936:194:2024/05/15(水) 23:40:30 HOST:KD106154150210.au-net.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?特別番外編 サードシーズン中のウマ娘達の出来事 その51


赤坂「TKコンビは早くも第三コーナーを抜け、第四コーナーへへ。その後ろ、五バ身程離れてゴーストウィニング」

赤坂「三バ身程離れてライサンゼットエフにマジンスレイド、半バ身離れてエムエスファルコン・フォークゼットにマウスグレネード」

赤坂「少し離れてバーストブレイザー・ディーエーティー・フラクチャー・ハイメタテルミット」

赤坂「二バ身離れて後方集団エムナインレイブン・アシッドイーエクス・ファイアーオメガ・センイチゴウダンの順となっています」


後方で機を伺うゴーストのプレッシャーを感じながら、懸命に大逃げを打つ二人。
三度目の正直、絶対に勝って見せる。その想いと共にターフを駆ける。
とりわけトリーは、有る思いを強く抱いていた。それは・・・

「慕っているツインターボに、今度こそ恩返しをする」

という物だった。


トリー(お姉ちゃんは・・・本当に凄い)

トリー(テイオーさんとの勝負での勝利・・・有馬記念制覇・・・そして、日本ウマ娘初の凱旋門賞制覇)

トリー(どれもツインターボ号だった頃の自分じゃ、逆立ちしても叶える事が出来なかっただろう夢・・・)

トリー(・・・でも、お姉ちゃんはどの戦いでも諦めなかった。想像を絶する努力や諦めない心で、それ等の栄冠を掴んで来た)

トリー(『諦めなければ、夢はきっと叶う』・・・。その事を、お姉ちゃんは自らの走りで証明してくれた)

トリー(なのに・・・そんなお姉ちゃんに、私は・・・何一つお返しが出来ていない・・・!)

トリー(だから・・・この菊花賞を絶対に制して、お姉ちゃんに・・・恩返ししてみせる!!)

937:194:2024/05/15(水) 23:41:00 HOST:KD106154150210.au-net.ne.jp
同じ馬の魂を分け合った存在だからこそ、その想いは強くなっていく。
絶対に譲れない想いと共に第四コーナーを抜け、直線へ。観客達の大歓声をバックに駆け抜けて行く。


南坂「・・・1分32秒5。概ね平均的な通過タイムですね」

ブリッツ「ここまでは概ね順調だが・・・問題は残り半分だな」

ニンスナ『左様。スタミナと脚の消耗に加えて、二度目の坂・・・大逃げにとっては辛いシチュエーションでござるな』

ネイチャ「しかも後ろからゴーストがプレッシャーを掛けているから、更に消耗が加速するわね」

イクノ「・・・ここからが正念場、ですね」

ビーフ「しかもゴーストって、大逃げキラーでもあるじゃないっすか。何か策は無いっすか?」

レインボー「・・・策云々でどうにか出来る相手じゃないわね」

スラテン「しかもこの間のキタちゃんの様なケースも想定しているだろうから・・・」

ターボ「もー!さっきから聞いていたらネガティブな言葉ばかりじゃないか!!ターボ達がトリー達を信じないでどうする!!」

マチタン「・・・ターボの言う通りだね。二人とも頑張れー!!」


暗い方向へと行きがちだった思考を無理矢理振り払い、声を張り上げて声援を送るチームメンバー達。
第一・第二コーナーを抜けて向こう正面へ。少しずつ息が上がり、脚も重くなっていく。
それ等に抗いながら走り続け、二度目の第三コーナーへ。後方集団との差が少しずつ縮まっていく。
そして・・・第三コーナーを抜けた直後にゴーストが仕掛けた。

938:194:2024/05/15(水) 23:41:35 HOST:KD106154150210.au-net.ne.jp
赤坂「ゴーストウィニング、第三コーナーを抜けた直後にスパートを掛ける!既に第四コーナーに入ったTKコンビとの差を急速に詰めていく!」

赤坂「対する二人もラストスパート!懸命の粘りを見せる!」

赤坂「レースは終盤!果たして勝利の栄冠を掴むのはターフの亡霊か!!それともTKコンビか!!」


最後の攻防に、観客達は俄然ヒートアップ。推しのウマ娘にあらん限りの声援を送る。
そして三人は、それぞれの思いを抱きながら懸命にターフを駆け抜ける。


ゴースト(・・・確かに、秋華賞では不覚を取った。でも、だからこそ同じ轍は踏まない!)

ゴースト(仮に同じ事態が起こっても・・・この距離とスピードなら、必ず競り勝てる!!クラシック三冠制覇・・・絶対に成し遂げる!!)

カナ(クソッ!!既に全部の力を出しとる、ゾーンも発動しとる!やが・・・それでも届かんというのか・・・!?)

トリー(・・・このままじゃ、日本ダービーの二の舞にッ!でも・・・もう余力が・・・!!ここまでなの・・・!?)


更に鋭さを増したゴーストの走りに、絶望が心を覆うとした・・・その時だった。


ターボ「負けるな!!二人共!!」

トリー(・・・お姉ちゃん!?)

ターボ「絶対に諦めるな!!諦めさえしなければ、どんな困難も越えられる!!ターボも越える事が出来たんだ!!お前達も越えれる筈だ!!」


ターボの必死の声援に、トリーの心を覆うとしていた絶望が打ち払われていく。
同時に、トリーは改めて自らの想いを強くしていく。


トリー(・・・そうだ。お姉ちゃんは・・・決して諦めなかった・・・!!)

トリー(諦めずに立ち向かって・・・数々の夢を叶えて来た・・・!!)

トリー(なのに・・・こんな所で諦めてどうする、トリプルターボ!!)

トリー(私は諦めない!!お姉ちゃん達に恩を返す為にも・・・!!)

トリー(絶対に・・・絶対に勝つ!!)

939:194:2024/05/15(水) 23:42:08 HOST:KD106154150210.au-net.ne.jp
そう強く思うと同時に、体を覆う光が身体の中心へと収束していく。
そして・・・その光が轟音と共に砕け散った。


カナ(トリー!?あれがキタとダイヤが言っていた現象か!?何て加速や!?)

カナ(クッ・・・!?何故や!?何故ウチは・・・何も出来へんのや!!)

ゴースト(・・・やはりそれが起きたか!でも、この距離と速度なら・・・残り10mで追い抜ける!!)


歯噛みするカナとは対象に、想定の内とばかりに更に加速するゴースト。
だが・・・この直後に起こった現象に驚愕する。
トリーの身体が、スー〇ーサ〇ヤ人の物と瓜二つなオーラに覆われ、更にトリーが加速していくではないか。


ゴースト(ちょ!?更にレース中に成長するとか、反則にも程が有るよ!?)

ゴースト(だけど負けない!!鞍上や主さんの為にも!!)


トリー「あああああああああああああ!!!!!」

ゴースト「はあああああああああああ!!!!!」


急加速していく二人に、カナはジリジリと引き離されていく。
追いかけようにも、既にスタミナも体力も残されていない。


カナ(・・・そんな・・・こんな展開・・・・・無茶苦茶やろ・・・)

カナ(また・・・また『置いて行かれる』んか・・・?前世の時の様に・・・・・?)

カナ(嫌や・・・!ウチを・・・ウチを置いて行かんでくれ・・・・・!)


悲痛な思いを浮かべるカナ。だが、その想いがトリーとゴーストに届く事は無い。
徐々に離れていく二人の背を、カナは涙を浮かべながら見る事しか出来なかった。


赤坂「残り200でトリプルターボが急加速!!後続を引き離す!!だがゴーストもそうはさせじと、懸命に追いかける!!」

赤坂「あと100!!少しずつ差が縮まって来たと思いきや、トリプルターボが再び突き放す!!負けじとゴーストウィニングも差を詰める!!」

赤坂「両者ほぼ同時にゴォォォォォォル!!どちらが1着か、此処からでは判断不能です!!三着はカナリハヤイネン!!」


大歓声と共に、両者がほぼ同時にゴール。写真判定へと縺れ込む。
果たしてどちらが勝利したのか。その答えが出るのは、もう少しだけ掛かりそうだった。

940:194:2024/05/15(水) 23:42:38 HOST:KD106154150210.au-net.ne.jp
以上です。レースの結果まで行きたかったですが、これ以上は長くなりすぎるので一旦ここで切る事に。楽しみにしていた方々、本当に申し訳ないorz
さて、今回は土壇場でトリーが覚醒。キタサンを上回るパワーアップ振りでゴースト相手に一歩も引かない状態に。
対するゴーストも、全ての力を振り絞ってぶつかり合います。
その一方で、未だその境地に至ってないカナは前世のトラウマが刺激され、悔し涙を流しています。
その辺りの様子とかも、次回で。成るべく早めにお送りしようと考えていますので、楽しみにしていただけたら幸いです。それでは。
wiki掲載は、自由です。

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最終更新:2024年10月06日 08:54