596 自分:弥次郎[sage] 投稿日:2024/08/19(月) 22:10:06 ID:softbank126116160198.bbtec.net [94/163]

憂鬱SRW アポカリプス 境界戦記編証言録「戦場は死を望み、命は散るのみ」



「この四脚タイプがやたら固いうえに火力が高いんだよな……」
「武装にもよるが、大型の兵装を喰らえばアメインでも一撃でやられる。
 それでいてマシンガンらしき武装も数発まともに食らえば擱座させられる。
 おまけに格闘兵装を積んでいることもあって近づいても危険だし、近づくとタックルを繰り出してくる」
「どれも致命傷だな……」
「弱点はないのか?上部装甲とかなら薄そうだが?」
「それはもう試されているが、あまり効果はなかった。
 複数機で飛び掛かって、どれか一機が装甲が薄い部分を撃ち抜けるのをお祈りするしかないな」

  • BAWS製重四脚MTについての対策会議にて。連合からすれば枯れた技術の塊でも、境界惑星から見れば驚異の技術の産物であった。



「威力偵察に出た部隊が、これを目撃したらしい」
「これは……ラジコンか?」
「画像では小さく見えるが、計測された限りでは2メートル以上はあるUAVと推測されている。
 搭載する母機……四脚タイプから発進して、周囲を警戒しているとのことだ」
「そんなものがいたんですか」
「ああ、カモフラージュをした歩兵を容易く見つけて警報を発しながら追撃されたともな。
 陸路でも侵入は楽ではないらしい」

  • 同上。対人も考慮に入れた偵察用UAVを多数運用する日本解放戦線の防衛線は、そもそも接近や偵察さえ難しいものだった。




『予定の砲撃スケジュールを完了、これより長浜へ帰投する』

  • ホワイト・モルフォを操るキリヤ・ノウゼン。奇しくもレギオンに取り込まれていた時と同じような機体で猛威を振るっていた。





「……砲撃が止まった、か?」
「だといいがな……警報を解除、すぐに救助活動に取り掛かるんだ!
 くそ、また基地が潰された……!」

  • 800ミリレールガンの洗礼を浴びる北米同盟軍。重厚な要塞と縦深の向こうからの一方的な砲撃になすすべはなく、犠牲は積み上がるばかりであった。




「佐渡ヶ島奪還の方針はまだ決まらんのか?」
「まだですね。解放戦線によって制圧されたという情報がやっと届いたくらいで、あとは徹底した海域封鎖とジャミングで情勢が窺えません。
 上層部は強行作戦も考えているようですが、現場としてはそちらに気をとられるのは危険だという声が大きいので」
「……黒部ダムに続いて側面の佐渡をとられたのは痛いな。多方面作戦を強いられれば物量差で押し負ける」
「戦略的に見ても、あちらは正面か側面のどちらかで必ずフリーハンドを得られる分、非常に優位に立っています」
「色気を出して両方奪還しようとか考えているんじゃないだろうな……?」

  • 北陸および日本海方面を担当する司令部基地での会議。



「これが向こうの人型兵器……アメインとは違うんですか?」
「そうらしい。大きさこそ小さいが、スペックはアメインのよりもはるかに優れている。
 キルレシオは考えない方がいいくらいには酷いとのことだ」
「……それをこれだけ鹵獲できたってことは」
「ああ……途方もない数の犠牲が出た。
 これが『壁』や砲陣地突破のカギになるとは言われているが、納得はしがたいな」


  • ニコイチ、サンコイチで戦力化されているType-2000シリーズACを見ながら、北米同盟軍関係者。

597 自分:弥次郎[sage] 投稿日:2024/08/19(月) 22:11:51 ID:softbank126116160198.bbtec.net [95/163]

「要塞砲を舐めるなよ!」
「撃てば当たるぞ、撃て!」
「大型四脚タイプ、撃破!次を狙え!」

  • 北海道まで後退した北米同盟軍および日本政府、冬将軍と人民の盾で稼いだ時間で五稜郭を要塞化し、徹底抗戦の構えをとった。



「背水の陣だ、やるっきゃない!」
「これだけの要塞だ、早々落ちるわけがない!」
「やってやる……!」

  • 北米同盟軍の兵士たちの会話。数秒後、800ミリ砲弾により要塞の一角ごと吹き飛ぶことになる。



「モルフォだ……モルフォの砲撃だ!」
「なんだと!?連中、ここまで移動させてきたというのか、あの巨大な列車砲を!?」
「……ありえない話ではないでしょう。
 主要な線路や高速道路のクリアリングと補強さえ済ませれば、ここまで高速で移動させることもできるのかと」
「『壁』を一日で数十キロ以上敷設する解放戦線のことだ、出来ない事ではないだろうな」

  • 五稜郭の司令部にて。展開力は低いとみなされていたモルフォがいつの間にか北海道にまでやってきていることに恐怖しかなかった。


「北の寒さは一段と厳しいな……」
「稼働時間にも影響が出ているとのことです」
「あちらも同じだと信じたいが……期待はできそうにないな」

  • アメイン部隊内部での会話。アメインさえも油断すれば凍り付く環境のため、運用には大きな枷がはめられていた。


「諦めたくはないが積極的に戦いたくもない……」
「戦いつかれてたな……」
「ゲティスバーグで友人が死んじまったしな……」

  • 同上。異常気象や立て続けの敗戦もあって、北米同盟や新日本協力機構内部には厭戦気分が沸き上がっていた。

598 自分:弥次郎[sage] 投稿日:2024/08/19(月) 22:12:25 ID:softbank126116160198.bbtec.net [96/163]
以上、wiki転載はご自由に。

境界戦記の惑星で起こっていたであろうことを、ちょいちょいと。

前半はゲティスバーグ前、後半は北海道まで逃げた後ですね。
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最終更新:2024年10月14日 11:46