596:冷石:2024/05/02(木) 16:10:09 HOST:M014011193161.v4.enabler.ne.jp


  二人はキュアドリ


オーブ連合の日本列島内の伊豆地方修善寺温泉近くの田んぼの真ん中の田舎道
一台の男女が2人乗りした自転車が軽快に走っている。
男女の年齢が高校生くらいならよくある光景と気に留める人もいなかっただろうが
その男女は、男が50前後、女性が(ピー)歳前といった風情、仲の良い夫婦といった感じで
それを見た人たちは微笑ましく見送っていた。

「カントリーロード~♪」

男が歌う歌声を後ろに乗る女が穏やかな表情で聞いている。
歌い終わると女は男に

「いい曲ですわね、『カントリーロード』というんですの」

「ええ、西暦のころの日本の映画で似たようなシチュエーションで歌われた曲ですよ」

「ふふ、そうですか」

「ところで、ちょっと腕に力を入れすぎじゃないですか『エザリア』さん」

「ふふ、とうぜんですわ。『当てているのですもの』」

ころころと女、「エザリア・嶋田」が笑う

「でも意外ですわね、あなたにそんな可愛い所があるなんて。もっと慣れていると思いましたわ」

「男というものは、いくつになっても純情なんですよ」

「そうですか」

「そうですよ」

そんな穏やかな時間が流れている。
ところで先にエザリアを「エザリア・嶋田」と書いたが、それは間違いではない。
実は先日二人は結婚して入籍したのだ、そして今は新婚旅行で伊豆に来ている
激務でお疲れの嶋田は趣味であった温泉旅行を新婚旅行にえらび、エザリアもそれに否とは言わなかった。

(しかしまさかこの歳で結婚しかも初婚をするとは思わなかったな、それもエザリアさんと)

嶋田はこうなったいきさつを思い出す。

597:冷石:2024/05/02(木) 16:11:41 HOST:M014011193161.v4.enabler.ne.jp

ある日反ナチュラル派を一掃したこともあり嫌がらせで仕事を振ってくるものが減ったため余裕をもって終電に間に合いそうな時間で仕事を切り上げた。
嶋田さんは議長官邸を出る直前にプラント評議会議長親衛隊隊長であるイザーク・ジュールに呼び止められる。

「やあ、イザーク中佐。どうしましたか?」

「嶋田さん、ちょっと付き合ってもらえませんか。それほどお時間は取らせません」

彼の妻シホとの結婚に力を貸したこともありそれなりにイザークとは仲の良い嶋田はちょっと首をかしげる
終電に余裕があるとはいえそれなりに遅い時間だもう少し早ければ夕食を共にするところだが

「わかりました、それでどこにしますか?」

「私の行きつけのバーでお話ししましょう」

「わかりました」

そしてイザークが待機させていたタクシーに乗り彼の行きつけというバーに入る
するとすぐに個室に案内される

(何か人に聞かせられない話でもするのかな)

そんなことを思いつつ嶋田は席に着く
少量のアルコールを飲んだところで嶋田はイザークに話しかける

「今日はどんな話ですか?このようなところでの話という事はまだ確定ではないという話でしょうか」

何やら軍部でおかしな動きでもあるのだろうかと嶋田は思う、この間反対派はある程度潰したとはいえバカはどこにでもいる
だがその場合イザークより身軽なディアッカから話は来ると思うのだが

「いえ、違います。ですが重要な話です」

強い意志を込めた瞳で自分を見やるイザークにどんなことだろうと思いながら彼が口を開くのを嶋田は待つ

「・・・母上とのことです。単刀直入に聞きます。嶋田さんは母上の事をどう思っているのですか?」

いい加減なことを言うのは許さんそんなオーラを出しつつイザークは言葉を紡いだ

意表を突かれた、だが聞かれてもおかしくはないとも思う。
嶋田は真面目に答えるべきと判断する

「憎からずは思っていますよ、それに彼女に好意を抱かれているとも己惚れています
ですが、彼女の想いを受け入れられるかは別です。
私はナチュラルです、今でこそプラントでは融和を訴えてはいますが、アスカ議長が退任した後はわかりません
私の地位はアスカ議長によって保障されているに過ぎないのです。そんな状況でプラントでも名門の彼女に
思いを伝えるわけにはいきません。とりあえず、アスカ議長の最長任期が終了する4年後その時にプラントの人の心がどうなっているかわかるまでは・・・ずるくはありますが。それが今の私の気持ちです」

「そうですか、少し安心はしましたが
そのような態度を取られるというのであれば私と母上は官邸に詰めている者すべてと評議会議員の全てアスカ議長ルナマリア次席秘書官の仕事をすべて嶋田首席秘書官に回すことを全権力を使ってもすることを否定することができない事を否定することができないと言わざるを得ないことを肯定することにやぶさかではないと言わざるを得ません」

とイザークは早口で一気にまくしたてる

(それって拒否することできないって言ってるも同然じゃないか)

かつてアメリカの西部開拓時代に開拓民のカウボーイは娘に手を出した男にショットガンを突きつけ娘と教会に送ったという
これを「ショットガンマリッジ」という。

「返事は?」

「・・・今度エザリアさんにプロポーズさせていただきます」

スーパーチート嶋田さん敗北の瞬間であった

598:冷石:2024/05/02(木) 16:12:11 HOST:M014011193161.v4.enabler.ne.jp
(まったく強引というかなんというか)
結婚までのいきさつを思い出しそんなことを思う、ため息をつかなかったのは「まあいいか」と思っているからだろう
いやむしろ悪い気はしない、エザリアさんは玉に引くような姿見せるが美人だし
幸せになるならいいかと思い嶋田はペダルをこぐ

しかしそんな幸せな形で終わることをエザリアさんとは違うベクトルで嶋田さんを愛する神(私)が許すはずもなかった

キーン

そんな音がこちらに後方上空から向かっているのに気付き後方を見やる。すると結構大きい人工衛星の破片がこちらに向かっていた
間違いなく自分に直撃する直感スキルB(自身の回避できない不幸に対してのみEX)が発動思想判断した。

「エザリアさん降りるか、私にしっかりつかまってください1」

「え」

一瞬ぽかんとした声が上がったがすぐにギュッとエザリアはしがみついた
(あ、結構大きい)などと思ったが、全力でペダルをこぐ足に力を入れる

時速100㎞は出ただろう、ドリフトなどテクニックを駆使して人工衛星を撒こうと試みるが無駄な努力、一直線に最短距離で嶋田に向かってくる

(神様、あなたやっぱり私のこと嫌いなんですね!)

そう叫ぼうと思った瞬間、某世界の立川でバカンスをしているパンチの男とロン毛の男、そしてやたらデカイ太った男が
一点の曇りのない笑顔でサムズアップしてる姿を幻視した気がした。

チュド~~ン!!!

人工衛星は地球に衝突した。だが被害にあったのは男女二人だけだったという。


あとがき
とりあえずガンダムスレの予告で書いた二人はキュアドリ第一話でございます
雲やっぱり嶋田さんは不幸が似合う。エザリアさん難儀な男に惚れた自分を恨んでね

感想お待ちしております。冷石でした。

599:冷石:2024/05/02(木) 16:14:23 HOST:M014011193161.v4.enabler.ne.jp
とりあえずアップです
エザリアさんの胸が大きいのは私の趣味です
ええ、多数派の犬と呼ばれようが構いません大きいОPはいいのです。

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最終更新:2025年01月26日 19:58