953 名前:635[sage] 投稿日:2024/07/31(水) 07:23:27 ID:27-143-180-112.rev.home.ne.jp [4/6]

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその一一三


葛城山葛城一言主神社、その境内には巨大な穴が開き異形が溢れ出ていた。
その多くは形容するならば大蜘蛛の化け物であろう。


「これにて神州日本は浄化され真なる日本へと革命するのだ…!」


社殿の屋根よりそれを見つめ狂ったように笑う男が一人。
旧軍の制服を纏い白い手袋に外套を羽織る気狂い…生身の人間ながら魔人加藤を名乗る狂人だ。
現代まで続いた術者の家の傍系である男がいつから己をそんな人外であると考える様になったのか…;
まあ術者という家系故に大人になっても中学生だったのだろう。
だがしかし、銀河連合日本…ひいては現代日本の体制を悪と断じ、消し去ろうというのは暴力革命思想…日本の思想の負の遺産であろう…。
それに魔人などというイカれた考えが悪魔合体し二・二六事件の青年将校と戦後の学生運動家を足してそのままの様な思想と厨二病がダンスしている。


「さて、これより大地に潜り土蜘蛛の怨念、そして龍脈と一つとならねば…。」


男はそう言いうと大蜘蛛が湧き出る穴の中に飛び降りていった。





「陸上自衛隊、第三師団全部隊出撃準備完了!」

「海上自衛隊より護衛艦グレイファントム及びメガロード出撃準備完了とのこと!」

「岐阜基地より空自の飛ばした偵察機の映像からも裏付けとれました!
県と繋いでますが県庁と県警本部は混乱中、県警の一部は独自の判断でロボットスーツ部隊投入とのこと!」

「ヤルバーンより周辺住民の多くは現場に居た神崎島鎮守府の軍人の要請により軌道上の亜惑星要塞に転送収容中との通報。
なれど未だ取り残された住民が存在!」

「現地では神崎島鎮守府軍人が独自の判断で戦闘を行っている模様!」

「県庁に自衛隊が入りました。この後、銀連日本・ヤルバーンとの合同司令部を開く予定。」

「銀連日本より橿原神宮に臨時指揮・避難所を設置すると通達、臨時指揮官としてモンティナ・マックス少佐が…。」




土蜘蛛出現より二時間弱、ゲート日本内閣総理官邸内の危機管理センターは情報の洪水と関係各所からの問い合わせの処理に追われていた。
奈良県南部にクモ型巨大怪生物、それこそ怪獣としか言えないものが出現。
その一報を静養先の都内のホテルで知ったゲート日本総理は即座に自衛隊に対し防衛出動を命令。
加え在日銀連日本自衛隊やヤルバーン、在日米軍に支援を要請し現在官邸に向かっている。
その命令に基づきゲート陸自自の京都、滋賀、大阪などに配置された陸自第3師団有する中部方面隊が出撃準備をしていた。
国内初の有事出動だが、国内でも有数の重装備を誇る第7師団有する北部方面隊や最新装備を多数装備する水陸機動団の存在する西部方面隊は不気味な動きを見せる中露への対応から増援としては期待できない。

総理より先に着いていた副総理はそれらの報告を随時受け、同じく総理に先んじて官邸に到着していた銀連日本大使アナスタシアとヤルバーン州知事ヴェルデオも同センターに詰めていた。
その総理も本来であれば数十分前には既に到着していなければおかしいのだが。


「で、アナスタシア大使にヴェルデオ知事、銀連日本やイゼイラの方はどうなってるんだ?」

「イゼイラは現在、現地周辺の民間人を強制転送して亜惑星要塞に収容中デス。
また、日イ安全保障条約に基づき亜惑星要塞とオキナワ沖浮遊大陸に駐留する軍の出撃とニホンの陸上自衛隊の部隊の転送もいつでも可能デス」

「銀河連合日本は現地に偶然居合わせた第六駆逐隊雷、電、霓とジェーナス、ジャービス姉妹やカルデアのサーヴァントらが独自の判断で戦闘を開始。
増援として第六駆逐隊の暁、響含む第一水雷戦隊が先んじて奈良に急行中、北海道と南溟の駐留部隊も展開準備完了ですわ。」


その言葉を聞き副総理は以前とは内装も変わり液晶に変わりとなったゼルモニターに投影された映像を見る。
特撮にでも出てそうな巨大な蜘蛛の化け物の姿が存在した。


「アレの正体については?」

「少なくとも昨今外宇宙から飛来した地球外生命ではないとヤルバーンの科学者は判断してイマス。
恐らくは古代より日本に存在したので「遅くなりました!」。」

954 名前:635[sage] 投稿日:2024/07/31(水) 07:24:10 ID:27-143-180-112.rev.home.ne.jp [5/6]


その様な話をしていると危機管理センターの扉が乱暴に開かれ、作業帽を深く被り作業服の上下を着た人物が入ってくる。
部屋に入り帽子を取るとこの国のトップ、内閣総理大臣の姿が露となる。


「随分と遅かったな、妨害か?」

「ええ、運動家や野党が静養先のホテルや周辺で待ち構えてまして変装し軽バンに乗り換えて搬入口から何とか入ってきました。」


自衛隊の防衛行動発令と奈良県及び近隣自治体への非常事態宣言発令と住民避難命令の発表を以て、
総理の静養先や官邸周辺には勢力下落の一途を辿っている一部野党議員や支持者、活動家らが集結、反戦のシュプレヒコールを上げていた。
総理の静養先からにまで官邸までの道も封鎖し妨害しようとして動き始めていた。まあ既に総理は官邸に到着しているのだが…。
彼ら曰く、第二の沖縄戦は許さないとのこと。
抵抗した故に悲惨な地上戦となったのだから憲法九条に縋り自衛隊が戦闘しなければ悲惨なことにはならいと主張している。
現地の住民らからすれば巫山戯るなと叫びたいところであろうが彼らは現地の被害よりも政治的信条を優先する。
彼らにとって国民生命よりも憲法は重いのだろう。
まあそんな彼らは自由にそんなことが出来た経験に基づき道路封鎖しようとして警視庁にしょっぴかれ何やら喚いていたが。
ツカツカと総理は歩みを進めると危機管理センターのゼルモニターに映る巨大な蜘蛛の姿を見る。


「先程の話の続きですが…アレの正体の話ですが。」

「総理、アレは土蜘蛛ですわ。」


アナスタシアは総理の問いに答える。


「上代、大和朝廷への恭順を拒んだ民の成れの果て…。
神武天皇により葛城山に封じられていた土蜘蛛が霊的機構の弱体化により封が解かれ復活したのでしょう…恐らくは第三者の手で…。
京都のもしもの時を想定し赤城と龍驤がひたち型艤装拡張ユニットを装備し対地用装備をした艦載機を搭載し日本海に展開、
ナヨクァラグヤ様も自身の乗機と共に京都へと赴く予定です。」

「京都も…?」


副総理の疑問にアナスタシアは頷く。


「京都にも眠っているのですわ…蓮台野に体長60mにも及ぶ大蜘蛛が…。
そして総理、必要とあらば我々は奈良に高威力兵器を投入しますので御覚悟を。」

「問題ありません。覚悟ならば既に…。」


あの生体兵器との生存競争を見た時より当に覚悟はすんでいる。

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最終更新:2024年07月31日 18:19