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現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?特別番外編 サードシーズン中のウマ娘達の出来事 その52
ゴールと同時に、トリーがスライディングしながら倒れ込む。全ての力を使い切ったのだ。こうなるのも無理はない。
そのトリーに、ターボ達カノープスメンバー達が駆け寄る。最初に辿り着いたターボが彼女を助け起こす。
ターボ「トリー!しっかりしろ!トリー!」
トリー「ハァ・・・・ハァ・・・・・・・・あれ?お姉ちゃん?」
ターボ「大丈夫か!?どこか痛い所とかは無いか!?」
トリー「・・・というか、途中から記憶が無いんだけど?」
ネイチャ「記憶が無い?」
トリー「はい・・・・・って、レースは!?勝負の結果は!?」
スラテン「まだ分からない。写真判定だって」
ターボ「しかし凄い事になってたぞトリー。体を覆う光が一点に集中したかと思ったら、轟音と共に光が砕け散ったし」
トリー「そうなの?」
ブリッツ「・・・本当に、何も覚えていない様だな」
レインボー「多分あれが、ダイヤが言っていたキタサンに起こった現象でしょうね」
そんな事を話し合うメンバー達。
さて、肝心の結果だが相当な接戦だったのか、なかなか結果が表示されない。
もしかして、同着1位なのか?
皆がそう思ったその時、掲示板に結果が表示された。
Ⅰ ⑭
>3㎜
Ⅱ ③
赤坂「・・・・・トリプルターボだぁぁぁぁぁぁぁ!!!トリプルターボが逃げ切りましたぁぁぁぁぁ!!!」
赤坂「キタサンブラックに続き、トリプルターボがゴーストウィニングに一矢報いました!!!」
赤坂「まさか、まさかの結末!!ゴーストウィニングのクラシック三冠制覇を阻止し、今世初のGⅠを、この菊花賞でもぎ取りました!!!」
191:194:2024/06/11(火) 22:20:59 HOST:KD106154163159.au-net.ne.jp
掲示板の表示された結果に、トリーは最初は呆然とし、そして・・・大粒の涙を流しながら雄たけびを上げた。
トリー「・・・・・!!・・・・・やった!!・・・・・やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ターボ「やったなトリー!!遂にあのゴーストに勝利したんだ!!」
トリー「・・・うん・・・うん!!やっと・・・やっとお姉ちゃんに、恩返しが出来た・・・・・!!」
ターボ「恩返し?」
トリーの言葉の意味が分からず、トリーにその意味を問うターボ。
トリー「・・・今までお姉ちゃんは、沢山の夢・・・ツインターボ号だった頃の私じゃ到底無理だった夢を、沢山見せてくれた」
トリー「『諦めなければ、夢はきっと叶う』。その言葉通り、沢山の夢を見せてくれた」
トリー「テイオーさんとの一騎打ちの末の勝利、有馬記念で勝利してGⅠ初制覇」
トリー「そして・・・・・凱旋門賞の制覇」
トリー「なのに・・・これまでお姉ちゃんに、何一つお返しが出来ていなかった。でも・・・今回、やっとお返しが出来たんだって」
泣きながら、胸の内を語るトリー。
そんなトリーに、ターボは優しく語りかける。
ターボ「そんな事無いぞ、トリー。ターボは既に、十分過ぎる程お返しを貰ってるぞ」
トリー「・・・え?」
ターボ「かつてのトリーはターボ以上に身体が弱くて、度々寝込んでいたよな?」
トリー「う、うん・・・」
ターボ「でもそれ等を乗り越え、いまや一流のウマ娘として頑張ってる。幼い頃から面倒を見ていたターボにとって、これ以上に嬉しい事は他には無いぞ」
ターボ「だから、これからも二人揃って元気に頑張って行こうな」
トリー「お姉ちゃん・・・・・」
ターボ「トリー・・・・・」
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見つめ合う二人。
そこに的確なツッコミを入れる者が。
カナ「・・・・・あー、皆が見ている前で百合百合な世界に入り込まんでくれるかの?」
ターボ「おおぅ!?」
トリー「ひゃっ!?か、カナ!?」
カナ「まぁ何はともあれ、ゴーストに遂に勝ったんや。見事やで、トリー」
そう賞賛するカナ。だが・・・トリーは見逃さなかった。
微かにだが、涙を拭った跡が有るのを。
トリー「カナ・・・・・」
ターボ「カナも三着!よく頑張ったぞ!」
カナ「あんがとの、ターボ。・・・っと、スマン。ちょっとトイレ行って来るわ」
そう言って、その場を立ち去るカナ。
そんなカナを心配し、トリーもカナの後を追う。
トリー「・・・皆ゴメン。私もトイレに」
ターボ「何だ何だ?連れションk」
ゴチーン※SE・クレ〇ン〇んちゃんの拳骨シーン(初代)
ターボ「あいたっ!?ネイチャ何するの!?」
ネイチャ「女の子がそんなはしたない言葉を、言うんじゃ有りません」
ターボ「ネイチャ酷い!!」
193:194:2024/06/11(火) 22:21:59 HOST:KD106154163159.au-net.ne.jp
何時も通りにワイワイするカノープスメンバー達。
一方のゴーストは・・・
竹内「・・・大丈夫か?ゴースト」
ゴースト「・・・ん、大丈夫」
竹内「キタサンブラック以上の進化をレース中に成し遂げるとはな・・・」
ゴースト「・・・まぁ悔しい思いは勿論有るけど・・・それ以上に、闘志がふつふつと湧き上がってるんだ」
竹内「・・・どう言う事だ?」
ゴースト「前世の時は、同じ馬で自分を打ち破る存在は遂に現れなかった。だけど・・・」
ゴースト「ウマ娘・・・かつての名馬の魂を受け継ぐ存在・・・。彼女達は、自分をも撃ち破ってみせた」
ゴースト「スカイやネイチャ・・・キタサンに、そしてトリー・・・。どの娘も本当に強い」
ゴースト「だからこそ、私の全てを賭けて打ち勝ちたい。その想いが止まらないんだ」
ゴースト「だから・・・次の戦いは、絶対に勝ってみせる!」
竹内「・・・そうだな。次の戦いは、必ず勝つぞ」
ゴースト「うん。・・・・・さて」
竹内「ゴースト?」
ゴースト「カナの様子を見に行かないと。様子が変だったから」
さて、そのカナだが・・・・・トイレの手洗いの前で、水を全開で流しながら俯いた状態で佇んでいた。
表情は全く伺い知る事が出来ない。
そこにトリーが。彼女を探していて漸く見つけた様だった。
トリー「・・・カナ」
カナ「・・・!?・・・トリーかいな」
トリー「・・・こんな所に居たんだ」
カナ「・・・どないしたんや、トリー。皆の所におらんでええんか?」
トリー「・・・カナの様子がおかしかったからね。放っておけないよ」
カナ「・・・何の事や?別にウチは」
トリー「・・・嘘。・・・涙を拭った跡が顔に有ったよ」
カナ「・・・流石に隠し事は出来へんか」
トリー「・・・一体どうしたの?・・・負けたのが悔しかったの?」
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そう問いかけるトリーに、カナは少しばかり躊躇いつつも、胸の内を少しずつ話す。
カナ「・・・それも有るが・・・一番の理由は『怖かった』からや」
トリー「怖かった?」
カナ「・・・また、『トリーに置いていかれる』・・・。その事が、本当に怖かったんや」
トリー「・・・・・」
カナ「前世の新馬戦で置いていかれて惨敗して以来・・・ずっと、『トリーに追いつき追い越す』。その事を、何よりの目標としとった」
カナ「せやが・・・現実にはいつもトリーに置いていかれとった。現役引退然り、生涯その物の幕引き然り・・・。そして、今回の急成長」
トリー「カナ・・・」
カナ「また・・・トリーがウチの届かない所へと行ってしまう・・・それが堪らなく悔しく、そして・・・怖かったんや・・・」
暗い表情で、そう語るカナだったが・・・その暗い想いを吹き飛ばす様に、明るい表情を浮かべる。
無理をしているのは明白だった。
カナ「・・・あー、スマンの。せっかくゴーストに初勝利したというのに、辛気臭い事を言ってもうて」
カナ「さ、ウチはもう大丈夫や。そろそろ皆の下に戻ろk」
カナが言い終える前に、トリーがカナの事を抱きしめ、胸に顔を埋めさせる。
これ以上無理をするな。そう言わんばかりに。
カナ「と、トリー!?」
トリー「・・・カナ。これ以上無理はしないで。このままじゃ・・・カナが壊れちゃう」
カナ「な・・・何を言うとるんや!?ウチは無理は」
トリー「・・・カナがそんな思いを抱いていたの、本当に知らなかった。いつも傍に居るのに・・・」
カナ「・・・これは、あくまでウチの個人的な思いや。トリーが気に病む事は」
トリー「・・・カナ」
カナ「・・・な、何や?」
トリー「・・・断言は出来ないけど・・・それでも約束する。カナを置いてけぼりにはしない。独りぼっちになんかさせないって」
トリー「・・・だってカナは、私のライバルであり・・・それ以上に、大切な親友だから・・・」
カナ「・・・全く、本当にお人好しなやっちゃで。・・・スマン、少しだけ・・・胸借りるわ」
トリー「・・・うん」
トリーの胸の中で、カナは無言で涙を流す。
悔しさ・恐怖。様々な思いを込めながらただただ泣いている。
そんなカナの背を、トリーは黙ってさすりながら彼女の想いを受け止めていた。
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どれ位経っただろう。カナが漸く泣き止む。
今までの想いを吐き出して、漸く落ち着いた様だった。
カナ「・・・スマンの。格好悪い所を見せてもうて」
トリー「・・・そんな事無いよ、カナ」
カナ「・・・さて、これ以上皆を待たす訳にはいかんの。行くとするか」
トリー「・・・うん」
そんな二人だったが・・・その様子を見守る影が。それも複数。
ゴースト|д゚)「・・・フム。様子がおかしいとは思っていたけど、何とか立ち直ったみたいだね」※小声&こっそり覗き見している
ブリッツ|Bli・´)「一時はどうなるかと思っておったが、無事立ち直ってホッとしたぞ」※小声&こっそり覗き見している
ゴーストとブリッツの二人だった。カナの様子がおかしいのと帰りが遅いのを気にして探しに来ていたらしい。
その少し後ろでは・・・レインボーと竹内トレーナーが呆れながら二人の事を見ていた。
竹内「・・・あー、二人共。そういう覗き行為は」※小声
レインボー「そうよ。悪趣味よ」※小声
ブリッツ|Bli・´)「何を言う!戦友の心配をするのは、友として当然の事ではないか!」※小声
ゴースト|д゚)「そうそう。とはいえ、流石に見つかる前に退散としますk」※小声
ゴーストが言い切る前に、うっかり(大本営発表)足を滑らせてしまう。
そしてブリッツ共々大きな音を立てて転ぶ羽目に。
当然の事として、カナ達に見つかった。
196:194:2024/06/11(火) 22:23:29 HOST:KD106154163159.au-net.ne.jp
カナ「!?お、おのれ等・・・・・?」
ゴースト|д゚)「・・・や、やぁカナ。元気を取り戻せたようで」
ブリッツ|Bli・´)「・・・そ、そうだぞ!落ち込むとか、貴様らしく無いからな!立ち直って良かったぞ!ハッハッハ!」
そう言って誤魔化そうとする二人だったが・・・
カナが物凄い形相で二人を睨む。
カナ「・・・・・何時から見とった?」
ゴースト|д゚)「・・・トリーがカナの事を見つけた辺りから?」
カナ「・・・ほぼ最初から、と言う訳か?」
ブリッツ|Bli・´)「そ、そうとも言うな・・・・・」
カナの様子に、さしもの二人も冷や汗が止まらない状態に。
カナ「・・・・・れろや・・・」
ゴースト|д゚)「・・・・・え?」
カナ「今見た事、全て忘れろやー!!!」
ブリッツ|Bli・´;)「ま、待たれよカナ!!何だその「100t」と書かれた巨大ハンマーは!?」
カナ「大人しくこれで殴られて、記憶を無くせという事やーーー!!!」
ゴースト|д゚;)「ちょ!?ま!?そんなので殴られたら、記憶どころか命も無くすから!?」
カナ「ええからウチに殴られとけやーーーーー!!!!!」
197:194:2024/06/11(火) 22:23:59 HOST:KD106154163159.au-net.ne.jp
半ば発狂状態となりながら100tハンマーをぶん回すカナと、必死に逃げ惑うゴーストとブリッツ。
少し離れた場所で、呆気に取られている竹内トレーナと
「言わんこっちゃない」
とばかりに片手で顔を覆うレインボー。
そんなカオスな状況に、トリーは乾いた笑いを上げるのだった。
さて、京都競バ場でそんな愉快な展開(大本営発表)が展開されていた頃。
とある山中では・・・・・
一人のウマ娘が、断崖絶壁を命綱を支えに必死によじ登っている。ナンガデッキョンナだ。
彼女は自身のトレーナーである御年70歳の超ベテラントレーナー・柳沢に、付き添いのライスシャワー・ミホノブルボンと共に
山奥にて過酷な特訓に挑んでいた。
アニメ3rdシーズンでキタサンもやっていた、決められたコースを3時間以内に踏破するという内容だった。
遂に断崖絶壁の頂きへと上り詰めるナンガ。同時に、柳沢トレーナーがストップウォッチを止める。
柳沢「・・・2時間58秒40。安定して、3時間を切れる様になったの」
ライス「・・・凄いよナンガちゃん。一月足らずでここまで成長するなんて」
ブルボン「・・・ええ。ここまでの努力の賜物ですね」
ナンガに乞われて付き添いをしていた二人も、手放しで褒めている。
そんな二人に、息が整ったナンガが答える。
ナンガ「・・・・・有難うございます」
ナンガ「だが・・・まだ、まだ足りない!奴は私以上に成長を続けている!更に上を目指さねば・・・!」
そう意気込むナンガだったが・・・
流石に柳沢がストップをかける。
柳沢「待つのじゃ。今回の特訓で相当な負荷をかけ続けておる。現時点では、これ以上の特訓は悪手じゃ」
ナンガ「・・・ですが」
柳沢「千里の道も一歩より、じゃ。まずは天皇賞・秋の制覇。全てはそこからじゃ」
ナンガ「・・・分かりました」
柳沢は駄目と判断したら、梃子でも動かない。
その事をよく知るナンガは、自らの意気込みを引っ込めた。
10月最後のGⅠ、天皇賞・秋。もう一つの戦いが、間もなく幕を開けようとしていた。
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以上です。随分と時間が掛かってしまいました(滝汗)
三度目の正直という事で、見事トリーが菊花賞を制しました。
え?チート過ぎる?いや、ゴースト自身がチートにチートを重ねておりますし(コラ)
??「ゴーストがチートを重ねるなら・・・更なるチートをぶつけるしか無いじゃない!!」
という奴でs←殴
その一方で、トラウマを刺激されて消沈しているカナをトリーが優しく受け止める事に。
それは良いのだけど・・・そのシーンをゴースト達に見られて、恥ずかしさの余り発狂する事に(ヲイ)
まぁ胸に顔を埋めて泣いているのを見られたからね、仕方ないね(マテ)
そしてその裏で、ナンガが凄まじい努力を続けております。アニメでキタサンブラックがやっていた特訓を、
こちらではナンガデッキョンナが行う事に。あ、ご飯の方はアニメ同様お米大盛りですが
流石にブルボンは黒沼トレーナーのジャケットは羽織っていませんよ(汗)。アレは個人的にはやり過ぎと思っているので(汗)
次回は天皇賞・秋の開始直前までの出来事を予定しております。お楽しみに。
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最終更新:2024年10月06日 09:09