110:モントゴメリー:2024/09/04(水) 00:02:21 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
MAT82短機関銃
口径:10mm
銃身長:250mm
使用弾薬:10x25mm フランセーズ・オート弾
装弾数:32/20発着脱式箱型弾倉
作動方式ストレート・ブローバック式オープンボルト
全長:480/720mm
重量:約4kg(マガジン無し)
発射速度:600発/分
有効射程:約150~200m

【概要】
MAT 82は、MAT(Manufacture Nationale d'Armes de Tulle:チュール造兵廠)で設計された、フランス連邦共和国(以下FFR)の短機関銃である。
10x25mm フランセーズ・オート弾(10x25mm Français Auto)の採用を前提としており、短機関銃としては絶大な火力を有する。

【開発】
「暗黒の30年」が終わり、FFRが「暁の20年」と呼ばれる高度経済成長期に入る頃、FFR各軍でも装備更新が急ピッチで進められたことは以前にも述べた。
その流れで開発されたのがフランセーズ・オート弾である。
そして弾薬はそれ単体では効果を発揮せず、対応する銃器が存在して初めて運用できるものであるのは自明の理である。
そこで陸軍では新世代の新型短機関銃の採用を計画し、チュール造兵廠に開発を命じて完成したのが本銃である。
MAS50という“FFRの魂”と呼ぶべき銃器を設計したサン=テティエンヌ造兵廠の影に隠れがちであるがMATも数百年の歴史を誇る銃器設計の名門である。
MATは名門の復活をかけて本銃の設計に邁進した。

111:モントゴメリー:2024/09/04(水) 00:02:55 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【構造】
MATは設計に当たり、以下の基本方針を設定した。

  • 生産性を重視し安価な銃とすること
  • 信頼性と整備性を高い水準で両立させること
  • その上で操作性にも配慮する事

これらの項目を達成するため、基本構造は量産に適したプレス加工を多用し作動方式はシンプルブローバック方式・オープンボルト撃発を採用している。
これは短機関銃としては一般的な方式であるが、精度の確保が困難である。
“100m先の敵の眼球を狙撃できる”というドイツ帝国が開発したMP5短機関銃が示した「高精度な短機関銃」という新時代の潮流に逆行しているのであるが、それに対するFFRの回答は単純明快であった。

「射撃精度はエラン・ヴィタールで補えば良い」

である。
…とはいえこれはフランス流冗句が半分である(つまり半分は本気である)。
そもそもFFRの哲学として、短機関銃で狙撃をすることは“邪道”である。
狙撃をしたいのであれば、FFRにはMAS50というこの上なく頼りになる「相棒」がいるのだ。
彼に任せれば良い。
短機関銃の運用とは安価に弾をばら撒くことである。
そしてその哲学に則れば、MAT82は何の問題も無かった。

信頼性や整備性を向上させるため、構造は単純であり部品数も少ない。
また、同様の理由で他国の短機関銃のような単射/連射切り替え機能がなくフルオート射撃だけである。
コッキングハンドルは銃の左側面にあり、射撃中は動かず前方にとどまる。
ピストル式グリップの後部にグリップセーフティーが装備され、しっかり握らないと射撃できない。
このグリップセーフティーは本銃で唯一の安全装置である。
銃床と弾倉部は前方に折り畳むことが可能であり、より持ち運びしやすい形となる。

銃身が拳銃よりも長くなったので初速が1割ほど増加している。
運動エネルギーもそれに呼応して増大しており、約1250ジュールとなった。
この大威力弾薬を使用し射撃時の安定性を確保するため、銃本体の重量は4㎏とMP5の3割増しとなっている。
(MAS50と比較してもこちらの方が若干重い)

【運用】
MAT82は制式採用後即座にFFR各所に普及した。
陸軍では歩兵部隊のみならず戦車兵の護身用装備として(空軍の飛行士でも同様)、海軍でも艦内戦闘用の主要装備となった。
また特徴である価格の安さからフランス国内軍でも人気となり、財政的に余裕の少ない地方の自治体では市街地の部隊においてはMAS50よりも装備数が多いという事態が発生した。
(正規兵よりも練度が低い国内軍兵士には弾幕を張れる本銃の方が適しているという評価も関係している)
また民間市場での売れ行きも好調であり、特に女性の購買層に好まれた。

112:モントゴメリー:2024/09/04(水) 00:03:27 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
以上です。
ウィキ掲載は自由です。
10㎜フランセーズ・オート弾を以前発表しましたが、それを使う銃器がまだでしたのでこちらをご用意しました。

ちなみに、代表的な短機関銃&PDWとの比較

  • MP5:約500ジュール
  • MP7:約450ジュール
  • FN P90:約550ジュール
  • MAT82:約1250ジュール

流石に5.56㎜の約1600ジュールには届きませんでしたね…。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2024年12月31日 12:22