784:冷石:2024/05/05(日) 05:54:11 HOST:M014011193161.v4.enabler.ne.jp
ありえない並行世界の憂鬱
僕、ユウハ・ザラ・アスハは、あの二人が去ったあと、救急車を呼ぶため電話を入れ、目印となるために現場に立っていた。
ノエルというメイドの少女の“変形”した右手のマシンガンから放たれた弾丸はゴム弾だったようで。掃射され気を失っている男たちから出血は見受けられない。だが相当のダメージを負っているようで倒れている男たちは気を失っていた。
自己紹介をしよう僕の名はユウハ・ザラ・アスハ。表舞台から引いたとはいえ今なおオーブ連合国民の敬愛を集めるカガリ・ユラ・アスハと、幾多の戦いで活躍して英雄とも言われるアスラン・ザラ・アスハとの間に生まれた子供だ。
そんな僕がなぜ今オーブ連合ではなくプラントの首都にいるかというと、簡単に言えば留学してきたからだ。
理由は簡単、偉大過ぎる両親を持つ子供が持つ苦労を軽減するという母の配慮だ。
母、カガリの息子というだけでいろいろと色眼鏡で見られて歪んだりしないかと、ああ見えて子煩悩な母らしい配慮だった。
父はそのくらいで潰れてどうすると言う考えで留学には反対だったが、家庭内ヒエラルキー上位の母に勝てるはずもなく最終的に納得したようだった。
正直言えばありがたかった、僕は一言でいえば両親ほど優秀ではないからだ。
一般的には優秀な部類には入るだろう。だが、超の付くほどのハイスペックな両親と比べれば見劣りするというのが正直なところだろう。
僕自身それほど気にはしていないが周りが気にし過ぎていた。それを察して母は留学という道を提示してくれたのだろう。正直周囲の反応に辟易していた僕はありがたくそれを受けたのだった。
「あの子は、だからいつも言っているのに」
そんな音楽的なまでに美しい声が聞こえてきた。
僕はそちらを向いて驚いた。そこにはさっきの和服の美少女がたっていたからだ。
だが次の瞬間に別人だと気が付く。着ている服の色が違うというのもあるが、発する雰囲気が違ったからだ。
さっきの彼女は凪いでいる時の湖面のような静かさと冷たさを感じたのだが、今目の前にいる少女からは温かみを感じたのだ。
「そちらの方、妹がご迷惑をおかけしました」
「え。い、いえ、お気になさらずに」
突然話しかけられて、ついそんな要領のえない返事をしてしまう。
「トラブルは避けるよう行動するようにいつも言っているのですが。このようによそ様にご迷惑をかけるなんて。あとで注意する必要がありますね」
「いえ、気にしないでください。時間も押しているようでしたし。僕は気にしていませんから」
「ありがとうございます。そう言っていただけてありがたいです。ですが時間が押していて、ノエルの事を信頼しているとはいえ躊躇なくリスクのある行動をとるのはやめなさいといつも言っているのですが」
ノエル・・・あの時のメイドさんの事だ。右腕をマシンガンに変形させ自らを「嶋田出雲の最高傑作」と称した少女。
「あまり詮索はしないほうがいいですよ。好奇心は猫を殺します」
彼女の事を尋ねようと思ったのを見抜かれたのだろう。そう釘を刺された。
「ここは私が処理しますから、あなたはもう行かれても良いですよ」
「いえ、救急車に連絡を入れたのは僕です。その僕がいないとトラブルのもとになるかもしれません。ですから大丈夫です」
「・・・そうですね、では一緒に待ちましょうか」
「え、でも」
「ふふ、ではどのように説明するのですか?私なら出雲の事のトラブルの説明には慣れています。どうですか」
「わかりました。ではお願いします」
「任されましょう」
そう彼女は微笑んだ。その微笑みに僕はどぎまぎして救急車を待つのだった。
あとがき
とりあえず、姉登場です。
双子がどのような異能を持つかはまだわかりません。
気長にお待ちください。
冷石でした。
785:冷石:2024/05/05(日) 05:59:12 HOST:M014011193161.v4.enabler.ne.jp
とりあえずアップです
姉登場。アスカガJrどぎまぎする。彼の明日はどっちだ
姉のイメージイラストです
ttps://th.bing.com/th/id/OIG3.VKJbkRVYc3XB5QMYRJk_?w=1024&h=1024&rs=1&pid=ImgDetMain
とりあえずイラスト作成AIで作った者ですが、需要があれば今後も上げるかもしれません。
最終更新:2025年01月26日 20:09