133:モントゴメリー:2024/02/18(日) 00:32:26 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
日本大陸連合 Strong Style
列島日本、皇居松の間
——これは本当に現実なのだろうか?もし夢ならば早く覚めてくれ…!!
内閣総理大臣は胸中で叫んでいた。
「妖怪の孫」などと(敵味方を問わず)呼ばれることもあった彼でさえ、そんな弱音を吐きたくなる光景がそこには広がっていた。
そこにいるのは妖怪などという生易しい存在ではない。「魔王」たちであった。
事の起こりは、2019年。
東京湾の入り口に巨大な「何か」が何の前触れもなくそびえ立った。
現在では「ゲート」と呼ばれるソレから出てきたのは「鏡の中の世界」——平行世界の住民たち。
幸いにも彼らは映画やアニメにあるような即時攻撃してくる蛮族ではなく、対話と友好を求めて来た。
しかし相互理解が進むにつれ、その方針に暗雲が垂れ込めて来る。
——「鏡」の向こうは未だに大日本帝国が存続している。
さらに厄介だったのは、列島沖に存在する「鏡」は“ターミナル駅”と呼びべき存在であり、数多の平行世界へと繋がっていたのである。
そしてそのほぼ全てが「帝国」であるというのが知れ渡ると、“ある種の”人間たちは正に発狂状態となっていった。
列島の住民たちにとってはいつもの光景なのだが、「帝国」たちにとっては面白いはずも無い。
自然、態度が硬化していくのもむべなるかな。
それでも「帝国」たちは理性的だった。
“誤解”を解こうという機運が上がり、とある世界から特使が列島にやって来た。
それが両者を引き裂く決定打になるとは、神ならぬ身ではわかろうはずも無かった……。
134:モントゴメリー:2024/02/18(日) 00:33:13 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
「帝国」特使夫妻暗殺事件発生。
犯人は民間人の単独犯であり、「あいつらは侵略者の一味で、虐殺者なんだ」などと意味不明の供述を繰り返した。
これだけでも驚天動地の出来事なのに、暗殺された特使の人選がまた悪かった。
その特使は派遣した世界の皇族であり、国民からの人気も高い人物だったのである。
さらに言うなら、同時に凶弾に斃れた夫人も平民出身者(ただし実家は鎌倉時代まで遡れる武門の家系)だったためこれまた国民人気は天井知らず。
特使夫妻の出身世界の国民感情がどうなるかは語るに及ばないだろう。
政府も怒り狂ってはいたが、まだ冷静であった。
列島日本がきちんと対応してくれるのならば、軍事侵攻まではしないつもりだった。
(逆に言うなら、それ以外の手段は選ばないつもりだったが)
しかし、列島側の対応はそんな「帝国」側の思惑とは正反対であった。
警察の捜査は杜撰としか言いようのないものであり、それどころか捜査情報を意図的に漏洩し世論を操作しようとする始末。
マスメディアや知識人たちは犯人を擁護し、列島の国民たちもそれに流されるままに見えた。
これには「帝国」政府も啞然とし、腹をくくった。
全面核攻撃の準備を始めた彼らを止めたのは、他の帝国たちであった。
より正確に言うならば、各世界線の
夢幻会たちである。
“故郷”をガラスの大地に変えられるのは流石に看過できなかったのだ。
しかし、彼らでも列島日本を擁護することは不可能であった。
特使暗殺事件は各世界線でも知れ渡っており、各々の国民たちも列島日本へ非難の矛先を向けていた。
そうは言っても「ターミナル駅」を放射能汚染されるのは色々不都合なので、核攻撃は思いとどまってもらった。
代案として通常兵力での列島占領作戦が提案され、各世界が戦力を供出するという形で落ち着いた。
この連合軍を運用するために生まれた連絡機関が、後の「日本連合」の母体である。
各世界連名の「宣戦布告」文書が交付されてから6時間後、ゲートから戦闘艦が現れミサイルと電磁投射砲による攻撃が始まった。
目標は列島各地の自衛隊基地と在日米軍基地であり、特に空港設備は真先に破壊された。
制空権を確保した大陸連合軍は上陸作戦を開始。
彼らの兵力は、陸上戦力だけで300万名を超えていた。
これは“敵地を占領する場合は、住民50人に対し兵士1人が必要”という用兵学の原則に則った数字である。
列島日本の人口はおよそ1億3000万人。
50で割れば260万人となるが、不測の事態に備えた司令部直轄予備を含めてキリの良い300万名となったのである。
大陸連合の面々は怒りで頭に血が上っていたが、理性まで投げ捨ててしまったわけではない。
例え技術力で大幅に優越していたとしても、敵を侮ってはならないという闘争の基本に忠実であった。
この大兵力が揚陸艦で、航空機で各地へと陸続と揚陸されていく。
ここに至り列島政府は無条件降伏を宣言。
戦闘自体は10時間以内に集結した。
そして舞台は最初に戻る。
今、松の間では降伏文書調印式が執り行われており、彼——内閣総理大臣は政府を代表してその文書にサインする役目を担っていた。
そこにいるのは各世界線の代表たち。彼らの表情はとことん冷淡であった。
彼はこれから祖国が味わうであろう苦難を想像し、恐怖した。
「魔王」たちは我々列島の民に慈悲も、温情も示さないことが分かるのである。
降伏文書調印式が行われているのが国会議事堂でも首相官邸でもないのがその証拠である。
——我々は貴様たちの政府も、国民も、一切考慮しない。気を配るのは唯一、こちらの世界の皇室のみである。
彼らは言外にそう語っているのである……。
135:モントゴメリー:2024/02/18(日) 00:34:03 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
以上です。
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年末年始、生死の境をさまよっていた(6割冗談、4割本当)際、見た光景であります。
コーヒーなどでストロングというと、「濃い(もしくは苦い)味」という意味になります。
この世界の大陸連合の面々は、ウドのコーヒーくらいのストロングスタイルで突き進むことになるでしょう。
どれくらいストロングかというと、鉄血アプリ内蔵の皆さんが「アメリカンコーヒー」扱いになります……。
ストロングな内容の一例
- 財務省や宮内庁などの官僚と、多数の政治家が首になります(直喩)
- 自衛隊は解体。こんなもん軍隊として認められるか!?
- 新国軍創設に伴い、徴兵制を復活させる
- 社会保険制度の変更。高齢者優遇の廃止(代わりに保険料引き下げ)
- 年金制度も同様。受給年齢の大幅引き上げ(こうでもしないと制度崩壊するぞ?)
- 高校無償化政策の廃止。大学無償化?笑わせるな。(代わりに減税)
最終更新:2024年06月28日 21:23