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現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?特別番外編 サードシーズン中のウマ娘達の出来事 その54


天皇賞秋本番。
出走するウマ娘達が勢揃いし、各自入念なストレッチを行っている。
今回の出走ウマ娘達は、以下の通りとなっている。

1枠①バルジレーザー
  ②カノンディーゼット
2枠③マルチコプター
  ④メタルショット
3枠⑤バルカンエムツー
  ⑥ラピス
4枠⑦ナンガデッキョンナ
  ⑧マグナムコプター
5枠⑨キラーコプター
  ⑩ビームキャリア
6枠⑪エレクトロンコプタ
  ⑫エスフォールベータ
7枠⑬ブリッツカイザー
  ⑭リムペットガン
8枠⑮リムペットスナイプ
  ⑯スピードスター
9枠⑰ガイデッドビーコン
  ⑱ロボットボム


さて、今回の実況だが・・・何時もの赤坂さんではなく、何故かアオシマバクシンオーの同位体である青山氏が担当する事に。
      • 適正距離外(実況の密度的な意味で)だが、大丈夫だろうか?(ヲイ)


青山「秋空広がるここ東京競バ場。天皇賞秋が、間もなく行われようとしております」

青山「たった一つの栄冠を勝ち取るべく、選び抜かれたウマ娘達が此処に集結。観客席のファン達も、始まりを今か今かと待ち侘びております」

青山「実況は私、青山。解説は武勇隆さんです。よろしくお願いします」

武勇「よろしくお願いします」

青山「今回のレース、武勇さんはどうご覧になられますか?」

武勇「そうですね。一番勢いが有るとみられるのは、因縁の対決で見事リベンジを果たしたブリッツカイザーでしょうか」

武勇「かつての屈辱を乗り越え、新たな道へと進もうとしていますからね。それだけの力が有ると思います」

青山「他に注目するウマ娘は居ますか?」

武勇「後は・・・急激に実力を伸ばしつつあるナンガデッキョンナでしょうか。何と言いますか・・・底が見えないですね」

武勇「もし彼女が自分の思い通りのレースが出来れば、十分に番狂わせも有るでしょう。これは、他のウマ娘達にも言えますが」

青山「そのナンガデッキョンナですが・・・気のせいでしょうか?何やら・・・緑色のオーラみたいなのが見えるのですが・・・」

青山「確かに、武勇さんの言う通り底が見えませんね。どの様なレースとなるか、見守っていきましょう」

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さて、所変わってゲート付近。ストレッチを終えたウマ娘達が、一人、また一人とゲートへと入っていく。
そんな中、ブリッツカイザーもゲートへと入ろうとしていたが・・・どうにも気持ちが落ち着かず、なかなかゲートインしようとしなかった。


レインボー「・・・・・少々様子がおかしいわ」

ターボ「?何がおかしいんだ?」

レインボー「・・・あの娘、前世の頃はあんな風にゲート入りでグズグズする様な事は無かったわ」

カナ「そうなんか?」

レインボー「ええ。前世で何度も戦ったから、その辺りはよく知ってる。・・・何時ものブリッツじゃ無いわね」

トリー「・・・それもだけど」


そう言って、ナンガデッキョンナの方を見るトリー。
映像で見た京都新聞杯の時よりも、更に研ぎ澄まされた彼女の様子に、少なからず気圧されていた。


トリー「彼女・・・ゴーストとは別ベクトルでヤバいオーラが溢れ出ているんだけど」

カナ「・・・ライスさんも『鬼が宿る』と称されとったが、今のアイツはそれ以上かもしれんな」


チームメンバー達がそんな事を話し合っている中、肝心のブリッツは・・・
何度も深呼吸をして落ち着こうとするが・・・胸の中のザワザワとした感触がなかなか消えない。


ブリッツ(・・・・・クッ。一体どうしたというのだ!?余が、此処まで落ち着かぬとは・・・)


係員がゲートインを促す。それにブリッツは


ブリッツ「・・・暫し待たれよ」


と返し・・・・・深呼吸をしながら、無意識の内に自らの尻尾を引っ張っていた。


青山「おや?ブリッツカイザー、自らの尻尾を引っ張って気分を落ち着かせようとしていますね」

武勇「珍しいですね。彼女がその様な事をするのは」


実況席の二人が戸惑う。そして、戸惑う以上の反応を、レインボーロードが見せていた。


レインボー「ブリッツ!?」

ネイチャ「ど、どうしたの?」

レインボー「あの娘があんな事をするなんて!?一体どうしちゃったの!?」

ニンスナ『・・・そ、そんなに珍しい事でござるか?彼女らしくない、と言えばそうかもしれないでござるが』

レインボー「・・・あんな行動、前世では一度も無かった。どんな相手が来ようと、威風堂々とした態度で戦っていたのに!」

マチタン「・・・これって、まさか」

イクノ「・・・あの娘、ナンガデッキョンナの気に呑まれているのかもしれませんね」

カナ「・・・これは今回のレース、荒れに荒れるかもしれんのぉ」

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予想外な展開の連続に、チームメンバー達も戸惑い始める。
ともあれ、何とか気分が落ち着いたのか、ブリッツもゲートイン。漸く態勢が整った。


青山「さぁ、ブリッツカイザーが漸くゲートインし、態勢が整いました」


ガッチャン


青山「さぁ始まりました天皇賞秋!栄冠を手にするのは果たしてどのウマ娘か!?」

青山「まずハナを切ったのはスピードスター!!ぐんぐんと差を広げ・・・・・これは、大逃げだ!」

青山「スピードスター、イチかバチかの大逃げです!いきなり勝負に出ました!」

青山「そこから六バ身程離れて先頭集団、ガイデッドビーコン・バルジレーザー・エスフォールベータ」

青山「一バ身離れてカノンディーゼット・リムペットスナイプ・リムペッドガン・ブリッツカイザーは此処」

青山「更に二バ身離れてビームキャリア・エレクトロンコプタ・マルチコプター・ロボットボム・ナンガデッキョンナは此処」

青山「三バ身離れて後方集団。メタルショット・バルカンエムツー・ラピス・キラーコプター・マグナムコプターとなっております」


集団の丁度中間の位置へと付けたブリッツ。背中にナンガデッキョンナのプレッシャーをヒシヒシと感じながら、懸命にひた走っていた。


ブリッツ(・・・・・何というプレッシャーだ。距離を離して尚、これ程の気迫を感じるとは)

ブリッツ(だが・・・余は勝つと誓った!皆が見ている前で、無様な姿は晒せない!!)


プレッシャーを必死に跳ね除けながら、機を伺うブリッツ。
向こう正面の直線を抜け、第三コーナーへと進んでいく。


南坂「・・・58秒90。まずまずのペースですが・・・」

スラテン「ブリッツちゃん・・・かなり苦しそうな顔をしてる・・・」

ニンスナ『明らかに強烈なプレッシャーを感じているでござるな・・・』

マチタン「大丈夫かな?無用な消耗をしてないといいけど・・・」

ターボ「弱気になるな!!ブリッツなら勝てる!!応援するんだ!!」

ビーフ「そうっすね!頑張れー!ブリッツ―!」

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必死にエールを送る仲間達。観客達も推しのウマ娘へと大きな歓声を送る。
そして1200m近辺・・・間もなく最終コーナーへと入ろうかという所で、ブリッツが仕掛ける。


ブリッツ(・・・此処だ!!)


深々と踏み込み、溜めていた力を解放。次々と前方のウマ娘達を追い抜いていく。


青山「ブリッツカイザー此処で仕掛けた!!一気に急加速!!次々と追い抜いていく!!」

青山「最終コーナーを抜け最後の直線!!先頭は以前としてスピードスター!!しかしスタミナ切れか!?スピードが落ちてきている!!」

青山「スピードスター懸命に逃げる!!ブリッツカイザーが急速に距離を詰めていく!!捉えるか!!捉えるのか!!」

スピード「・・・クハッ!?・・・むぅりぃぃぃぃぃ!!!」

青山「躱した!!ブリッツカイザーが躱し先頭に!!このまm」


其処まで叫んだ所で、青山氏が信じられない光景を目にする。
見ると、大外からナンガデッキョンナが物凄いスピードで追い上げて来たのだ。


青山「お、大外から!!ナンガデッキョンナだ!!ナンガデッキョンナが追い込んで来ている!!とんでもない速度で追い込んで来ている!!」


濃緑色のオーラを激しく燃え上がらせながら迫るナンガデッキョンナの姿に、ブリッツは驚愕する。


ブリッツ(・・・クッ!何という追い込みだ!だが・・・負けない!雷帝の名に懸けて、貴様を倒す!!)


青山「ナンガデッキョンナが迫る!!ブリッツカイザーが必死に逃げる!!追い付くのか!!逃げ切るのか!!」

青山「200を切った!!ナンガデッキョンナが追い上げる!!ブリッツカイザーが懸命に逃げる!!」

青山「勝つのは雷帝か!!それとも濃緑色の暴風か!!二人が並び立とうとしている!!」

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激しいデッドヒートに観客達のボルテージもマックスに。
だが・・・それ等の声はナンガデッキョンナに届いていない。彼女はただひたすら、前だけを見ていた。


ナンガ(・・・負けない!!)

ナンガ(あの日、アタシは誓った・・・!!奴に・・・カナリハヤイネンに勝つと!!)

ナンガ(こんな所で・・・・・こんな連中相手に・・・・・)


遂に両者が並び立つ。そして・・・ブリッツは見た。
彼女の身体から、激しいオーラが燃え上がるのを。


ブリッツ「・・・・・ッ!?」

ナンガ「負けてなんか、いられるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


青山「躱した!!ナンガデッキョンナが躱した!!ブリッツカイザーを躱した!!!!」

青山「ナンガデッキョンナァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」


残り50でブリッツを躱し、見事な逆転勝利。
予想外にも程が有る展開、そして何より彼女の鬼気迫る走りに、観客達も声一つ出せない状態となっていた。


青山「・・・まさか、まさかの結末です。・・・ブリッツカイザー、敗れる・・・」

青山「独逸が誇る雷帝を粉砕したのは、讃岐の国の濃緑色の暴風でした・・・」

青山「鬼気迫る彼女の走りに、観客達も声一つ出せない状態となっております・・・」

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半ば呆然としている状態で、淡々と実況する青山氏。
呆然としているのは、カノープスのメンバー達も同じだった。


レインボー「・・・・・ブリッツ」

カナ「・・・・・な、何やあの無茶苦茶な追い込みは・・・」

トリー「ライスさんどころじゃ無い・・・ゴーストのそれに匹敵するかも・・・」

ターボ「・・・だけど、それでも二位!よく頑張った!」


ターボが必死に褒めようとしているが、今回ばかりはそれで空気が変わる様な事は無かった。
そして肝心のブリッツだが・・・・・膝を付き、呆然とした状態で打ちひしがれていた。
無理も無い。完膚なきまでに敗れたのだ。こうなるのも当然だった。


ブリッツ(・・・・・負けた)

ブリッツ(・・・あの鬼神の如き走り、とても勝てる気がしなかった)


そこまで思い、唐突に彼女は気付く。
傲慢だったのは彼女ではなく、自分自身だったのだと。


ブリッツ(・・・そうか。思い上がっていたのは、余の方だったか・・・)

ブリッツ(その時点で、余に勝ち目はなかった。こうなるのは・・・必然だったか)


負けた要因に自ら思い至る事が出来たブリッツ。彼女は立ち上がり・・・ナンガデッキョンナに惜しみない拍手を送る


ブリッツ「・・・凄まじい追い込みだった。感動したぞ」

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そう語りかけるブリッツに、ナンガデッキョンナは初めて視線を向ける。


ブリッツ「成程、カナを倒す為に凄まじい努力を重ね続けた。本当に大した物だ」

ブリッツ「だが・・・カナを打ち破った余を倒したからと言って、驕らぬ事だな」

ブリッツ「余には分かる。未だGⅠを制覇出来ずに苦しんではおるが・・・そんな所で終わるカナでは無い」

ブリッツ「更なる力を身に付けて、貴様の前に立ち塞がるだろう。覚悟しておくのだな」

ブリッツ「そして余も・・・更なる成長を遂げた上で、次こそは貴様を撃ち倒して見せる!!」


ハッキリそう宣言するブリッツに、不敵な笑みを浮かべるナンガデッキョンナ。
そして・・・初めてブリッツに口を開いた。


ナンガ「・・・・・言ってろ。カナリハヤイネン共々、また粉砕してやる」


そう言って睨み合う両者。観客席では・・・・・
勝手にハードルを爆上げされている状態に、少々(大本営発表)青くなるカナ。

一頻り睨み合った後、ナンガデッキョンナは視線を観客席へと向ける。
チームカノープスは、所属ウマ娘全員で応援すると聞いている。なので、カナの姿を探す。
幸い?最前列に陣取っていた事も有って直ぐに見つける。そして・・・ハッキリとカナに宣言した。


ナンガ「カナリハヤイネン!!・・・・・有マで全ての決着を付けてやる!!首を洗って待っていろ!!」


そう言って引き揚げていくナンガデッキョンナ。対するカナはと言うと・・・


カナ「・・・何でウチと同期の連中は、こうも化け物揃いなんや?」

ニンスナ『・・・カナ殿、それは本気で言っているでござるか?』

ビーフ「アタシ達に言わせたら、前世の経歴も込々でカナも有り得ない程の化け物っすけど?」

カナ「解せぬ」

トリー「いや、そこは解そうよ(汗)」


こうして、10月のGⅠ戦線は終わりを迎えた。
また新たなライバルの出現にカナが頭を抱える中、GⅠ戦線はいよいよ佳境へ。
カノープスからは、エリザベス女王杯にレインボーロードが。そして・・・
ナイスネイチャがジャパンカップへと挑む事となる。果たして、どの様なドラマが展開されるのか?

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以上です。天皇賞秋の激戦の様子をお届けしました。
え?ライスシャワーの天皇賞秋の展開瓜二つ?君の様な勘の良い(ry←殴
そして改めて、カナに宣戦布告を叩きつけるナンガデッキョンナ。予想を遥かに凌ぐ成長振りに、カナも頭を抱えております(汗)
さて、次回以降ですが・・・ネイチャのジャパンカップの展開は既に浮かんでいる一方で、レインボーのエリザベス女王杯の方は
真白な状態だったり(汗)。はてさて、どうした物か・・・。
次回ですが、この所放置状態だったフォースシーズンの方に移るかもしれません(なお予定は未定(ヲイ))。それでは。
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最終更新:2024年10月06日 09:29