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【世界最終戦論】著:石原莞爾

本書は1940年(昭和15年)5月に京都で行われた「人類の歴史終わらんとす」の講演内容が元になっている。立命館大学教授の田中直吉によって筆記され、9月に立命館出版部より初版が発行された。1942年(昭和17年)に立命館の初版の内容に加えて『「世界最終戦論」に関する質疑回答』、『戦争史大観』、『戦争史大観の由来期』を含めた著作として新正堂から出版された。



本書の構成は以下のようになっている。

第一章 戦争史の大観
欧米戦史の変遷と戦争の性質(持久戦争、決戦戦争)について書かれている。

第二章 最終戦争
最終戦争での戦闘の様子について書かれている。

第三章 武力均衡
相互確証破壊の概念と、最終戦争の前に起こる大量破壊兵器を向け合う膠着状態について書かれている。

第四章 均衡の崩壊
膠着状態が破れ、実際に大量破壊兵器を用いるまでの予想される経緯が数パターンの仮説で書かれている。

第五章 戦争の予言
最終戦争で使われる大量破壊兵器の数量や威力、予測される被害等を過去の経済・軍事的推移から推測し、数パターンの仮説で書かれている。



本書は、過去の戦争で投入された兵器の射程や火力が増加していく傾向から、将来的に、都市一つを容易に破壊できる破壊力を地球の裏側まで届かせることのできる最終兵器が登場すると予測し、その最終兵器を複数の列強諸国が保有した場合に起こり得る事態を仮説として書いている。
大量破壊兵器の詳細な性能についての言及こそ無いものの、過去のデータやグラフを用いて兵器の性能や破壊力の推移を予測し、その威力や予想被害を数パターンに分類して各々が使われた場合の結果を予想している。

この内容は、後の核兵器と弾道ミサイルの登場、そして核抑止による冷戦状態を予言していたと名高い。

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最終更新:2024年12月31日 11:48