557 :第三帝国:2012/03/16(金) 20:48:11
ネタSS~「音楽のルネサンス」
昨日、同盟にニホンから第二のプリンセスがやって来た。
もっとも彼女は人間ではない、アンドロイドでもなく電子プログラムこと「初音ミク」である。
初音ミク、かつて西暦20世紀末に極東の帝国に音声ソフト、
通称「ボーカロイド」と呼ばれるPCユーザーが自分の音楽を作成できるバーチャルミュージックシンセサイザーのプログラムとしてこの世に生を受けた。
彼女はコンピューターアプリケーションにすぎなかったが、
ユーザーが自由に作曲できるという点で多くの人々を引きつけ、ネット社会の進展とともに幾万ものオリジナル曲が作られ歌われた。
それにより世界規模、時代が進み宇宙規模で、多くのユーザーが自由な発想、行動力を以て彼女を歌わせてきたのである。
初音ミクを支えたのは企業のブランドや製品の力ではなく、名もなき大勢のユーザーによって支えられたとは過言ではない。
それこそ国民主権や民主主義が名もなき市民の良心に支えられているのと同じように。
しかし、残念ながらかのルドルフの台頭と共に自由がなくなるにつれ、
彼女もまた退廃文化として処分され、彼女の生み親が銀河の彼方へと去ったことで歴史から完全に抹殺されてしまった。
だが、我々が忘れてしまった彼女は再復興(ルネサンス)された、
よりクールに進化した彼女はハイネセンホールに集った1万人もの観客を熱中させたのである。
彼女の歌が再び聞くことができてて、我々が作った歌を歌ってくれるようになったことを銀河の平和の訪れとともに心から祝福したい。
初音ミクの名前の由来は日本語の「ファースト(初)」と「サウンド(音)」そして「フューチャー(未来)」から来ている。
この名前の由来通り、我々同盟人にとって今回のコンサートは未来との遭遇であり復活を告げた日であったと思う。
宇宙暦8××年 自由惑星同盟××新聞
ダスティ・アッテンボロ―
最終更新:2012年03月19日 19:29