68:モントゴメリー:2024/01/15(月) 23:23:03 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
La marche Jeanne D'Arc(ジャンヌ・ダルク行進曲)
ジャンヌ・ダルク行進曲(La marche Jeanne D'Arc)はフランス連邦共和国(以下FFR)の行進曲にして聖歌(軍歌)である。
その名が示す通り、『先生』こと練習巡洋艦ジャンヌ・ダルクを題とした行進曲だ。
この曲の来歴は少々複雑である。
この曲は本来、「ロレーヌ行進曲(La marche Lorraine )」と呼ばれるものであった。
フランスが誇る偉大な劇場指揮者にしてオペラ作曲家ルイ・ガンヌが1892年に作曲した行進曲であり、メロディの一部は、古いフランス民謡『ロレーヌを通って(En passant par la Lorraine)』から採られているのが特徴である。
普仏戦争の結果、ドイツ帝国に割譲されたロレーヌ地方の復帰を願い作られたこの曲の歌詞は、ロレーヌ出身の英雄であるジャンヌ・ダルクを称揚しフランス人の愛国心を鼓舞するものであった。
結果、この曲は第一次世界大戦前から第二次世界大戦期に至るまでフランス人に広く親しまれた愛国歌となった。
しかし第二次世界大戦の敗戦後、FFR体制が発足してからは公の場でこの曲が流されることはほぼ無くなってしまった。
ロレーヌ(及びアルザス)地方はドイツ帝国領土となって久しく、フランス領へ復帰することはほぼ絶望的となった。
そんな状況でロレーヌの復帰を願うこの曲を流すことはドイツと、その後ろ盾である日蘭両国との要らぬ軋轢を生む事になってしまう。
また国民感情の面でも厳しい点があった。
第二次世界大戦中、自由フランス軍はロンドンからのラジオ放送をする際、このロレーヌ行進曲をテーマソングとして流したのである。
よって、ロレーヌ行進曲=自由フランス軍=ド・ゴール将軍というイメージが付いてしまい多くのFFR国民から拒否反応が出るようになってしまったのである。
こうして「暗黒の30年」期を通してロレーヌ行進曲はほぼ闇に葬られてしまったが、この状況を良しとしない者たちも音楽関係者を中心に存在した。
ロレーヌ行進曲はフランス音楽史を語る上で欠かせない名曲であるし、作曲者のルイ・ガンヌは間違いなくフランス音楽界の巨匠である。
そんな曲を「汚点」とし続けるのはフランス音楽界として看過できない問題であったのだ。
また政治面からも是正しようとする流れが存在した。
FFRの軍隊は『元帥』のエストシナ植民地軍と『鉄人』たちのフランス本国軍が中心となって建設されたものであるが、自由フランス軍も歴としたその構成要素なのである。
彼らの蔑ろにすることは、軍内部に致命的な断絶を生みかねない危険なものだったのだ。
更に言うならば『我らが指揮官』は『提督』の下、自由フランス海軍としてあの戦争を戦い抜いたのである!!
『我らが指揮官』と共に戦った者たちを“賊軍”にするわけにはいかなかった。
そのような状況に転機が訪れた。『先生』の現役復帰である。
政府と音楽会はこの機会を逃さずこの行進曲を「ジャンヌ・ダルク行進曲」として再発表したのである。
元々歌詞は(英雄)ジャンヌ・ダルクを謳ったものであるので、それに手を加え(『先生』)ジャンヌ・ダルクを称賛する歌詞に書き換えたのである。
そうしてジャンヌ・ダルク行進曲は『先生』の再就役式でお披露目された後、政府の行事で積極的に演奏されることになる。
そして『暁の20年』を経て21世紀に入る頃には、再びフランスを代表する行進曲の一つとして返り咲いたのだ。
69:モントゴメリー:2024/01/15(月) 23:23:39 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
以下に歌詞を示す。
1.
歌え魂よ 永久に歌を
不滅の羊飼いよ サン=ナザールの地より
北から南へと 声を合わせ
永く歌い継がるる この響きよ
ジャンヌ・ダルクは舞い戻り
教鞭(むち)鳴らして羊を慣らす
新たな衣を身に纏い教鞭(むち)鳴らす
オーオオー 教鞭(むち)鳴らす
『母』の子らへ 山へ平野へと
不屈のジャンヌ・ダルクより 光は射す
『指揮官』の兵らよ 勇姿見せつけよ
国土フランスの 守りに就くは 我らぞ
2.
若き兵を 育て抜かん
朽ちる事の無きこの フランスの花
数多の苦難にも 光る眼
永く歌い継がるる この響きよ
ジャンヌ・ダルクは舞い戻り
新たな剣(つるぎ)を身に戦う
偉大な我が『先生』剣(つるぎ)を手に
オーオオー 剣(つるぎ)を手に
ついに時の手に 『先生』捕まれり
霧の向こうへと『先生』の 光は失す
されど魂尽きず ジャンヌ力尽きず
あの日『提督』に 託された 使命果たすために
3.
フランスの子らの 誉れ尽きず
脈々流れ続く ガリアの血よ
明日の勝利へと 歩み止めぬ
『指揮官』の兵士たちの この響きよ
我が女神を汚せし 敵は
銃撃つことなく 逃げ惑う
我が精鋭に 恐れをなせ
オーオオー 恐れなせ
『母』の子らへ 山へ平野へと
不屈のジャンヌ・ダルクより 光は射す
『指揮官』の兵らよ 勇姿見せつけよ
国土フランスの 守りに就くは 我らぞ
ついに時の手に 『先生』捕まれり
霧の向こうへと『先生』の 光は失す
されど魂尽きず ジャンヌ力尽きず
あの日『提督』に 託された 使命果たすために
70:モントゴメリー:2024/01/15(月) 23:24:17 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
以上です。
ウィキ掲載は自由です。
同志635が火をつけた我がエラン・ヴィタールはまだ不完全燃焼だったようです。
ロレーヌ行進曲改めジャンヌ・ダルク行進曲でございます。
昨夜夢の中にこの歌詞が浮かんだので帰宅後何とか書き上げました。
「ブレストの輝ける星」では直訳でしたが、今回はエラン・ヴィタールを積み増して和訳旋律対応ヴァージョンですのでメロディーに合わせてそのまま歌える…ハズです。
最終更新:2024年06月09日 23:32