968:陣龍:2024/05/15(水) 21:06:12 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
【FALLOUT ×
日本大陸 ~或いは人類文明圏最後の守護者~】
【多数折り重なる米海軍軍服を着たグールの死体の映像】
【鹵獲された米海軍空母の弾薬庫内で発見されたバイオハザードマークの未知の爆弾の写真】
【海洋保全武装調査団体『シーシェパード』が発見した強襲揚陸艦上の黄土色の巨漢の写真】
【片言の人語を喋りアンドロイド歩兵の銃撃を生身で弾いてステゴロで暴れ回る怪物の映像】
【インドネシア領の僻地の無人島にて人型の巨大な怪物が暴れ回り、
インドネシア海軍の艦砲射撃で撃破する映像】
「……このバ〇オのタ〇ラント見たいなヤツ、つまりは『スーパーミュータント』ってヤツですよね」
「……ですね」
「……それで、このインドネシア海軍が艦砲射撃で粉微塵にしたこのデカブツが、
『ベヒモス』とか言うスーパーミュータントの亜種見たいなヤツですよね」
「……ですね」
「……そう言うのが出て来るのはもっと先の話って言ってたじゃ無いですかーーー?!」
「そうだそうだ!今何年か分かってるのか!戦争終結して一年も経とうともしていないんだぞ!?」
「正直お腹一杯頭一杯で帰って不貞寝したいです!」
「我々だって……全面同意しか無い……」
「……嶋田さん、我々が努力を重ねた結果でこんなバタフライ効果が起きるなんて、
世界は皮肉で満ち溢れてますな。はっはっは」
「……心中お察しします」
――――陸上の野生生物に続けて海洋生物の狂暴化や巨大化が確認されて暫く後。
旧アメリカ軍の人体実験にて誕生したとされる試作の生物兵器が、漂流していた軍艦の牢屋等から脱出し、
それを発見した西太平洋条約機構の各国軍と交戦。過半は艦艇ごと処分されるも、
極一部は水密コンテナや直接漂着する事で上陸し、海空の砲撃や空襲に加えて緊急動員された陸軍と戦い全滅して行った。
『 東京の蝶の羽ばたきは世界の闇を濃縮させる ~帰ってくれ
アメリカ野郎
シリーズ初登場~ 』
単純な死の灰等による放射能汚染では片付けられない、犬や猫の巨大化に異常に身体力が増強して
狂暴化したヒグマの存在が確認された時、原点
夢幻会でもこの【FALLOUT】世界を知る者は首を傾げていた。
本来の歴史であれば、グール化以外での変異等が確認されるのは2080年と、未だ暫く先の話なのである。
そのはずが、通常では有り得ない変貌を遂げた多数の野生種が確認された。明らかに異様な状態であり、
必然的に警告が成された。
第一印象の影響で疑いの目を持っていたニュービー勢
夢幻会も、グールの存在が発覚後は、
原作を知る原点
夢幻会の情報を強く認識するようになっては居たが、当然ながら原作世界内の事細かな技術情報等
知らない彼らに出来る事は、臨時予算や外交交渉を回して各国それぞれが研究を重ねてネットワーク上での
ディスカッション等を推し進める事だけであった。この点、西太平洋条約機構の各国共通の難題になる事が明白である為、
一も二も無く共同歩調の研究が恐ろしい速度で決定した。尚、基本的に各国国内で捕獲された異変種は当事国内に
権利が有ると言う当然の決定がされたので、タイ王国で各コロニーやシェルターを訪問して人心保安の一助となっている
巨大化犬猫が無理矢理押収されて解剖実験等にされる事は無かった。後にその巨大化犬猫の繁殖に成功して
西太平洋条約機構の各国に古のパンダ外交の如く贈与されて動物園から一部一般家庭へと拡散して行くのだが、それはさておき。
969:陣龍:2024/05/15(水) 21:08:01 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
原点
夢幻会のFALLOUTを知る者達の疑念を他所に、戦争終結後より一ヶ月も経てば、
防護服に身を包んだ除染作業員やアンドロイド達の地上や沿岸部等の住宅地や工業地帯の除染作業は
急ピッチに進められていた。12月に突入する前には、核戦争の影響による寒冷化で日本本土では既に
雪景色が広がっており、また東南アジア諸国でも寒冷化等が影響してか、今まで加熱方向での異常気象が
今度は寒冷化の方向での異常気象が観測されつつ有る等、事前に一定の予測が成されていたとは言え
想像を遥かに超える程の無造作な核兵器の乱発の影響は大きく現れつつ有った。【核の冬】と称される
長期間の寒冷化現象についても、原点
夢幻会の原作知識が無くとも発生する事は既定路線とされていたとは言え、
それでも未知の現象でもある為に、2130年に大いなる冬とされる地球寒冷化現象が発生すると言う情報は
有難く受け入れられた。取り合えずのタイムリミットを知れただけでも、目途や計画が立案させやすいのだから。
北海道や東北・北陸地方、更には関東地方や近畿圏一帯では何十年ぶりかの大豪雪地帯で埋もれた街中を
雪上車やスノーモービル等に搭乗して疾走し、条約機構が持つ全ての技術を投入して作られた
世界最新の剣虎専用パワーアーマー(呼気等濾過機能付属)も完全装備した剣虎兵も投入され、
異常な狂暴化を見せて危険度と行動範囲が跳ね上がった熊や猪、果ては少数の日本猿を市街地や人里から駆逐して回り、
東南アジアでは外皮が拳銃弾程度なら弾く程に強固になった人食いワニの爆発的増殖をパワーアーマーで巣ごと踏み潰したり、
本来ワニの独壇場である水中でもそのパワーアーマーが誇る腕力と強固さで物理的に捩じ切り引き千切る等、
危険生物の殲滅活動に勤しむ各国軍。この力技と物量作戦のゴリ押しによる除染作業と並行しての安全確保活動により、
核戦争の事実上の終結から数えて僅か半年余りにて、軍隊の護衛付き且つ限定された時間とは言え順繰りに
一時帰宅が認められるまでに持ち込んでいた。当然、家財道具を避難所へ持ち帰る事等は不可能で、
本当に一時的に帰宅が出来ただけは有るが、それでも自宅や故郷、またその周辺の多くが健在で有る事を
確認できた事で安心した国民は多かった。
その様な状況に置いて新旧
夢幻会は、少しばかり安堵し余裕が出始めていた。色んな意味で修羅場に慣れ切ってる
旧
夢幻会側は兎も角、常々神経を張り詰めた日常を、実質米中戦争が勃発してから続けていたニュービー勢
夢幻会の方は、
この頃に気を少しばかり緩める事が出来ていた。ある意味、この時点で漸く旧
夢幻会の中の色物勢と打ち解けるだけの準備が
始められつつあったとも言えるだろう。核戦争の恐怖で擦り切れて余裕が皆無だったと言うだけで、
元々ニュービー勢
夢幻会にも多数オタ気質等の人間もそれなりに多く、戦闘機等の現物にアニメキャラをデカデカと描く等の
奇行にはドン引きしつつも理解自体は示さなくもないのが本来であった。何もかもこの世界の核万歳宗教思想が悪い。
しかし好事魔多し、この世界は全ての倫理と善性をコンクリートミキサーに掛けて投げ捨てた様な事が
当然として行われる【FALLOUT】の世界。その様に心が緩みつつ有った
夢幻会へと、
ある日唐突に急報が硫黄島再建部隊から飛び込んでくる。関係者の緊急招集にて文字通り飛んで来た者も多い中、
夢幻会に通達された映像は、原点
夢幻会の原作知識持ちを唖然とさせ、ニュービー勢
夢幻会は宇宙猫の如き表情で、
硫黄島に派遣されていたアンドロイド達と人間部隊が、原作知識が『ベヒモス』と知る巨大な人型の怪物と交戦している映像であった。
まるで紙細工の人形の如く殴り飛ばされ吹き飛ばされるアンドロイドやパワーアーマーの歩兵が直ぐ何事も無く断ち上がって
再度統制の取れた集中砲火を展開している映像は、日本軍装備の技術的優秀さと練度の高さを示しているが、
重要なのはそれでは無かった。
970:陣龍:2024/05/15(水) 21:09:39 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
大急ぎで展開した歩兵用コイルガン装備兵の集中射撃にて文字通り頭部や胴体を穴だらけにして完全撃破し、
十数名のアンドロイドが中大破した他は人間の兵士が数名負傷した程度と言う軽微な損害での勝利に、
沸き立つより先にこの未知の怪生物の報告や調査にてんやわんやする現場の様子を最後に終了した映像を見終わった
夢幻会は、
一息吐く暇など無いとばかりに続けて同盟国からも多数の『未知の怪生物』発見と交戦・撃破の情報が多数の映像、
写真と共に雪崩れ込んで来た事で、先程迄の気の緩みは完全に吹き飛び切っていた。
『ザ・マスターとか言うヤツが核戦争後大分経ってから作られるって言うのは間違い無く原作なんだが…』
『推測ですが、我々が徹底して
アメリカ勢力圏をコケにする言動を続けていた事が遠因と思われます』
『後、大使館襲撃事件の報復で太平洋側の
アメリカの三拠点を吹き飛ばしましたから、それの対抗策の積りだったのかと』
『核兵器で日本海軍を消し飛ばした後、あのスパミュを核汚染に満ちた地域へ揚陸させて平然と蹂躙し恐怖を植え付ける……そんな寸法か』
『今はそんな事を考察している場合ではないですよ!この化け物がもし仮に米本土で秘密裡に量産されて居たり
その設備や体制が作られて居たら、禄でもないを超えた地獄になりますよ!?』
行き成りの原作乖離現象に暫くの間上へ下への騒ぎになる
夢幻会一同。ただ、滑稽且つ現時点で彼らが知らない事実として、
ニュービー勢
夢幻会が戦前に多数派遣した米本土FEV関連情報調査隊のアンドロイド達が、連動して核兵器貯蔵庫や
秘匿された核サイロの推定存在箇所と共に、補給部隊や物資の動きなどから予測した危険個所を虱潰しに調査した上で
核戦争が起きている最中すらも、自らが核の炎で消滅するその瞬間まで全ての情報を日本本土へと送信し続け、
結果その怪しい危険個所がそのFEV研究の拠点やその地域を網羅しており、日本軍が叩き込んだ新世代の対地貫徹型強化水爆にて
丸ごと存在すら消え去っていた。現在、漂流した軍艦や水密コンテナ等に存在して西太平洋条約機構の各国軍に殲滅されている
スーパーミュータントやベヒモスは、開戦前に実験体や先行生産をかき集めた物を秘密裡に送り込みを図っていたモノであった。
しかも少数のアンドロイド達は核戦争によって混乱の極致に有るペンタゴンへ自立モードにて独断専行にて潜入し、
そのペンタゴンの真空管コンピュータ室を強襲して乗っ取りFEV研究所や関連機関へのメールに簡易的な
コンピュータウイルスを叩きこんで一斉送信。対コンピューターウイルスと言う概念すら乏しい真空管世界に劇薬を叩きこんだ直後
蒸発した彼女達の献身は、本土では核戦争の混乱と情報断絶にて認知されるのは相当後年の話となるが、
この独断専行の結果FEV研究所や関係機関のコンピューターは次々と連鎖的に機能障害を引き起こして機器の誤作動や故障を引き起こし、
連動して情報も多数消去された事から、後に本来の世界線にてスーパーミュータントを誕生するザ・マスターの研究は、
相当な期間躓きを続けていく事になるのだが、その事が分かるのは大分後…日本軍が
アメリカ本土に上陸してから更に後の話である。
971:陣龍:2024/05/15(水) 21:13:10 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
|д゚) 以上、原作より粗製且つ早急ですが投入予定だったスパミュ一族()に着いてでした。まぁ実際、
真珠湾とかアンカレッジとか吹き飛ばしている以上、何かしら反応して加速するのが軍事的必然ですからね
|д゚) ただ、これまでの徹底した積み重ねが報いになったニュービー勢
夢幻会が幸運と必然によって、
スパミュ関連の情報や設備が潰された状態で始まるFALLOUT世界になった模様。この世にも神や仏も居られるのかも知れない
最終更新:2024年08月16日 14:43