447:奥羽人:2024/01/24(水) 22:31:41 HOST:sp49-98-218-57.msd.spmode.ne.jp
近似世界 無人機“足軽”
「畜生!悪魔め……!」
俗に“テロリスト”等と呼ばれる事の多い男達。
そんな彼らは今、怯えの混じった表情を隠そうともしないまま、未だ薄暗い砂の大地に向かって闇雲にAKを撃ちまくっていた。
彼らの視線の先には、大柄な“人型”が4体。
常人なら容易く挽き肉にされるような銃弾の雨の中、何事も無いように、申し訳程度に遮蔽物を活用しながら小走りくらいの速度で接近してきていた。
そして、運良くその“人型”に直撃したテロリストの銃弾は、その効果を発揮すること無く甲高い金属音と共にあらぬ方向へと弾き飛ばされてしまう。
「ヤツをぶっ飛ばせ!」
“人型”の一体が隠れた小屋の陰に向かって、テロリストの一人が切り札を……彼らの頼れる対戦車兵器RPG-7を叩き込む。
放たれたPG-7Vロケット弾は、僅かに放物線を描いて小屋に着弾。貫通、炸裂して小屋は紙細工の様に吹き飛ばされた。
「やったか?」
小屋の跡に煙が立ち込める。
いくら防爆スーツを着ていたとて、至近距離でロケット弾が炸裂すれば只では済まないだろう。
しかし……その黒煙の中で禍々しく赤い光の点がちらついた。
「(ああ、神よ……)」
煙の中から悠然と歩き出て来たる“人型”の姿にテロリストが絶望するのと、その人型の持った回転式機関銃の銃身が回転を始めるのは、ほぼ同時だった。
448:奥羽人:2024/01/24(水) 22:32:25 HOST:sp49-98-218-57.msd.spmode.ne.jp
【13式無人装脚戦闘車“足軽 / HONDA ASIMO-4”】
全長:2.1m
重量:260kg(基準重量)
機関:全固体型空気電池
開発:本田技研工業株式会社
装備:小火器全般
7.7mm回転式機関銃
13mm重機関銃
自動擲弾銃
60mm迫撃砲
多連装ロケット投射器 等
装甲厚:複合装甲 35~5mm
概要:
防衛省の対テロ局地戦用高能力型無人装脚戦闘車に関する要求に対し、本田技研工業が提出・開発した装甲UGV。
本田技研は、ASIMOで使われた零慣性点制御技術から発展させた汎用補助機ASIMO-2や、汎用農業機ASIMO-3などの重心制御型歩行無人機の開発・生産に長じていた。
その中でも、対環境性に優れていたASIMO-3を改良する形で開発されたのがASIMO-4である。
日本陸軍ではこれまで、蛭と飛脚の二種を近接戦闘用無人機として運用していた。
しかし、この二種は駆動部に柔軟な人工筋繊維を使用している為に重装甲化が難しく、中東やアフリカ地域での治安維持・対テロ作戦においては、それが要因となって撃破されることも度々あった。
とはいえ、重装甲化は脚部の柔軟性によって担保されている運動能力を削ぐことに繋がり、それでは本来の存在意義を満たさないことに繋がりかねない為、飛脚並の柔軟性を維持しつつ、蛭と同等かそれ以上の防御能力を有した装甲無人機が要求されるに至った。
基本構造として最新のバイオメカニクス技術が大きく取り入れられており、人体を参考に金属複合素材の骨格と炭素繊維材料を人工筋肉によって構成されており、外装が装着されていない(俗に言う“エンドスケルトン”)状態では有機的曲線が特徴的な骨格構造体が露になっている。
その上に、防弾繊維の基本外装部品および装甲板が装着され、状況に応じて追加装甲が装備されることもある。
防護装備としては、このクラスの兵器では類を見ない正面最厚部で35mmの複合装甲を装備しており、弾種にもよるが23mm弾の直撃に耐え、一般的な歩兵戦闘車の機関砲すら転倒こそすれど抗堪しうる可能性がある。
その他の部位においても十分な装甲が施されており、一般的な小火器や対物ライフルで対抗するのは困難であるとされている。
頭部の装甲が頭蓋骨に見えると言われるが、予想される衝撃に対して効率的に防御能力を発揮する為のアーキテクトAIによる最適化設計の結果なので他意は無い。
武装として通常の小火器全般を装備可能である。
その他に、携行用に改造された重機関銃や自動擲弾銃を始めとし、以下の重火器流用型兵器も用意されている。
[後装式60mm迫撃砲]
5発装填の保弾板で給弾するボルトアクション式60mm迫撃砲。
各種性能は標準の60mm迫撃砲に準ずる。
[多連装ロケット投射器]
武装ヘリ用の7連装ロケットポッドを流用したロケットランチャー。
誘導ロケット弾の運用も可能。
[迫撃擲弾]
81mm迫撃砲弾を転用した専用手榴弾。
投擲距離は40メートル前後。
火器管制能力は蛭や飛脚とほぼ同程度であるものの、より抗堪性を重視しており、激しく被弾している状況下でも正確な射撃能力を維持することができる。
449:奥羽人:2024/01/24(水) 22:33:18 HOST:sp49-98-218-57.msd.spmode.ne.jp
運用:
2015年にイラン近郊まで進出したISIL拠点への攻撃に投入され、一個小隊(4機)で数十人以上のISIL戦闘員を相手にして7割以上を殺傷し壊走に追い込む戦果をあげた。
同戦闘で本機は、敵戦闘員よりRPG-7を含む多数の小火器の攻撃を受けたが、ライフル弾の直撃や対戦車榴弾の至近炸裂を受けても戦闘を続行し、一機の擱坐も無く目標を達成した。
イエメンやアフガニスタンで行われた対テロ作戦にも投入されており、それなりの評価を受けている。
また、アメリカ合衆国やイギリスにも少数機が輸出されており、こちらも対テロ作戦に投入されている。
米国カリフォルニア州で開催された環太平洋国際防衛機器展示会においては、元州知事が当機と並んでツーショット写真を撮っていた。
派生型:
タクティカル バージョン6.00
基本型。
タクティカル モデル1
輸出用モンキーモデル。構成材料の簡易化や、一部駆動系を従来型シリンダー、モーターへの置き換え等の簡素化が行われている。
タクティカル バージョン8.00
音声ソフトウェアを導入し現地民間人への注意喚起や、敵戦闘員に対する降伏勧告を可能としたモデル。
民間人に対する威圧感緩和の為、頭部に装着するゴム製の模擬顔面がオプショナルパーツとして存在するが、おそらく逆効果である。
音声には声優の玄田██氏の声がサンプリングされている。
ハンターキラー バージョン4.16
社内モデル。
通常よりも高度なAIを搭載し、タクティカルモデルが搭載するAIの戦闘能力を向上させる為の模擬戦闘で仮想敵機として運用された。
450:奥羽人:2024/01/24(水) 22:37:27 HOST:sp49-98-218-57.msd.spmode.ne.jp
以上となります。転載大丈夫です。
以前蛭と飛脚を出した時に萌えとか風情が足りないと言われたので、自分なりに萌と風情を入れてみました。
最終更新:2024年06月11日 17:40