920 :名無しさん:2012/03/16(金) 21:32:18
夢幻会VS大友の姫巫女」

西暦1551年(天文20年)尾張の国

この日、日本をいや世界を変えることになる男の家督相続が行われた。

その男の名は織田信長―――第六天魔王の異称で呼ばれる天下人である。

それを感慨深く見つめる最初期の夢幻会創設メンバーである織田信秀・林秀貞・平手政秀。

「わしは織田信秀に転生して以来戦国の世を駆け抜けたが結局は尾張一国を統一するだけに終わってしまった。息子の天下取りを楽にさせるためにも史実よりも領土を広げたかったのだが。」

そう述懐する信秀だが、ともに戦野を駆けぬいた2人の同志の意見は違った。

「史実の尾張半国どころか尾張一国を支配しました。守護や守護代は排除され、国人の力を削ぐことに成功して織田家の支配力を高めることが出来ました。我々の知識を持って史実よりも尾張を富国強兵することに成功した事は後世においてアレクサンドロス大王の父フィリッポスに並びます。」
「さよう、平手殿の言う通りです。流行病によって歴史から退場する運命を逃れたのだから伊達輝宗のように後見として織田信長様の天下布武を支えてくだされ。」

夢幻会それは平成から戦国の世に転生した転生者の集まりであり、その能力をいかして織田家で活躍していた。また他国に生まれた転生者も己の立場を生かして織田家に協力して言った。平成生まれの甘さは戦国という時代の厳しさによって払拭されて戦国色に染まっていた。夢幻会の最終目標は国内統一に終わらず海外進出であった。特にアメリカ大陸に史実のアメリカのような国家を日系国家として成立させることが目標とされた。(これには夢幻会にファンが多い佐藤大輔の大和民国が頭にあったとか)

当の織田信長であるが夢幻会の薫陶を受けた織田信長はチートを超えるチート振りとカリスマ性をもった史実を超えるスペック持ちに成長して夢幻会をどこのブラック会社というほどに酷使しまくって国内統一どころか征海の海に乗り出していくことになる。(もっとも夢幻会に織田信長のファンが多くカリスマもあって喜んで自ら働きまくっていたが)

「問題は前年に大友家で誕生した姫君ですな。この姫があのビッチ姫なら厄介なことになりますな。」

「おとなしくしてほしいが、織田家が海外に展開できない時期にかの姫君が築く台湾とルソンの拠点は魅力的だ。何とか夢幻会に取り込めないか。大勢力としての大友は容認できないが一国にまで縮小するのなら容認できる。姫君もそれを認めている。」

「夢幻会の考える天下取りのシナリオに従うのならば認めてやってもいいだろう。勝手な行動を起こして思わぬ損害を我々が被り天下取りが遅れるのは容認できないからな。まああの姫君が女神としての力を持っているとはいえ所詮一人、一柱か。やろうとしている未来知識による富国強兵は一人だけだと限界があるが夢幻会には未来知識持つものが多数いる。規模やスピード、人材の育成において織田家の優位は揺るがぬ。優秀な人材の青田買いも進めている」

「大友の脅威となる海軍力も南蛮船をすでに建造して運用する織田家の敵ではない。運用のノウハウはこちらが上だ。後は上洛する前にどれだけ領土を拡張できるかだ。出来れば美濃や伊勢はともかく上洛する前に理由をつけて浅井・朝倉・六角はつぶしたいな。今川は織田の家督継承に箔をつけるために年内に決戦することが決まっているし、そのための今川への挑発・外交などの下準備を進めている。勝利した後は今川領へ逆侵攻を仕掛けて三河を可能ならば遠江をとる。今川は駿河一国に押し込めて武田・北条への緩衝地帯として当面は存続させる。上洛時期は足利義輝か足利義昭を奉じて1564年に上洛という事で」

「いかに有名戦国武将がチートだろうと相手の土俵に乗らなければ良いだけの事。万能な存在ではない。我々の利点を大きく生かし、相手の弱点を徹底的に突けばよい。織田包囲網を組まれる前に各個撃破すれば言いだけの事だ。」

大友の姫巫女が夢幻会によって強大化した織田家にどのように相対するかは西暦1551年の時点では誰にもわからなかった。

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最終更新:2012年03月17日 16:45