99 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/02/10(土) 17:11:23 ID:FL1-119-240-154-97.kng.mesh.ad.jp [27/255]
Gジェネ戦記 二年戦争について 後編
二年戦争解説後編。
さて。前回の戦いが終わり遂に今戦争における最後の戦いであるが、以外にも地球連合の三大国の艦隊が割と疲弊してしまったため、ア・バオア・クー、ヤキンドゥーエ、革命の園は戦力が余りまくっている日本艦隊が担当することとなった。
単純にユニオン、人類革新連盟の艦隊戦力が疲弊しすぎたからである。
日本艦隊の援護により比較的損耗を抑えられたAEU艦隊はいたが、単独では流石にたかが知れていた。
代わりに地球連合艦隊は月のジオン領土。グラナダへの攻撃に部隊を回すことで合意。
日本艦隊が枢軸の最終防衛戦へ攻撃を仕掛けている最中に、地球連合各艦隊は残りの戦力をもって月面のグラナダへ侵攻することが決定した。
対して枢軸側であったが、残存戦力がそれぞれ近場の要塞に籠る程度となった。
既に枢軸三カ国(ジオン、プラント、宇宙革命軍)間の連絡線は途切れて等しく、また改めて同盟国へ援軍を送る余力も少なかったためである。
ソロモン、ボアズを失ったL5宙域のプラントにおける最終防衛戦ヤキンドゥーエ。
こちらは他と比べて数が揃っていた。
ソロモンやボアズにいたジオンや革命軍の部隊も近場のヤキンへと逃げ込んできたためである。
反面ヤキンは文字通りの最終防衛戦。プラントにとってもうまともな防衛戦はヤキンしか存在しておらず、まさに背水の陣状態。
L4宙域の宇宙革命政府も月が連合に抑えられたことによりジオンとの連絡線は不安定化。
実質残存している本国艦隊と防衛部隊のみで対応しなければならなかった。
そして未だア・バオア・クーとグラナダの防衛戦が生きているジオンは他所と比べれば多少余裕があるようには見えた。
しかし逆に言えば二つの戦線に戦力を割かねばならず、特にに月から最も近いサイド故にグラナダの防衛が死活問題となっていた。
各防衛ラインの現状というと、ジオン側は月へ精鋭部隊を配置。数的な主力もこちらを多めに配備していた。
対してア・バオア・クーへはドロス級三隻全てが配備されており、更にギレン本人が出向き、本国から親衛隊も全て連れてくるほどの意気込みであった。
反面それ以外は元々の要塞守備隊の他は急遽徴兵した新兵か繰り上げ卒業させた学徒兵が中心であった。
プラントは残存戦力のほぼ全てを最終防衛ラインであるヤキンドゥーエへ終結。
距離の近かったソロモン、ボアズから撤退してきた枢軸各国の戦力も集まっており、戦力的には枢軸の中では最も整った陣容を見せていた。
まさに最終決戦と言える様子である。
宇宙革命軍本拠地L4宙域に居座る革命の園は戦争初期で誕生した破壊されたコロニーや資源衛星を流用して作られた宇宙要塞。
廃材流用と侮るなかれ、枢軸軍が保有する宇宙基地の中では最も規模が巨大な要塞であり、駐留戦力も最大規模となっている。
反面革命政府サイドの立地上の問題もあり、枢軸三カ国の中では孤立気味の位置であり、防衛戦力の大半も革命軍の部隊であった。
戦力で優越する連合がどのような動きをしてくるか読めない、読んでも左程意味のない現状では自国のことで手一杯というのが正直なところであり、枢軸各国はここに至って自力での本土防衛の必要性にかられていた。
しかしそんな枢軸側にも希望がある。戦争後半になり建造に着手していた各種戦略兵器である。
ジオンのソーラレイ、プラントのジェネシス、宇宙革命軍のコロニーレーザー。
彼らはこれをもって連合及び日本の主力を撃破し、講和に持ち込もうという計画であった。
確実に当てるためにボアズやソロモンと言った前衛要塞も捨て、領土の深くまで敵艦隊の誘引するほどの力の入れようである。
そんなコロニー枢軸の乾坤一擲の作戦が待ち受ける最終決戦。その火蓋が切って落とされた。
100 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/02/10(土) 17:12:06 ID:FL1-119-240-154-97.kng.mesh.ad.jp [28/255]
ジオン ア・バオア・クー要塞司令部
「老いたな父上… ソーラレイはどうなっている?」
「ソ、ソーラレイが破壊されました!」
「そうか。破壊されたか…は?」
当時のジオン側の通信記録。原文まま。
最終決戦の火蓋が切って落とされた…と同時に枢軸三カ国にもたらされた第一報が各国の戦略兵器が謎の光によって破壊されたという報告であった。
謎の光。それは日本艦隊が火星から遥々連れてきた戦略砲撃艦「天照」からの攻撃であった。
戦略砲撃艦「天照」
全長1Kmもの巨体を誇る砲艦であり、言ってしまえば移動式のコロニーレーザーである。
元々日本軍には火星から地球へ届かせる超巨大コロニーレーザー計画が存在していたが、結局のところ不確定要素が多く、遥々火星から地球。それも仮想敵国領土をピンポイントで狙っての狙撃は不可能という結果に終わった。
なら狙撃できる距離まで近づいて撃てばいいじゃない!という発想の下で新しく計画が発起。
そして建造されたのがコロニーレーザーを大型艦艇レベルまで小型化し、惑星間航行能力を付随させた砲艦。
それが天照級である。
この天照級。凡そ月から地上までの距離なら問題なく狙った地域へと狙撃が可能である。
出力こそコロニーレーザーの半分ほどであったが、地表の目標に撃ち込むなら十分すぎる威力であった。
そんな船が艦隊一つに付き一隻付き添って地球圏に到来。
合わせて10隻の天照級がやってきていたわけである。
そりゃいつでも戦争なんて終わらせられる。
枢軸側が感知できない距離から彼らの本土(コロニーを)つるべ打ちすればいいだけなのだから。
因みに天照級の連射速度は三時間に一発ほど。冷却込みの時間なので、多少無理すれば一時間半で一発まで短縮可能。
今回はそれを三隻ずつにわけ、枢軸側の戦略兵器に狙いを定めて攻撃。
枢軸側が感知できる範囲の外から撃ち込まれた三条の光は見事にそれぞれの目標へ突き刺さり、これを破壊した。
そもそも日本側は主力艦隊が到来するまでの間に枢軸側が何かを建造していることを把握しており、援軍艦隊到着までの三か月間みっちりと、これらを調査、解明していた。
引きこもりの鎖国国家と思われがちであったが、そんな印象と裏腹に日本はきちんと諜報網を構築していたのである。
このため枢軸側が切り札を確実に当てるために自国領土深くまでわざと誘引していたことも察しており、ならそれを逆手に取ってやろうと日本側もギリギリまで天照級のことを秘匿していたのだ。
結果本命の切り札を失った枢軸三カ国の上層部は大きく狼狽。
そんなこと知らなかった前線部隊は相変わらず悲壮な覚悟で戦いを始めていた。
実質枢軸上層部が役に立たなくなった戦いであったが、事前の予想通り短時間の抵抗の後に一方的な蹂躙の様相を呈してきた。
既に枢軸側の将兵は敗残兵と新兵の寄せ集めじみていたこともあるが、日本兵器の性能、日本将兵の質、日本部隊側の物量と全てで枢軸軍が凌駕されていたのが大きかった。
少しでも甘えた動きをすれば絡めとられる射線のため新兵から落ちていったア・バオア・クー戦域。
エースが乗った、少数生産の最新鋭機のみが辛うじて追随できていたヤキンドゥーエ戦域。
猛烈な艦砲射撃の連打で見る見るうちに要塞陣地が削られていった革命の園戦域。
101 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/02/10(土) 17:12:42 ID:FL1-119-240-154-97.kng.mesh.ad.jp [29/255]
どこを見ても枢軸側の不利、劣勢。
そんな中で一番マシな戦いをしていたのはグラナダ戦域であった。
まあ戦っている相手がユニオン、人革連、AEUの地球連合軍相手なので技術、練度で遥か彼方にすっ飛んでいる日本を相手にしていないのだから当たり前である。
グラナダにはジオンが比較的精鋭部隊を多く配備していたのも善戦できている要因の一つである。
だが、それでいてなお数の差というのは大きく、じりじり押されているのが実情であった。
次点でマシと言えたのがヤキンドゥーエ戦域である。
前述の通り枢軸国の最終防衛ラインで最も戦力の余裕があったという点もそうであるが、単純に兵器の質という点でも日本MSや無人MAに対抗できる機体が少なからず存在していたのが大きい。
ZGMF-X09A ジャスティスガンダム。 ZGMF-X10A フリーダムガンダム。
ザフトがエース様に極少数製造(量産にあらず)した二機種。
及びフリーダムの廉価版であるデルタフリーダム。
これらが良く戦っていた。
また大型拡張兵装ミーティアはジンであろうと多大な戦闘力を確保できるからと、大量に製造され、ヤキンにおける貴重な(日本軍に通用する)火力要因として重宝された。
この他ソロモンやボアズから撤退し、合流した各軍エースの活躍もあり、比較的マシな戦いとなっていたのがヤキン戦域である。
次に比較的戦えていた方がア・バオア・クー戦域。
こちらは配備されていた親衛隊、キマイラ隊、NT隊が獅子奮迅の活躍をしていたためである。
また配備されていた三隻のドロス、四機のビグザム、二機のグロムリン、プラントとの交流で手に入れたミーティアを装備したザク十数機が良く活躍していた。
これらの戦力を逐一指示していたギレン・ザビの采配も光るものがある。
しかしそれだけであった。
上記以外の戦力は新兵や学徒兵が多く、そしてそれらはほぼほぼ日本軍の機動兵器に対してスコアを献上するだけの存在と化していた。
元々ア・バオア・クー方面はソーラレイで敵戦力を半減させる前提で新兵中心の配備であり、これらと精鋭をギレンが直接指揮する前提の采配であったのだ。
しかし、それも先手を打たれソーラレイが破壊された時点で破綻していた。
ギレンの指揮や精鋭部隊がいかに活躍しようとも、戦域全体の戦力は恐るべき速度ですり減っていき、戦局は目に見えて悪化していった。
最後に宇宙革命軍が担当する革命の園戦域であるが、ここが一番酷かった。
自慢…というほどでもなかった革命の園は予想外の日本艦隊の艦砲火力により見る見るうちに削られていったのである。
元々自国単独で地球の国家全てを相手取る前提であった日本の艦艇は特に火力に優れており、廃材の寄せ集めであった革命の園なぞ艦隊火力のみで削れる程度の代物だったのだ。
無論宇宙革命軍とて要塞のみに頼っているわけではなく、切り札のフェブラルを駆るNT隊に超大型MAパトゥーリアを投入。
これをもって戦局を挽回しようとしたが、当のパトゥーリアが出撃した際に日本艦隊の集中砲火によって速攻撃沈したのだ。
日本艦隊はバリア対策として対ビームバリア対策完備の実弾(レールガン)も搭載してある。
日本軍に抜かりはないのだ。
ということで最大の切り札が速攻乙した結果指揮が崩壊。
フェブラルに乗るNT隊は頑張ったが、多勢に無勢のため一つ、また一つと落ちていき最終的には撃破されるか捕虜となり終了。
最も早く最終防衛ラインを突破された国となってしまった。
102 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/02/10(土) 17:13:29 ID:FL1-119-240-154-97.kng.mesh.ad.jp [30/255]
宇宙革命軍最終防衛戦の次に破綻したのがジオンのア・バオア・クー戦域であった。
戦力の過半が新兵、学徒兵であったため数的に戦線を支えきれなくなったためである。
頼りのビグザムやグロムリンなどのMA軍団は日本MS隊により打ち取られ、ドロスたちは無人MAに群がられ沈むか乗っ取られた。
NT隊やキマイラ隊、親衛隊と言った精鋭戦力も互角か、それ以上の強さがデフォルトな日本MS隊を相手に消耗が続き、櫛の歯が欠けるように人員をなくしていき、最終的には包囲されたところを降伏する結果に終わった。
まともな防衛部隊を失ったア・バオア・クーは日本側の陸戦隊(という名の小型無人MA主軸)が突入。
ジオン側の抵抗を無力化していきながら、逃亡準備の途中であったギレン・ザビを発見。
これを捕縛することに成功した。
グラナダ戦域はア・バオア・クー内で捕り物騒動が起こっているのと同時期に地球連合軍の部隊がグラナダ市内へ突入。
ジオン側の抵抗を排除していきながらグラナダ市役所へと進行。
ここに連合旗を突き刺し、実質連合側の勝利と終わった。
その後もジオン側の抵抗は激しく続いたが、ア・バオア・クーの陥落とギレン捕縛の情報が伝わり、順次投降していった。
最後まで持ちこたえていたのがヤキンドゥーエ戦役であったが、切り札を失ったプラント側に逆転の手段は残されておらず、自慢の精鋭部隊も消耗を重ね、人員が欠けていき、日付が変わるころにはほとんど部隊としての体をなさない形になっていた。
精鋭部隊ですら、そうなのだから一般部隊の消耗はなおさら酷く、ほとんどが部隊としては崩壊しており、個々で合流した人員が方々で独自の抵抗を続けるばかり。
その指揮系統の崩れっぷりは、ヤキンドゥーエ司令部が降伏しても、武装解除命令が部隊規模で届かず、個々で抵抗を続ける敵兵が相次いだ事例からも伺える。
このため日本軍は要塞内や、その周辺地域で抵抗を続ける個人や小部隊ごとに対応せねばならず、対処に駆けずり回ることとなる。
ある意味日本軍を最も苦労させた敵と言えた。
何せ最も時間と手間暇をかけさせたのは間違いなかったのだから。
枢軸三カ国の最終防衛ラインは陥落した。
その後各国の本国に日本艦隊…と、おまけの地球連合艦隊は進駐。
ジオンでは戦力が出払っていたこと、最高権力者であったデギンが講和目的で元々日本艦隊に接触していたこと、最高司令官であったギレンが捕縛されていたことなどの要素もあり、これといった抵抗もなくスムーズに進駐が進んだ。
対してプラントでは幾つかのコロニーにて降伏反対派が籠城。徹底抗戦を打ち出した。
これに対して日本軍はコロニーの出入り口を閉鎖。
無人MAによる封鎖、警戒網を敷きそのまま放置した。
陸戦隊を投入しなかったのは反対派が占領したコロニーが首都コロニーでなかったというのが大きな理由であるが、一々この抵抗を物理的に排除する気がなかったというのが大きい。
自己循環できないコロニーにて、援軍なき籠城などなんの意味もないのだから。
事実反対派が籠っていたコロニーの大半が元々戦時であるため物資を前線へ送り、最低限の備蓄しかなかった故に長期の籠城に失敗。
外からの補給も封鎖網に引っかかり失敗。外への脱出も日本の無人MA隊の邪魔により失敗。
最終的には食い物がなくなり、我慢の限界に達した反対派が自ら自首しに来る結果に終わった。
なおただ一つだけ頑固に籠城したコロニーもあったが、内部では残りの物資を求めて凄惨な殺し合いに発展する結果に終わった。
これに対しても日本は何もせず、殺し合いから逃げてきた住民を保護するのみで、以降物資が尽きるであろう一月後まで何もせず放置するだけにとどめた。
プラント政府の扱いが決まった後に改めて残っていた降伏反対派コロニー内に無人部隊を送り、調査したところ僅かな生き残りのみが発見されたという。
逃げ出した住民、自ら降伏しに来た人員を含めてもまだ数千人は残っていたはずのコロニーでの出来事であった。
103 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/02/10(土) 17:14:21 ID:FL1-119-240-154-97.kng.mesh.ad.jp [31/255]
宇宙革命軍のサイドもこれまた大変であった。
大多数のコロニーは無血開城であったのだが、首都コロニーだけはガチガチに武装した民兵や抵抗派の軍人で固められていたのだ。
どうやらサイド中から抗戦派を首都コロニーに集めた模様。
これに対して日本軍はまともに相手しなかった。
素直に進駐を受け入れたコロニー群の中から適当な市長を臨時政権の長へと任命。
そのまま降伏調印式に出席させた。
抵抗派が集まる首都コロニーはプラントの降伏反対派へやったように出入り口を閉鎖。
無人機で警戒網を作り、完全に封じ込めることとした。
日本は旧革命政府上層部と共にコロニーに籠る抵抗派を一切合切無視する方向性でことを進めたのである。
その後抵抗派のコロニーはブースターを外付けさせられ、臨時政府率いる暫定政権在住のL4宙域サイド2から引き離され、以降はL4宙域外延にてただ一基、永遠と日本軍無人MA軍団に監視、封鎖され続ける存在と化した。
封鎖の間に何度か外に出ようとした宇宙ランチや小型艇が封鎖任務中のMAに捕獲されるか、撃破されることが続いた。
そして封鎖開始から1年経った時期においても、誰も中の様子を見ようとはしなかった。
さて。戦後である。
はっきり言ってここからが本番…というか戦果分けどうすっかなぁっというのが日本と連合三カ国の正直なところであった。
長く戦っていたのは連合三カ国。戦果一番は日本。そして両社は正式な同盟関係ではなく、あくまで共闘相手。
とはいえ戦争終わったら、いきなり銃口突きつけあうような中でもないので、普通に会議開いて話し合った。
結果ジオンのサイド3、プラントのサイド4、革命軍のサイド2は、そこの住人ごと日本が買い取ることとした。
地球連合からすれば厄介払いもいいところだが、日本からすればジオンの3億、宇宙革命政府の1億5千万、プラントの7000万。
合わせて5億人以上の人材の確保は非常に大きな意味を持っていた。
地球人口は凡そ90億。これに対して現在の日本は30億人と数で劣る。
日本は単独なんだから仕方ねぇだろやら、単独で30億あれば十分だろなど言われそうだが、最悪地球圏全てを敵に回した戦争を大真面目に想定している日本政府からすれば人口の増加は急務であったのだ。
単純に開拓するべき範囲が広いというのもある。
本土となった火星ですら未だ手付かずな土地の方が多く、それにプラスしてアステロイドベルト、木星、土星と開拓中の領土が手広すぎた。
このため引き取りを承諾した5億の枢軸民に対しての期待値は当の枢軸民や許可した地球連合が想定していた以上の大きなものであった。
そして買い取るコロニーの建造、運用にかかった費用を改め連合三カ国に日本が払う。
また買い取られたコロニーの代わりの新規コロニーサイドを日本協力の下で建造することが合意された。
後述する技術、特許面での譲歩と合わせいささか日本の出費が多いように見えるが、枢軸民5億の対価として見れば安いものだと日本政府は判断していたのである。
元枢軸住民たちは情勢が落ち着いてからは順次火星方面へ移住させる方針とした。
戦後の火種を地球近郊に残さないための措置である。
各種技術は日本と連合三カ国で四分割が基本とされた。
最も日本がもらう技術や特許は形だけの心持ち程度であり、大半の、そして重要と思われた部分については連合三カ国へと譲渡された。
戦果的には日本が半分以上かっさらっても良かったのだが、旧枢軸住民の大半をもらう関係上、そこは日本側が譲歩した形である。
技術者や学者などの高価値人材に関しては早い者勝ちのヘッドハンティングとなった。
最も基本は本人の意思優先で、大半が家族が移り住むからと日本(火星)へ行くことを望んだ。
連合三カ国と比べれば、まだ日本の方が敵意を余り抱いていないという点も大きかったという。
先に仕掛けたのは枢軸だからという負い目もあったとかなかったとか。
連合側もこれに対して無理強いは出来なかった。
力尽くに人材を確保しようとした場合、最も強いのも日本だとわかっていたからだ。
だからこそ日本は代わりと言って技術や特許面で連合側にある程度譲ったわけである。
連合側もそちらで譲歩されるならと下がったのであった。
104 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/02/10(土) 17:15:41 ID:FL1-119-240-154-97.kng.mesh.ad.jp [32/255]
戦争犯罪者の裁判、実刑は粛々と進んだ。
ここら辺は単なる私刑裁判とならないように日本がにらみを利かせながら公平に裁いた。
しかし、その中でも勢力のトップであるギレン・ザビ、デギン・ザビ、シーゲル・クライン、パトリック・ザラについては厳しい処置をしなければならなかった。
ギレン、パトリックは極刑。
デギンは講和斡旋の経緯もあって火星にて終身刑。シーゲルも同様の火星に移送後に終身刑となった。
なお宇宙革命軍総司令たるザイデル・ラッソについては立てこもったコロニーごと放置されていたので、適当な戦争犯罪者(私兵を用いて戦争初期に虐殺容疑が掛けられている人物。単なるクズ)が軍責任者に仕立てられた。
公平性はどうしたかって? 軍高官も軒並み首都コロニーに立てこもったため、経歴と階級的にもこいつが一番偉い軍人だっただけである。
なおザイデル本人を裁きたかったら、立てこもっているコロニーに部隊を送り込んでどうぞ?と言われたが、どこの国も首を横に振った。
あんな抵抗する気満々のコロニーに今更犠牲前提で陸戦隊を送り込みたくなかったのだ。
陸戦隊の面子だって納税者であり、票田なのだ。
そんなこんなで戦後処理もある程度形となった。
日本は実質鎖国体制が解かれ、地球諸国と改めて付き合い始めるようになり、地球諸国も日本という存外の超大国相手に仲良く喧嘩しながら追いかけ始める日々が始まる。
旧枢軸国の人間は敗戦こそしたが、火星移送後は日本国民として扱われ割といい生活を送れていた。
むしろ、それこそが彼らの心をへし折る最後の一押しとなったかもしれないが…
無論問題はある。
アフリカで抵抗を続けていた反連合勢力である。
最後まで抵抗していた枢軸地上軍も本国の降伏と共に大半が宇宙に引き上げ、そして火星へ移送されたが、中には現地協力者にほだされ、または地球連合への敵意を燃やし素続けたために現地に残った人々がいた。
そういった人員は現地ゲリラと手を組みながらも反大国活動を続けており、未だ混乱の続くアフリカ情勢をなおさら混沌とさせる要因の一つとなっていた。
そして当の地球現地の反連合勢力。
大体が現地部族の武装ゲリラだったり、反大国思想の地元権力者だったり、中には中東や中央アジアの小国だったり色々である。
彼らは一時的、枢軸の協力ありきだったとはいえ、大国の軍隊を退ける、撃破する経験を得ていた。
そこで自信と経験と技術を学んだ彼ら反大国勢力の躍動は長らく地球の三大国を悩ませることとなる。
最も大勢は言うほど変わらなかった。何せ大国とそれ以外ではやはり地力が違いすぎるのだから。
以降地球諸国は復興を進めながらも、アフリカにおける反連合勢力の掃討を進めていった。
その横で中東や中央アジアは親連合勢力を支援し、現地の反連合勢力と戦わせた。
大国の目線は既に宇宙に移っており、地上のいざこざに必要以上にかかずらっていられないというのが正直な感想だったという。
105 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/02/10(土) 17:16:43 ID:FL1-119-240-154-97.kng.mesh.ad.jp [33/255]
宇宙においては基本平和であった。
日本の協力もあり、破壊されたサイド、コロニーの再建やジャンク回収なども進められていたからである。
このため終戦に納得できず、一部宇宙で抵抗を続けていた枢軸残党軍は隠れられる場所、資源を得られる場所が瞬く間に減っていき、次第にジリ貧となり、活動も縮小していった。
活動範囲、規模が狭まった残党は連合や日本の哨戒に発見され対処されるか、足を洗い民間人として出直すのが大多数であった。
中には筋金入りの人間もいたが、そういうのは地上に降り、そちらの抵抗活動に加わった。
しかし原作の宇宙世紀やコズミックイラと違い、支援してくれるスポンサーに欠き、人員補充の宛てとなる旧本国の人間も順次火星へ移送されてしまった現状では原作ほどの跋扈は難しいのが現実であった。
戦後の世間は全体的に復興と宇宙開発にシフトしていった。
日本という明確な他惑星進出成功国家のビジョンを見た国々や民衆が次は自分たちだと宇宙へ乗り出し始めたからであった。
地上の国々もそれを後押しした。復興するにしても新しく宇宙に上げてしまった方が管理が楽という少々生臭い理由もあった。
そして地球の三大国は二年戦争で見せた日本の異常なまでの強さを見て、これに対抗するためにも宇宙進出をこれまで以上に進める必要性に駆られた。
衛星軌道が封鎖された際の不利益は二年戦争で嫌というほど思い知ったからだ。
宇宙進出を成功させたものこそ、時代の地球圏の覇者。
そういった話がいつの間にか各国上層部を支配していた。
日本?あれはノーカンでしょ(震え声)
結局のところ地球三大国による地球連合体制も維持されていた。
必要以上に争っていては日本に追いつけないということで、互いの衝突を防ぐためにも現体制は丁度良かったのである。
最も内実は変わらずバチバチ睨みあっていたが、少なくとも大国同士の衝突や代理戦争の割合は二年戦争以前よりもぐっと減ったのであった。
世界は回る。ぐるぐる回る。
地球の国々が必死な顔して宇宙進出を進めていようと、日本がそろそろ土星の本格的な開発に乗り出そうと。
火星に引っ越してきたどこぞの人類絶望仮面と赤い服着た仮面が仲良く仕事終わりにビール飲んでいようと、天パと隠れスーパーコーディと引っ越してきたばかりのスパコディの親友が一緒に玩具ロボット会社を立ち上げようと。
ヘヴィメタ路線に転向した元ピンクの歌姫と新進気鋭のアイドル歌手ハニャーンが仲良く年末の歌番組に出ようと。
世界は回る。そりゃもう容赦なくグルグルグル回るのである。
しかし、この世界では少なくとも今はまだ良い方向に回っているようだ。
Gジェネ戦記 完
106 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/02/10(土) 17:17:23 ID:FL1-119-240-154-97.kng.mesh.ad.jp [34/255]
〇設定
日本宇宙軍が運用する巨大砲艦。全長1Kmと性能に対しては割とコンパクト。
軍艦サイズのコロニーレーザーであり、戦略砲神罰建造計画がお流れになったので、その代わりとして開発された移動砲台。
作中で説明した通り、地上をコロニーレーザーの出力でピンポイント狙撃するために開発された船であり、凡そ月軌道あたりからそのまま地上の好きな目標に向けて狙撃が出来る。
二年戦争ではコロニー枢軸の戦略兵器撃破に投入された。
今回持ってきたのは10隻であったが、本国ではこれとは別に50隻ほど存在している。
宇宙革命軍が準備していた決戦用超巨大MA。
本来は地上に降下させ、敵の最終拠点を攻略させるための代物であったが、戦況が悪化したため地上侵攻ではなく拠点防衛MAへ転向させられた存在。
性能はそのままに大気圏内で浮く必要がなくなったので、出力をビームとIフィールドバリアに回しており、原作のそれより強力となっている。
実弾に関しても元の分厚い装甲により、大抵の攻撃は防ぐはずだったが、日本艦隊の実弾斉射、連射には耐えきれなかった。
日本艦隊がしょっちゅう自国の超大型母艦MA(ナノラミネートアーマー加工済み、装甲はフルガンダニュウム合金製)相手に演習していて、大型兵器相手は慣れっこであった故の悲劇である。
まともに戦わせてもらえたら日本のMS隊や無人MA隊相手にも相応に戦えただろうに…南無。
戦後はAEUに回収され、色々研究に回されたとかなんとか。
原作で言うところのミーティア改。こいつ自身に核融合炉が搭載されており、ジンやザクと言った一般MSでも運用可能。
枢軸軍の決戦兵器として多数製造され、国家の垣根を越えて配備された。
最終決戦ではどこの戦場でも相応に活躍したが、日本軍の優位を突き崩せるほどではなかった。
戦後にこれを元に地球連合三カ国が似たコンセプトの兵器を開発している。
AEUのアルヴァトーレ、人革連のデンドロビウム、大西洋のインレなど。
ザフトが運用したフリーダムガンダムの量産版。
レールガンを撤去し、火砲を減らし、背部のバラエーナをジャスティス同様のフォルティス ビーム砲へ換装。
生産コストと操縦性を改善しながら、機体性能そのものは維持する形となっている。
ザフトの腕っこき以外にもヤキンへ撤退してきたジオンや宇宙革命軍のエースにも専用にチューンして渡していたことが有名。
アナベル・ガトーやシン・マツナガ専用のデルタフリーダムは特に有名である。
ジオンの用意した決戦用NT専用機。
こちらはサンボル時空よろしく量産されており、増強されたNT部隊において一般機として配備された。
こいつを強化した(足を付けた)パーフェクトジオングをシャアやララァなどが運用している。
戦後は地球連合軍に接収され各国のNT用兵器の参考にされた。
107 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/02/10(土) 17:18:13 ID:FL1-119-240-154-97.kng.mesh.ad.jp [35/255]
宇宙革命軍が開発したNT用MS。
ジオンのジオングと似通った機体であるが、ビット装備であるなど完成度はこちらが上。
反面総火力はジオングが勝る。
決戦のため複数機製造され革命軍のNT隊に配備されていた。
日本軍のMS相手に互角の勝負が行えた数少ない機体。
最終的には撃破、降伏、鹵獲などで全機損失したが日本軍が相手にしたNT兵器の中では最も手ごわい相手だったとして有名になる。
原作より時間があったのと余力があったため色々追加で製造されたものも多い。
ビグザム:元ジャブロー攻略用、現拠点防衛用として複数機製造された。総数五機。
一機がソロモンに送られ、四機がア・バオア・クーに配備された。
ア・バオア・クー戦ではギレンの指揮、精鋭MS隊とドロス艦隊の援護もあり、日本軍相手でも中々に活躍。
多くの無人MAを屠った。
しかし数と質の差を覆すことはできず、四機すべてが日本側の精鋭MS隊(ガンダムタイプ入り)のスコアに沈んだ。
グロムリン:原作では決戦用MAとして建造が計画されていた代物。最近は外伝漫画で色々活躍している。
この世界では普通に開発が間に合い、ア・バオア・クーの決戦には二機が間に合った。
同決戦ではギレンの指揮の下でビグザムと共に活躍したが、こちらも最終的には二機とも日本の精鋭部隊に打ち取られた。
ドロス:MAではないがここに記す。ドロス、ドロワ、ミドロの三隻が就役。
ア・バオア・クーの決戦ではギレンの指揮もあり、大火力砲艦として活躍。
その火力は日本部隊に通用するだけの代物であったが、護衛のMS隊の存在ありきであり、護衛部隊が壊滅して以降は日本の無人MA隊に群がられ撃破された。
ドロスが爆沈。ドロスが大破。ミドロに関しては乗っ取られてしまい、戦後も日本に引き取られ、火星圏において移動拠点として重宝されたそうな。
シャア率いるNT隊、ジョニー・ライデン率いるキマイラ隊、ギレンのザビ家親衛隊の三つがア・バオア・クーの決戦に参加している。
彼らは性能で上回る日本軍相手に互角か、それ以上に渡りあい、良く戦線を支えたが最終的には数で押しこまれ敗北。
NT隊は囲いこまれ、そのまま降伏。
キマイラ隊は部隊が半壊し、ジョニーの号令の下で降伏。
ザビ家親衛隊は最後の一兵まで抵抗を続け全滅した。
戦後は三大国のスカウトマンが生き残り相手にちょっかいかけてきたそうだが、ろくなことにならなそうだったので全員火星へ移住したそうな。
火星移住後の方がシャアもジョニーも生き生き生活している。
ザビ一家は責任を取って極刑となったギレン、日本が用意した拠点で終身刑となっているデギンを除けば、ある程度監視付きながらも普通の生活を送っている。
現在は一家揃って旧ジオン火星開拓都市に身を寄せており、近年ではガルマ・ザビが市長に立候補。これに当選している。
シャア・アズナブル率いる旧NT部隊は火星にてMSを使った土建屋であるアズナブル建設を設立。
昨今の宇宙開発、火星の開拓ブームの波に乗り、経営も順調である。
因みに副社長は開き直って人生エンジョイしている元ザフトトップエースの仮面男だったりする。
プラントの歌姫ラクス・クラインは今までの清楚なイメージから一転してヘビィメタルバンドを結成。
火星のオリコンチャートでも連日首位争いに食い込むほどの人気を得ている。
これに対抗しているのはアクシズ出身の新進気鋭アイドルハニャーン様である。
極刑とされたパトリック・ザラの息子であるアスラン・ザラは月学校時代の友人に誘われ玩具ロボット制作会社であるA&K(アムロ&キラ)に就職。
かの会社が送り出した新型ハロや鳥型有人ロボットは子供の間で人気を博している。
108 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/02/10(土) 17:18:57 ID:FL1-119-240-154-97.kng.mesh.ad.jp [36/255]
投下終了
これにてGジェネ戦記は一応の完結であります
最終更新:2024年05月03日 20:21