828:弥次郎:2024/02/07(水) 23:26:15 HOST:softbank126036058190.bbtec.net

日本大陸SS 漆黒アメリカルートSS---閑話「日英同盟、あるいは人類同盟の始まり」



 後世において、いわゆる人類同盟の基礎となった、日英間の北米での相互援助を目的とした「日英対北米協力条約」は、1844年に結ばれた。
北米においてアメリカ合衆国が拡張主義的政策に出ていることを受け、プレイヤーである日英が協力し合う体制を整えたことを意味する条約だ。

 後世でこそ、日英の蜜月はそれ以前からよく語られているが、それはどちらかといえば世界の海洋を支配する大英帝国相手に立ち回ったというのが正しい。
 日本大陸に加え、外地に勢力圏を求め進出していた日本であったが、当然ではあるが欧州列強の存在を警戒していた。
殊更に長らく覇権を握ることになる大英帝国に関しては、慎重になっていた。
ポルトガルやスペインなどはまだよかった。夢幻会の知識として、その二つの国は後年に凋落すると知っているのだ。
それでも欧州の一国としての影響力はあるが、大英帝国から比較すれば小さいのだ。
 対して、大英帝国というのは史実においてアメリカの台頭により追いやられはしたが、逆に言えばそれまでは影響力を及ぼし続けた。
この時代においてはアフリカやインドなどを有し、さらにはスペインを下す形で欧州のトップの座に就いた大国なのだ。

 当然、洋の東西こそ違えど、この両者は接触を持ち、関係を構築することになった。
 もとより史実よりかなり前倒しで外交を展開していた織田幕府にとっては避けては通れない道であった。
 とはいえ、油断すると危ういのがイギリスという国家なのである。
 現場猫案件こそあれども、それでも覇権を握り、海運や資源などの面で他を圧倒したのは事実である。
 ローマ帝国から見れば蛮族の暮らす辺境の地であった片田舎のイギリスが他を押しのけるとはなんとも奇妙だが、そうなったのだから仕方がない。
 織田幕府の方針としては一線を引いてわかり易く英国に干渉される範囲を提示する、ということに終始した。
これは夢幻会の入れ知恵である。要するに「空気を読む」というのが通用しないのだから、常にここまでならOKというラインを提示し続ける。
 ここの外交面および内政まで絡んだ一種の総力戦は、日英対北米協力条約そしてのちの日英同盟にこぎつけるという成果を上げることになる。

 正直なところ、夢幻会の入れ知恵抜きでどこまでできたのかは考えたくもないことである。
 しかし、夢幻会がそれ以上に考えるべきは、如何に北米でのグレートゲームで立ち回り、利益を得ていくかであった。

 しかして、その夢幻会にしても、この同盟がのちに人類同盟という大規模な物に発展するとは、この時は思いもしなかったとだけ補足しておこう。

829:弥次郎:2024/02/07(水) 23:27:46 HOST:softbank126036058190.bbtec.net

以上、wiki転載はご自由に。
日英同盟の先駆け、北米での協力関係を締結しました。
ここから発展し、栄光ある孤立の先へ日英はたどり着き、WWWを経て人類同盟へと至ります。
当初の予定を遥かに超えておったまげでしょうけどねぇ…

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2024年06月16日 23:22