5:陣龍:2024/05/20(月) 15:35:31 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
【理不尽な不幸と悪夢からの救いなんて寺生まれのTさん級なやっつけと雑さで良いのです】
幾多の世界、幾多の場所。様々な勢力の思惑と衝突が重なり銃火を呼び込み、そして収束して行ったある日の事。
未だに原因も何も分からないが故に日本本土で一部海域神社とも言うべき謎の社が作られた事がニュースになった程に、
神崎島が当然となった摩訶不思議な海域の一部にて、最早風雨雷雪が吹き荒れる隣で春日向な凪の海が常識である
神崎島でも始めてと言う【赤い水】が出現を確認した。単なる赤潮等では無いのは、航空写真で十分な程に、
謎の異様な感覚を掻き立たせる分だけで理解した。
その為、神崎島は現地調査の為に艦娘に加え、色々有ってこの島と同盟関係にあるとして遊びであったり研修で有ったりと、
何かしらの理由で来ていた英霊達も同乗していた。尚直感的におウマさん勢は一名足りとて乗り込んで居なかった。
リアルタイムで本島と通信し、取水やモノの投擲等で調査部隊が『謎の赤水』海域に侵入し調査を開始。
自らの艦艇に持ち込んでいた様々な科学技術による機器での調査では、ティ連技術ですら解析不能の謎の存在が発見され、
呪術や心霊術等の一昔前ではオカルトの一言で片付けられる系統による調査でも、見ただけで異質感と忌避感を掻き立てるのに
直接コップにくみ取って見れば更に恐怖と本能的危機感を煽る、異様な『謎の赤水』はその場に居る調査隊も、
本島で見守るメンバーも関係無しに危険と見做すに十分であった。
「……なぁ、吹雪」
「え?どうしたんですか、隼鷹さ……」
「……アレ、何なんだ……?」
『それ』に真っ先に気付いたのは、引き攣って少し蒼褪めた顔色の隼鷹であった。決して二日酔い等では無い、
今の彼女は完全にアルコール0%の素面である。
「……かっ……怪、物……!?」
「……ぜ、全艦、砲撃開始して下さい!責任は榛名が取ります!早く!!急いで!!」
釣られる様に視線を向け、何時もの調子を彼方に投げ捨てて絶句しながら言葉を絞り出した漣の声に続くように、
本能的に敵と察知した榛名が真っ先に砲火を開いた。
『――――!』
「うわっ……!え、さ、サイレン……!?」
「あ~もう、五月蠅いわねぇ……!!」
調査隊メンバーの阿武隈と龍田の言葉の通りに、未知の化け物へ砲撃や機銃弾が多数命中した直後、
周囲を包み込んで劈くが如くに巨大な大音量……まるで、サイレンの如き轟音が響き渡っていた。
「咆哮……?わ、わわ、か、艦体が持ち上がった!?」
「違うわ陽炎!海よ!海が盛り上がってるのよ!!」
一瞬陽炎が誤解してしまうのも無理のない、前触れの無い海面の盛り上がり。指摘している霞も霞で、
理解し難い怪現象に既に冷汗を幾筋も垂れ落ちている。幾ら神崎島周辺海域の天候や気候が、
通常では有り得ない千変万化であったとしても、行き成り火山噴火も何も無しに海が、
軍艦を多数浮かばせるほどに盛り上げる事は起こり得る筈が無かった。
「つ、次は、津波……!?」
「退避、間に合わない!皆何かに捉まって下さい!!」
本島の調査本部が最後に受信した映像と音声は、異次元の状況の連続で思わず茫然とし掛けた長良と、
皆へ警告を送るあきつ丸の大声が響いた直後、映像全面を覆い尽くす程の【赤い水】の巨大津波が、
英霊が同乗する多数の艦娘を飲み込んだのを最後に、完全途絶した。
6:陣龍:2024/05/20(月) 15:37:06 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
「……駄目です、完全に全ての通信が途絶えています。残骸などの痕跡も、一切……」
「なんてことだ……」
緊急派遣された救援部隊は、映像で確認された【謎の赤水】等一切存在しない海域に到着後、
あらゆる手段で捜索を開始するも、奇妙にして異様な事に、彼女らの存在していた痕跡、
損傷すれば必ず存在する筈の損傷物の破片等が一切確認されず、また同じくティ連技術等を
フル活用した通信も全く通じず、事実上の行方不明案件になったとされた。
その集団行方不明事件が発生して僅か二日後。懸命の捜索が行われているその海域にて、
何の前触れも無く、何の予告も無く、唐突に彼女らは全員無事に戻って来た。
「……本当に受け入れてくれるの?私も、ケルブも、恭弥も」
「大丈夫、大丈夫!何て言ったって恐竜の人類とかも居る位なんだから、ちょっと他人の目を借りて見る位
誤差見たいなモノよ!私が保証する!!」
「いや、陽炎さん。恐竜人類とか、俺訳分かんないんだけど……」
「まさか……生きてあの村から逃げ出せるとはな……」
「……弥生は、嘘吐かない。志村さんは、死ぬには早いって」
「そうだったな……感謝する、ありがとうな、弥生」
「脱出出来て、本当に良かったですねー!先生!」
「ああ……そうだな、安野……」
「……榛名は、自分の子供が生きて幸せになって欲しいと、きっと思っていると思います」
「……そうであると、願ってるよ」
「……気分はどうでありますか?三沢三佐殿」
「あぁ……何とも、最高の気分だ。こんな風になったのは何時振りだろうな……」
「安心して欲しいであります。神崎島の呪術の解体能力は優秀なので、三沢三佐のアレコレも、必ず治療出来るであります」
「それなりに、期待して待ってるさ……」
「全く、永井士長は!あの環境であの状態なら確かに分からなくも無いけど、だからと言って上官を射殺しようなんて
何短絡的な事をやってるんですか!?」
「あの、長良ちゃ、いや長良さん。その事については、事情を聴いて心の底から反省していまして……」
「言い訳は無用です!島に上がったら神州丸さんに頼んで再訓練して貰いますから!」
「う、嘘だ……せっかく、生き残って活躍したのに……」
「お姉ちゃん……」
「クゥーン……」
「……家族を失う苦しさと悲しさもさ、アタシには分かるよ。妹を失ってるから」
「……隼鷹さんも、ですか?」
「ちょっと事情は複雑だけどね……でも、だからこそしっかりと生きなきゃなぁって、好きに生きて満足しなきゃなぁっても思ってるのさ。
三上さんも、そうしたらどうだい?」
「……永井さんもですけど、藤田巡査さんもその行動衝動を直さないと行けないですよ。自分の正義に従って、
要らない不幸を広げるのは駄目です」
「あ、あははは……痛い事言われちゃったなぁ……」
「もう、そうやって誤魔化そうとするのは駄目です!私の、吹雪の名前で島へはお願いして置きますから、真剣に直して下さい!」
……なんだか、多数の救助者をそれぞれの艦艇に乗り込ませて。
7:陣龍:2024/05/20(月) 15:42:08 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
|д゚) 理不尽には理不尽をぶつけて粉砕するんだよ(至言)との事で、鬱ゲー代表作であるSIRENネタでした
|д゚) 赤い水だから水繋がりで艦船→艦娘が介入して鬱を消し炭に出来んもんかとは何年も前から考えていて、
今回こうやって見ました。描写外では他にも四方田春海等一部以外の人間の要救助者が多数居たりする
|д゚) 無限ループ破壊によるパラドックスとかは英霊が代理になったり何だったりで強行突破してる感じで
レイシフト機能や令呪全振り使用を使ったら大丈夫でしょうし(適当)
最終更新:2024年07月15日 19:50