銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようです 幕間 画面外の彼らその1


ケース・悪意なき悪意の彼らの場合



「なんでアメリカ行きの便を取れないんだ!?」

「ヨーロッパも空いてるハズでしょ!?」


成田空港のカウンターにイライラとした声の怒声が飛ぶ。
その声の主は日本に見切りをつけ国外に脱出しようとしている野党議員やら運動家やら学者やらその手の思想の日本人らだ。
現在成田空港や各地の国際路線のある空港は日本を脱出しようとする外国人や日本人…、
そして過半である成田発の便で国内旅行予定だった日本人で溢れかえっているが現在外国人は兎も角日本人の席など無い。
各国航空会社とも自国民優先、当たり前のことであるが人道軽視だと喚いている。
まあ、通常便の締切りに間に合った者もいるが大半は脱出しようとしている日本人らの手荷物には貴金属や脱出先の外貨で溢れている。
加え、本人らの考えならば日本という国はこれで終わる。結果紙切れになる筈の日本円、それの比率が一番多いのは滑稽だった。

そんな者らを他所に戦況を映すジャックされた日本の公営放送を流す画面の前には人だかりが出来、
その見つめる先の画面の中ではカボチャ頭の救世主が反省を促すダンスを踊っている。


『これが人の輝き!人の力だ!』

『我らが、我々こそがガンダムだ!!』


人類の闇の具現化の様な創作の仮面も核テロリストも人の輝きと希望を賛歌する言葉を紡ぎカボチャ頭の救世主と共に踊っている。


『これを見ている皆も一緒に歌って踊って!』

『皆の応援がベアー号達の力になるんだ!』


その画面の前では正月休みに合わせ海外旅行や帰省するはずだった親子もおり、カボチャ頭の救世主に促された日本人の幼い子供が辿々しく歌いながら踊り、子供に促され親も踊り始めた。
踊りが、歌が広がるに合わせ画面の中の蜘蛛の化け物は苦しげに呻き、巨大なロボットが優勢となっていく。
その様に怒りを覚えた男は…近くの子供を蹴り飛ばしていた。
何度も何度も子供を踏みつけると突如として乾いた音ともに脇腹に痛みを感じ倒れ込む。


「…警察だ。暴行の現行犯で逮捕する!」


拳銃の銃口より硝煙を立ち上らせ刑事と思しき男、そして機動隊がロビーに流れ込む。
突如のことに狼狽えるばかりの運動家達だが少ししばかり落ち着きを取り戻すと国家権力の横暴などいつもの社会正義という名の棍棒を物理的に振り上げた。
少し考えれば分かることだがこの状況でそんなことをすればどうなるか…そう、鎮圧だ。
刑事に撃たれた男と同じ集団と見做され公権力の正当なる暴力の対象となった。

雑にスタン兵器などを撃ち込まれ大人しくさせられるとそのまま引っ張られていく。
そしてまだ残っていた者らは泣き喚き始める。
俺は私は悪くない誰彼がしたから、斯様な言葉など通じるものか。
撃たれた男も雑に抱えられ連れて行かれていく。
その間も反省を促すダンスは終わらない。彼らは文字通り反省を促されたのだ、物理的に。

辛うじて脱出した者達の行く末の多くは安寧なものではなかった。
現在一部の国を除き日本人は排斥されているという事実も忘れ新型コロナウイルス蔓延前と同じ考えで国外へと渡った結果。

959 名前:635[sage] 投稿日:2024/12/18(水) 06:51:02 ID:119-171-231-135.rev.home.ne.jp [16/17]

住民に襲われ貴金属や金は奪われ、妻や娘を犯されるという事件が多発した。
命があればいい方で殺される場合も少なくない、いや殺された方がマシかもしれない。
所持していたものは奪われ着の身着のまま放り出された日本人、それも現地の風俗も常識知らぬ者に何が出来るか?
そして襲われた日本人に対し現地は冷淡だった。
現地に居た日本人や企業のほとんどは日本本土へと引き揚げており現地からすれば金も出さず逃げた余所者、
金の切れ目が縁の切れ目との言葉通り縁が切れた相手だ。
助けを求められても唾を吐かれるか石以て追われるばかり現地警察にそのまま突き出されるケースも存在した。
大使館もあるが機能は絞り必要最低限の人員しかおらず助けは期待できない。
詰まる所、彼らは日本を出た、いや出ようとした時点で詰んでいた。
現地で今まで通りの生活しながら日本への不満の気勢を上げるというのは夢物語でしかない。





「これは復興の為に税金を上げなければなりませんな!」


所変わり北海道オホーツク海沿岸のホテル。
一人の言葉に全員がそうだと気勢を上げるのは財務省の高官達。
年末の省の慰安旅行に来ていた彼らは旅先で奈良と京都の事件を知った。
両古都を襲った甚大な被害、それに伴い膨大な復興予算が必要と話し合う。
これをネタにどれだけ絞れるかティ連の支援でどれだけ予算を削れるかを話し合う。
税金をより多く取り予算をより多く削るこれが省是であり省の存在理由と思っている節がある。
それを成した者が上に行けるのだからそれが常識になるのも当然であろう。

加え今回の被害を盾にハイクァーンの管理権限を奪取、政府は元より銀河連合日本より主導権を得る皮算用までしている。
防衛費削減は演習結果と向こう側の歴史から尽く潰され、向こう側の歴史から財務省不要論まで噴出している。
日本という国の根幹を成すと自惚れるからすれば許し難いこと。
ここで増税と予算削減で汚名挽回、名誉返上をと叫ぶ者までいる。


「我々の提案した機甲科と特科を廃し普通科の対戦車ミサイルのみという計画を潰してくれましたからなあ!」

「普通の国ならばあり得るかもしれないが本土で戦車や大砲使う様な状況など発生する訳もないというのに!」


そんな身勝手なことを叫び来ることのない夢想の未来に祝杯を上げる彼ら。
そんな者らを他所にここに映らない公共放送にはJアラートによる露太平洋艦隊の出撃と北海道侵攻の可能性の示唆が流れている。
衛星軌道艦隊からの露太平洋艦隊の出撃とシステムによる北海道侵攻の可能性の示唆により政府命令により確保した公共放送より緊急的に流したものだ。
スマートフォンの通知も鳴ったが気にすることなく酒を煽る彼ら。
もう少しで自分の身一つで戦車と相対すれば良いという自分らの計画を実証出来るのだから彼らも本望だろう。

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最終更新:2024年12月18日 18:35