251:トゥ!ヘァ!:2024/04/08(月) 17:26:57 HOST:FL1-133-205-201-83.kng.mesh.ad.jp
OGパラレル 後談
新西暦? 187年
「はぁ…憂鬱だわ…」
そう独り言を漏らすのはレモン・ブロウニング。
地球統合軍特殊作戦実行部隊シャドウミラーの参謀兼技術者である。
彼女も自分たちのトンチキな指揮官に従ってテスラ研を制圧、そのままリュケイオスで並行世界へ飛んできたわけだったのだが…
「まさかアクセルやヴィンデルともはぐれるなんて」
なんとシャドウミラー隊副指令ヴィンデル・マウザー、前線指揮官アクセル・アルマーと転移の際にはぐれてしまったのである。
「我らが司令官は顔見せとか言って勝手に出かけるし、黎明卿とも連絡取れないし…これからどうなるのかしら」
レモンの顔には不安が色濃い。
何せストッパー役のヴィンデルも突っ込み役のアクセルもいないのだ。
彼女は“あの”甘粕正彦少将相手に一人で対応しないといけないのである。
今から予想される苦労を思うと胃のあたりがキリキリ痛み出す
アクセル!ヴィンデル!早く合流して!! 内心そう思わずにはいられないレモンであった。
新西暦 187年 とある異空間
「可笑しいねぇ…これは可笑しな光景だ」
そう口にするは孫光龍。仙人集団バラルの指導者である。
いつもは飄々としている彼が珍しく汗をかいている。
それもそのはず。彼の目の前にあるのは…
「どうして…僕と同じ応龍皇を操っているんだい?」
目の前にいるのは自分が操っている応龍皇と寸分変わらぬ存在であった。
「何故だろうなぁ。何故だと思う孫光龍!!」
そう不敵な顔で問いかけるのは甘粕正彦。
並行世界の新西暦からこの世界にやってきたシャドウミラーの司令官である。
黄錦龍を追って遥々やってきたのだが、手掛かりを集めるために取り合えずバラルの拠点へ単身凸したわけである。
その中でまさかまさか自分の先輩である孫光龍(並行世界の同一人物であるが)が出迎えに来たため、テンションが上がって自分の応龍皇…いや黄龍皇を召喚し対峙しているのが現状と言った具合。
「さぁ!見せてくれ!かつて深淵の百邪すら打ち砕いたと言われるその力を!
仙人の身を捨ててまで愛を貫いた生き様を!四霊使いの最高峰と言われたその強さを!
俺に!シャドウミラー司令官!四人の盧生が一人!甘粕正彦に見せてくれぇええ!」
「何をわけのわからないことを!!!」
そして異郷にて二つの龍はぶつかり合う。
結果を言えば引き分けであったが、それは途中で甘粕が満足して帰ったためであった。
そして両者の戦場となった仙郷は勿論滅茶苦茶となり、バラルの面子は新しい拠点へ引っ越しを余儀なくされたそうな。
252:トゥ!ヘァ!:2024/04/08(月) 17:27:46 HOST:FL1-133-205-201-83.kng.mesh.ad.jp
新西暦187年 ラ・ギアス
「ふむ…見知らぬ土地…いや世界ですか。エンドレスフロンティアではないようですが」
そう語りだすのは黎明卿ことボンドルド・ドーン博士。軍での階級は大佐。
EOT調査専門部隊アンブラハンズを率いる御仁で、元の世界ではシャドウミラーと共に反乱を起こし、テスラ研を占領。
同研究所で弄り回されていた転移装置を用いて並行世界へのジャンプを行ったのだが…
「どうやらシャドウミラーとははぐれてしまったようですね。無事でいるといいのですが…」
そんな現状を心配する台詞とは裏腹に彼の内心は高ぶりを抑えられずにいた。
何せ何から何までが未知の世界である。好奇心が抑えられない。
共にジャンプしてきたシャドウミラーのことや、度々反乱を起こしてまで追っている黄錦龍のことすらも思考の片隅に追いやり、目の前の未知を探求したい欲求が止まらないでいる。
「私としたことがはしたない…しかし…憧れは止められませんからね」
共に飛んできたシャドウミラーには申し訳ないと思うが、落ち着くまでは目の前に広がる世界を堪能しようと思うボ卿であった。
取りあえずは共に飛んできてしまっているアンブラハンズを再編し、周辺の情報収集から始めようとする。
宇宙世紀00??年
「つまるところ記憶喪失ってやつだな。これが」
アクセル・アルマーは悩んでいた。何せ記憶喪失なのである。
全部を全部忘れたわけではなかったが、自分が何故ここにいるのか、今までどこにいたのかなどは綺麗さっぱり思い出せないのだ。
現在は運よく早乙女研究所というところに拾われたが、そこで恐竜帝国を名乗る珍妙な輩たちとの戦いに駆り出されている。
この他にもドクターヘルの機械獣軍団やら木星蜥蜴やらアンノウンエネミーやらとも戦っている。
どうやらこの星は今危機に陥っているらしい。
幸い自分には戦う力があるらしいので、一宿一飯恩返しも含めて地元のスーパーロボットチームと肩を並べている。
「何かこう…重要なことを忘れているような気がするんだよなぁ…」
それはそれとして今日もアクセルは悩んでいる。何か重要な使命を持っていたと思うのだが、それがあんまり思い出せないのだ…
とは言え、そんなのはいつものこと。今日も今日とて飯を食い、侵略者と戦い、街で綺麗なねーちゃんナンパしては振られという日々を送っている。
「おいアクセル!街の方で大食い大会やるってよ!行こうぜ!!」
「マジかよ。武蔵。これは大食いのAさんと呼ばれた俺の胃袋が火を噴くぜ!」
なんだかんだ充実した日々を送っているアクセルであった。
253:トゥ!ヘァ!:2024/04/08(月) 17:28:36 HOST:FL1-133-205-201-83.kng.mesh.ad.jp
宇宙世紀 00??年
「うぉおおお!やったぞ!ついにあのアホ上司の元から逃れることに成功したぁあああ!!」
そう喜び叫ぶのはシャドウミラー副司令官ヴィンデル・マウザー大佐。
この人、常日頃上司のアマカスの無茶振りに悩まされており、原作で見られた傲岸不遜差や野心の強さはすっかり身を潜めていた。
今ではシャドウミラーの苦労人の方と呼ばれる有様。
しかし此度の並行世界の転移によって偶然本隊とはぐれたヴィンデルは宇宙世紀世界へと流れ着いていた。
そして思った。
「あ、これもしかしてあのアホ上司から解放されたのでは?」と。
そう実感してからは毎日が有頂天であった。やったぜ!
「さて。自由になったがどうするべきか。取り合えずアクセルやレモンも来てないか探すか。
黎明卿が来ていたら正直嫌だな…」
可哀想に。既に原作の面影はなく、永久の闘争などという世迷言は当の昔に忘れ去った。
だって永久の闘争を望む=あのアホ上司の下で永遠と働くということである。
取り合えず今日は近所の居酒屋へ飲みに出かけるかと考えるヴィンデルであった。
ヴィンデルのグルメはっじまるよ~!
なおその後株式会社ZRFIを設立。
持ってきた各種兵器を現地の地球連邦へ売り込み始めるのであった。
宇宙世紀0083年 地球連邦軍次期主力機選定会議
「今回は豊作ですな」
「ええ。アナハイム、ネルガル以外からも多くの機体が送られてきています」
「しかし、いささか怪しい会社のも混ざってないか?例えばこれとか」
「ZRFI社のランドグリーズですか? 確かに聞かない名前ですが、性能は中々悪くないですぞ」
「珍しいのはこの会社。他と違って戦闘機や戦車も新しいのを売り込んできているところですな」
「フュルギアとソルプレッサですか。確かに性能は悪くないですが、MSの増産が進んでいる今となってはどうなので?」
「しかし旧来の兵器の延長線上だ。導入、維持コストは悪くない。何より安価だ」
「未だ運用の続いている旧来の戦闘機や戦車の代替には悪くない…か」
「経歴はどうなんだ?確かちゃんと調べたんだろう?」
「調査結果は白だよ。いささか不自然なほどにな」
いささかきな臭いのもわかりますが…四の五の言っていられる状況ではない」
「恐竜帝国、機械獣軍団、木星蜥蜴にアンノウンエネミー。今の我々に物を選んでいる余裕はない。今の地球には一つでも多く強力な剣が必要なのだ」
こうして会議は続いていく。
次期主力機の一つとしてZRFI社から出された機体にはゲシュペンスト、ランドグリーズ。更に指揮官用と銘打たれたラーズアングリフも資料に乗せられていた。
ZRFI社代表の名前はヴィンデル・マウザーと記載されている。
254:トゥ!ヘァ!:2024/04/08(月) 17:29:27 HOST:FL1-133-205-201-83.kng.mesh.ad.jp
〇説明!
〇レモン・ブロウニングの憂鬱
頼りになる仲間とはぐれ、一人でアホ上司(甘粕)の尻ぬぐいに追われることが確定した可哀想な人。
最近は上司の愚痴を毎日Wナンバーズの子たちに聞かせている。
エキドナ&ラミア「お労わしやレモン様…」
最近はアースクレイドルに接触し、そこに居候している。
原作OG2同様ノイエDCに戦力を提供し始めているが、アホ上司が割とその場のノリで方針を決めているので先行き不安である。
〇甘粕の大冒険
早速OG世界のバラルに喧嘩を売り、孫光龍を心身ともに疲弊させたが当のアマカス本人は非常に元気なままであった。
この後も南極探検したり、アインストとバトったり、ハガネとヒリュウにちょっかい掛けたり、インスペクターの出鼻を挫いたりとやりたい放題している。
なおシャドウミラーの裏切りがなくなるので多分バン大佐は死なずに済むかもしれない…
〇厄年のバラル
突如並行世界からやってきた甘粕に襲撃され、孫光龍と彼の応龍皇が負傷。
当分行動できなくなる痛手を負う。
更には甘粕と光龍が戦っている際に別のバラルの拠点へ黄錦龍が襲来。
雀武王を蹴散らし、この世界の四凶や四罪を奪われている。
〇孫光龍
パラレル世界の孫光龍は割と真っ当な人物であった。
西暦時代にVBと見事恋仲となり、その後南極のクロスゲートを通して復活した深淵の百邪ことルイーナ相手に当時のバラルやオーダーの面子と共に戦い、これを見事退けた。
最終的には愛の力で龍玉無しにも関わる応龍皇を全盛期以上の強さにまで引き上げ、ラブラブ石破天驚拳にてクロスゲートを破壊することに成功している。
その際に仙人としての力を失った二人は人間として生きることとなり、その後寿命を全うしている。
応龍皇もその時に力を使ってしまい、甘粕が起こすまで長い眠りについていた。
起こした応龍皇経由で愛の力で悪を打ち破った様を知った甘粕は非常に感動し、以降孫光龍のことを偉大なる先輩として尊敬するようになっている。
最もその無駄に高い期待値のせいで並行世界のOG孫光龍がひっじょうに迷惑しているのだが…
〇不思議の国のボンドルド
シャドウミラーと一緒に並行世界へ転移したはずが、はぐれてしまい部下のアンブラハンズと共にラ・ギアスの方へ流れ着いてしまったボ卿。
しかしそこは自分が知らない未知で溢れた世界であったため、仲間や使命そっちのけでラ・ギアス調査に乗り出すことになる。
(I)「わくわくは止められませんからね」
〇ヴィンデルの孤独グルメ
「うぉおん!今の私はまるで人間発電所だ!」
アホ上司のくびきから逃れ自由人となってヴィンデル大佐。
スパロボAっぽい世界に来てしまったが、気にせず自由を謳歌している。
流石にこのままではまずいと株式会社ZRFI(ランドグリーズのZ&R社とアシュセイバーのFI社の名前を繋げたもの)を設立。
現地の連邦軍に色々売り込み、当座の活動資金を得るために行動を開始した。
因みに同じ世界にアクセルが来ていることをまだ知らない。
255:トゥ!ヘァ!:2024/04/08(月) 17:30:20 HOST:FL1-133-205-201-83.kng.mesh.ad.jp
〇アホセル・アルマー
転移の影響で記憶喪失状態になってしまったアクセルのこと。
いわゆるスパロボAで主人公に選んだ時のアクセルことアホセル状態である。
今は早乙女研究所に拾われてゲッターチームやマジンガーチームと一緒に侵略者相手の戦いを続けている。
記憶が戻る目途は今のところたっていない。
〇宇宙世紀世界
アクセルやヴィンデルが流れ着いてしまった先の世界。
スパロボAっぽい感じの世界だが、所々情勢が違う。
火星が木星蜥蜴やアンノウンエネミーに制圧されている。
連邦は彼らのことをエイリアン扱いしているがご存じどちらも人間である。
ここにダイターンのメガノイドを加えた外惑星同盟を結成しており、連邦への敵愾心に溢れている。
地上ではドクターヘルや恐竜帝国が暴れており、キャンベルの先遣部隊(オレアナ一派)が暴れており、それらに対して日本のスーパーロボット軍団が対応している。
ここにアクセルがお世話になっている。
原作スパロボAでは百鬼帝国やミケーネ帝国の時系列であったため、原作よりも時系列が前後している形となる。
リアル系の方でも一年戦争の真っ最中であり、更にはギガノスもジオンと手を組み連邦へ宣戦布告している。
このためガンダムチーム、マジンガーチーム、ゲッターチームが同期の御三家として存在しており、またコンバトラーチームや波乱万丈もここに加わっている。
多分一年戦争後あたりにナデシコが火星に旅だったり、ボアザン星人やガイゾックが襲来したり、バーム星人が流れ着いたりする。
256:トゥ!ヘァ!:2024/04/08(月) 17:31:06 HOST:FL1-133-205-201-83.kng.mesh.ad.jp
投下終了
シャドウミラー。転移先でバラバラになってしまうオチ。
取り合えずこれで書き貯めておいたOGパラレルネタは終了です。
最終更新:2024年07月20日 13:25