298:モントゴメリー:2024/06/06(木) 00:01:06 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
- 銀髪のラ・ピュセル(La Pucelle aux cheveux argentés)
FFRが開発した人型ロボットの名称。後述する理由から全て女性型である。
人型ロボットの分野では、日本が圧倒的な情熱を以て開発競争で首位を独走している状態である。
よって、特許関連も日本がほぼ独占しているのが現状であり、OCU陣営はまだ良いとして他陣営の開発に対して大きな足枷となっていた。
各国はこの特許の壁を迂回すべく様々な方策を考案していくことになる。
この光景は最早(日蘭)世界の様式美となりつつあるが、FFRが導き出した「別解」は動力面に関する分野であった。
蓄電池による電動駆動のみではなく、エンジンを搭載した複合動力式としたのである。
「エンジン」と言っても採用したのはMHD発電機であり、新開発の「超電導コイル」と組み合わせたその発電効率は理論上70%を超える。
最大出力は2000kWを発揮するが、大きさと重量は同等の従来型発電機の1/10以下にまで削減している。
具体的な大きさは、外径約500mm、全長約600mmである。これを胸部に配置している。
体積的に搭載可能というのはわかったが、出力が過剰ではないか?という声は開発時点から挙がってはいた。
しかし、この発電機はラ・ピュセルたち開発の中心となった企業の製品であったためその声は看過された。
政府もその方針を追認する。
件の発電機は政府機関、特に軍でも採用されているものであるため、量産効果で価格低減が実現できるならば好都合であったためだ。
また広く普及すれば、市井に交換部品や扱いを習熟した技術者が多数備蓄されるという点も軍は重視した。
更に、「重要区画は集中した方が防御しやすいよね」という開発陣の意向により、燃料タンクも胸部に設置された。
ラ・ピュセルたちが女性型しか存在しないのは、このように純然たる技術的要因からきている。
なお、防御面の性能はPeRoを始めとするFFRが誇る材料工学と避弾経始に優れる形状により、(理想的な条件ならば)20mm機関砲の直撃に耐え得る。
専用の増加装備(防弾・防刃仕様の下着、人間用を流用)を追加した場合は、25㎜機関砲が直撃した場合でもタンクは破損するが機関部は保護できる。
このように性能自体は日本製ロボットと遜色ない、一部では凌駕しているがFFRの技術不足により小型化に失敗。
胸部の外周は、タンクを最小限の規模にしても100cm、標準型で120cmとなってしまった。
更に、発電機と燃料タンクだけ搭載すれば良いというわけではない。
蓄電池も搭載しなければならないし、コイルを超電導状態に維持するための冷凍機やMHD発電に使用する液体金属を加熱するための加熱機も必要である。
こういった要素を胴体部の配置した結果、全長(つまり身長)の短縮化にも失敗する。
この問題に対してFFR技術陣が導き出した解決策は「逆に考えよう。“大きいことは良いことだ”と」であった。
こうして彼女たちの高さは標準で200cm、低い個体でも190cmを下回ることは無くなった。
299:モントゴメリー:2024/06/06(木) 00:02:12 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
彼女たちの外見的特徴として大きさと並んで挙げられるのが頭髪である。
「銀髪の」と称されるように、それは美しく輝く長い銀髪であった。
これも技術的要因から来ていて、この髪一本一本は放熱器の役割を担っているのである。
機関部が存在する以上、排熱は避けて通れない問題であった。その問題に対し、FFR技術陣は実にエスプリに満ちた芸術的な解答を見つけたのである。
また、蓄電池にFeLuZnを採用したため、空気(酸素)を内部に取り込む必要があるが、これは吸排気機構を装備することで解決した。
すなわち、彼女たちは人間と同じように「息をする」のである。
放熱器と言っても、生身の人間の傍で運用されるのが前提であるので、緊急時の最大出力での稼働時などを除けば素手でその“髪“に触っても火傷をしないように配慮されている。
(手を深く突っ込んだり、顔を埋めたりした場合はその限りではないので注意である)
各部冷却には水冷方式を採用し、ポンプで制御している。つまり、彼女たちの手元に指を添えれば「脈」を数えることも可能である。
水冷用の水は口腔から補充可能。これは内部洗浄にも活用される。
燃料は複数の液体燃料に対応している。
市販のガソリンや軽油はもちろん、FFR規格の航空燃料も使用可能である。
その中でも特筆すべきものとしては、「度数40以上のアルコール飲料」も燃料と出来る事である。
これにより、FFR市民とラ・ピュセルたちは同じテーブルを囲んで「命の水」を共有し、同じ喜びを分かち合うことができるのである。
余談であるが、彼女たちが登場した直後、統合参謀本部から“燃料に使用可能な酒類一覧”という資料が発表されたが、何故この資料が軍部から出たのかは不明である。
名前の由来についてであるが、La Pucelleはフランス語で「使用人」を意味する単語である。
日本人が一番連想しやすい単語で言えば「メイド」が最も近いであろうか。
しかしながらこのラ・ピュセルという単語は、『我らが指揮官』のもう一つの姿であり、『先生』の名の由来となったジャンヌ・ダルクの異称でもあり「乙女」と言う意味もある。
(「オルレアンの乙女」)
フランス人にとっては決して軽い言葉ではない。むしろ敬称に近く、彼女たちを軽んじているわけでは絶対にないのである。
彼女たちラ・ピュセルたちは発表直後、FFR国内で急速に普及していった。
導入費用は中級乗用車の上位から高級乗用車の下位に匹敵し、決して安価とは言い難いものだったが、逆に言えばそれらの購買層ならば手が届くのである。
彼女たちの「能力」について述べるならば、人間の行う作業の大半は代替可能である。
それのみならず、その強大な発電量を活用し、災害時や戦時には“自走式発電所”としても活用できる。
またそこから由来する出力も桁違いであるため、簡易重機としての使用も期待できる。
さらに最高速度は二足歩行という高速機動には不利な形態にも関わらず、60km/hを発揮する。
しかし当然ながら平時は各種法令の制限速度に抑制される。
また、その出力に関しても酒類を燃料とする場合は燃費の問題から500kWを上限とする運用が推奨されている。
(最大出力での運用も不可能ではないが、その場合燃費以外にも各機器の寿命に悪影響を及ぼす)
この様に決して完璧とは言えないが、その様な面も含めてFFR国民からは「同胞」として受け入れられつつある。
特に平時の兵員数を制限されている軍部(総人口の約0.5%、約200万人)からは熱視線を向けられており、陸軍の後方勤務や海軍艦艇の応急修理要員へ採用されている。
(浮いた人員は戦闘配置へ転換)
300:モントゴメリー:2024/06/06(木) 00:03:04 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
以上です。
ウィキ掲載は自由です。
日蘭世界、そのFFRにおけるアンドロイドですね。
彼女たちの『哲学』について、書きたいことは山ほどありますが、整理できていないので詳細は明日として今日は最低限の説明を。
採用した発電機ですが、あの大きさで2000kWとは既にこっちでも実用化されているスペックであります。
正確にはモーターですが、モーターと発電機は原理的には同じので、そこに日蘭世界のHMD発電をミックスしました。
また、「酒で動くエンジン」も実用化されておりまして、バイクなどが市販されております。
彼女たちは「SF」かもしれませんが、その65%くらいは「サイエンス舐めるなファンタジー」であります。
まあ、制限運用の500kWではRX-78ガンダムの36%、最大出力の2000kWでもRX-93νガンダムの67%しかないのですが…。宇宙世紀は遠い。
銀髪は作中でも申した通り技術的理由ですが、第三帝国氏のエラン・ヴィタールに影響を受けたのは否定できませんw
あと、最高速度に関しては特に指標はないのですが、弥次郎お父様が大昔に
『時速60㎞で走れて、ウマ耳と尻尾が付いたメイドさんが欲しい……』
と仰っていたので、「需要ある所に商機あり」ということでこうなりました。
(ウマ耳と尻尾は専門外なので今回は不採用ですが、何か技術的合理性考えて後日オプション部品とします)
307:モントゴメリー:2024/06/06(木) 20:03:55 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
ただいまー(帰宅)
とりあえず、移動中にまとめた昨日の続きを行きます。
感想返しはその後でご容赦ください。
308:モントゴメリー:2024/06/06(木) 20:05:12 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
さて、改めまして彼女たちの「哲学」について解説を。
「自動人形」と「バイオロイド」という、大陸スレのアンドロイドに第三の選択肢を提示いたしたく存じます。
一番の差別化ポイントは「何故女性型しか存在しないのかの合理性」です。
敵に与える心理的圧迫、或いは開発元の趣味。
そんな不確定要素や非合理的な理由など…………大いに結構!!!
人間とは不確定であり、非合理的であるからこそ人間なのだ!!それがあるからこそ人間は愚かで、美しく、素晴らしい存在なのです⁉
それを否定することは人間性の否定、人間賛歌を掻き消す所業です。そんなことを私は望まないし認めません。
…とは言え。それはそれ、これはこれ。
私的には別の哲学的選択肢を皆さんに提供したい。
なので、このLa Pucelleたちは純然たる技術的要因、合理的理由から女性型となって居るわけです。
「食事」に関してもそうです。
「イミテーション(模倣)」では嫌なのです。それは根源的には食料の浪費です。
極論ですが、アンドロイドが100個限定のスイーツを1個食べたら、1人の人間がそれを食べ損ねるのです。
…まあ、「無駄という行為があるから、人類は文化を生み出し、文明を発達させることができたのだ」と松本御大も仰っていましたし、それは全面的に同意します。
…しかし、私は欲張りなのでやっぱり別方面のアプローチも欲しい訳で。
古代ギリシャでは、健康の秘訣は「口から栄養を摂ること」とされたそうです。
私もアンドロイドたちに単なる模倣行為ではなく、口から“栄養”を摂って欲しい。そして、食卓を共に囲んで食の喜びを共有したいのです。
しかし、固形物を燃料とするのは(不可能ではありませんが)困難です。
そこで、既に実績のあるアルコール飲料を燃料にして「食物」にしました。
最終更新:2024年09月06日 21:49