179:戦車の人:2024/09/07(土) 00:41:17 HOST:61-24-203-31.rev.home.ne.jp
【大陸化日本-BMDを含む本土防空】

列島時代から陸海空自衛隊は、その国土防空にはかなりの努力を払い、世界水準で見ても高い能力を有していた。
防空の主体となる航空自衛隊のJADGEシステムは、多数の防空レーダーと指揮所、方面高射群を光ファイバ等で接続。
警戒能力と冗長性双方で優秀な能力を達成しており、そこにE-767やE-2D等が空からの捜索・管制手段として支援を行う。

ハード・キル手段としてのSAMシステムも合衆国製のペトリオットミサイル、そのライセンス生産と改良を長きに渡り継続。
対航空機・巡航ミサイル用にGEM+弾、弾道弾迎撃用にPAC3MSEという、およそペトリオットシリーズの最新を揃えつつあった。
戦闘機もF-15Jの半数がPre-MSIPではあるが、それ以外は逐次近代化ないしF-35A等、最新機材の調達配備に努めている。

何より特筆するべきは、近年03式中SAM系列の性能改善等により、やはり能力向上を継続している陸自高射特科群。
列島時代同時に8隻のイージス護衛艦、4隻の僚艦防空能力護衛艦を含む海自護衛艦隊と、情報をリアルタイムで共有。
特に対弾道ミサイル防衛においては完全な共同交戦能力を構築し、IRBMまでなら阻止可能な能力を手にしつつあった。


大陸化した後の自衛隊の装備や編成の概要は一部触れたが、ここでは陸海空の防空システム関係について深く触れてゆきたい。
まず80箇所以上に増大した警戒群。つまりレーダーサイトは全てJ/FPS-5ないしJ/FPS-7、その双方の改良型に更新されていた。
言うまでもなく弾道ミサイル追尾、捕捉能力を完全に有しており、それ以外の高速・ステルス飛しょう体への警戒能力も高い。

各航空方面隊直轄に存在する移動警戒隊も10個部隊に増強され、やはり対弾道ミサイル追尾能力を持つJ/TPS-102Aに更新。
4個飛行隊に増大したE-767早期警戒管制機、12個飛行隊に増大したE-2D早期警戒機と併せ、まことに分厚い警戒網である。
各方面高射群の規模も3-4倍程度に増大しており、ミサイルのみならず射撃管制レーダ・情報処理装置もConfig3以降に刷新。

これを補う陸自高射特科群も部隊数で3倍ほどに増大し、中SAMは対HGV・SRBM迎撃能力を付与された先進型に置き換わっていた。
海自水上艦隊の防空能力の充実ぶりは先に述べたとおりであり、戦闘機も地味にF-15J全てがMSIP仕様なのが有難い話である。
だが陸海空自衛隊を最も喜ばせたのは、列島時代は配備に失敗したイージス・アショアシステムが、全国10箇所に存在したことだった。

180:戦車の人:2024/09/07(土) 00:41:58 HOST:61-24-203-31.rev.home.ne.jp
【艦隊人員にも干天の慈雨】

誰もがご承知のようにイージス・アショアは防衛省側の測量ミス、秋田県や山口県など地元への説得不手際で配備に失敗した。
そのために既に予算を組み、導入の決定していたSPY-7レーダとイージス・システムを用い、大型イージス艦建造さえ決心されたことも。
しかし最新システムを移植した大型イージス艦とは言え、船舶である以上、展開可能な時間は有限で、建造数も2隻のみであった。

そこにイージス防空システムのみを陸上に移植し、少数人員による運用が可能で、海上と異なり要員交代が容易な陸上システム。
それが北海道に2箇所、本州に5箇所、九州に2箇所、沖縄に1箇所と、当初計画の5倍もの数が機能していたのである。
無論、SM-3Block2AやSM-6を収めたVLSとセットであり、陸海空自衛隊の既存防空システムと、共同交戦能力を達成した上で。

大雑把に言ってしまえば最新ベースラインのイージス艦が10隻、本土に固定され24時間常に監視を行っているようなものである。
これにより対弾道ミサイル・巡航ミサイルなどへの対応能力は飛躍的に向上し、何より海自水上艦のBMD負担を大幅に軽減した。
確かに海自水上艦隊は協力であるが、相応に大量の人員を必要とし、汎用護衛艦等は相当数をモスボールを余儀なくされた。


何しろ列島時代は停泊、入渠している艦から乗員を抽出して、実働艦の乗員を補い、書類上の充足率を補うレベルだったのだ。
航空護衛艦の数が4隻と必要最低限に抑え、隊員数が5倍に増大しても、充足率は嘗てほどではないがさほど余裕もなかった。
だがイージス・アショアシステムが10箇所も常時稼働可能なら、極論すれば航空護衛隊群配備の艦以外、モスボールしても大きな問題はない。

流石にそこまで極端には触れなかったものの、4個航空護衛隊群必要分24隻。それを除外した残余イージス護衛艦16隻。
その半数がモスボール化され、残る8隻が4交代でイージス・アショアの補完を行う形で、BMD任務に就くことで、一定の人員余裕を獲得。
これにより本土沿岸部警戒は、やはり中SAM改良型の艦載版さえ搭載する、省力化FFMに完全に移行することが決定された。

無論、人間が作り上げたものである以上、完璧というわけにはゆかないが、情報収集・通信衛星を含め、現実的な人員数で回せる。
その上で最大限の防空能力を本土に提供することに成功したのは、概ね間違いのない事実である。
なお余り触れなかった戦闘機だが、F-2後継機は完全な国産開発体制であり、既にF-3として正式化され2個飛行隊が部隊配備されている。

182:戦車の人:2024/09/07(土) 00:44:01 HOST:61-24-203-31.rev.home.ne.jp
以上となります、ウィキへの転載はご自由に。
最近の海自艦艇の人員不足などを考えて、どうしても250名は必要なイージス艦。
それが40隻もいたらパンクするかなあというのも考えながら、こんなの作ってみました。

史実に比べ10年程度進んだ技術を用いたら、アショア結構行けるんじゃないでしょうか。
基地設営場所についても国土面積が10倍なので、列島時代よりは遥かに容易でしょうし。

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最終更新:2024年12月31日 13:00