987 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2024/05/20(月) 23:56:42 ID:p460171-ipngn2501akita.akita.ocn.ne.jp [104/110]
憂鬱大陸スパロボ 

境界惑星ネタ その3

 ゲティスバーグ作戦失敗の後、世界は大きく動く事になった。
 特に戦力を多く失った現地経済圏の多くは裂いて居た戦力が戻ってこなかった事から一部の戦線が崩壊、領土を縮小する事を止むを得なくなったのである。
更に自由惑星同盟の支援を受けた北米同盟においても、投入された同盟揚陸艦隊一万隻の喪失を以て、ロッキー山脈を中心に展開されていた西海岸戦線が崩壊したのである。

 こうした事態によって一気に進むかと思われた各地の戦闘は思わぬ事態によって阻止される事になる。
 ラ・パルマ島に存在する火山における噴火とそれによって引き起こされた津波。
 そして、これまで使われた水爆等によって巻き上げられた物質によって起こされた異常気象である。

 局所的にはマイナス100℃近いダウンバーストも発生させたこの異常気象群は、太陽光を隠して各地で寒冷化とあり得ない時期にあり得ない気象を引き起こしていた。
これはゲティスバーグ作戦が実施された日本でも例外ではなく、関東圏ですら真夏の盆地に4mの積雪を記録。
北海道、東北部においては本来起きない沿岸部の凍結を豪雪によって津軽海峡が閉塞。
各地の都市部も8mを超える雪害によって閉ざされる事になったのである。

 これに困ったのは、西日本以東への制圧行動に出ていた日本解放戦線であった。
投入戦力がSG武装ヘリと強襲艦に積載された空挺作戦であった事から戦闘そのものには苦労が無かったものの、
既に離脱を開始していた、新日本協力機構や日本政府の主要メンバー等は取り逃す結果となった他、
各地の基地で取り残されていた守備隊等の降伏の受け入れ、或いは制圧に加えて無数の民間人の救助が加わった事で侵攻が一時頓挫、
ようやく本州の制圧を終えた頃には8月が目前に見えていた。

 この頃には、協力機構及び日本政府は正式に統一の指揮下を構成、函館山に艦砲転用の砲台を形成、
五稜郭にて臨時の日本軍総司令部が設置された。これによって各地からの支援や戦力配置を一本化しており、
より効率的な戦力の配置が可能となっている。

 この状況に対して、解放戦線も本格的に北海道攻略の戦力を動員。
現地時間8月15日、日本解放戦線は函館攻略作戦を決定すると共に、制圧していた本州北東北に待機させていた強襲艦隊を一気に北進。
敵の艦隊の駐留拠点となっている苫小牧及び千歳空港等の港湾・空港設備を持つ都市と、本拠地となっている函館地域への上陸部隊を出発させた。

凍結した津軽海峡は既にMTやMSが乗れる程に凍結しており実際の戦闘の戦闘の多くは氷上にて行われて
いた。退避の可能な地形の無い氷上に於いては両軍ともに正面からの撃ち合いとなっており、日本軍の
主力であるアメイン隊と解放軍側のMT隊は正面から撃ち有って居たが、重MTの存在する解放軍が
徐々に戦線を押し上げる形となっていた。

 しかし、流石に要塞の主砲の射程ラインに入ってからは流石に進軍は難しくなっていた。
日本軍拠点からの攻撃に対して、解放戦線側も強襲艦のレーザー砲やリニアカノンによる拠点爆撃を仕掛けていたが、
山岳と艦艇の装甲を転用して重装甲化された拠点の防御を抜く事は難しく、拠点攻略は難航していた。

988 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2024/05/20(月) 23:57:18 ID:p460171-ipngn2501akita.akita.ocn.ne.jp [105/110]

 前線を構築していた解放戦線の第四MT連隊も射撃を突破の為の突撃を繰り返していたが、
流石に防衛となると敵の火線も厚くなっており突破は難しくなっていた。

「此方は第14中隊、前線敵部隊への火力支援を頼む!」

『中隊は現状を維持、無理な突撃はしなくて良い』

「しかし、このまま行けば…」

『現在、拠点への攻撃準備を中央部隊が行っている。もう少し持たせろ』

「…了解」

 機体強度を生かして、前線で4脚MTと共に砲撃を行っていた重装機動砲台ジャガーノートのコクピットで、
中隊長は本隊への通信を行っていたが、その返答は渋い物であった。
内心舌打ちをしながら戦闘を続ける中隊であったが、上下から砲撃と射撃は激しさを増しており部隊の損耗は確実に増大していた。
 そろそろ後退も考えられて来る頃、突如として函館山が噴火の様な大爆発を起こした。
 衝撃は前線を維持していた解放戦線にも伝わっており、機体を揺らしていた。

「今のは!?」

「函館山が吹き飛んでる…」

『全部隊に伝達、モルフォによる対要塞砲撃終了後に敵拠点への攻勢を開始せよ』

 その通信が終わる頃には砲撃も止んでおり、跡にはクレーターだらけとなった山岳の後だけとなっていた。
 それと同時に周辺のMT部隊もスラスターを吹かして一気に地上を駆け抜け始めた。
前線を担当していた、中隊に関してもエンジンを掛けると一気に侵攻を再開した。
解放戦線の侵攻を防いでいた大型砲台群が破壊された事によって防衛を落とした函館戦線は解放戦線の突破を許してしまい、戦闘の舞台は函館市内へと移されている。

 解放軍本隊が都市部に入り始めた余所で、函館山へとべトン弾を撃ち込んだモルフォは砲身を取り換えた所であった。
既に地上での戦闘は大型砲による制圧の必要性が薄れた事から、モルフォの発射口は主に空へと向けられていた。

『観測機より通信、座標が送られてきました。』

〈座標を受信、弾種はAP弾を装填。発射。〉

 その言葉に合わせる様に発射された80センチの対艦弾は、発射された勢いのままに津軽海峡を越えて多方の支援を行っているカイラム級に弾頭が着弾。
各部から爆炎を上げながら地上へ向けて落ちていった。その後も、作戦終了までモルフォを中核とする砲撃部隊は
攻撃に参加していた艦隊へと砲撃を行い、出血を強いている。

989 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2024/05/20(月) 23:57:57 ID:p460171-ipngn2501akita.akita.ocn.ne.jp [106/110]

 北海道の陥落を以て、未だに領土を保全しているオセアニアや自由惑星同盟と協定を結んでいる北米の本土部隊は同盟と共に、抵抗を継続。
間もなく当該星系への攻撃を開始したバッフクラン艦隊の攻撃開始後も、多数の戦力がこの境界惑星で争い続けている。

 こうした戦闘は境界惑星の環境悪化を更に加速させる形となっており、その後は完全に氷床となった
太平洋上でも陸戦が起きているだけなく、赤道直下の地域も凍結した事で惑星全土の全球凍結が発生。
地上面積の多くの地域のガラス化と、そうした現象から起きる大気の悪化、寒冷化は惑星環境に致命的負荷を掛けており、
惑星そのものを人が住むのに適さない地域へと変えていった。
 これに対して日本解放戦線は連合の提案を受け入れて、防衛のための戦力を除いた大多数の民間人を、
惑星上から脱出させており、無人となった日本列島全域には拠点化の為の施工や砲台の設置。
必要物資を打ち上げる為のグリットの設営が進められる事になる。

 激戦を深める星系であったが、その後、連合の資源惑星であるルビコン3にて起きた星系規模の大災害
「ルビコンの火」によって周辺星系に展開していた数多艦艇や有人惑星が火に飲み込まれていき、
この泥沼の戦いを強制的に終わらせる結果となっている。

990 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2024/05/20(月) 23:58:50 ID:p460171-ipngn2501akita.akita.ocn.ne.jp [107/110]
以上です。WIKIへの転載は自由です。取り敢えず境界惑星ネタにおける日本奪還の動きは大凡書けましたかね?
後は細部をセリフネタとかで書いていければと言う感じに成りそうです。
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最終更新:2024年08月23日 22:12