215 :名無しさん:2012/03/19(月) 14:48:46




――――――美少女元帥の憂鬱~第2話~――――――



で、でかい……!まさかこれほどとは………!

巡視船“りゅうきゅう”の船長,、いやこの海域に駆け付けたすべての巡視船の乗組員がそう思ったであろう。

なにしろ幅30km、高さ10kmにもなるのだ!枠と思われる部分はまるで水晶のようなものでできているように見える。

近海で操業中だった多数の漁船から巨大な構造物が突如出現したとの報せを受け、海上保安庁第11管区海上保安本部の全巡視船で駆け付けたのだ。

「一体.....何なんでしょうね…….。」
「一見すると、門のような形にも見えるが……。」

たしかに門のようにも見える。
だがこちら側(沖縄本島の側)からみれば門の向こうには海と空が広がっているが、反対側は門の枠と同じ水晶のようなものの壁でおおわれている。

(さしずめ、異世界への門といったところか?だが異世界だったら一体どういうところだ
?海と空は地球と全く変わらないように見える。)

「門の向こうはどうなっているんでしょうね…..。」
「さあな…..海と空に見えるがどうなっているかはわからん。」
「漁船からの報告では音もなく突然現れたようです。」
「突然現れたのなら、突然消えることもあるかもしれん。
とりあえず、遠巻きに監視を行う。」
「ん!? 船長っ!門の向こう側に軍艦が見えます!!」
「何?軍艦だと?」
「はい。門の向こう側より、こちらへ向かっています。」

たしかに軍艦だった。海自のあたご型や米海軍のアーレイ・バーク級駆逐艦に似ているようにも見える。
だがその艦はそれらより大きく、また艤装がそれらとは違った。前部に装備している砲塔は一見すると海自も採用している62口径5インチ砲に見えるが、砲身が角ばっていて普通の砲には見えない。
また、艦中央部に装備している対艦用と思われる2基のミサイル発射管は6連装だ。海自や米海軍には6連装のミサイル発射管は無い。
さらに、艦の側面にはいくつものレーダーのようなものが設置されている。

「不明艦より信号!『貴船の所属を報せ』」
「何!? 国際信号法に基づいた信号を送ってきただと!?」

(ますます訳が分からなくなってきたぞ…….。)

「不明艦へ信号『当船は日本国海上保安庁巡視船“りゅうきゅう”。貴艦の所属を報されたし。』」

『当艦は大日本帝国海軍駆逐艦初雪』

「何!?大日本帝国海軍だと!!」
「ば、馬鹿な!?一体何を言っているんだ!?」

だが前方の、あたごに似た軍艦はたしかに初雪と名乗っている。そして大日本帝国と名乗っている。

(一体……何が起こっているんだ…….?)

この報せは直ちに首相官邸まで届けられた。ちなみに政権を担当しているのは“ルーピー”と言われている人物である…..。

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最終更新:2012年03月19日 22:01