443 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2024/10/21(月) 01:15:23 ID:p826096-ipxg03001akita.akita.ocn.ne.jp [64/150]
憂鬱大陸スパロボ アポカリプス期
1793惑星 ロゼシナリオ舞台導入
1793惑星は現地時代の1795年に至る頃には世界大戦による地獄が顕現していた。切っ掛けは当該惑星に
対して外宇宙から入植を開始した超合衆国が現地で起きていた革命を支持して戦力を投入した事に
起因する。
超合衆国の主力兵器であるKMF及びその類似兵器は、現地戦力では止める事が不可能であった事から、
陸路でフランスから繋がるスペイン、イタリア、オーストリアを電撃戦にて瞬く間に制圧。
航空艦隊の威容と合わせて多くの国々の戦意を喪失させると共に周辺国を革命の渦へと飲み込んで行った。
当時、同惑星でも大国として名前の挙がるオスマン帝国、ロシア帝国、大英帝国はこの革命の渦に対抗
したものの、KMFに対抗する兵器の開発や飛行艦艇を迎撃する有効な方法も存在しない事から、抵抗は
散発的なものとなっており、1795年を迎える頃には、当方はキーウ、クリミア半島にまで侵攻を許した他
エジプトが陥落、北米にはヌーベルフランスの再構築とアラスカに於ける超合衆国租界の形成が成功する
まで居に至っていた。
大量の資源及び勢力圏を獲得するに至った超合衆国は、その勢力を維持する為の現地合衆国の建国を決定、
合衆国フランス、合衆国ヌーベルフランスなどの地域に租界と共に国土を維持する為の戦力構築が行われ
いた。主力となったのは旧式化して久しいパンツァーフンメルであったが、未だに前時代的な兵器を主力と
する現地軍に対しては充分に有効であったとされている。
この星に大きな転機を齎したのはネオブリタニアの出現である。ネオブリタニアを名乗る彼等は、この星の
帝政勢力に対して援助を申し入れた他、超合衆国に対抗である戦力の供給を開始したのである。
ガレスをベースとしたネオブリタニア式のKMFモドキと言えるアイスリップは操縦の難易度を下げるべく
操縦支援プログラムと複座式を採用して、運用難易度を低下させつつも火力面では超合衆国が主力とする
パンツァーフンメルを超える火力を有しており、各地で劣勢を挽回し同時に提供された航空艦隊と相まって
一気に戦況を拮抗状態へと回復したのである。
其れだけでなく、ネオブリタニアは各国へと新しい植民地を手に入れる先として星の海を越えた人の居る
惑星を提示、侵略された被害者であった彼等もまた、新たな侵略者として星の海を越え始めたのである。
同時にコレは現地の惑星の許容量を超えた人員投入による戦争の拡大を示していた。
外部から投入した戦力で更に人員の増した戦列歩兵を含む勢力は大多数を徴兵した人間が占めていた物の
充分に戦力としては及第点と言え、制圧した地域に寄っては寄り高い機械知識を持つ人間も存在した事
から急速に混在化することになった多種多様な人材を組み込む事で軍を維持する形となっている。
そして、後年には思想的に赤くなる筈だったワルシャワは現在、戦火によって赤く染まっていた。
一度は旧ポーランド全土制圧下超合衆国で有ったが、ネオブリタニアの助力がロシア帝国にも入った
事に寄って現在の戦線はワルシャワまで押し返されており、ビスワ川を挟んで両軍は巨大な戦列歩兵を
並べて撃ち合うという惨状を延々と維持していた。
一発の砲弾がアイスリップを撃ち抜いたと思えば次の瞬間には対岸に存在するパンツァーフンメルが
閃光によって吹き飛ぶ。上空に於いては飛行艦艇敵艦へと砲火を加えているがお互いに強力な防御
装置を備えている事から、小口径砲による迎撃に重点を置いた両軍の艦は致命傷を与えるには火力が
足りて居なかったのである。
444 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2024/10/21(月) 01:16:18 ID:p826096-ipxg03001akita.akita.ocn.ne.jp [65/150]
そして、後方に陣取った各師団の旗艦となる艦にはそれぞれ指揮官が座上しており、戦況を伺っていた。
艦内には戦場で慣らされる行進曲が掛けられており、学が無い兵士でも大凡現在何をやるかを把握
出来るようにしていた。
「第87師団に前進を命令しろ、左翼が崩れかけている。」
「将軍、騎兵連隊から出撃の上申が…」
「まだ動かすな、前線の橋の一部が崩れている。止まった所を狙い撃ちにされるぞ!」
状況が細かく推移ししていく中を大本営を任されていたミハイルは盤上に置かれた駒の動きと艦艇の
カメラを連動した動きで戦局の推移を確認していた。現状に於いては戦線はロシア帝国優位に傾いて
おり、戦線の中心と成っていたビスワ川を越えてロシア帝国側の歩兵連隊が進出、合衆国フランスを
中核とした戦列は徐々に崩れを見せている。
「将軍。河川の突破に成功。ビスワを越えワジェンキに足を踏み入れましたぞ!」
「よし、騎兵連隊へと伝達、直ちに…」
「将軍、先行していた艦からの通信です。合衆国軍後方に同軍旗艦とは違う艦が現れたと報告が…」
伝令がその言葉を伝えるが早いか、次の瞬間には隣を航行していたカールレオン級に長距離からの攻撃
が直撃して貫通、直後に艦は爆炎に飲み込まれた事で消滅した。続いて、左翼を指揮する為に離れて飛んで
居た艦も同様の攻撃が突き刺さり、閃光に包まれた。
その光景が目前で展開されるに当たってミハイルは全軍に対して後退を指示するも、その司令は少し遅い
物となっていた。
同時に、それを無視して前に出た部隊も存在していたのである。それはネオブリタニアから派遣された
部隊であった。見るとロシア帝国が抜けた穴を埋める様に部隊を展開しており更に前進を続けてフランス軍
を崩している。又、後続のネオブリタニア部隊が戦列歩兵を押し出してしまっており後退が難しい状況に
陥っている。この状況には思わずミハイルも抗議の通信をネオブリタニア側へといれた。
「何をしている。このままではわが軍が撤退できなくなる!」
『撤退?この状況で何を言っている、状況は我が方に有利!ここで撤退等あり得ない!』
「フランス軍の後方に現れた艦は得体が知れない今までに見た事が無い物だ、危険すぎる!」
『その程度で臆するなど騎士の名折れ!戦果を挙げてこそのネオブリタニアよ!』
「勝手にしろ!しかし、この事は確り報告させて貰うからな!」
そう通信を切るとミハイルは改めてネオブリタニア軍が展開を始めているエリアを迂回する様に指示を
出しながらモニターを睨んでいた。既に川を越えたネオブリタニアの部隊は既に川を大きく超えて、
フランス軍側が展開していた対岸を大きく浸食していたが、ある時を境にして次々とその反応が
消え始めた。モニターを艦外に設置した望遠カメラに変えた時、彼の目に映ったのは悪夢の様な光景
であった。
445 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2024/10/21(月) 01:20:34 ID:p826096-ipxg03001akita.akita.ocn.ne.jp [66/150]
快進撃を続けていたネオブリタニアの前へと未確認艦…連合軍の強襲艦が前方へと展開していた。
強襲艦の下部からは既に連合では旧式化しているMSであるザクの小隊3機が眼前へと展開、射撃を開始
したのである。
『隊長!あの機体って連合の…』
『撃てば当たるんだ怯むなぁ!ここで引けば処刑は免れんぞ!』
その言葉と共にカムデン隊による射撃が開始されるも、大型のミサイルやハドロン砲が直撃するも
意に介する様子は無く、対してザク側からの射撃は苛烈であった。ザクの有する120㎜マシンガンは
KMFのグレネード等の数倍のサイズの砲弾を射出する為のマシンガンである。その一撃の直撃の危険性は
言うまでもなく、至近弾を受けた機体はそのまま手足をもがれて擱座し、ザクの進行方向にある機体は
そのまま踏みつぶされる運命をたどる事となった。
しかし、失敗は死で償わされる場合の多いネオブリタニアにあっては後退も又死であり一部のベテラン
部隊は砲撃を掻い潜るとザクへと接近、対KMF向けでも大型の近接武器であるランス取り出してその
足を止めようと近接戦を挑んだのである。
『よし!抜けた!』
『油断するな!確実に行くぞ!』
『騎士の力、舐めるなよ!』
既に建物は崩れており、KMF特有の立体軌道こそ取れない物の、ザクマシンガンの射程を超えた部隊は
一気に距離を詰める事が出来て居りそのランスを振るおうとしたが正面から突貫した部隊は、胸部に
搭載されていた30㎜機関砲によって複数機が沈黙、最後の一機がコックピットを貫こうとランス振るうが
ランスはザクの装甲とKMFの自重でへし折れ、着地した所をザクが近接戦用に抜いたヒートホークに寄って
叩き潰されている。
又、周辺を回り攪乱と後方への回り込みを図った部隊に関しては射出されたSマインの洗礼を浴びた事で
瞬く間に沈黙、ザク周辺には鉄の雨に撃たれた騎士の残骸のみが残る事になったのである。
そうした惨状にも目もくれず降下地点を確保した小隊の合図に寄って、今度は重装型グフ小隊と量産型
ビグザムが降下を開始。残存部隊の掃討の為に砲撃を開始した。
その惨状をモニターから最後まで見ていたミハイルはネオブリタニア所属のログレスに量産型ビグザムの
砲撃が着弾した光景を見た後にモニターを消し、手元にあったカップを引き寄せると既に冷えた飲み物を
煽った。
「だから言っただろうに愚か者共め、今の戦では何が起こるか分からないのは解っているだろうに…」
そう呟いた言葉は艦内の誰に聞かれるでも無く喧噪の中に消えて行った。
この戦闘に於いては仏露双方の部隊だけでも数万人を喪う被害の結果となったものの、昨今のこの惑星に
於ける戦線被害としては寧ろ少ない部類と言うのが今次大戦に於ける異常さの一端を示している物の
既に感覚がマヒし、人が数字にしかならない状況に於いて各国共に気にも留めない結果に至っている。
446 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2024/10/21(月) 01:21:27 ID:p826096-ipxg03001akita.akita.ocn.ne.jp [67/150]
以上です。WIKIへの転載は自由です。取り敢えずはシナリオ導入と大体
どんな戦場かの簡単な風景をば…
最終更新:2024年12月15日 17:09