813:弥次郎:2024/04/05(金) 23:23:22 HOST:softbank126036058190.bbtec.net
【一発ネタ】
日本大陸×プリンセス・プリンシパル【メランコリー・ハンドラー】
とある並行世界。
日本列島が日本大陸になっている世界@西暦1600年。
戦国時代を織田信長およびタレントぞろいの家臣たちが統一し、幕府を打ち立てて何とかなった日本。
その陰の立役者あるいは縁の下の力持ちとして活躍した転生者たちの集まり
夢幻会は、今日も今日とて会合を行っていた。
「はい」
「はいじゃないんだが?」
「アッハイ」
彼らは会合の場に持ち込まれている鉱石を前にして百面相をしていた。
「まあ、やばいよねこの鉱石」
「クッソ重要な戦略資源なのは確定ですからね」
「今まで見つかっていなかったのか?」
「発掘できたのがかなり深い深度だそうです……」
「ああ、そういう……」
彼らの目の前の箱に収められている鉱石は、ごく最近発見された新種の鉱石だった。
これが既存の、あるいは既知に収まる鉱石ならば夢幻会も困りはしなかっただろう。
まあ、ウラン鉱石とかそういうのだったら、夢幻会もなりふり構わず動いたかもしれないだろう。
戦略資源の一つであることは間違いなく、今すぐではなくとも将来的に重要なモノになるのは確定なのだし、今のうちに発掘された鉱山を抑えるくらいはする。
だが、これはウラン鉱石とかそういうものだったほうがよっぽどマシという劇物であったのだ。
それこそ、これが世界の、ひいては夢幻会の持つ常識を覆し、とんでもないパワーバランスを発揮するものなのだから。
加えて、単なる並行世界へと転生したのだと思い込んでいた夢幻会の予想を裏切り、とある作品の並行世界だったことが判明した。
「まさか……」
徐に、一人がその鉱石をつまんで拳の中にいれると、暫く握ったままにする。
そして、パッと手を開くと---
「プリンセス・プリンシパルの世界とはね」
そこにはわずかに発光しつつ、空中に静止する問題の鉱石---ケイバーライト鉱石の原石があった。
将来的にスチームパンクとスパイとアクションの、ローマ以来の巨大国家をめぐる陰謀劇が繰り広げられることが確定したのである。
諸君らは「月世界最初の人間」というSF小説をご存じだろうか?
「SFの父」とも称される作家「ハーバート・ジョージ・ウェルズ」が書いた、地球から月への旅を行うという小説だ。
同じくSF作家のジュール・ヴェルヌが大砲という手段で月に向かった人間の旅を描いたのに対し、こちらは重力を遮断する物質を使うというものだった。
その物質こそが作中の発明者のケイヴァーの名前からとってケイヴァーリット、あるいはケイバーライトと呼ばれているのだ。
重力を遮断したら月の重力にも縛られないんじゃないかとか突っ込んではいけない。ともかくそういう話なのだ。
地球に重力で縛られているから飛び立てない、ならば重力を断ち切ってしまえばいい、というわけである。
ちなみにだが、重力が強い地球で暮らす地球人は、弱い重力の月の住人より筋力が強いという的を射た設定も登場している。
814:弥次郎:2024/04/05(金) 23:24:13 HOST:softbank126036058190.bbtec.net
閑話休題。
ともあれ、そんな重力を制御しうる機関を作り上げる鉱石であるケイバーライト鉱石なんぞを見つけちゃったので、夢幻会は大わらわだった。
直ちに該当の鉱山を幕府直轄としつつ、他に鉱石として採掘されないか、国内の主要な鉱山の調査を行う必要に追われた。
何しろ、大英帝国がモチーフとされている国家「アルビオン」が世界の覇権を握る原動力としたのがこれなのだ。
イギリスが海軍と海運とでのし上がったのと同様に、アルビオンは航空艦隊というさらなる理不尽で覇権を握る。
あらゆる地形や要害を飛び越えたプレゼンス能力を持つそれらはまさしくゲームチェンジャーだろうし、持たざる国にとっては理不尽であろう。
現段階ではちょっとしたびっくりしか提供できなくとも、蒸気機関との組み合わせが成立すれば話は変わる。
いや、ひょっとすれば、ちょっと研究するだけで人が重力の枷をある程度ほどける可能性もあるのだから、何かと影響はあるかもしれない。
未知数だからこそ、その危険性は計り知れなくなり、リスクは計測不可能となる。全く怖いものだ。
「早くに発見できたこと、そして研究が始められるのは良かったですね」
「まったくです。
そして、夢幻会が諮問機関の一つということもあり、少数ではあるがこの情報は幕府内部で明かされている。
当然ではあるが一部を除いて与太話扱いされているのであるが、今はそれでいい。
Need to Knowの原則。未来の技術や知識という情報を武器としている夢幻会にとっては、情報とは資源である。
それは思わぬところから漏洩する可能性があり、だからこそ、厳密に管理し、統制しなくてはならない。
実際、これが将来的にやばいほどの価値を発揮することは明かされている人間の中でもさらに少ないのだ。
知っている人間が多数いれば、その数だけ情報が漏洩する可能性が高くなる。考えられることは起こりうるのだから無理もない。
「ともあれ、今のところは与太話だという尾びれ背びれをつけておきましょう」
「そうだな……今はまだ、単なる遊びの研究ということだけにしておかなければ」
「あとは将来に向けた研究---原作の詳細な設定を知っている人間をかき集めて、検証をしていかないとなりません」
そう、ケイバーライトは将来的にはすごいものになるのだが、現段階では鉱石が見つかった程度だ。
これが本当にケイバーライト鉱石なのか、これを如何に加工し精製するのか、リスクはないのか---調べるべきは山のようにある。
蒸気機関の本格的な研究がこれからということも合わせれば、長い時間と人員、そして金をかけることになるだろう。
「ケイバーライトは原作でも人体に有害でしたからね……」
「罪人を使って実験するのがいいだろうな、影響を調べるにしても、治療方法を見つけるにしてもだ」
「詳細は不明でもあることは確か。ならばやらない理由はないです」
「これがとんでもない爆弾にもなるって言うんだから、怖いもんだよなぁ」
「少なくともアドバンテージを稼いでおかねばなりませんね。
それとスパイアニメの世界と分かった以上、防諜にはより一層力を入れなくてはなりません」
「やれやれ、やっと戦国時代が終わったと思ったのに」
「アンプリとドロベアをすこれ」
「まだカップル論争は早すぎるぞ。チセ殿はいいぞ」
「アイアムハヤスギル」
そんな感じでグダグダしつつも、いつものノリと算段を立てる彼らは、国家百年どころではない計略を練り始めるのだった。
せっかく時間をかけた国家戦略が見直しだ、と愚痴りながらも彼らは実に真摯であった。
815:弥次郎:2024/04/05(金) 23:25:34 HOST:softbank126036058190.bbtec.net
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私は黒蜥蜴星人の親戚なので嘘つきです。
なのでこの話は終わっちゃうです。
最終更新:2024年07月20日 13:14