936 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2024/04/19(金) 00:24:14 ID:p460171-ipngn2501akita.akita.ocn.ne.jp [13/27]
憂鬱大陸スパロボ 

境界惑星ネタ 

宇宙全体を混乱させた多発的な破局的事象は各地での戦争を産み、各地で交戦地帯を構築していた。
2061惑星もその一角で有り、現地の表現に合わせてボーダーライン宙域とも呼称されていた。
当初は連合が介入を開始しただけの宙域であったが、アストラギウス銀河における戦略物資であるヂヂリウムが
見つかった事でアストラギウス銀河を二分するギルガメスとバララントの介入を招いた他、
狂的な民主主義布教勢力である新銀河連邦、その中でも自由惑星同盟系の勢力の介入を招き、
2061惑星の住民が行っていた様な境界戦を惑星や宙域全体で実行する事となった。

そこで連合軍は制宙権を地上制圧している環太平洋地域を中心に展開、重要地域を死守する形で戦力を配置を行う形となっていた。
しかし、同時にそれは他の勢力に追い立てられる現地の経済圏も他の勢力が降下してこない環太平洋地域を中心に防衛線を構築する形となった。
同時に、各経済圏は現地勢力として北米同盟とオセアニアを中心として戦力を再編した他、
北米は同盟とオセアニアはアストラギウス出身の戦争商人達の支援を受けた事で戦力を立て直したのである。

それと同時に協力を取り付ける対価として両勢力は連合への攻撃を依頼、現状の安全域の後方を脅かす
連合の支援する日本解放戦線は現地勢力にとっても脅威であった。その為、現地時間軸2062年7月1日
新日本協力機構と日本政府は自衛隊を始めとした装甲戦力と各地の駐留軍による日本解放戦線の地域を
分断する3つの拠点の攻略作戦「オペレーション・ゲスティバーグ」を発動した。

作戦開始と共に両勢力の領土からは自衛隊の保有していた島嶼防衛用高速滑空弾が一斉に発射された他、
日本海や太平洋に展開した各経済圏の艦隊からも巡航ミサイルを始めとした対地攻撃兵器が一斉に
発射され、解放戦線側の対空防空網の飽和が狙われる形となった。同時に各戦線は地上部隊が進行を開始したほか、
揚陸艦艦隊からの順次の要塞群の補給ライン切断の為の戦力上陸と内陸部からの空挺部隊の投入が実行された。

また、地上主力部隊は現地呼称で壁と呼ばれる関ケ原要塞の近くの名古屋に集結侵攻を開始した。
対する連合が支援する日本解放戦線も墨俣に配置した砲台群で応戦を開始現地は軽MTを中核とした解放戦線部隊と
ヴァンイップブーメラン、ブレディフォックスによる戦闘が開始された。

戦闘の様子は北米同盟の地下基地にも届いており、無人機オペレーター達がせわしなく情報を処理して
現地の有人機部隊や無人機部隊に指示をだしていた。中央モニターには全体的な部隊配置や損耗率が
随時更新されているが、値の変化は現代の戦闘とは思えない速度で増減を繰り返している。

「第15機械化歩兵中隊通信途絶、装甲擲弾兵大隊が穴を埋めて居ます。」

「自衛隊第五、第四戦車隊集結地点へ要塞より砲撃アリ、連絡取れません!」

「木曾川対岸からの機関砲陣地の阻止をアジア軍の第9連隊へ要請急げ!」

「後方の輸送部隊にAMAIMの追加投入を急がせろ、戦線が崩壊する前に!」

元より予想されてはいた事ではあるが、航空優勢を奪われた状況での戦闘は北米・協力機構の合同部隊を過去の大戦の地上戦が如き状況に至らせていた。
物量でこそ優位を保っている物の戦線を僅かに前進させる度に前線では屍の山が築かれ、ようやく木曽川の対岸にたどり着く頃には、
既に投入した地上戦力の幾つかの装甲師団は部隊の維持が困難な有様となっていた。

937 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2024/04/19(金) 00:24:56 ID:p460171-ipngn2501akita.akita.ocn.ne.jp [14/27]

作戦の総指揮を執る為に訪れていたフリーマン指令は状況の推移を確認しつつ、周辺に展開する北米軍艦隊
等に指示を与えていたが状況は苦しい状況におかれていた。当初こそ、西日本全域を制圧できると豪語して
いた司令やそれを補佐するスピアーズ副司令にも焦りの色が見て取れ、目に見えて落ち着きが無くなっている。

「戦力再編にはどの程度掛かる?」

「は、何分敵の砲撃と敵ECMに寄って指示が通り辛くなっており、再編に時間が…」

「急がせろ、再編した部隊から前線への投入を行え」

「了解しました。」

「残存の戦力はどうなっている?」

「現在、壁方面は何とか優勢を保って居ますが…塔と島への攻撃に参加している部隊に関しては前線が
 後退、解放軍が拠点より出て我が方を押し返しています。」

「指令、銀河連邦軍からの通信が…」

状況に対応して居た北米軍司令部に入った一報は、この北米不利な状況を覆す情報であった。
開戦より6時間が経過した現在、近隣に存在した新銀河連邦軍艦隊から陸戦隊の増員が送られたのである。
コレに寄って戦力に余裕のできた連邦軍は北米本土に展開して居た戦力を抽出して日本へと投入したのである。

これと同時に北米軍からも戦力の抽出が可能となり北米軍では同盟の艦に相乗りさせる形で増援投入を
開始したのである。コレに寄って戦力を回復させた北米及び協力機構は再度の攻勢を強化する形で戦闘を継続した。

この同盟からの援軍降下部隊は連合側の観測基地からも察知されており、京都に置かれた連合軍の拠点内でも協議が進められている。
拠点内には連合の将官の他、現地軍指揮を執る煌武院悠陽が詰めており状況の推移を見守っていた。

「銀河連邦軍の戦力に関しては現在の所、1000隻程の戦力が降下して居る様子です。」

「連邦軍の現在の主力軍備からすれば少ないな…何か有るのか?」

「はい、現状大規模増援では無くあくまでも陸戦隊や降下可能な艦を中心とした降下部隊を主力としているほか、
別途に揚陸艦から歩兵降下用の輸送艇を動員して歩兵を日本に運ぶつもりの様でして…
北米本土の戦力を減らす分の補填として、MSを其方に集中して展開している事も影響している様子です。」

「なるほど、この動きで北米本土を進行中のギルガメスの大規模侵攻を抑える必要があるか…」

「艦隊の対策は私が預かっているワイルクを中核に艦隊を編成、対処を行います。
 ガザGを本隊から抽出して降下させてください、数的不利を補います。」

「了解しました。」

938 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2024/04/19(金) 00:25:29 ID:p460171-ipngn2501akita.akita.ocn.ne.jp [15/27]

この後、日本周辺の大気圏内に居た高雄型及び旗艦として改最上型ワイルクと中核として臨時の艦隊を編成、
同盟の送り込んできた戦力への対応を実施している。一方で地上戦線も戦局が変わりつつあった。
主戦場となっていた関ケ原要塞では合同軍が墨俣砲台群を突破、木曽川対岸での戦力の再編成を行っていた。

合同軍は後方洋上に待機させていた同盟が齎した大型兵器オブジェクトを投入。
ガトリング033と呼ばれたタイプの機体と同型の物を4機投入、関ケ原要塞攻略に投入した。
しかし、コレに対して解放軍側は大型砲台アイボールを起動、先行して突入して来たオブジェクトを一撃で両断。
後方で制圧の為に待機していたオケアノス連隊やアメイン大隊を巻き込んで消滅させた。

コレに対して当然合同軍側のオブジェクト側も要塞への距離を取って砲撃を開始した。
だが、要塞供給のエネルギーで強力な防衛シールドをアイボール本体は展開しており、
更には壁の上層に陣取る機動砲台ジャガーノートがオブジェクトへと砲撃を加える事でお互いに牽制が行われる。
その間は要塞からの牽制が防がれた事でお互いにMTやアメイン等の機動兵器同士の戦闘を余儀なくされていた。
そこで解放軍は壁の麓に展開して重MT部隊を前面に打ち出して数に勝る合同軍を砲撃で抑え込み硬直状態に陥らせた。

この状況に於いて新日本協力機構の主力であったMAILeSやエースの乗る有人AMAIMを中核とした部隊を投入、
北米軍においてもブレイディファントム中核とした部隊を先頭に投入、壁に取りつかせる方針を実行した。

〈よーし!何とか壁まで取り付いたぞ!〉

「後は入り口を…」

正面に展開していた近接戦型の重MTを撃破したケンブを操るアモウは息を整えて周辺を見回した、
敵の軽MTも下がり始めており要塞の正面ゲートがカメラに捉えられるまでに近づいていた。
そして、後方から追い付いてきた牛人やバンイップジンガーが正面ゲートに砲を向けると同時にそれは起こった。

〈!部隊を後退させろ!〉

どのI-LeSが叫んだのかはわからなかったが、その掛け声に反応する様にアモウは機体を動かし門の前から機体を離したその刹那、
ゲート内部からシャッターを突き破ってビームが発射され、前方で扉を破る為に展開していた機体群を吹き飛ばした。

そして、その中から現れたのは奇妙な機体であった。一見すれば巨大な自走砲に見えるそれは本来砲塔が
ある筈の部分にミサイルランチャーを思わせるパーツが置かれており、車体部分には大型のガトリングと思われる武装が取り付けてあった。

「これも解放戦線の機体!?」

「しかし、自走砲なら!」

虚を突かれた攻撃から体制を立て直したブレディファントムに搭乗するブラッド大尉は機体に搭載された
ヒートクローでの攻撃を狙い一気に自走砲側面に接近したが、それを阻む様に自走砲後方から赤い機体が
飛び出し、機体の攻撃を受け止めた。

「新手か!」

〈赤い機体に9のマーク、こいつが横須賀を襲った機体か!〉

「ガイ、あの機体…」

〈ああ、まるでゴーストだ…〉

ケンブの機体内での会話を察知したかの様に鍔迫り合いをしていた、ブレディファントムを蹴り飛ばした
機体…ナインボールはそれと同時に型に装備していたグレネードランチャーを展開、ケンブを始めとした
MAILeSの部隊へと攻撃を行い、それに合わせる様に固まっていた戦闘が再開された。

この間もなく、壁に取りついて居た部隊が未知の機体に撤退に追い込まれて壁から押し戻された事や
要塞後方の地域でのかく乱を行っていた、空挺部隊や上陸部隊の撃破によってフリーハンドとなった
モルフォによる前線への砲撃が開始された。

939 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2024/04/19(金) 00:26:07 ID:p460171-ipngn2501akita.akita.ocn.ne.jp [16/27]
以上です。WIKIへの転載は自由です。取り敢えず前から書こう書こうと思って居たネタの一つをば…
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最終更新:2024年07月23日 21:20