493 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2024/02/13(火) 23:21:26 ID:softbank126036058190.bbtec.net [75/137]
憂鬱SRW 融合惑星 マブラヴ世界編SS「オペレーション・トライデント」2.5
- C.E.世界 融合惑星 β世界 β世界主観1999年9月14日 2時12分 南シナ海 海中
海中にモノアイの光が灯り、動きとともに光の線を描く。
日が昇る前であり、また深度が深いということも相まって、海の中は闇に包まれている。
その中にあって、水陸両用MSである「ゾノⅡ」のモノアイの輝きは、酷く眩しいものであった。
輝く人工の瞳の見据える先、そこには醜悪な外敵の姿が存在していた。BETAだ。
『オスカー3よりオスカーリーダー、敵BETA群を補足。方位240、速力20、数は……推定5千です』
『オスカーリーダー、確認した。勢力圏から四方八方に拡散するように侵攻か……想定通りだな』
ゾノⅡ、およびその母艦となるボスゴロフ級エーリッヒ、キュリーの2隻は「偵察」と称し南シナ海に網を張っていた。
大規模侵攻以前から、陸路だけでなく海路を利用しBETAが人類勢力圏に攻め込むことを見越して展開していたのだ。
これはこの南シナ海に限った話ではなく、各方面に分散して配置されていた。
それこそ、地球連合インド・東南アジア方面派遣軍がこの地に派遣されてきた直後から、だ。
公海であるならば通行の自由は保障され、また潜航すれば見えないということも相まって、潜水艦という強みを最大限生かしていた。
『よし、司令部からも許可が出た。
オスカーリーダーより各機、各兵装使用自由。
ただし、狩り過ぎには注意しろよ』
『BETAが減りすぎていると発覚すると困る、ですか』
『表向き俺たちはここには存在していないし、交戦もしていないことになっているからな』
オスカーリーダーは改めて注意事項を伝達しておく。
地球連合は偵察艦隊を派遣していたが、それは極秘のことだ。
それに、この大規模侵攻に際しての迎撃の作戦展開領域の割り当ては、本来はセイロン島方面のみのはずだったのだ。
その協定というか話し合いを半ば無視して、現地にいる戦力に対応させた理由は何か?
それは偏にいざというときに防衛しきれないであろうという予測からであった。
何も地球連合は観光に来ているわけではなく、このβ世界で過去に行われた作戦についての調査なども行っていた。
そのうえで人類が抱える戦力を査定し、またBETAそのものについても調べた。
その結果として、もしもの時は敗北するであろうと結論付けたのだ。
『散々負けを重ねておいて、それでも他人の手を借りるのを嫌うとはね』
『オスカー3、そういうな。物量による平押しをよく受け止めている方だぞ』
『私たちのことを警戒しているし、あてにできるかよくわからないってのもあるんでしょうね』
『まあ、そういうことだ』
司令部との定期通信でそのことは伝えられていた。
無理もないと思いつつも、同時に説明を受けても納得できないのか、と落胆もしていたのだ。
『やることはそれでも変わらん、行くぞ』
『了解!』
そして、交戦開始。
機体としてはロートルかもしれなくとも、練度の高い部隊は一斉に飛び掛かっていった。
この地球連合派遣軍による密かな間引きおよび数の漸減は、BETAの大攻勢が止まるまで密かに継続された。
不審を招かない程度に減らされたことにより、β世界側の防衛線は少なくはない延命を勝ち取ることができた。
尤も、β世界側がそれを知ることはなく、また、地球連合側も決して口にしない、文字通り水面下での戦いだったのは言うまでもない。
表で華々しく戦うだけではない、見捨てられないからこそ秘匿され戦いは、各地の海で行われたのだ。
それを知るのは、地球連合と、戦いの場となった海ばかり。
494 自分:弥次郎[sage] 投稿日:2024/02/13(火) 23:22:17 ID:softbank126036058190.bbtec.net [76/137]
以上、wiki転載はご自由に。
ちょっとした合間のお話です。
地球連合が見捨てるのもなぁと思いまして、このような形に。
次は核の投射が行われたころの様子を中心にする予定ですね。
最終更新:2024年05月03日 20:33