雷および戦術核の投入も行われており、最終的にはナイル川まで焦土化することになったが、一応の防衛には成功する。
 しかし、最終的な防衛ラインとなったナイル川およびエジプトの首都カイロなどは放射能汚染などにより放棄することとなった。
エジプト政府はナイル川沿岸のアルファイユムを新しい首都として定めた。


  • アルジェリア方面
 リヨンハイヴを発したBETAの大群の目標は、地中海を挟んで対岸にあるアルジェリアおよびチュニジア、リビアであった。

 防衛範囲が広く戦力の展開が間に合わないという関係上、こちらでも焦土戦術の実行が決定。
地中海を超えてくるBETAに対しては核兵器の投入により、地中海への被害を顧みることなく排除が空進められた。
 また水際でのBETAの漸減を行いつつ、スエズ方面同様に核兵器およびS-11などを埋設して防衛ラインを構築。
引き込みながら順次遠隔で起爆させることにより、BETAの大群を吹き飛ばすという戦術で沿岸部および内陸の一部までを引き換えに防衛に成功。
これによる時間稼ぎをしている間に米軍および国連軍が到着・展開したことで、第一世代戦術機が数的主力のアフリカを救援することに成功する。
ここにはギャラクシー船団残党の戦力も投入され、破格と言っていい戦果を挙げたことも関わっている。

 しかし、戦略・戦術核兵器の積極投入や大規模な焦土戦の代償は大きく、地中海沿岸の主要都市は放棄せざるを得ない被害を受けた。
 加えて米軍・国連軍の到着までアフリカ諸国の軍は第一世代戦術機ということもあって大きく消耗。
投入戦力のおよそ3割近くを失い、さらにそれ以上の数が即時の作戦行動に参加不可能という事態に陥った。
救援に駆け付けた米軍・国連軍にしても質・数ではアフリカ諸国の上であったが、物量に対しては微々たる差でしかなかった。
 とはいえ、特に大規模な戦力が押し寄せた都市こそ失陥したものの、防衛を果たせたのはBETA大戦においては非常に稀有な勝利と言えた。

  • モロッコ方面
 BETAの進撃のもう一つの目標はモロッコ方面であった。
 これはリヨンハイヴ-イベリア半島-ジブラルタル海峡を経由して上陸したものと観測されている。
 ジブラルタルを挟むイベリア半島とモロッコ双方の陥落は戦略的に見て危険であり、こちらにも戦力配置が急がれた。

 とはいえ、アルジェリア方面とは違って彼我の距離が極めて近いこともあり、陥落は避けえないという判断が下された。
防衛しようにもモロッコを半ば包囲するようにBETAが迫っていたこともそれに拍車をかけており、他方面同様に放棄を前提とした焦土戦が展開された。
幸いなことに、イギリス本土から移動してきた米軍および国連軍がすぐに駆け付けられたということもあって、戦力が補充され続けたことで戦線は維持できた。
比較的実戦慣れをしていた部隊が多かったこともあり、比較的統制を保って戦うことができたのも僥倖であった。
 ハイヴから遠いということもあり、数が比較的少ないこの戦線は、オペレーション・サンクタムの中では最も早く防衛の完了が宣言された。

734 自分:弥次郎[sage] 投稿日:2024/02/07(水) 21:25:50 ID:softbank126036058190.bbtec.net [85/138]

作戦総評:
 前述のように、各方面での防衛戦は空前の侵攻に対して、事前の準備などもあったとはいえ、被害を出しながらも成功したといえた。
大戦においてBETAの侵攻に対する防衛戦は幾度となく行われていたが、そのいずれもが人類側の敗北という結果だったのだから、まさに大金星であった。

 しかしながら、その代償はあまりにも大きかったのも事実である。
 投入された戦力全体から見ると損耗は平均的に見ても5割、ひどいところでは8割という軍事定義上の全滅などを通り越していたのである。
残存した戦力にしても、兵器そのものや武器弾薬の消耗が著しく、また喪失した人員の補填や再編の必要があり、即座の行動は不可能であった。
 さらに、大規模な焦土作戦や戦略兵器の投入というカードを切ったことで勝てはしたが、一回切りのものが多く、戦後などを見捨てた選択の結果であった。

 BETAがアフリカにハイヴを構築できなかったというのは、一つの戦果と言えた。
 だが、撤収を選んだのは、同時に侵攻していた「オペレーション・アヴェンジ」の影響ともされている。
同作戦においてはBETAの侵攻を迎撃したのみならず、リヨンハイヴまで到達し、包囲と漸減の後に物理的に破壊するという戦果を挙げていた。
BETAはハイヴの陥落が起こると撤収を始めるというのは明星作戦で確認されていたことであり、後続が来なかったのは連合のお陰とも言えるのである。

 本作戦が評価される一方で批判を受けているのも事実であった。
 まず、戦力が結集できたのは各地に展開し防衛を担うはずだった米軍および国連軍が集められた結果だったことである。
AL5を推進するアメリカの味方であるアフリカを優先し、残りを己の都合で切り捨てたとというのだ。
政治的な理屈ではアメリカが自国の利益を追求したのは間違いはないが、かといって他国を見捨てた手で助けられても感情的に納得がいかないということである。

 また、大規模な焦土戦や核兵器の投入による被害が大きかったことも非難されていた。
 地球連合との合同作戦を展開した他の戦線においては、同数かそれ以上のBETAに対して被害を減らしたうえで勝利しており、焦土化なども起こらなかった
それどころか失地奪還及びハイヴの攻略といった大戦果を挙げており、素直に地球連合と連携していれば、という声が上がったのである。
地球連合はアフリカ諸国とも接触をしており、その気になれば戦力展開が可能であったのだが、米国の圧を受けたためか拒否されたという事実があった。
その為、アフリカ諸国、特に作戦地域になり国土を事実上失陥した国からも平然と当時の判断や米国の圧を批判する声が上がっている。
 勿論、現地の戦力のみで対応できたことは誇るべきであったが、どうしても比較してしまうのである。

735 自分:弥次郎[sage] 投稿日:2024/02/07(水) 21:27:00 ID:softbank126036058190.bbtec.net [86/138]

 こうした声や批判に対し、米国はアフリカの防衛が成功できたことが重要である、という成果を強調した。
事実、アフリカには欧州から退避した市民や工業および生産能力などが存在しており、今後のことを考えれば守らねばならないものだった。
人類が各地で抵抗を続けられていたのも、アフリカという後背地あってこそであり、それは否定できない事実であった。

 さりとて、AL計画をめぐっての政治的な判断が加わっていたのではという意見などには沈黙せざるを得なかった。
こうした政治や戦後を見越した恣意的な行動の決定は、β世界の前線国家にとっては当然のように評価を受けるわけもなかった。
 斯くして、AL5派である国からも公然と批判が出て、尚且つ地球連合の叩き出した戦果が評価されたことも相まって、犠牲に見合わぬ戦いと評された。


影響:
 上記の理由もあって、この作戦はなまじか成功しただけにAL5派の分断を招いてしまう結果となった。
 失われたものは大きく、しかし、もしかしたら失わなくても良かったかもしれないという「IF」が大きくのしかかったのである。

 この作戦における米軍および国連軍の対応、および並行して行われた作戦の結果などを鑑みて、地球連合との結びつきを選ぶ国が増えたのも大きい。
実際、欧州諸国や日本など前線国はこぞって地球連合との共同を選び、
さらに、米軍および国連軍に志願していた各国の避難民が祖国への帰還を理由として退役、あるいは帰国を希望するようになった。
一般市民レベルでも米国および国連の対応が批判され、地球連合との協力を望んでいることが窺えるものであった。
これにより、米軍および国連軍は大規模作戦直後にもかかわらず、補填する人材の枯渇という事態に陥ったが詳細は割愛する。

 さらに米国にとって痛手となったのは、アフリカ諸国、特に地中海に面した地域の国々が地球連合の救援を受け入れたということであった。
具体的には防衛戦の結果発生した放射能汚染及び重金属汚染の除去及び復興の援助、さらに防衛戦力の派遣であった。
仕方のない犠牲と割り切るにはあまりにも多くを失っており、米国ではどうにもならないものを何とか出来るのが地球連合だとPRされたことも絡む。
実際、地球連合はイギリスで環境浄化などを実行しており、その成果を公表していた。それにアフリカ諸国も賭けたというわけである。

 こうして死力を尽くして国益を狙った米国は、その賭けに負けてしまった。
 この失敗は後のBETAとの戦いにおける強硬的な態度や独善的な言動、ひいては国際的な孤立を鑑みない投機的な行動に繋がることとなった。
 後知恵的にはここで米国が妥協を選ぶべきポイントであったとされるのだが、米国政府の意志は非常に硬かったとされる。

736 自分:弥次郎[sage] 投稿日:2024/02/07(水) 21:27:36 ID:softbank126036058190.bbtec.net [87/138]
以上、wiki転載はご自由に。
長すぎたせいか怒られてしまい、投下に手間取りました。
とりあえずアフリカで何が起こっていたのかを。
+ タグ編集
  • タグ:
  • 憂鬱SRW
  • 融合惑星
  • Muv-Luv
  • β世界
  • 設定
最終更新:2024年05月03日 17:37