774 名前：陣龍[sage] 投稿日：2024/05/27(月) 17:00:07 ID:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp [25/35]
【FALLOUT ×
日本大陸 ～或いは人類文明圏最後の守護者～】
「酷い事に成りましたね……嶋田さん」
「そうですね……幸い、全部迎撃した事で、国土や領海への被弾や墜落は防げましたが」
「……エスコンをこの世界に持ち込んで生み出した何代か前の夢幻会員は、これを見たらなんて言ったでしょうね」
「『英雄物語は仮想だからこそ燃えるんだ馬鹿野郎』辺りじゃ無い？」
「かもねぇ……現実で英雄になるなんて、苦労と負担と責任ばかり背負わされて碌な事じゃ無いし」
「なんにしても、これからも
アメリカや中国が残した残存宇宙兵器が暴発する可能性はデブリの完全解体まで残り続けます。
早急に予算捻出や対策を検討しないと」
「ですね」
――――陸地や海上の浄化作戦が継続されている中、宇宙空間に多数放棄状態になった多数の核兵器搭載衛星やステーションが、
その核兵器を搭載した残骸ごと地球上への落下を開始。暫くの間、各地で久しぶりの対空迎撃戦が実行される事となる。
中国軍の強襲揚陸艦とアメリカ海軍の原子力正規空母から捕虜扱いで保護され、その後西太平洋条約機構以外の世界が如何程に
ニューク脳と環境破壊主義であったかを記者会見にて語られた日より一か月後。彼らは最終的に、過去最終戦争時に北海道へ
強襲上陸するも即時に蹂躙され降伏したソ連兵達と同じく、自らの国籍を放棄し帰属国へ忠誠を誓う宣誓の【儀式】を行う事で、
西太平洋条約機構の国民の一人として受け入れられる事になった。中国軍人の趙大佐は、西太平洋条約機構の軍事アドバイザー、
アメリカ海軍通信士官のレイナ少尉は広報官として仮の職を与えられ、その後趙大佐は旧母国の現地調査兼家族捜索を志願して
特務調査員へと転身し、レイナ少尉は広報官を続けつつとあるアンドロイド副官との日常珍道中動画配信で人気を博すのであるが、
それはさておき。
少数の指揮担当と現地調査員の人間の他は、多数のアンドロイド達による昼夜風雨を問わない24時間作業により、
核戦争終結から僅か3年後には、限定された地域且つ強い移動制限が課せられているとは言え地上へと戻れる住人が出始め、
5年後には沿岸部と森林奥地以外の陸地の多くが【解放】され、移動制限も緩められるまでに日常の欠片を取り戻しつつ有った。
これは指揮者達の人々と多数のアンドロイド達の献身が一番の要因だが、最終戦争時に本土への直撃弾を殆ど防ぎ切った事や、
今まで環境保全を続けた事での、大地や自然の回復力が想定以上に強かった事も見逃せない要因の一つだった。
草木が生えない程に土壌が致命傷を超えた海外では殆ど存在しない状況だが、先人達にして数代前の夢幻会員と
その同志たちが積み上げて来た遺産が、また此処で発揮されていた。
775 名前：陣龍[sage] 投稿日：2024/05/27(月) 17:02:19 ID:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp [26/35]
だが、そんなある種順調で異常なまでの速度で除染作業が進行している間も、旧
アメリカや中国軍等が残した負の遺産群は、
次の脅威を西太平洋条約機構へと向けて襲い掛かっていた。具体的には、最終戦争終結後から約一年後に、
衛星軌道上にてデブリと化したり放棄されていた多数の核弾頭搭載衛星やステーションが、
事前に設定されていたのか稼働や移動を開始。真空管技術ならではの異常な耐久稼働性も有るのか、
普通なら大破で稼働不可能な状態と言う事で、西太平洋条約機構が共同で打ち上げた宇宙研究ステーション『みらい』が
最終戦争時に発生したデブリや攻撃による損傷復旧が未だ未了と言う事も相まって見過ごされていた衛星やステーションの残骸が、
まるで裏で打ち合わせでもされていたかの如く一斉に再起動を開始し、『みらい』に搭載された機器が警報を最大レベルで発する中、
一基のみ残っていたエンジンの噴射や燃料等放出による反動等々、呆れる程に様々な方法で軌道を地表に向けて変更して行く
多数のデブリ群が映像記録にも残されていた。
『奴らはそれほどに、日本と言う存在その物を憎み切っていたのか』と、緊急事態にて動員された防空司令官がそう呟いた程に、
予想落着ポイントが点でバラバラである為に日本全土の領土や領海の全体へと集中的に降り注ぐ、
米中ソから欧州圏に至るまでの核搭載衛星等の大群に天を仰ぎたくなる有様であったが、最早妄執と執念の塊としか言いようの無い
時限爆弾式の【大攻勢】は、最終戦争であってもその攻撃の殆どを叩き潰してのけた無数の防空網の網に尽くが捕らえられた。
推測であるが、恐らく最終戦争で防衛力が完全に破砕された日本に完全なトドメを刺す為に敢えて一年越しに落着する様に
プログラムされて居た様子では有るが、現実は西太平洋条約機構は生き残り、その他の世界は破滅していた。
残存して修理の終わった複数の対弾道弾迎撃能力を持つ水上艦が、オセアニアや東南アジア諸国から複数日本近海へと
派遣されて居た程なのだから、背筋が凍る程の殺意と妄執が生み出した核兵器の流星群は、
最終戦争での損害で弱体化したとは言えそれでも強大な戦力である水上艦、そしてオーバーヒートこそ引き起こしたが
既に修理が終わっている多数の大口径対空砲群による飽和迎撃によって、一弾たりとも日本上空での炸裂や落着を許す事無く、
その熱狂的な殺意諸共粉砕された。因みに、地上での除染作業は一切停止せずに実行が続けられている。
『本気でこの世界の殺意のレベルは違いますね』
『何度も
アメリカ等のメンツを張り倒して踏み潰して居ましたしね、恨まれてたのでしょう』
幾ら何でも、これ程の数の衛星搭載投射式核兵器が有ったと言う原作知識が無い事で原点
夢幻会の一部が戦慄している中、
既にこの世界の核兵器関係の狂気には慣れたニュービー勢
夢幻会が、何とも世間話として麦茶やカフェオレを飲んでいる様は、
便宜上ニュービー等と言われている彼らも知らず知らずに色々と踏み越えた感性へと昇華されている事を表していた。
そうでなければ、最終戦争で一切の躊躇無く全面核攻撃を命ずること等出来ようはずがないのだから。
776 名前：陣龍[sage] 投稿日：2024/05/27(月) 17:04:32 ID:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp [27/35]
|дﾟ) ネタの密度が急減速しつつの小ネタになり申す。大体エスコン5のラストミッションを多数の水上艦と砲台型超兵器で粉砕するイメージで
|дﾟ) 徹底的に【利益】を妨害され続けて憎悪に溢れ切った件の連中の事です、この位はやっていませんとね
最終更新：2024年08月23日 22:43
