263:加賀:2024/04/28(日) 10:10:04 HOST:p4198001-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp
「大臣、御台場は直ちに陸軍で接収すべきであります!!」
1937年6月4日、新たな内閣である近衛内閣が組閣された日に陸軍大臣となった杉山陸軍大将は大臣室に押し掛けた辻少佐らに溜め息を吐いた。
「辻少佐、それは海軍の事案を見て鑑みた行動かね?」
「ッ」
杉山の言葉に辻少佐は口を噤んでしまう。御台場鎮守府が現れて御台場鎮守府との会談と陛下への会談を経て御台場鎮守府は皇室領と制式に発表された。もう1つの異なる日本人と軍艦の生き写し、生まれ変わりと称された者達は陛下に保護される事に成功したのだ。
その代償として提督と艦娘達は陸海軍に軍事提供を了承したのだ。
「で、ですがあの鎮守府では我が国が一年で採掘・生産が可能とする資源が1日で取れるのですぞ!! それを見逃す事は出来ません!!」
「だから御台場との協定を結んだのではないか。もう忘れたのかね?」
御台場鎮守府では陸海軍が必要とする油、鉄鉱石、銃砲弾、ボーキサイト等々が採掘可能となっていた。しかもその採掘量は日本が一年で採掘出来る量が僅か1日で可能としていたのだ。言い方を考えれば無資源国であった日本は場合によっては資源国となり得る事になるのである。
だからこそ、提督達は保護してもらう見返りに日本との協定を結んだ。御台場鎮守府で採掘される資源は日本帝国に提供すると……。だからこそ、今まで御台場鎮守府で備蓄していた油(重油・航空ガソリン)は各鎮守府(横須賀・呉・舞鶴・佐世保)に配付され聯合艦隊の獰猛達は腹を目一杯満たすのである。
そして資源に目を眩んだ者達がいる。官僚組織と付随する利権狙いの馬鹿どもである。皇室領となる前に彼等は無理矢理接収しようとしたが彼等は東京湾に沈められた。言葉通り沈められたのである。その為一触即発となり陸戦隊も動員されたが陛下の言葉により鎮静化した。しかし、5月に再び再燃して海軍の馬鹿ども(神中佐達)により再び御台場鎮守府が接収されようとしたが神中佐の頭が片手でビシャッとされてからは再度鎮静化され、米内の海軍大臣辞任は免れたものの神中佐達を裏で主導していた末次らは詰め腹され海軍は元より政界からも追われたのである。なお、神中佐は瑞鶴に頭を潰された。(此処重要)
「失礼します」
そこへ一人の女性ーー艦娘が入ってくる。かつては陸軍に籍を置き大東亜の戦を駆け抜けた揚陸艦『神州丸』であった。
「おぉ神州丸君。忙しい時に済まないね」
「いえ、海軍の乱の時は私は何もしていませんから」
杉山の言葉に神州丸はそう取り繕う。
「それで視察はどうだったかね?」
「やはり港湾施設にも資金は投入すべきです。特にガントリークレーンは強力なモノにしないと新チハは元よりチトもちと無理でしょう」
「成る程……」
神州丸の言葉に杉山は頷き、神州丸のギャグを聞いた辻少佐も思わず苦笑する。
「分かった。港湾施設の件は何とか掛け合ってみよう」
「ありがとうございます」
「しかし、神州丸殿のおかげで我が陸軍は強力になりますぞ!!」
「だからこそだよ辻少佐。我々は協力関係であるべきだとな(艦娘の前だからおべっかか……)」
辻少佐の言葉に杉山は内心溜め息を吐く。神州丸と神州丸に付き添う向こうの日本人ーー賀東少尉は陸軍の改革に協力していた。即ち機甲の改革であり御台場鎮守府が保有していた戦車(M24軽戦車等々)を提供しており陸軍の頭でっかちの者達も方針を変えざるを得なかった。特にガングートが提供したT-34やKV-2を見ていたのが強烈過ぎたのは言うまでもない。(なお、それに影響されて開発部では150ミリ級の戦車砲開発が密かに開始されていたりする)
その為史実の四式中戦車『チト』の開発もされていたりする。
「兎に角、そういう事だ辻少佐」
「……はっ」
杉山は改めて辻にクギを刺し辻もそれに従うのである。
264:加賀:2024/04/28(日) 10:11:31 HOST:p4198001-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp
好評だったので頑張りました。
辻もつじーんにならなくて済む……?(まぁつじーんだし)
海軍は早まったよバーニィ……
神中佐?ホントに瑞鶴に潰されたよ(ズイズイ)
最終更新:2024年07月15日 20:13