515:モントゴメリー:2024/01/28(日) 01:26:23 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
M1974 50mm狙撃擲弾砲CaGreT

口径:50mm
全長:約1500mm
重量:約15kg(二脚)
     27kg(三脚)
初速:400m/s
有効射程:約1000m(直射)
      2500m(曲射)
      8000m(面制圧、三脚使用時)

【概要】
M1974 50mm狙撃擲弾砲とは、フランス連邦共和国(FFR)で開発された携行擲弾発射器である。
他国で運用されている同種兵器との最大の違いは、その高初速による長射程と高精度である。
FFR兵士からはCaGreT(カグレ)と呼ばれ親しまれた。なおCaGreTとは砲(canon)・榴弾(grenades)・狙撃(tireur d'élite)の頭文字である。

【計画】
「M1970 65mm携行擲弾砲」の実用化により、ようやくFFR陸軍の歩兵直協火力は大砲ではなく個人で運用出来るものとなった。
しかしこのM1970は世界でほぼ唯一の携行“反動”砲であり、扱うには多大な苦労を必要とした。
(日本人からは『珍兵器』なる奇妙な名称を付けられる始末である)
現場では将兵たちのエラン・ヴィタールにより赫々たる成果を上げているが、改善要求が連日山の様に来ているのも事実である。
勿論上層部としてもこの問題は認識していたが、いまさら無反動砲を採用するわけにも行かないので更新機材の開発は遅々として進まなかった。
しかしソ連内戦により、FFRに亡命してきたソ連技術者が携えてきた技術を解析した結果、事態は動き出した。
FFR陸軍上層部はその技術を用いての新型携行火器の開発を決定、その結果生まれたのがこのM1974である。

516:モントゴメリー:2024/01/28(日) 01:27:17 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
【構造】
見た目は銃身部分を除き一般的な小銃からそれほど乖離していない。しかし全長は約1500㎜とMAS50の4割増しであり、重量に至っては約15㎏と4倍弱となる。
されど第二次世界大戦期の狙撃銃にはこれよりも長く重かった物も多いため兵一人で運用するのは十分に可能である。
口径は50㎜、そこから重量570gの榴弾を400m/sで発射できる。
他国の敵弾発射器の初速が100m/s前後であることを踏まえると、これは驚異的な数字である。
その初速の結果、有効射程は直射で1000mを越えるとされる。しかし照準装置の問題で狙撃手ではない一般兵が扱った場合は800m前後が限界である。
曲射の場合は2500m先まで照準でき、目標を定めない面制圧ならば8000m先の地点まで擲弾を飛ばすことができる。
(その際は三脚を使用する)
弾頭の種類は通常の榴弾と成形炸薬弾、及び近接戦闘用のフレシェット弾がある。
榴弾には着発信管の他に時限信管が用意されており、塹壕や障害物に隠れる敵兵の頭上で炸裂させることも可能だ。
(どれだけ正確な場所で炸裂させられるかは兵士のエラン・ヴィタールに依存するが)
また成形炸薬弾は距離に関わらず最大で115㎜の装甲板を貫通可能である。
これはドイツ帝国軍が第二次世界大戦で使用したパンツァーファウストに匹敵し、主力戦車を除く全ての陸戦兵器を撃破可能である。
主力戦車であったとしても側面や背面を狙われた場合は油断できない。
弾倉は4発の箱型弾倉か10発装填のドラム型弾倉を選択できる。また弾種を変更したい場合は、上部から1発ずつ装填することも可能だ。
装填方法は信頼と実績のボルトアクション式である。
半自動式や自動式も考慮されたが、後述する理由で発射速度を一定以上には上げられないのでこの方式に落ち着いた。

517:モントゴメリー:2024/01/28(日) 01:27:58 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
【反動制御】
以上のように、M1974は満足できる性能を有していた。
しかし、その性能に比例して発射時の反動もまた増大していた。
考えてみたら当然であるが、50㎜もの大口径擲弾を400m/sなんて非常識な初速で撃ちだせば人間が制御できる範囲を逸脱する反動が発生してしまう。
そこで登場するのが亡命してきたソ連技術者である。
彼がFFRにもたらしたのは、M1944空挺砲の技術であった。
これは空挺部隊用の37㎜砲で、大威力の37×252㎜SR弾を使用し45㎜砲と同等の装甲貫通力を有しながら重量は半分以下の約200㎏という軽さだった。
それを実現したのが反動制御装置であり、その原理は反作用錘を砲身外周部に装備して反動を軽減するというものであった。
残念ながらM1944が完成した時点でソ連は条件付き降伏してしまい実戦に出ることは無く、戦後には忘れ去られてしまったが技術者たちの記憶までは消え去っていなかった。
こうしてソ連で生まれた技術はフランスで受け継がれたのである。
これにより生身の人間が扱える水準まで反動は低下したが問題も確認された。
反動制御装置の限界により発射速度が制限されてしまうのである。
試験では毎分30発までは可能とされたが、その発射速度を維持すると高確率で故障が発生するため、実際には毎分15発前後の発射速度が推奨された。

【運用】
M1974はその名の通り1974年に制式採用され、順次陸軍の各部隊に配備された。
その運用は歩兵部隊の直協支援であり、アフリカ州では反政府勢力が立て籠もる建物の窓を「狙撃」し、エストシナではセクト共を接近する前から隊列ごと粉砕した。
また国境紛争ではBC陸軍の装甲車を破壊し、歩兵の頭上で炸裂した。
また海軍でも採用され、海賊対策で活用されただけでなく艦内用白兵戦装備に加えられている。

518:モントゴメリー:2024/01/28(日) 01:28:46 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
以上です。
ウィキ掲載は自由です。
FFRの歩兵砲シリーズ、その最新号でございます。
まあ、ざっくり言えば中国軍のQLU-11式スナイパーグレネードランチャーの口径を50㎜にしてそれにソ連のM1944空挺砲の反動制御装置を付けた感じですね。

この砲はジープはもちろんサイドカーにも搭載できるくらい軽かったのですが37㎜砲であるのは変わらないので生まれた頃には戦車には通用しないものになっていました…。
では、57㎜砲や75㎜砲に応用しては?となりますが実験は失敗しました。
当時の技術では37㎜砲がギリギリ対応できる限界だったのですね。
ですがこの50㎜狙撃砲は対戦車砲ほど初速が速いわけではないため対応可能となっております。

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最終更新:2024年06月11日 17:49