501:194:2024/07/04(木) 19:55:30 HOST:KD106154149063.au-net.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?特別番外編 サードシーズン中のウマ娘達の出来事 その53
天皇賞秋。
「秋の古馬三冠競争」とも「中距離の最強馬決定戦」とも称される、このレース。
出走ウマ娘達は当然の様に、最終調整に余念が無い状態。
それは彼女・・・ブリッツカイザーも同じであり、本番同様の2000mの走り込みを丁度行っている所だった。
ゴール板に達し、徐々にスピードを落としていく。立ち止まり、息を整えている彼女に南坂トレーナーが声を掛ける。
南坂「お疲れ様です、ブリッツさん。良い感じに仕上がって来ていますよ」
ブリッツ「そうか。あ奴を・・・ナンガデッキョンナとかいう奴を仕留める準備は整った、といった所か」
自身も手応えを感じていただけに、南坂の言葉に満足そうにするブリッツ。
ブリッツ「時に・・・・・奴の現在の状況は分かったのか?」
南坂「・・・残念ながら。情報を秘匿しているらしく、『山奥で特訓をしていた』という以上の情報は」
ブリッツ「そうか・・・。まぁいい、どれ程の物であろうと必ず撃ち破って見せようぞ!」
そんな会話をしている二人に近付く人影が。別メニューのトレーニングを終えたトリー達であった。
カナ「おう、お疲れさん」
ブリッツ「おお、お疲れだな。カナ」
カナ「これまでに無い位に、気合入っとるのぉ」
ブリッツ「当然であろう!新たなライバルたるナンガデッキョンナとの対決が近づいておるのだ、気合も入ろうという物だ!」
502:194:2024/07/04(木) 19:56:02 HOST:KD106154149063.au-net.ne.jp
トレーニングを終えて和気藹々としている所に、今度はキタサンブラックとサトノダイヤモンドが。
どうやら彼女達も、練習メニューを終えた所の様だ。
キタ「お疲れ様です、皆さん」
ダイヤ「気合が入ってますね、ブリッツさん」
ブリッツ「おお!キタの字とサトの字では無いk」ゴキャリッ
レインボー「何度言ったら分かるの!敬意も何も無い馴れ馴れしい態度はやめろと!・・・本当にスイマセン、ウチのこの馬鹿が」
ビーフ「・・・何度も言うけど、ブリッツの喋り方じゃなくてレインボーの暴力行為の方で引いてるっすよ」
レインボー「あ、あら。お、驚かせてゴメンナサイ。オホホホホ」※笑って誤魔化している
キタ「・・・い、いえ。ブリッツさんの喋り方とかには既に慣れてますから・・・」
ダイヤ「・・・余りブリッツさんに暴力は振るわない方が。怪我でもしたら事ですし・・・」
ブリッツ「・・・ふ、二人の言う通りだぞ。レインボーよ・・・」
レインボー「だったらその喋り方をいい加減改めなさい」
そんな感じでいつも通りの光景(大本営発表)が展開される。
時間はあっという間に過ぎていき・・・遂に天皇賞秋本番を迎える事となる。
503:194:2024/07/04(木) 19:56:32 HOST:KD106154149063.au-net.ne.jp
出走ウマ娘達が一人、また一人とターフへと向かっていく中、ブリッツは一人通路に佇む。
レース前に、ナンガデッキョンナ本人に挨拶の一つでもしようという事か。
二人以外のウマ娘達は全員ターフに。それから程なくして、蹄鉄の音が鳴り響く。最後の一人、ナンガデッキョンナだ。
カツ・・・・・カツ・・・・・カツ・・・・・。
音が徐々に近づいて来る。
いよいよ姿が見えようかという所で、ブリッツが声を掛ける。
ブリッツ「貴様がナンガデッキョンナか。余は」
そこまで喋った所で、ブリッツは息を呑む。
コー・・・・・ハー・・・・・
コー・・・・・ハー・・・・・
呼吸音と共に彼女が姿を見せる。
無駄を極限まで削ぎ落とした、鋭利な刃物の様な肉体。手を伸ばしただけで切れてしまいそうな切れ味を醸し出している。
見る者を射殺し(いころし)かねない程の鋭い眼光。そして・・・
彼女の身体に纏わりつく、毒々しい濃緑色のオーラ。それが、太陽表面のプロミネンスの如く荒れ狂っている。
「鬼神」
そう表現するしかない、超越した存在と化していた。
ブリッツ「・・・・・う」
その雰囲気に呑まれ、思わず呻き声を出すブリッツ。
そして気付く。自身の右手が微かに震えている事を。
その事実に、ブリッツは驚愕する。
ブリッツ(・・・バカな!?余が・・・余が怯えているというのか!?)
そんな彼女を尻目に、ナンガデッキョンナは一歩、また一歩と歩を進め・・・そして。
スッ
ブリッツを躱してターフへと向かうナンガデッキョンナ。
「カナリハヤイネン以外に興味はない」
その事を、この態度がこれ以上無い程に語っていた。
ブリッツ「・・・・・余の事は眼中に無い。・・・・・そう言いたい訳か」
彼女の態度に、ブリッツは静かに怒りと闘争心を燃やす。
右手を握りしめる。震えはピタリと止まった。
ブリッツ「・・・・・良いだろう!貴様のその傲慢、余が木っ端微塵に粉砕してみせようぞ!!」
怒りを込めながら、そう呟くブリッツ。
自らが感じた恐怖を、打ち消そうとする様に。
504:194:2024/07/04(木) 19:57:02 HOST:KD106154149063.au-net.ne.jp
以上です。少々短いですが、天皇賞秋直前の様子でした。
ナンガデッキョンナですが、超越した何かと化しつつ有る様です(汗)。その様子に、ブリッツをしてビビっております。
ですが、見事にスルーされた事には流石に憤慨。改めて闘志を燃やします。
レース前から波乱の展開となっておりますが、果たしてどうなる事やら。それではまた次回。
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10/06 射殺しの読み仮名を追加
最終更新:2024年10月06日 09:19