175 名前:陣龍[sage] 投稿日:2024/05/04(土) 19:29:02 ID:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp [13/52]

【FALLOUT × 日本大陸 ~或いは人類文明圏最後の守護者~】



 国際協力、国際協調、世界平和……貴国の二の句は何時もそれだ。何とも薄っぺらい美辞麗句だけ並べて
一方的に技術や利益の無償開示、割譲をさせ、自らが肥え太る事しか考えない。いい加減に、
世界は貴国だけの所有物ではない理解されるのは一体何時なので?

――――国際連合の議場にて、手前勝手で配慮の無い『強者の義務』を言い立てて来るアメリカ代表に対する、
日本代表の回答。本来地球環境問題や紛争等の諸問題を話し合う場が、日米対立と日本陣営以外の無理解で尽く崩壊。
その後の駐米日本大使館に爆発物が叩き込まれたと言うニュースは、世界の終末時計(日本設置)の針を一気に動かした。



『決別の始まりとシンギュラリティ 終幕へのラストスパート』


 21世紀に突入し、彼ら夢幻会員の前世を持つ者がグローバル社会とそれに連なる数々のテロ問題が次々と起こり続け
てんてこ舞いになる筈だった年代。この世界では未だ尚、ソ連は崩壊せずに共産陣営を堅持し続けており、
連動して中国も日米資本注入も無い共産陣営のままながら地道に経済成長を成していても、
ニュービー勢の知っている中国とは全く違う国力や様相であった。特に通常兵器の質に関しては顕著で、
エスコン好きだった転生者が嘆いた程に、フランカーやミグと言った新世代のジェット戦闘機が尽く消え去っていた。
と言うより、生まれる気配も無かった。有るのは敵軍へ真っすぐ飛んで核兵器をぶち込むだけのカミカゼ突撃ジェット攻撃機擬きと
ステルス性も丸でない旧時代の音速機であった。お陰でこのエスコン好き転生者が満を持して投げ込み大好評を博した、
この世界のエースコンバットシリーズの殆どの機体は仮想機体になってしまっていた。


 兵器の質については資本主義世界の盟主であるアメリカも大概であった。取り合えず原子力空母等のハコモノは立派だが、
肝心の搭載する艦載機等は、前世の海洋の支配者を知る転生者が目を疑う小型且つ低性能機ばかりであり、
その他補助艦艇等の性能についても偵察と性能調査に当たっている日本海軍の原子力潜水艦の乗員の方が
困惑する程にあんまりな有様だった。敢えて知られるために【ちょっとばかり】迂遠な海中機動を行っても、
水上の米艦隊は全く気付いた素振りを見せもせずに艦隊行動を続けていた。反対に、日本勢力圏へ偵察に来る米原潜は
日本側の哨戒機や水上艦、更には現地国の哨戒艦にも捕捉され、追い返されてたりしていた。
仮想敵役として演習する日本艦とは桁違いの騒音や不用意な移動が多々過ぎる為、演習と実戦の余りのギャップ差に
戸惑う現地軍と遠い目をする日本軍と言う図式は、暫くの間各国で名物()と化した程である。

176 名前:陣龍[sage] 投稿日:2024/05/04(土) 19:33:05 ID:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp [14/52]

 そして兵器の質の差と共に、経済力や技術力の面でも、日本勢力圏こと西太平洋条約機構と
アメリカ盟主の自由資本主義陣営、中ソ主体の共産陣営の格差は大きく開き続けていた。
洋上プラントを多数建設し、広大な排他的経済水域の各所から膨大な海洋資源を確保し、
更には加速させた宇宙開発にて実用化に突き進む宇宙空間の大規模太陽光発電プラントからの
電力送信による安定した電力供給。主に主導や原動力となったのは日本帝国だが、
それらを構成する技術や製造に所属各国も関わっている共同プロジェクトの数々は、
中小の失敗こそ有れど成功へと導かれ続けていた。当然、長年続けた自然保護や資源温存の
省エネルギー開発も有り、緑豊かな無数の自然と最先端の人類文明社会の両立を有言実行し、
大成功と祝盃を上げられていた。経済力の強化に伴い軍備面でも自国生産やライセンス生産にて
日本だけでなく東南アジア諸国も一気に世界最先端にも踊り出しており、
その戦闘力は国境線で偶発的に発生した中国・ベトナム局地紛争で数的劣勢であったベトナム軍が
多勢の中国軍を圧倒的キルレシオで短期間で粉砕した事で一部証明されていた。
ベトナム軍が平然と戦闘ヘリで中国軍側の戦闘機を複数ミサイルで撃墜した事で、
敵国軍ヘリに制空権を奪われる有様を目の当たりにした中国軍の心境や如何に。



 一方、アメリカ率いる自由資本主義世界では、見事なまでに停滞と凋落の足音が迫りつつ有った。
理由は至極単純に、余りにも近視眼的な利益最優先の大量生産・大量消費社会を継続し続けた事による、
土壌や水資源等の疲弊。無理に無理を重ね続けた事による参加各国の経済や体力の疲弊。
手の届く範囲の資源を多数使い潰した事での資源の高騰。全く刷新と改善されない産業構造や体制、
企業体質による国力その物の浪費の積み重ね。これらが数十年単位で続いた事による自業自得の結果であった。
その分、表面的な軍事力特に核戦力の物量だけは立派な物であったが、それ以外の部分は脆弱であった。
如何に真空管技術によって核戦争時に強いと言っても、平時ではその利点は全く無意味に等しかったし、
純粋な処理能力不足が全ての脚を引っ張っていた。尚、中ソ陣営に関しても相応に
困窮や疲弊をしていたのだが、その閉鎖的国家体制等も有って余り分かっていない部分も多かった。
とは言え、彼らの【成果】を謡う国家プロパガンダの全てが完全に嘘でも無い事は、
西太平洋条約機構の高精度な偵察衛星からも分かっていた。アメリカの方はどの程度認知できているのかは知らないが。




 そうして、日本中心の西太平洋条約機構の大成功を見て、アメリカが取る選択肢は当然、
様々な圧力を仕掛けてその経済的大成功の『果実』を全て奪い取ると言う事であったが、
既に軍事的圧力は全く無意味で有る事はいい加減理解させられていた。核兵器の力をチラ憑かせても、
日本は新型弾道弾や水爆等の存在に加え、陸海空共同の濃密な弾道ミサイル迎撃システムや原潜を一網打尽にする
対潜哨戒網の存在で以て対抗。当たり前だが詳細は軍機の為伏せられている事でアメリカはブラフと認識した上に
それでも大量飽和攻撃で押し通せると考えを変えなかった事は、日本側にとって大きな誤算であったが、
政治的には対抗手段が有る事でアメリカの要求を押し通す事は不可能であった。
何を打ち込まれようが全弾迎撃してくれると胸を張って言われたら、負け犬の負け惜しみしか二の句を継げない。

 さて、覇権国家の常套手段である軍事力による脅迫が潰されたアメリカがこの程度でへこたれる訳も無く、
次は傘下にある【友好国】を動員して行う『国際社会への貢献』と言う美辞麗句文句の世界的圧力だったが、
当然の如く日本だけでなく東南アジア諸国が総出で猛反発した。結局のところ、自分勝手に浪費を重ねて
自爆した連中の為にロハで資源も技術も労力も供出しろ、その事は当然の義務であるため一切の感謝は無い所か、
今まで手助けしなかった事を批判され、尚且つ何もかもアメリカが独占し返還する気は毛頭ないと言う
強欲極まりない要求でしか無いと、アメリカの魂胆は見透かされ切っていた。特に過去アメリカ企業の無法な活動で
大きな被害を被っていたフィリピン、牛肉ラベル詐欺の事件を教科書にも乗せて全く忘れる気の無いオーストラリア、
そして四六時中アメリカ籍の漁船や民間船が排他的経済水域でも何処でも構わず違法操業や不法投棄して来るのを
海上保安庁の巡視船や現地国の海軍や沿岸警備隊のみならず、空母や巡洋艦に駆逐艦、原潜、哨戒機、
最終的に保管艦から現代化改装を済ませた巨大戦艦複数隻すら投じて日本勢力圏全域から毎日の如く
追い払っている日本は、この身勝手極まりない要求を受け入れる気は全く無かった。

177 名前:陣龍[sage] 投稿日:2024/05/04(土) 19:34:55 ID:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp [15/52]

 全く不毛の泥仕合、双方の言い分は一切退く気が無く悪戯に時間だけ浪費され続ける中。
時代は2030年代に、転生者達に取って完全に未知の時間軸へと突入。技術進化が進み過ぎて
技術的アドバイスは不可能な領域に至りつつも、代わりに各国や政財界軍民各界との連結役、
潤滑油役や助言役等と言う、創設時期と似た様な互助会的体質に再変貌する夢幻会は、
恒例化した会合の場で二つの報告を受ける。運命のいたずらか、それとも神の采配か。
日本では所謂自動人形…高性能なアンドロイドが実用化されたのと同時期に、
アメリカではこの世界本来の【顔】と言えるMr.ハンディーが、
アメリカ企業のジェネラル・アトミックス・インターナショナルより発売を開始した事。

 …そして同時刻、駐米大使館にて【犯人不明の手投げ小型核爆弾】が投擲され炸裂。
【偶然にも】大使館内にて親日路線を主張していたアメリカの外交職員と日本大使が会談していた事も有って、
日本大使は爆破の影響で重傷、アメリカ人外交職員は大使を庇う形で即死。
その他大使館職員の多くも死傷者を多数出す大事件が発生した。




『……成程。これが、この世界の【アメリカ流外交的メッセージ】であるか』


 近隣の病院へ緊急搬送された大使館員が、間を置かずに殆どが死亡。
尚且つ軽傷で生き残った少数も日本への帰国を拒絶して事実上拘束し、
アメリカ人医師の治療の過程で重篤な放射能障害を引き起こして昏睡や認知・記憶機能等に重篤な障害を負わせ、
そして事件の捜索の為として駐米日本大使館を丸ごと捜索された事で、
日本は【アメリカ流外交的メッセージ】を受け取り、文明国流の返答をする事とした。



 【駐米大使館・領事館員含む日本人全員と駐米日本資産の全面引き上げ。報復攻撃としての空母艦載機と戦艦の
戦略艦砲射撃によるハワイ・サンフランシスコ・アンカレッジの海空軍拠点同時破壊。資本主義陣営に対する
経済制裁と各種食料、資源の輸出完全停止】



 自らの無実を主張し、『日本の横暴』を非難するアメリカに対して叩きつけられた、怒り狂う【東アジアの巨竜】の咆哮。
現段階で全面核戦争をするだけの準備や覚悟は無かったアメリカ側は【紳士的】に屈辱的な謝罪と
被害者家族らへの賠償等を行う羽目になるも、その後も日本資産の回帰や輸出停止が再開される事は無かった。
2077年10月23日の、全ての破局となった最終戦争が起きるその日まで、アメリカはのたうち回り続け、
そして日本以外へと矛先を向け続けた。

178 名前:陣龍[sage] 投稿日:2024/05/04(土) 19:39:03 ID:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp [16/52]
|д゚) 大爆発する謀略的メッセージドヘタアメリカ君による迫真()のオウンゴール劇で御座った

|д゚) 偶然親日主張の外交職員が居たのも被害者主張のアリバイ工作、吹き飛んだ事での事件性捜査を理由とした大使館踏み入りによる情報入手、
    その他諸々脅迫性等も混じった行動は、その本質は暴龍な日本によって太平洋の重要拠点が壊滅すると言うしっぺ返しが来たのでした()

|д゚) ……この後も対抗の為に既存の核兵器増産で済ますんやろなぁって、アメリカ
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最終更新:2024年08月11日 20:04