441:弥次郎:2024/07/24(水) 23:42:15 HOST:softbank126036058190.bbtec.net

憂鬱SRW アポカリプス 星暦恒星戦役編証言録「双頭の鷲の巣にて」




「戦狂いっていうのはいいけどさぁ、私たちから見ればあんたらは弱すぎだよ」
「な、なんだとぉ!?」
「もっと努力しなよ。自分たちが何を背にして戦っているかを理解しなよ。
 相手は無差別に殺してくる無人兵器なんでしょ?文句たれるヒマあるなら死に物狂いで戦う努力しなって。
 私たちがいなくても本当は戦わなくちゃならない相手なんでしょ?」
「まったくだな。
 というか、随分と余裕があるじゃないか。善意から助けに来たこちらを侮辱とは。
 それは君個人の感想ならばいいが、ギアーデ連邦軍や政府としての意見や行動なら、こちらも相応に動くぞ」
「……ッ!?」

  • FOBでの一コマ。強すぎるがゆえに味方のギアーデ連邦軍の将兵さえ怯えさせる地球連合軍は、時として火種となった。




「生きるということは戦うってことじゃないか。
 生きるために必死なのは当然だろうにね」
「だが、俺たちが戦うのは人々のためだぞ。
 大義もないのに好き勝手に戦うのは軍隊じゃない」
「そうじゃないんですよ。もっと根本的な意味です。
 いつ何時自分たちの力を超えた大災害が来るか分からない、だから備える。
 戦って抗えるようにする。前線も後方も関係ないんですよ」
「俺たち地球連合はそんな戦争を山ほど経験してきたからな……その記録を見たことは?」
「……いや、それは」
「時間があるときに見てほしいな。長い付き合いは確定なんだ、互いのことを知っておかないのは変だぞ」

  • 同上。悪く言えばレギオンとの戦いにかまけるギアーデ連邦の人々は、地球連合のことをよく知らず、知る余裕がない状況にあった。




「死傷者数は減ってはいるが……少しまずいな」
「どういことだ?死傷者が減るのはいいことじゃないか」
「全体としてみれば死傷者が減っている。
 だが、分類わけすると地球連合との合同で当たっている場合では減っていて、我々単独では変わっていない。
 いや、むしろ死傷者数が増えているといった方がいいだろうな」
「馬鹿な……」
「嘘じゃないさ。報告書や戦闘詳報を分析すると、有意に差が生じているんだ。
 救急救命や治療の質が高いあちらの援助もあってのことだろうが、原因はもうひとつあると思う」
「それは?」
「気のゆるみだ。装備などが強化されたことや戦線の押上げなどができるようになってから、被害は増えている。
 勿論攻め込んでいるからというのもあるだろうが、練度のあるはずの部隊がつまらないミスで被害を重ねているんだ」
「そんなことが……」
「地球連合軍からもそれとなく苦言を呈されているほどでな……どうやら合同で戦うと、どうにも動きが悪くなるらしい」

  • FOBにて、ギアーデ連邦の上級士官の会話。レギオンとの戦いが楽になった反面、緊張感などが抜ける弊害が発生していた。




「……これは本当かい?」
「はい、各方面軍のいずれもから、多少の差異はあれど同じような報告が」
「加えて、地球連合将兵と我が国の将兵の間の細かな諍いが起こっているとも」
「……多少のトラブルは起こると見込んでいたけれど、ここまで多いのかな?
 地球連合のことを周知して、積極的な交流などを進めたはずだったけれど」
「将兵の数が多い分だけ、相互理解や教育の徹底が間に合わないと思われます」
「それじゃあ困るんだよ。手を貸してくれているのはありがたいことさ。
 けれど、弱いこっちがまるで拒否するようにふるまうのは冗談では済まされないんだ」
「しかし、時間的な猶予が……」
「冗談では済まされない---そういったよ?」

  • 前線からの報告を受けてエルンストの苦言。

442:弥次郎:2024/07/24(水) 23:43:38 HOST:softbank126036058190.bbtec.net


「全行程完了……神経調和関数正常値。活動電位異常なし。違和感は?」
「……嘘だろ、足が……!?」
「よさそうですね……ですが、2年も失われていた足です。
 幻肢痛や肉体バランスの修正などはまだリハビリが必要ですね」
「ありがとう……ありがとう……!まだ、戦える!」

  • 傷痍軍人を集めた病院にて。送り出す将兵を増やすため、手足や臓器の欠損などをした傷痍軍人が集められ、地球連合の元で治療を受けた。



「はい、スキャンスキャンスキャンと。
 いくらデータを採ってもさらにデータが湧いて来るねぇ」
「よくもまあ、こんな広大な領土を守り抜いているもんだ。
 まあ、これでも小さくなっているらしいがね」
「それでも歴史的建造物が革命騒ぎの後も残っているのは喜ばしいよ」
「まあな……」

  • エクソダスに備え、ギアーデ連邦の都市や建造物などをスキャンして記録していく測量航空機での会話。




「目録の整理が終わらん!全部ひっくり返せとか正気か!?」
「終わらないと持っていった先で所在も数もわからなくなりますってば!」
「わかっているさ!わかっているから文句を言っているんだ!
 古い保管庫の先にまだ隠された保管庫があったとか、30年も勤務していて知らなかったぞ!」

  • エクソダスに向けて、貴重な資料や文献などを運び出す作業を行う図書館にて。目録の作成の時点で既に大仕事であった。



「解体して再構築か……気が遠くなるな」
「うまくばらさないと崩れるからなぁ」
「レンガ一個、支柱一本でもなくしたら大ごとだしな……」
「確かに歴史的建造物だけどさぁ」
「これでも小さい方だから楽らしいぞ。
 大きすぎるものは周辺の建造物ごと岩盤からはがして持っていくらしいしな」
「……スケールが違いすぎる」

  • エクソダスに備え、歴史的建造物の「脱出」のための解体作業を行う現場での会話。ばらして移民船へ運び込むという作業が待ち受けていた。




「こう、なんというか、貴族って色々とか抱えているんだな」
「実家もそんな感じだったな。何百年も前の品が地下深くにあったりしてね……」
「欧州か?」
「ああ……大部分が駄目になっちまったけどなぁ」
「そうか……繰り返させたくはないな」
「んだな」

  • 文明のエクソダスの光景を記録していく地球連合の人員の会話。

443:弥次郎:2024/07/24(水) 23:44:20 HOST:softbank126036058190.bbtec.net

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最終更新:2024年09月14日 14:57