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大陸日本日蘭世界 FFR支援ネタ 偶像after



FFR本土中央高地、豊かな自然に抱かれた高原に立つ一軒の建物、戦艦リシュリューの乗員だった人物が戦後開いた孤児院だ。
その庭には幼い笑い声が木霊する。



「今度はジャンヌママンが鬼だ!」



そう言葉を言う幼子の視線の先には紫衣を纏う銀色の髪の年若い女の姿があった。
幼子たちは笑い声を上げならが年若い女から離れる様に逃げていく。


「私が鬼ですね。容赦はしません。」


些か無表情に女が言い放つと女は声を上げ逃げる幼子たちへ猛追を開始する。
次々に捕まる幼子らだがその顔は皆笑顔だ。
庭の別の場所では頭に角を生やした銀の髪の女、これまた無表情の女が子供ら相手に木製の銃を振るっている。


「たあ!やあ!」

「腰が引けている…!もっと思い切り良く突っ込んで来るんだ…。」

「メリュ母さん覚悟!…きゃあっ!?」

「奇襲で言葉を発するのは愚の骨頂、静かに気づかれずに攻撃するんだ。」


台所ではエプロンを纏う別の銀髪の女が子供らを傍らにオーブンの前にいるがその女性も無表情だ。
しかし子供らは気にする女に纏わりつく。


「マリーお母さん、おやつまだー?」

「もうちょっと待っていてね。もうすぐ焼き上がるから。」









フランス連邦共和国の首都パリのエリゼ宮、そこではあいも変わらず忙しく一兵卒らが働いている。


「マリー様、アナイス様、あれで良かったのでしょうか…?」

「何が?」


書類の海に沈みならがもそれらを尽く撃破しながらマリーと呼ばれた女性は補佐官の声に反応する。
その隣ではアナイスと呼ばれた女性が書類相手に苦戦している。


「我らが指揮官の現世の写し身…それをたかが保育に使うことについてです。」


補佐官は納得していないという様子で口を尖らせる。
それに対しマリーと呼ばれた女性はあっけらかんと言い放つ。

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「いいんじゃない?」

「というかそれがベストよね。」

「それがベストって…。」


マリーの言葉にアナイスが追従、その言葉に補佐官は絶句した。


「我らが指揮官の竜骨を使ったラ・ピュセルを表に出せる訳がないわ。」

「ましてや処分するなど…そしてもしその一部でもOCUやBCに渡ったら?」

「OCUは兎も角、BCは喜々として我らが指揮官の一部を政治に利用するでしょうね。」


マリーやアナイスは言葉を続ける。


「それにたかが保育ではないわ。」

「『リシュリューを母と慕うならば戦争以外にも…少しは母親らしいこともあいつにさせてやってくれ』…。」

「ゼーラント沖を我らが指揮官と共に生き残った御戦友の言葉を無下にはできないわ…それにね。」


マリーは居住まいを正し補佐官の方を向く。


「未来のフランスを、若者達を頼む…これは提督や元帥のご遺言よ…即ち我らが指揮官の御指名でもあらせられるわ…。」

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はい以上になります。転載はご自由にどうぞ。
我らが指揮官の写し身として作られたラ・ピュセル達は表に出せず、さりとて処分も出来ず孤児を育てることが仕事ととなりました。
ですがこれは元帥や提督の遺言にも通じる立派なリシュリューの使命でもあります。

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最終更新:2024年10月01日 18:51