405 自分:弥次郎[sage] 投稿日:2024/04/15(月) 21:24:08 ID:softbank126036058190.bbtec.net [37/113]
日本大陸×プリプリ「The Melancholic Handler」小話「敵国に嫌われているby倉崎翁」
ケイバーライトを用いた航空艦という、全くの道の分野への挑戦。
これはさしもの
夢幻会もてこずることになったのは言うまでもない。
夢幻会の強みの一つは後知恵にある。過ぎ去った過去の時代を後の時代から俯瞰して観測し、多くの教訓や学びを得、最適解を選び取れるのだ。
後世に積み重ねられた考察や研究などを知り、その時代の事情を知り、どうすべきだったかをおおよそ言い当てることができるのだ。
チャートや攻略本などを見ながら進めているようなものなのだから、そのアドバンテージがどれほどかは言うまでもない。
しかし、航空艦という分野においては後知恵が通用しない。
ケイバーライトという重力を遮断するような物質を彼らは知らず、重力を制御する機関など初めてなのだ。
少なくとも一般的な
夢幻会の人間からすればそれらは未知であった。断片的に原作の情報は知っていても、所詮は描写できる程度だ。
まして、それがメインではなくスパイアクションアニメが原作とあるならば、開示されていた情報に関してもほんの少し。
だが、ここに例外が存在した。
いや、むしろいなければおかしいというべきだろうか?
転生とは何も1回したらおしまいではない。実のところ何度も何度も繰り返すというのが仏教の定義する転生である。
輪廻転生の輪は六道をめぐり、何時までも繰り返される生老病死をはじめとした苦しみを背負いつつづける物だ。
だから、そんな空を飛ぶという船が存在した世界の経験を積んだ転生者がいても全くおかしくなかったわけである。
無論、青写真レベルで知識があるとか、すぐに結果を出せるかといえばそうでもない。
ミッシングリングは数えきれないほど存在しているし、そもそも別なものを使っているのだ。
それでも経験値という意味で侮れないのも事実。海上艦艇の研究と合わせ、彼らの知識などが今後生かされることは確実なのだから。
「フウウゥゥゥハハハハハアアアァァァッ!我が倉崎の航空技術は世界一ィィィ!」
そして、その筆頭がこの19世紀末において航空関連技術のトップを走る倉崎航空の社長である倉崎翁であった。
彼はいくつもの世界での経験と記憶を保持しており、およそ空を飛ぶものの研究には社長の座に就く前から関わり、成果を上げてきたのだ。
倉崎翁と呼ばれるように、既に60を超えているが、未だに元気いっぱいであるし、生涯現役を嘯いている。
「あれでもうちょっと我慢してくれればねぇ……」
「いいんじゃないです?ほら、天才とアレの違いは紙一重なんて言いますし……」
当然ながら、そんな貴重な人材であり
夢幻会の人員であり、世界的にも名が知られている倉崎翁は超VIPである、良くも悪くも。
倉崎翁もそうだが、ケイバーライトとそれを利用した技術にかかわる人材は国家レベルでの保護と監視が入っている。
これはそれらの技術が国家バランスにまで影響を及ぼすからという切実な事情が絡んでいた。
特にアルビオン王国、共和国両国からは色々と狙われている。
誘拐や脅迫、暗殺、スキャンダル騒ぎ、周辺へ「虫」をつけるなど、そういった努力を彼らは惜しんでいないのだ。
ちょっと現実ではやりすぎでは?というくらいには日本国内でも起こっているのだから、流石スパイアクション世界と
夢幻会としては驚くしかなかった。
だから、こうして荒事と諜報戦を得意としている人員がさらりと張り付いているわけである。
「お仕事じゃなかったら、お付き合いはしたくないな……」
「ああ……」
さらっと護衛対象をディスるが是非もない。
今倉崎翁は民間での航空艦運用についての視察などを行っているはずなのだが、某奇妙な冒険のドイツ軍人のセリフを吐いて笑っているのだから。
いや、本人たちはとても楽しそうだからいいのかもしれないが、そうでもない気がしてならない。
「お、不審者」
「……だな、お仕事するか」
それでも、彼らは職務に忠実だった。迂闊な招かざるお客にはお話をしなくては。
大日本帝国のアドバンテージは、斯くして守られ続けているのだ。
406 自分:弥次郎[sage] 投稿日:2024/04/15(月) 21:24:55 ID:softbank126036058190.bbtec.net [38/113]
以上、wiki転載はご自由に。
とりあえず、短い話を書いてみました。
ちょっとずつSSを積み重ねれば世界観を作れますからね。
体調の方ですが回復いたしました
どうやら薬とかがよく効いたようでした
ご心配をおかけしました。
最終更新:2024年07月23日 21:10