102 :New ◆QTlJyklQpI:2012/03/18(日) 02:13:07
ネタSS ~次元大戦IF 赤と黒~

1953年、駐留している米軍から日本国への沖縄返還の式典にゲートの向こうの日本帝国を率いる嶋田、辻が参加していた。

「まさか東西陣営が両方とも崩壊寸前とはな」
「まあ、どっちも欲張り過ぎが原因とも言えますし、事実は小説より奇なりとはよく言ったものです」

1950年に終わった次元大戦により、史実世界では共産主義陣営がユーラシア大陸を席捲し
合衆国は消耗した戦力の再編とアメリカ風邪対策に追われ、最後の防波堤と言えた日本、英国
の支援をゲートの向こうの列強各国に要請した。
列強にとっては「知るか、それより賠償金払え」なのだがゲート越しに赤い熊とガチ勝負は勘弁してほしいので
止む無く日本国に日本帝國軍を、英国に英独仏伊が中心の連合軍を派遣することになった。
沈んだ戦艦大和が呉に駐留し、英国にハーケンクロイツが翻る珍妙な光景が出現したが共産主義陣営は意気揚々と
挑発を繰り返し、海上と空中で小競り合いが相次いだ。小競り合いは段々とエスカレートし、さらに
ゲートの向こうの各国を疲弊させるためかアメリカが支援を渋り始めたことで情勢は悪化の一途を辿った。

そんな時に合衆国で新型のアメリカ風邪が発生した。
新型は今までの数倍の感染力を持ち抗生物質を投与する前にあっという間に感染地域を拡大させた。
合衆国は封じ込めを行おうとするも各地で起こった国民のパニックにより対応は後手に回りマヒ状態に陥る。
そこを共産主義陣営は見事に突き、欧州と日本に対し大攻勢に出て第二次次元大戦が勃発。
列強の戦力を拘束している間にバルト海のゲートを潜り向こうの世界のバルト三国に侵攻、橋頭保を築いた。
その後Uボートとドイツを中核にした陸上戦力によってゲートの向こうに追い返し、史実世界の英国に配備した
富嶽爆撃機によるレニングラード空襲によって侵攻を阻止したが第三帝国であまりの損害にシュペーアが悲鳴を上げた。

戦いは再び膠着状態に陥ったがソ連軍の横暴と共産党の徴発や徴兵に欧州の共産主義陣営で暴動や反政府テロが多発、
東アジアでも毛沢東との小競り合いが発生。ソ連は急速に勢力を広げ過ぎた弊害で各地に戦力が拘束され、しかも暴動などには
大半が武力鎮圧を選択し各地で泥沼化、更に共産主義国家からもソ連との距離を置く動きも増え始めた。
共産主義陣営は内部分裂し始めていた。

一方のアメリカも新型アメリカ風邪隔離のために銃口を国民に向けたり、対応の遅さから「向こうのカリフォルニアに倣え」とばかりに
各州が独自路線を選択しようとし合衆国崩壊の危機に陥っていた。更に英国、日本は支援が渋り役に立たない合衆国から距離を置き、
ゲートの向こうの列強と急接近し始め東西陣営が両方とも自壊し始めていた。

「アメリカ風邪用の抗生物質も飛ぶように売れましたし、欧州も民主化の動きが始まってますからもうじき良い市場になるでしょうね」
「あれだけ高値で抗生物質売って置いて・・・・アメリカの外交官がすごい形相で睨んでたぞ?」
「隔離失敗は自己責任ですし、緊急で増産したんですからあの値段は当たり前です。ドイツなんてもっと吹っかけたがってましたよ」

この後、欧州各国では共産党体制が崩壊、後にヨーロッパ連合を結成し日本国と共にゲートの向こうの世界と連携し
国際社会に第三勢力として躍り出る事になる。

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最終更新:2012年03月19日 21:25