856:陣龍:2024/06/06(木) 20:16:49 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
【FALLOUT ×
日本大陸 ~或いは人類文明圏最後の守護者~】
「最短10年の見積もりでしたが、アンドロイド達の昼夜を問わない奮闘で多くの地域が5年近く短縮……飛んでも無い事ですな」
「その分、彼女らの指揮官らがバーベキュー大会開かされて財布に痛撃されたようですが、まぁ大した事でも無いですね」
「個人的には、例の邪気眼派閥の言動に一部が影響されて出し物にそれっぽい事やってるのが少しばかり恐怖なんですけど」
「酒の入った宴席ではウケてるんですし構わないでしょ、その後恥ずかしさでのたうち回ってたそうですし」
「……それで、相応に国内復旧が各国で完了やその目途が目前まで達成した、と言う事は」
「えぇ……第一次対外調査隊の編成と派遣になります」
――――昼夜を問わない復旧作業、大地の保全し続けた回復力、そして定期的に訪れる台風やスコール等の【恵みの雨】。
幾つかの要因が重なった結果、オーストラリア等一部地域を除いて予定より5年前後進捗の短縮に成功。この事は、
必然的に西太平洋外の地域の調査する予定も早まる事となった。そして、西太平洋圏がどれ程恵まれていたのかも、
同時に知る事になる。
『 【終末】からの脱却 ~外地調査団、出撃準備~ 』
日本本土は四国地方にて、一時放棄されていた田畑や民家、商店等を根城として繁殖し、結果丸々と肥えて人間への警戒心も
何故か無い巨大化タヌキが発見からの多数確保されて一部はペット化し、オーストラリア大陸では今更FEVが蓄積したのか
筋肉モリモリに変異した結果鈍重になり過ぎて人間に餌付けされたカンガルーが確認され、
そして海洋ではシャチとイルカに呼ばれて誘導された海洋調査船と狩猟船が正しくクラーケンな異常巨大化ダイオウイカと死闘を展開している中。
各国から参加希望した部隊と共に、日本海軍に護衛された中国大陸調査部隊が出航を始めていた。
調査部隊の第一目標は、中国大陸の沿岸部。この地域は共産主義社会ながらも進んでいた経済発展と共に、
多数のビルや原子力発電所、そして多数の軍港や航空隊の基地等が多数存在している人口密集地であった。
必然的に、軍事拠点は主に日本によるスマート化された超高威力の戦略核兵器による【点】の攻撃で、
それ以外の民間都市や耕作・資源地帯等は欧州圏やインド洋のアメリカ軍やその同盟国から放たれた大量の各種核兵器による【面】の攻撃にて、
最終戦争が終わった時には全てが核の炎にて焼かれていた。冷戦期の思想が継続拡大したこの世界に置ける、当然の帰結である。
だが偵察衛星における映像や、大陸一帯から各種電波の発信がほぼ途絶している状況であっても尚、
日本人を中心に『中国人なんだから何だかんだ言ってもどうせ【元気】にやってるさ』と言うある種楽観的な前提思考をしている者は多かった。
歴史的に中華の脅威に晒されたり、支配下に置かれたり等していた事による、民族のDNAレベルで中華に対する本能的なモノからなのだろうが、
無根拠なイメージと言う物は何とも厄介なのかも知れない。『たかが世界最終戦争【如き】でバイタリティが無制限の中国人が壊滅する物か。
工業力が壊滅はしても』と本気で語り合う調査部隊の兵士達を、怪訝な目で見るアンドロイド兵と
今回の調査隊に置ける特別顧問枠なグールの趙大佐の姿は、出航前に良く見られていたと言う。
858:陣龍:2024/06/06(木) 20:19:43 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
最終戦争でほぼ完全な形で生き残った上、軍備の大打撃以外ではあくまで遠目に観測した状況しか知らない為に
何処か楽観染みたその日本人たちの感覚は、日本本土の軍港から出航して中華大陸に近付き、
そしてレーダーに未知の反応、つまりは怪生物を確認した映像で容易く吹き飛んだ。何せその怪生物は【飛んで】
【炎を吐いてくる】【全長5メートルの】【巨大なスズメ】であったのだから。先行していた偵察ドローンを焼き払ったその複数の怪鳥を見て、
前世紀の伝説の刑事ドラマで腹部を負傷した某刑事の如き絶叫をしてしまっても仕方が無いだろう。
怪生物が出て来るにしても、スズメがデカくなって炎を吐くと言うのを一体誰が想定出来たであろうか。
問題無く対空ミサイルにて船団に近寄らせる事無く撃墜して爆散させているが。
近寄る段階でそんな事態が起きて雲行きが怪しくなった調査団であったが、続けて陸地を偵察機にて調査をすると
その怪しい雲行きはアッサリと暴風雨に転化した。無責任な予想とは裏腹に、中国大陸の沿岸部に人里や町村、
文明的な集団らしき物は確認されず、代わりに存在していたのは、先のスズメと同じく炎を吐く乗用車サイズに巨大なアリ、
前後左右自在に歩行できる上に木片程度容易く両断出来るハサミの上海ガニ、舗装された地面も扉も食い破って
何でも食べている巨大な牙のネズミ。それらを圧倒的物量で圧し潰して喰らっている元中国人民のフェラルグールが大群。
特に最後のフェラルグールが、市街地も道路も埋め尽くす様に集団で徘徊している光景は、
この世の終わりと言う言葉を良く表していると言われた程であった。
一部は元中国軍の軍服を着たフェラルグールも居たが、手に持った小銃を棍棒の様に振り回している事から
知性の無いゾンビ状態と認定されてもいた。
陸地の脅威も問題であったが、それ以前の話として沿岸部にて多数の船舶が入港可能な港湾施設や泊地等が、
尽く核兵器にて壊滅させられている為に、安全性を一端排除しても見受けられないと言うのも問題であった。
一応そうなる事態を前提として仮設程度でも港湾施設を建設する為の工作艦や資材を持ち込んでいたが、
過去に
アメリカ勢力が盛大に投げ込んで炸裂させた核兵器の残骸である高濃度の放射能汚染は
未だに残存している為に除染は必須で、しかも先に上げた上海ガニ等の怪生物は揃って敵対的で、
駆除に駆除を重ねても無限に湧き出て来るように襲って来ていた。当然漏れなく放射能汚染されており、
一応除染して安全化された怪生物化上海ガニを一部の馬鹿にして命知らずが志願して実食して見たが、
その感想が【逆流した胃液の味がするゴムマリ】と言う飛んでも無いレベルだった事から
食用にも成らない完全な害獣と言う踏んだり蹴ったりな有様であった。
因みにその後実食した全員が三日程ノロウイルスと類似した症状を発症して暫く酷い目に遭っている。
幸いな事に、未知の病原体等も無く、放射能汚染も無い事からも、余りにも不味過ぎた結果の身体の防御反応と判断された。
ある意味勇敢な不必要だった犠牲者の事は兎も角、最終的に小さな寒村の跡地とも言えなくも無い、
戦前の地図に無かった岬に仮拠点を設営し、調査隊は周辺の安全を確保。プレハブ建築ながら既に
西太平洋圏の外では殆ど見られる事の無くなった新築の建造物、しかも冷暖房に空調設備、
浄化装置による水道設備も備わった兵舎や食堂に研究所、司令部施設等を短期間で設営すると同時並行で、
持ち込んだ多数の土木車両等にて簡易要塞化工事も施工。工事中の音に引き寄せられた多数の怪生物も、
アンドロイド兵や警備兵によって次々と一掃され、元人民のフェラルグールに関しても問題無く殲滅出来た。
事前に襲撃を予想して作っていた焼却用の大穴が数日で埋まり掛ける状況なのが少々予想外だった程度である。
859:陣龍:2024/06/06(木) 20:20:32 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
『スズメが巨大化していて炎を吐くんですって。面白いですわね嶋田さん。私も行きたかったですわ~……』
『……物見遊山じゃ無いんですから。今の貴女が本土から離れたら、誰がこの芸術的な政治・経済・軍事三面の
調整をするんですか。私には無理ですよ』
『残念ですわ~……軍事訓練では予備兵の資格が有る程度ですから、邪魔にしか成らないのは分かっては居るのですわ~……』
ニュービー勢
夢幻会の中では有能な変人枠に入れられている、原点夢幻会から見れば全然変人枠に入らない
お嬢様な名家出身の天才的調整政治家の愚痴に付き合う元名臣宰相の海軍軍人は、
この忙しい中で何時予備役兵訓練を受けたのか信じられない内心を隠しながら自らがやるべき事を進めていた。
『そうですわ~、退役した全戦艦の記念艦化の予算が捻出出来ましたわ~。宜しければ、
記念艦のレイアウト内容について、海軍さんのご協力をお願いいたしますわ~』
『はぃい!?』
正直、こんな『ポワポワ』している雰囲気と容姿とは裏腹に、魑魅魍魎が跋扈しているも同然な超大国の政治界や経済界等を、
平気な顔をして調整して綺麗に夢幻会が望ましい方向に『整えている』転生者なんて見た事の無い元大勲位。
過去とは別方向に大変な仕事の多い今回の生涯である。
860:陣龍:2024/06/06(木) 20:22:58 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
|д゚) 以上、中国大陸の沿岸部進出までの流れでした。共産中華の鳥と言えばスズメと相場と毛沢東が決まっておる()
|д゚) 最後のお嬢様な天才調整政治家は口調等が独特なんですがそれ位で原点夢幻会的には変人枠に入る訳無いですよねって(邪気眼派閥等)
最終更新:2024年09月08日 13:52