831 :New ◆QTlJyklQpI:2012/03/14(水) 20:40:19
ネタSS ~憂鬱自衛隊1943 自衛隊サイド~

平成世界

実験中隊消滅後も神崎怜 二尉は様々な伝手を使い第3特別実験中隊の帰還を成し遂げようとしていた。
しかし、原作と違い虚数空間の発生が全く起きておらず再実験に掛かる費用などを理由にのらりくらりとかわされた。
誰もがFユニット解散を食い止めるために政治的な脅しまでした人間が率いる部隊を助けようと思わず、
アメリカの前で実験失敗と核弾頭を消滅させてしまったのでこれ以上の失態と厄介事は勘弁という感情も加わり
2年を経た今では有能でも色々と煩い二尉を左遷することも検討されていた。
平成世界では第3特別実験中隊が本当に”事故死”したということで処理されそうになっていた。

昭和世界

「的場一佐、お久し振りです!」
「今は”大佐”だ。与田”中尉”」

久方ぶりに会った部下の迂闊さに苦笑しつつ、的場毅は返礼していた。
2003年のシールド実験により第3特別実験中隊は1943年に飛ばされていた。
しかも、ただ過去に遡ったわけでもなく、日本が事実上の太平洋戦争を勝利した並行世界だった。
中隊はあの後、迅速に展開していたT-34に似た戦車や装甲車に囲まれ緊張状態が続いたが
交渉の結果、飛ばされた地点を観測する代わりに大日本帝國に居候することになった。
観測により異変が察知されたら中隊メンバーに知らせ帰還することになっていたがその後1週間がたっても
異変が起こらず、隊員からも諦めの空気が滲み出てきていた。
やむなく的場は救援部隊が来るまで日本帝國に仕えることを決定し帝国側も良しとした。
そして隊員らはあまりにチグハグ過ぎる日本に唖然としつつも徐々に適応していった。
無論、戦車やヘリや技術士官は(かなりアレなテンションの)技術部門に取られたので
手持ちの戦力はなくなったがFユニット時に培った技術と経験は陸軍で重宝され、海援隊などに
混じっての実戦や帝国の兵器に対応してより洗練され今まさに帝国版Fユニットと言うべき部隊創設に
向けて動き始めていた。
最早彼らの中には平成に帰る意志があるものは皆無であり、嘗て太陽フレアでよる電磁波を浴びる事から
「冷凍食品部隊」とも言われた実験中隊でなく完全な「戦える軍隊」として生きていく彼らは今までよりも生き生き
していた。

「では行こうか中尉。Fユニットが待ってるぞ」
「わかりました、大佐殿」

後に帝国軍有数の実力を誇る事になる特殊部隊Fユニット。その創設に携わった”鬼才”的場毅の物語は今始まる。

余談
なお、この部隊創設時に的場は「前は無理解な役人が嫌いだったが、あの書類の山を相手にする以上は尊敬に値する」
というコメントを残している。(右腕とも言える与田も「敵を攻撃する前に書類に壊滅寸前になりました」と言っている)
そして陸海軍で出回る同人誌に合同運動会、持って行かれた技術士官らの変貌によって彼は自分の良識の維持を固く誓った。

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最終更新:2012年03月17日 16:10